令和4年度第2回区議会定例会 一般質問

2022年06月14日 江口じゅん子区議

区長の区政運営の基本姿勢について

江口 じゅん子

質問通告に従い、質問します。

まず、区長の区政運営の基本姿勢です。

今期、我が党は、新自由主義から脱却し、住民福祉の増進という自治体本来の役割を発揮する区政の発展を求め続けてきました。

その立場で、未来つながるプランについて、新実施計画の評価、課題を踏まえ、区政が基軸として据えること、また課題をどう改善するのかなど、議論を重ねてきました。

未来つながるプランでは、誰一人取り残さない社会の構築に向け、健康リスクや災害リスクから生命を守る取組が次の基本計画の基軸とあり、重要な方向性と支持します。さらに、区の基本姿勢として我が党が求めてきた、経済的弱者対策を進める、また、社会保障制度の課題解決含め、区民の暮らしを守る取組を進める、このことが明記されました。

また、この間、保坂区政の重要課題と指摘し続けてきた参加と協働については、今後も一層推進し、情報公開と情報提供の充実をさらに進め、説明責任を果たし、より多様な区民参加を促し、議論を深める。

さらに、行政経営改革については、基本的考えとして、質の確保や低所得者などの配慮の観点を踏まえ、区民の視点に立った改革と明記され、新実施計画後期の十の視点は踏襲されています。

しっかりこの方向を進めるとともに、次期基本計画も見据え、三点要望します。

一点目、まず、政策形成過程からの参加と協働の深化を求めます。

二点目、行政経営改革は、従来型の区民負担増や公的責任を後退させる民間活用推進、区立保育園の統廃合、職員定数減ではなく、区長が実践してきた事業効率化や手法の改革、また、足らざる財源は国、都から引き出すなど、区民に信頼される行政経営改革のさらなる努力を求めます。

三点目、執行体制では、コロナ対応などで区の業務は逼迫し、現状の職員体制では限界です。今年度の保健師八名増員を評価し、計画的人員増へ踏み出していただきたい。

保坂区政三期目の任期も一年を切りました。

区長として、今期の公約はどこまで進み、課題は何と捉えているか。次期基本計画も見据え、残された任期、どうしていくのか、区長の見解を伺います。

保坂区長

江口議員の御質問に答えます。

まず、今期の捉え直し、残された任期についての課題ということでございました。また、松沢病院についてもお尋ねをいただきました。

私は、この三期目に入って、子どもの命と安全を確実に守るという強い決意の下、二十三区初の児童相談所を開設したほか、保健医療福祉拠点のうめとぴあの開設、認知症とともに生きる希望条例の制定など、区民福祉の向上に向けた取組を着実に進めてまいりました。

二〇二〇年一月に新型コロナウイルスが日本に上陸して以来、私自身も長期にわたる健康危機管理の体制に入りました。

二年を超えるコロナ禍で、区民生活や地域経済への大きな影響が続く中、加えてロシアによるウクライナ侵攻などの影響による原油価格や物価高騰が拍車をかけ、区民生活の実態はこれまで以上に厳しい状態にあると認識しております。

この間、区民のコミュニティー活動の縮小など、社会的孤立の加速や、気候危機により激甚化する自然災害への対応など、大きな課題もさらに見えてきていると捉えております。

この難局を乗り越えていくために、経済的に厳しい環境に置かれてきた方々や、特に影響を受ける業種の事業者への支援とともに、住民相互のつながりの強化を図り、健康や災害リスクから命を守る取組を進めていく必要がございます。

区制百周年までの今後の区政を展望する次期基本計画を見据え、デジタル技術を活用して、参加と協働、住民自治を促進し、議論を深めながら、地域経済対策をはじめ、大規模災害などへの備え、必要な取組を進めてまいりたいと思っております。

行政経営改革につきましては、区民の視点に立ちまして、質の確保や低所得者層への配慮の視点も重視して取り組むとともに、区民生活の影響を適切に捉え、社会保障制度の課題解決につながる制度是正に向けた働きかけを国や都に行うなど、九十一万基礎自治体の責務である国民生活を守る取組を不断に進めてまいります。

江口 じゅん子

七月から、都立松沢病院含む全都立・公社病院の独立行政法人化が予定されています。
この間、都議会などへの独法化中止を求める署名は四十万筆を超えました。先日私も、区内駅頭の署名行動で、地域の方々から、松沢に通院しているが、独法化を初めて知った、今後どうなるのか、また、なぜ都直営でなくなるのでしょうかなどなど、疑問、不安が寄せられました。精神障害者家族会の方々からも、患者負担増加や医療の質は守れるのかなど、不安の声を伺っています。

多くの区民は独立行政法人化に納得していません。我が党は、都立・公社病院の独立行政法人化移行に反対します。

区長の区民の声の受け止め、また今後も行政的医療の継続、充実や、専門職確保を含め、医療の質の後退がないよう、都や独立行政法人へ要望していただきたく、併せて区長に伺います。

保坂区長

都立松沢病院につきましては、議員お話しのとおり、独立行政法人化に対する不安の声や、法人化に対する危惧の声の陳情があったことなどを認識しているところであります。地域でも、医療資源として大きな役割を果たしてきた都立松沢病院の存続を願う声として受け止めさせていただきました。

感染症や災害時医療など行政的医療の提供のほか、医療の質の保持や必要な医療人材の確保、増大する医療・介護ニーズに対する地域医療との連携強化など、採算の確保が困難な経費を都が担保し、一層の医療提供体制の充実を図るよう、都に対して強く要望してまいります。

以上です。

予断を許さないコロナ感染症・物価高騰から区民生活を守るについて

江口 じゅん子

次に、予断を許さないコロナ感染症、物価高騰から区民生活を守るのは、当面の区政の最重要課題であり、二点伺います。

まず、大規模検査です。

当区が先進的に取り組んできた社会的検査が国や都を動かし、現在区内六十か所で無症状者対象の無料検査が受検できるようになりました。また、二次補正では、福祉施設、学校などへの随時検査体制維持、抗原定性検査キット追加配布など示され、評価します。

施設、地域の感染・クラスター抑止につながる大規模検査を緩めず、さらなる拡充を求め、伺います。

有馬 保健福祉政策部次長

私からは、大規模検査、さらなる拡充について答弁いたします。

現在区内では、新規感染者は減少傾向にあるものの、一日百二十から百三十名前後、昨年度の同時期の週単位数で比較すると約四・二倍の感染者数で推移しており、依然として予断を許さない状況が続いていると認識しております。

第六波における課題等を踏まえ、社会的検査では、今後の感染拡大に備えるため、抗原定性検査キットを増強するなど、検査体制の見直しを行い、検査を必要とする方へ速やかに検査が実施されるとともに、PCR検査や抗原定性検査の特徴を生かし、その感染状況下における効果的な検査体制を構築できるよう取り組んでまいります。

また、東京都PCR等検査無料化事業に基づく無料検査につきましても、区内の身近な場所で受検できるよう、引き続き民間事業者と連携を図りながら、検査体制の確保に努めてまいります。

今後も区内の感染状況の推移を見定め、検査体制の強化等経済活動の維持促進と、感染予防対策の両面から、状況に応じた検査に取り組んでまいります。

以上でございます。

江口 じゅん子

二点目は、暮らし守る緊急対策です。

特別定額給付金以降、国の給付金対象者は、低所得などの子育て世帯、住民税非課税世帯などに限定されてきました。しかし、急激な物価高騰は、年金生活の高齢者など、低所得者の暮らしを直撃しています。

この間、私の下にも、年金では暮らせず夫婦で働いていたが、タクシー運転手の夫が倒れ入院。生活保護は、基準より少し上の世帯収入で利用できない。国保料は滞納でコロナ減免も使えない。入院費、家賃など工面できない。また、非正規で働いていたが、コロナで雇い止め。メンタル不調も抱え、再就職できない。住宅確保給付金や社協の貸付けで生活をつないでいるなど、相談が増加しています。

生活困窮の実態は見えにくいですが、確実に広がっています。しかし、従来の支援制度では、所得基準より少し上、また、子育て世帯ではないなどの理由で対象外となった困窮層は、利用できる支援がなく、置き去りのままです。さらに、物価高騰が追い打ちをかけています。

経済的弱者対策、また、誰一人取り残さず安心して住み続けられる共生社会は、つながるプランにある区政の基本姿勢です。それにふさわしい、広がった困窮層の生活を下支えする温かい支援が必要です。区独自の給付金など、緊急対策を求め、伺います。

加賀谷 政策経営部長

私からは、緊急対策としての区の取組についてお答えいたします。

新型コロナウイルス感染症による区民生活や地域経済への影響が依然として続いている中、さらには、原油価格、物価高騰は様々な区民の生活に影響を及ぼしており、特に低所得者層においてその影響は大きいものと受け止めております。

区はこれまで、ぷらっとホーム世田谷にて、緊急小口資金等の貸付けや、住宅確保給付金をはじめ、生活困窮者の自立生活に向けた相談支援、子どものいる生活困窮世帯へのお米や商品券の給付など、区民生活の実態を捉えた支援を行ってまいりました。

また、国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策を踏まえ、住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金についても、令和四年度非課税世帯へのプッシュ型による迅速な支給を行うとともに、非課税世帯でない者の家計急変した世帯も含め対応してまいります。

今後、限りある財源の中で、さらなる家庭への負担増、就労関係など、新型コロナや物価高騰が区民生活に与える影響等の把握に努めまして、必要な支援策の実施を検討してまいります。

以上でございます。

環八千歳台交差点のバリアフリーについて

江口 じゅん子

次に、環八千歳台交差点のバリアフリーです。

昨年度、区は、地元町会・自治会などの要望を受け、東京都第二建設事務所や成城警察署にバリアフリー再検討を求める要望書を提出しました。

区の要望書には、当該交差点はバリアフリー化が図られていないことから、高齢者、車椅子、子連れのバギーカーは渡れない、区民からバリアフリー化要望が寄せられている、当区としても重要な課題と考え、実現に向けた取組を進めていきたいなど、明記されています。まさに、この立場で、早期解決に向け、区の積極的役割を求めます。

進捗状況と協議においては、地元の聴取、意向を踏まえ、区の役割を果たすことを求め、伺います。

工藤 土木部長

私からは、環状八号線千歳台交差点のバリアフリーについて御答弁いたします。

環状八号線千歳台交差点におけるバリアフリー化につきましては、整備手法等の再検討を進めるため、新たに都と区の課長級で構成する連絡調整会議を設置することが決定しております。

第一回目の会議は今月十七日に開催される予定です。その会議体の中で、今後、地元要望である一般式の信号による横断歩道設置を含めた整備手法の再検討を行い、交通管理者である警視庁との協議に向けた準備を都とともに進めていく考えです。

区といたしましては、当該交差点のバリアフリー化に向け、地元の理解と協力をいただけるよう、必要な情報提供を行い意見を伺いながら、丁寧に合意形成を図っていくことが何よりも重要であると考えております。

そうしたことから、区としてもできることを都と協議、検討することで、当該交差点におけるバリアフリー化の取組を進めてまいります。

以上です。

教育施策について

江口 じゅん子

次に、不登校対策をはじめとした教育施策について、順次伺います。

不登校児を持つ保護者から、給食費を食べた分だけ払うことはできないのかの御相談が寄せられています。登校時、給食が食べられないことがないよう、給食費を払い続けているが、結局今月は一回も登校しなかった。経済的負担だし、食品ロスにもつながる。また、登校してもその日の状況で給食までいられないことも多く、食べた分だけ払えるようにしてほしいなど、伺いました。

本来、学校給食は、憲法二十六条に義務教育無償が明記されており、完全無償にすべきです。

既に区長は他会派への答弁で、約二十億円の財源が必要となり、財政運営上の大きな負担となるため、慎重な判断すべしと考えてきた、熟慮しながら、しかるべきタイミングで判断と御答弁しています。

区長の御答弁どおり、完全無償化の財源が大きな課題です。我が党は、平成三十年の無償化議論の際も、無償化に向けて、都と共同で進めることを提案してきました。国や都からの財源確保は区政の財政運営の基本の一つです。

七月の参院選では、我が党は、学校給食無償化を掲げ、また各党も給食・教育無償化を公約で掲げています。社会的検査で国を動かしたように、無償化実現のため、区長を先頭に、国などへ働きかけていただきたい。また、参加と協働は区政の根幹であり、つながるプランでも、説明責任を果たし、より多様な区民参加を促し、議論を深めるとあります。

経済情勢は不透明であり、区民生活も格差と貧困が広がっています。子育て、介護、障害など、行政需要は増大の一途です。教育課題は、学校改築など、山積しています。

給食費完全無償化に向けて、必要性、また、財源など、広く区民への説明責任を果たし、合意を得ながら丁寧に進めていただきたい。不登校児の給食費の負担の在り方、また、学校給食無償化について積極的対応を求め、伺います。

知久 教育総務部長

私からは、不登校児童生徒の給食費の負担と、学校給食費無償化についてお答えいたします。

教育委員会では、誰一人取り残さない、個に応じた寄り添う教育支援の実現の理念の下、不登校の児童生徒と保護者の方には、個々の事情に応じた丁寧な対応に努めているところです。

不登校の児童生徒の給食については、学校は給食費の徴収対象とならない給食停止の有無を保護者の方に適宜確認しておりますが、停止した際においても、いつ登校しても同級生と同じように給食を食べられる環境を整えられるかが教育委員会としても課題であると認識しております。

今後、不登校支援の取組の中で、より保護者の方の気持ちに寄り添い、心情にも配慮した上で、給食の提供についても適切な取扱いがなされるよう、改めて学校に働きかけてまいります。

不登校の児童生徒への給食支援については、各学校における食数の管理や食材の発注対応といった、特有の課題も整理しながら検討を進めるとともに、給食費の無償化についても、今定例会で御要望いただいており、不登校の場合の給食費の取扱いも含め、保護者負担の軽減に係る方策について検討してまいります。

以上でございます。

江口 じゅん子

最後に、拉致問題です。

さきの議会で区教委は、拉致問題の映像資料活用状況の実態調査や、次年度以降はこの実態を踏まえ資料活用を一層図ると答弁しました。

しかし、教育内容は、学校現場が自主的に決めるものであり、圧力介入につながることがあってはなりません。さらに、学校には韓国、朝鮮にルーツがあるなど、多様な背景を持つ子どもがおり、慎重な判断、配慮が必要です。区教委の基本的姿勢と、今後どうしていくのか、伺います。

区教委の基本的姿勢と、今後どうしていくのか、伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。

粟井 教育政策部長

私からは、拉致問題についてお答え申し上げます。

区教育委員会におきましては、各学校が保護者や地域社会の意向を尊重し、児童生徒の実態を十分考慮した上で、創意工夫に満ちた多様な教育課程を編成、実施できるよう支援をしております。

人権問題で取り上げる人権課題には様々なものがございますが、区教育委員会では、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例等を基に、子ども、障害者、外国人、性自認、性的指向の人権課題を各学校の人権教育の全体計画に位置づけ、指導するようにしております。

拉致問題についても、人権課題の一つでございますので、拉致問題の被害者やその家族の気持ちを理解できるようにするとともに、この問題が国家主権及び人権の重大な侵害であることを認識させ、民主主義社会の一員として、人権問題を主体的に解決していこうとする意欲や態度を育んでいくことが大切であると考えております。

以上でございます。

再質問

江口 じゅん子

区長に再質問します。

学校給食無償化に向け、国や都からの財源確保と、また、区民説明と合意で丁寧に進めていくことを提案しました。区長の見解を伺います。

再答弁

保坂区長

学校給食費の完全無償化について再質問にお答えいたします。

これまで就学援助制度を拡大し、所得制限をかけまして、一部の世帯におきましてスタートをしているところでございます。

今回の物価高騰により食材費などが高騰したことから、メニュー、こういったものを低下させないということで、公費負担の直接支援を行いました。

今回、他会派からも複数の質問がございます。さらなる学校給食費の無償化についてでございますけれども、引き続き物価高騰等の影響を適切に把握し、区として約二十億円の財源を必要とする財政状況全体を見極め、そして適切なタイミングで判断をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 

参考 6・13公明党の学校給食費完全無償化への区長答弁抜粋

「給食費完全無償化には約20億円の財源が必要となり財政運営上の大きな負担となるため、これまでは慎重な判断すべしと考えてきました。今後の負担軽減については、子ども子育て応援都市においての総合的ビジョンに立脚したうえで、議会の議論受け止め、熟慮しながら、しかるべきタイミングで判断してまいりたい」

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