令和2年3月定例会

2020年2月21日 江口じゅん子区議

新型コロナウイルス対策

江口じゅん子

まず、新型コロナウイルス対策についてです。

国内感染を拡大させた政府の責任は大変重く、区民の間に不安が広がっています。当区では、二つの電話相談窓口が保健所にあります。電話担当職員は一名のみ配置、相談件数は一月三十日から七百五十二件、一日百十件を超える日もあったと聞きます。区民への正確な情報提供と、対象者への速やかな医療機関誘導は、区内の感染拡大予防につながります。人員体制を含め、コロナウイルス対策について、区の万全の対応を求めるものです。

それでは、質問通告に基づき、日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。

まず、今後の区政運営における区長の基本的姿勢を伺います。

保坂区政三期目初の予算編成となる新年度予算編成案が示されました。中でも、児童相談所やうめとぴあの開設は、区として、子どもの命と最善の利益を守り、区民の健康・福祉向上を実現するべく、数年にわたり取り組んできた大事業です。この間の区長を先頭とした、区の総力を挙げての御努力を高く評価します。また、災害対策では、水害対策強化、また、避難所などへの蓄電池配備など、積極的対策が行われました。車座集会、住民説明会などの区民要望に区として応えられたと評価します。新年度予算案は、おおむね暮らしと特に子育て応援の積極的予算配分がされたものと考えます。一方、今後も人口増が見込まれる中、それに伴う行政需要は増加、複雑化の一途です。新型肺炎に伴う経済影響も予測され、健全で持続可能な財政基盤の確立はますます必要です。

我が党は、これまで財政運営について、三つの方向性を提案してきました。一つ目は、国、都に働きかけた財源確保と、国の不合理な税源収奪への改善を求めること、二つ目は、区民に痛みを伴う従来の行革ではない手法の転換や、簡素で柔軟な執行体制整備などで財源を生み出す行革の推進、三つ目は、計画的な財政運営です。区長は前期、この方向で取り組まれたと認識しています。

昨年、区長選で区長は、憲法で保障されている基本的人権と平和を守るのは自治体の責務、また、国の社会保障政策が後退するとき、区民生活を支えるのも自治体の役割との政治姿勢を示しました。そして、従来からの行政による事業手法の大幅な見直しも続けますとして、「参加と協働のまち せたがや」をつくると公約しました。

新年度予算編成にこれらはどう体現したのか、また、今後の課題及び財政運営の基本的姿勢について、区長の見解を伺います。

保坂 区長

江口議員にお答えをいたします。

まず、新年度予算編成についての基本的な政治姿勢という御質問でございました。

来年度予算案については、災害に備え、地域の力を育む予算として、今年度の補正予算と一続きに連動した災害対策の強化に加えて、二十三区初となる区立児童相談所の開設や、保健医療福祉総合プラザの運営、さらには、災害時の防災拠点ともなる本庁舎整備への本格的な着手など、誰もが安心して暮らせる地域社会を目指す予算として編成したところでございます。

私は、二〇一一年四月――平成二十三年春ですが、区長に就任した直後から、東日本大震災や原発事故、こういったさなかで、災害対策総点検に着手をいたしました。以降、九年の間、多発する集中豪雨に加えて、昨年発生した未曽有の台風被害など、地球規模で気候異変が進んでおり、震災を中心とした災害対策に加えて、風水害を含めた総合的な災害対策として再構築する必要があると痛感をしてきているところでございます。

一方、ふるさと納税による減収はとどまることを知らず、来年度は七十億円にまで達する見込みとなり、区財政の基礎を揺るがす危機的な状況となっていると考えています。今後とも、税源流出の抑制と、寄附や税外収入など、あらゆる税源の確保などの行財政改革に努めるとともに、区民、事業者との参加と協働を進めながら、地域経済と福祉力の向上に努め、持続可能で強固な財政基盤を構築し、九十一万区民が真に必要とする施策の実現を目指してまいります。

ふじみ荘の廃止方針及び副区長を三人とする条例改正案ついて

江口じゅん子

さて、今議会にふじみ荘の廃止方針及び副区長を三人とする条例改正案が提案されました。ふじみ荘に関しては、一方的な廃止の提案に区民理解は得られていません。また、副区長三人体制に現場職員からは、業務増、欠員で現場は疲弊しているのに、司令塔だけふやすのはおかしいなど聞いています。

区長は、この間、区民サービスを細かくカットすることに重点を置く行革ではなく、財政構造、体質を改善する行政手法改革に取り組まれてきたと認識をします。しかし、これらは区長の考える財政運営の基本姿勢から外れているのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

保坂 区長

次に、ふじみ荘の問題、副区長三人制の問題を御質問いただきました。

私は、複雑化、多様化するニーズに対応するため、時代に合った事業手法への転換や、官民の連携、区民、事業者との参加と協働など、さまざまな手法による持続可能な行政運営が必要だと考えてきました。

ふじみ荘の廃止については、多くの意見をいただいていますが、施設が老朽化していることや、高齢者のニーズが時代の変化とともに多様化していることから、廃止を提案しているところです。今後、高齢者の居場所や活動拠点を身近な地域においてつくり出していき、また、活動内容や形態についても、工夫を凝らしてまいりたいと考えています。

また、副区長三人制の導入については、意思決定の迅速化を図るとともに、副区長みずからがより機動的に活動できる体制とすることで、国や都との間の調整事項や、領域を横断する課題を着実かつ円滑に推進することができるよう、区民サービスの向上につながるものと考えてきております。

変化する時代に柔軟に対応し、区民生活をしっかり支えるため、今後も、議会や区民の皆さんの意見を踏まえながら、区民の視点に立った改革に取り組んでいきたいと考えております。

国民健康保険について

江口じゅん子

次に、国民健康保険について伺います。

二月十四日の特別区長会総会で、令和二年度の二十三区統一の基準保険料率が確定しました。一人当たり保険料は、今年度から千二十八円値上げの年間十二万六千二百二円、毎年値上がってきた国保料は、この五年間で約一万五千円も値上がり、生活を圧迫しています。

国保料が高い大きな要因に、人頭税と同じ仕組みの均等割という制度があり、二十三区では今年度、一人当たり五万二千二百円です。全国の自治体では、子育て支援策として、子どもに係る均等割の独自の減免・軽減策が広がっています。区議団調べでは、現在、三十一自治体が実施していました。例えば政令市の仙台市では、十八歳未満の子どもの均等割保険料の三割を減免、都下では、昭島市、東大和市、清瀬市、武蔵村山市が独自の設定で実施をしています。

そこで、都下四市の実態について、各自治体から聞き取りをしました。財源については、その全てが一般会計から賄っていました。また、清瀬市以外の三市では、国保法七十七条などに基づき、市長判断による特別の事情として、子どもの均等割減免を行っていました。それであれば、国保制度改革に伴い、国や都から赤字解消が求められる一般会計の繰り入れとはなりません。

都下四市で実施をされている軽減・減免制度について、制度上可能であるか確認をします。

板谷 保健福祉部長

私からは、国保保険料の減免、軽減の法的整理についてお答えをいたします。

国民健康保険事業会計への法定外繰り入れにつきましては、その使途により、赤字補填目的のものと赤字補填目的外のものに分けられており、このうち、赤字補填目的とされる繰り入れは、平成三十年度から始まった国保制度改革において、計画的、段階的に解消しなければならないとされております。

この赤字補填目的の繰り入れとされるものには、法定の七割、五割、二割軽減以外に、自治体独自で軽減した場合が含まれます。一方、国保法第七十七条に基づき、条例で定めた減免は赤字補填目的外とされており、多子世帯減免を実施するには、新たに条例に規定をする必要があります。

議員お話しの都内四市においては、それぞれの法解釈のもと、制度の範囲内であるとの各自治体の判断により、軽減、減免を実施しているものと認識をしてございます。

以上です。

保育待機児解消について

江口じゅん子

次に、保育待機児解消についてです。

令和二年四月の待機児解消が実現できなかったことは大変残念です。第一次の選考に外れたお母様方から、保育所が決まらなければ死活問題との相談も寄せられています。

二期目の保坂区政の四年間では、約五千人分の保育所整備を行い、待機児を着実に減らしてきました。区民は保育の質にこだわり、認可を中心に待機児解消を目指す当区の取り組みを評価し、期待しています。引き続き、この基本的姿勢のもと、待機児解消をどう実現していくのか伺います。

知久 保育担当部長

私から保育関連に順次御答弁いたします。

まず、待機児解消に向けた区の基本的な姿勢についてお答えいたします。

保育待機児童の解消につきましては、施設整備の計画数に対する未達や、入園申込者数の増加などにより、令和三年四月に繰り延べることとなり、大変申しわけなく思っております。

次期子ども・子育て支援事業計画においては、定員拡大量の大部分を令和二年度からの三カ年に前倒しし、一年目で待機児童の解消、二、三年目で保育需要増への対応と定員弾力化の解消に取り組むこととし、緊急時等のニーズに適切かつ柔軟に対応できる保育環境の構築を目指しているところです。

今後は、待機児童の多い世田谷・北沢地域を中心に、公有地の活用などを含めて施設整備用地の掘り起こしを進め、引き続き、世田谷区が目指す保育の質の確保と定員の拡大を両輪として、認可保育園を中心とした整備に全力で取り組んでまいります。

企業主導型保育所について

江口じゅん子

次に、企業主導型保育所についてです。

令和二年度からの世田谷区子ども計画第二期後期計画案において、保育総定員に認可外の企業主導型保育事業――地域枠を加えることが報告されました。当区の大きな方向転換であり、保育の質は守られるのか、不安を持ちます。

区内では、ここ数年、企業主導型保育所の突然の休園、廃園が続出しました。区は、一連の不祥事、区民生活に多大な影響を与えたと認識を表明しています。さらに、こうした事態は今後も想定されることから、さきの常任委員会に、区内保育施設が突然閉園などした際の区の対応についてという方針をあわせて報告しています。

区は、企業主導型保育事業について、保育の質が担保される見通しが立ったとしていますが、その理由、及び、今後、どう保育の質を担保していくのか。また、四月から企業主導型、無認可保育所の指導監督権限が区に移行されます。これら施設の保育の質を守るための取り組み強化を求め、あわせて見解を伺います。

知久 保育担当部長

次に、企業主導型保育事業の質の確保と、指導権限が移管される認可外への対応についてお答えいたします。

児童相談所の設置により、企業主導型保育事業を含む認可外保育施設の指導権限が区に移管されることから、合計二百園を超える全ての認可外保育施設を対象に巡回指導を実施できるよう、この四月より人員体制を強化してまいります。特に来年度につきましては、基準を満たしていない認可外保育施設が基準を満たし、令和三年四月以降も幼児教育・保育の無償化の対象となるよう、重点的に指導、支援を行ってまいります。また、御指摘の企業主導型保育事業につきましては、計画作成の国の手引きに基づくとともに、今後、その施設の立地や定員等も踏まえつつ、効果的な施設整備につなげていけるよう、次期子ども・子育て支援事業計画より、保育の総定員数にその定員数を含めることといたしました。

御指摘の保育の質につきましては、国は、新規整備や運営に際して、審査・指導基準の厳格化を図るとともに、自治体との連携強化等に取り組むこととしております。また、区におきましても、指導権限の移管に伴い、年一回の巡回指導や意見交換会の実施、保育ネットへの参加促進に加え、新たに区が実施する各種研修に参加できるよう検討するなど、運営事業者と緊密な連携を図りながら、保育の質の維持向上に努めてまいります。

区といたしましては、来年度から認可、認可外全ての保育施設に対する指導、支援を行っていくことになりますので、保護者、事業者、地域とともに、区の保育の質ガイドラインが目指す、子どもを中心とした保育が全ての施設で実践できるよう取り組んでまいります。

以上です。

BOP学童クラブについて

江口じゅん子

最後に、新BOP学童クラブについてです。

今議会でも既に他会派から過密化などの改善を求める質疑が行われ、早急な対応を求めるものです。

この間、指導員の方々からお話を伺いました。来年度、登録児童数が九十五人を超える大規模校は六十一校中四十校になると聞いている、二百名を超えるクラブも複数出ると聞く、現状の二教室分のスペースにBOPの子どもたちも加わり、大変な過密化、学校側も図書室など、共用として提供してくれるが、児童数増加に伴う教室数の不足もあり、これ以上のスペース確保は限界、狭い場所に多数の子どもたちがひしめき合い、落ちつきもなくなるし、トラブルもふえている。また、発達障害や境界児など、支援が必要な子が増加しているにもかかわらず、慢性的な指導員不足で各校一、二名の欠員、区の職員配置基準が守られていない、せっかく体育館があいていても、人手不足で使用できないこともあるというお話でした。現場職員の大きな御努力により、何とか大きな事故がなく運営できている実態です。

我が党は、これまで子どもの安全と放課後の生活の質の確保のため、分割化や正規職員増員などを提案するとともに、抜本的検討を求めてきました。

ここで四点伺います。現状と新BOP学童クラブの質について、どう認識しているか。この四月に二百名前後となる超大規模新BOPについて、どう対応していくのか。来年度、保護者アンケートでは、分割化など、現状改善のための設問設定が必要と考えるが、どのような考えか。最後に、指導員不足について、区はこの間、非常勤職員の時給を上げましたが、効果は乏しい状況です。他区の新BOPまたは民間学童が乱立し、指導員とり合いの中、一層の努力を求め、見解を伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。

皆川 生涯学習部長

 私からは新BOP学童クラブの大規模化への対応について御答弁いたします。

新BOP学童クラブにつきましては、次年度は登録児童数が二百名を超える新BOPが想定されるなど、大規模化、過密化への対応が喫緊の課題となってございます。現在、学校と協力関係を築きながら、専用室のほかにも、校庭、体育館、図書室、多目的ルーム、ランチルーム、特別教室などの学校施設を有効に活用しております。さらに、学校施設の状況に応じて、普通教室の活用につきましても、試行的に新年度の実施に向けて準備を進めているところでございます。また、関係所管との連携を図りながら、改修工事等のタイミングに合わせ、新BOP室を多目的室や図書室に近い場所に配置転換するなどの改善策についても検討しております。さらに、塚戸小や芦花小など、学校の敷地を有効活用した増築棟の建設に加え、隣接区有地を活用した新BOP棟の建設についても進めております。

今後とも、新BOPが放課後の子どもたちの心身ともに健やかな成長を支える場となるよう、教育委員会といたしましても、全力で取り組んでまいります。

以上でございます。

澁田 子ども・若者部長

私からは新BOP学童クラブについて四点お答えいたします。

一点目の現状認識と新BOP学童クラブの質について、二点目の大規模化への対応について、三点目の来年度実施予定のアンケートについて、三点を一括してお答えいたします。

新BOPは、伸び伸びと安心して過ごし、自由な遊びや体験、交流を通じて成長する子どもの放課後の居場所であり、安全な運営や遊びのプログラムなどの質の向上が重要であると認識しております。

この間、活動場所や人材の確保が課題となっており、児童の安全確保や遊びのメニューの充実が図りにくくなっている状況がございます。そのために、教育委員会と連携した、特別教室やランチルーム、図書館などを活用した場所の確保、報酬の増額や、勤務しやすい条件の設定などによる人材の確保の工夫をしてまいりましたが、今後も児童数の増加が予想され、今までの手法だけの解決では困難であり、中長期的な検討が必要であると考えております。

来年度は、延長実施モデル事業の一環で実施いたします全区の新BOP学童クラブ利用の保護者を対象としたアンケートの中で、中長期的な検討の基礎資料となるように、定員を設けず、学校内で実施している現在の新BOP事業に対する運営場所や形態等への意見や、新BOP以外の放課後の居場所や、民間施設の利用意向等についての項目を設け、アンケートの実施と分析を行います。その結果や調査内容を踏まえ、令和三年度以降の新BOP事業の運営方法や課題解決に向けた検討を行い、新BOPの今後の方向性をお示ししてまいります。

最後に、指導員の確保についてお答えいたします。

新BOPが子どもたちの安心できる居場所になるためには、職員がやりがいを持って、生き生きと働ける環境整備に取り組むことが人材の確保育成につながるものと認識しております。そのために、活動場所の確保や、報酬の増額等の処遇改善を図るとともに、新BOPで働くイメージを伝えるため、新BOPでのイベント時の写真を使用したポスターやチラシを作成、配布し、イメージアップを図るとともに、民間のスポーツクラブによる新たな遊びの習得と実践、職員がそれぞれ得意分野を生かしたイベントを企画する機会を設定するなど、職員が自主的かつ意欲的に仕事に取り組める工夫を図っております。

子どもたちの安全の確保や健全育成のために、人員体制の確保と育成は必要不可欠であることから、今後も、人員体制の整備を強化するとともに、新BOPが魅力ある職場となるよう取り組んでまいります。

以上でございます。

江口じゅん子

終わります。

<< 前のページに戻る