「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けた取り組みを推進するための決議」案を提案しました。

2022年3月29日

3月29日区議会街1回定例会の本会議最終日に、生活者ネット、レインボー世田谷(上川あや議員)、日本共産党世田谷区議団の共同提案で、以下決議を提案しました。

審議の結果、自民党、公明党、F行革、世田谷あらた(佐藤美樹議員)、都民ファースト(そのべせいや議員)の反対で否決されました。

北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けた取り組みを推進するための決議

北朝鮮による日本人拉致事件の発生から長い年月が経過し、2002年の日朝首脳会談で北朝鮮は初めて拉致を認め、拉致被害者5名とその家族が帰国した。しかしその後、拉致問題は何ら進展が見られていない。

拉致問題は、重大な人権侵害であるとともに、我が国の主権を侵害する行為であり、拉致被害者のみなさんの苦しみと帰国を待つ家族の悲しみは筆舌に尽くし難いものがあり、家族の高齢化が進む中、解決には一刻の猶予も許されない。

よって、世田谷区議会は政府に対し、北朝鮮による日本人拉致問題を風化させることなく、拉致被害者の即時帰国の実現に向け、日朝間の諸懸案を包括的に解決することをめざした「日朝平壌宣言」に基づき、北朝鮮との交渉を強力に推し進め、日本人拉致問題の早急な完全解決のために、全力を尽くして取り組むよう改めて求める。

以上のとおり決議する。

決議提案理由

3月29日本会議で、生活者ネット、レインボー世田谷(上川あや議員)、日本共産党世田谷区議団で共同提案をした

「北朝鮮のよる日本人拉致問題の早期解決に向けた取り組みを推進するための決議」で、

提案者を代表して、江口議員が提案理由を述べました

以下、提案理由文

江口 じゅん子

ただいま上程となりました、議員提出議案第3号 「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けた取り組みを推進するための決議」について、提出者を代表しまして、提案理由を説明いたします。

北朝鮮が日本人の拉致を初めて認め,謝罪した平成 14 年の日朝首脳会談以降、5名の拉致被害者とその家族の帰国は実現したものの,12 名の政府認定の拉致被害者はいまだ北朝鮮に残されたままです。このほかにも,拉致の可能性を排除できない行方不明者は 872名(令和4年3月現在、警察庁ホームページより)にのぼります。

これまで,北朝鮮は,我が国の主権並びに日本国民の生命・安全に関わる拉致問題について,極めて不誠実な態度をとり続けてきました。

平成 20 年8 月には,日朝実務者協議における合意に基づき,一旦は北朝鮮が拉致被害者に関する全面的な調査を行うこととなりましたが,北朝鮮からの一方的な通告により,合意事項が実施されない状況が続いています。

平成 30 年6月の米朝首脳会談において,朝鮮半島の非核化を宣言する共同声明が発表されるとともに,拉致問題が提起されましたが、その後の進展はありません。

拉致事件の発生から既に 40 年以上が経過しており,拉致被害者及びその家族の置かれている状況を踏まえると,これ以上時間を費やすことは許されません。政府が、ありとあらゆる平和的外交的手段を尽くし、この問題の解決を図ることこそ必要です。

このような状況を踏まえ、区議会として、政府においては、北朝鮮による日本人拉致問題を風化させることなく、拉致被害者の即時帰国の実現に向け、日朝間の諸懸案を包括的に解決することをめざした「日朝平壌宣言」に基づき、北朝鮮との交渉を強力に推し進め、日本人拉致問題の早急な解決のために、全力を尽くして取り組むことを改めて求めるものです。

一方、今議会には、議員提出議案第4号「北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深める取組みの推進を求める決議」が提案されています。

第4号議案にある、「北朝鮮による日本人拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大問題であり、国の責任において解決すべき最重要課題」であることは、既に述べている通り、賛同するものです。

しかし、第4号議案は、内閣府及び文科省からのアニメや映画の「めぐみ」の学校等での上映促進など、都道府県教育員会を通じて学校等への周知を求めた通知があることを根拠に、事実上、特定映画の視聴、特定の作文コンクールへの参加を挙げて、理解を深める取り組みの推進を求めています。

また、先の予算特別委員会での他会派の質問に教育長は、同映画の「上映会開催」や「授業の学習指導案」の「資料活用状況の実態調査」を実施している、また、「アニメ映画の視聴や学習指導案は、コロナによる学級閉鎖やオンライン授業で授業時間に組み込めなかった学校がある」、「次年度以降はこの実態を踏まえ、資料活用を一層図る」等と答弁し、管理を強めてゆく姿勢を明らかにしています。

これらの流れから内閣府・文科省通知及び第4号議案が、学校教育の内容への介入、教育の自主性を損なう実質的な圧力につながっていくのではないかと危惧しています。

拉致問題を学校現場の判断で取り上げることもあり得ますが、その際に用いる教材や手法は学校現場が自主的に決めるべきもので、強要するものではありません。 

更に、学校には韓国、朝鮮にルーツのある児童・生徒等多様な背景・思想・信条を持つ子どもがいます。発達段階もそれぞれです。誤った認識・解釈からのいじめ、民族差別の助長等が懸念されます。

教育長は、映像視聴等の資料活用で、「人権問題を主体的に解決しようとする意識・態度を育んでいく」と答弁されましたが、取り扱い次第では、新たな人権問題や民族差別に繋がる恐れがあり、この点からも慎重な判断が必要です。

拉致問題は、国家間における国際問題です。理解を深める取組みの推進を一概に否定しませんが、国民の理解・意識向上で解決できる問題ではありません。

岸田首相は、「拉致問題は岸田内閣の最重要課題。あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組む」等表明しており、政府の責任において、具体的進展に向けた一層の努力を強く期待するものです。

よって、世田谷区議会は政府に対し、拉致問題の早急な解決のため、全力を尽くして取り組むことを改めて求め、決議をあげることを提案します。

議員各位の賛同をお願いし、以上で提案理由とします。

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