令和4年 予算特別委員会 総括質疑

2022年3月8日 江口じゅん子区議

ウクライナへのロシアの侵略戦争について

江口 じゅん子

日本共産党の総括質疑を始めます。

まず、ウクライナへのロシアの侵略戦争についてです。

ロシアの行為は明確な国連憲章、国際法違反です。原発や核施設への攻撃、重ねられていますが、これは人類全体の存在を脅かします。今も子どもを含む多くの人命が犠牲になっています。

さらに、プーチン大統領は攻撃されたら核兵器で応えるなどと世界を威嚇しています。

既に国際世論が、そして日本でも、国会から地方議会、自治体、多様な市民、団体が、ロシアは侵略やめよ、国連憲章守れの声を上げています。四日には区長が侵攻に抗議、停戦など求める声明を発表しました。区議会でも今、決議を上げるための協議が進められています。

こうした世論が現実的に国際政治を動かしています。

国連総会は四十年ぶりに緊急特別会合を開催し、ロシア非難決議を加盟国の七割超に当たる百四十一か国の賛成で採択しました。

さらに、世論と運動を広げることが、ロシアを包囲し、平和をつくる大きな力になります。

先週末には、複数の市民団体主催で、経堂や三軒茶屋などで抗議行動が行われました。合計百名以上が参加をして、ウクライナ支援の義援金が道行く人から約六万円も寄せられました。いても立ってもいられないと、飛び入りで抗議行動に参加する方もいました。今、平和を求める世論、本当に大きくなっていることを実感しています。

一方、ウクライナ侵略に対し、安倍元首相などは、国連は無力、改憲すべき、核兵器をなど発言、また、日本維新の会は核共有の議論を求めるなど、緊急提言を外務省に提出しました。

しかし、力の論理を否定し、紛争の平和的解決を求めたのが国連憲章であって、憲法九条です。武力行使の禁止原則は、国連憲章の中でも最も重要な原則です。

憲法九条には、日本が再び侵略国家にならないという決意とともに、自ら戦争を放棄し、戦力保持を禁止することで世界平和の先駆となろうという決意が込められています。

力の論理の推進は、戦後の国際秩序の根本、戦後の日本の原点の否定につながります。

今、岸田政権、敵基地攻撃能力の保有検討を表明し、九条改憲に前のめりです。しかし、多くの国民は、戦争する国づくりは望んでいません。

また、核兵器を持たず、造らず、持ち込ませずの非核三原則は日本の国是です。既に二日の参議院質疑で、我が党の質問に岸田首相は、核共有について、非核三原則を堅持する立場などから認められないと明確に答弁をしています。

私たち日本共産党は、政府には、核兵器禁止条約の参加を強く求めるものです。

ここで区長に伺いますが、区長は九条、国連不要論、また、核共有論、これについてどのような認識をお持ちでしょうか。

また、四日の区長の声明発表、大変重要です。さらなる世論を高める発信や、憲法九条を守るための積極的対応を求め、伺います。

保坂 区長

ウクライナ侵攻で、核兵器の使用を示唆する発言と、一般市民も含めた市街地への攻撃を繰り返すロシアのプーチン大統領の行動は、武力による主権と領土の侵害であり、国連憲章への重大な違反であると私も強く抗議するため、三月四日に声明を発表いたしました。

先日、私も一員として参加する平和首長会議をリードする広島、長崎の両市長からも、第三の被爆地を生まないために、プーチン大統領宛ての抗議メッセージが出されたところであります。

人々の貴い命と平和な暮らしを理不尽に奪う侵略行為を直ちに中止し、平和的解決の道を探ることも強く求める姿勢に私も賛同する立場でございます。

また、私が呼びかけ人として参加する全国首長九条の会では、昨年十二月の総会アピールをおいて、戦争につながる九条改憲を決して許さない決意を訴えたところであります。

さきの一般質問でも、ウクライナの緊迫情勢を踏まえて、核兵器の廃絶と恒久平和を願う考えの下、九条改憲について言及をさせていただきました。

現在、核兵器使用を示唆する発言、核施設や研究所、原発への攻撃など、絶対に許されない、人類の生存、我々の生存に関わる根本的な脅威だというふうに考えております。

岸田首相も、いわゆる核の共有論を重ねて否定をしているように、私としても、同時に非核三原則を堅持していくという立場、ここを継続することを強く望み、平和都市宣言を行った自治体として、あらゆる機会を捉えて核兵器廃絶、非核平和実現の声を上げていきたいと思っています。

江口 じゅん子

今、区長が御答弁されたように、全国首長九条の会、九条を守ろうという現職、元職の首長で構成されていますが、そのうち現職は三十名で、東京では保坂区長含め三名の首長の方が参加をされていて、本当に平和についてそういった立場で区内外に発信する首長の役割、大変大きいと思っています。

区長は、これまで核兵器禁止条約の早期批准を求めるといった内容も区議会で御答弁をされています。ぜひ、こうしたことについても積極的な早期批准を求めていただきたく、要望したいと思います。

外環道について

江口 じゅん子

それでは次に、外環道について伺います。

二月二十八日、東京地裁で一部区間の工事差止めの決定が下されました。

理由として、具体的な再発防止策が示されておらず、工事再開によって陥没のおそれがあると指摘し、同じ工法によっての外環道の工事の中止を命じています。

大深度地下利用の安全神話は崩壊をしています。裁判所が工事の危険性と違法性を認めた画期的な決定です。

しかし、今月四日には、区内の中央ジャンクション、練馬の大泉ジャンクションで事業地内のシールドマシン再掘進が強行されました。

二月末には調布の陥没事故が発生し、そして、三つもの地下空洞が発見された地域で、工事再開には地盤改修工事が必要という理由で約三十世帯を立ち退かせる家屋解体工事が強行されようとしました。区民の方も駆けつけて抗議をして、この解体工事の強行というのは一時中止になっています。

三鷹などで住民説明会が行われました。私も参加しましたが、事業者が示す再発防止策に不安と中止を求める声が相次いでいます。二月末には市民団体から掘削中止を求める要望書が区長、区議会に届きました。

我が党としても、工事再開は行うべきではなく、今からでも中止を強く求めるものです。

一昨年の陥没事故後、区長は二度にわたって国など事業者に十分な再発防止策、安全対策が講じられるまでは工事の再開をしないことなどを要請してきました。

区長、区長の今般の判決を受け止め、どのように受け止めていらっしゃいますか。

また、工事再開に対し、十分な再発防止策、安全対策が講じられたと認識しているのでしょうか。区民の安全安心を守る立場で、ぜひ工事再開中止を事業者へ要請していただきたい。

区長の認識を伺います。

保坂 区長

先月二十八日に東京地裁が決定しました外環の工事一部差止めについて、当日の報道で知りまして、その後、所管からの報告を受け、状況を把握いたしました。

今回の地裁決定は、外環の七本のシールドトンネル工事のうち、東名ジャンクションを発進した二本のトンネル掘削工事について、気泡シールド工法による掘削工事を行ってはならない旨の内容と理解をしています。

国土交通省は、今回の決定について内容をよく確認、関係機関と調整の上、適切に対応するとしていますが、これはよくよく吟味をしてほしいと思っています。

私は、外環事業者は今回の決定を重く受け止め、まさに住民の安全のために適切に対応する必要があるものと考えておりまして、今後のその対応の在り方をしっかり確認してまいります。

一方、差止めが認められなかった区間のうち、中央ジャンクションにおいては、今年の一月に再発防止対策について事業者が住民説明会を開催、先週の金曜日から区内の一部も含む事業用地内でのランプシールドトンネル工事が再開をされております。

今回の事業用地内での作業開始に当たり、事業者が公表した再発防止対策が確実に機能し、地域の安全安心を高める取組が履行され、掘削予定箇所周辺にお住まいの方々への分かりやすい情報提供と丁寧な対応がしっかり行われるよう、事業者から直接説明を受ける際など、改めて区の考えを伝えてまいります。

東京地裁による工事一部差止め決定に対する事業者の対応や、今後の事業用地内におけるトンネル工事の状況等を確認した上で、沿線自治体と連携を密に取りながら、区に届けられた地域の皆さんの声も踏まえながら、適宜事業者に対して直接報告を求めるなど、必要な要請を行ってまいります。

江口 じゅん子

気泡シールド工法の危険性が認められた決定ということで、やはり区内の地域の方からは、七本のシールドトンネル工事のうち二本は危険だから掘削工事を行ってはならないとしたのに、じゃ、残りの五本は何でそれで進められるのかと。中央ジャンクションの一部には、当然当区の敷地が入っております。

やはりここで区長が区民の安全安心の立場で積極的な対応を取ることを区民の方は期待していますし、また、これまで区長は要請書を出すのみならず、直接事業者も呼んで要望してきた、そういった経緯もあります。

ぜひ、適宜事業者に対して、必要な要請などを行っていくということですけれども、積極的に時期を逸することなく、要請などをしていただきたいと要望したいと思います。

子ども・子育て支援について

江口 じゅん子

それでは次に、子ども・子育て支援について二点伺います。

区長は、今議会の招集挨拶で、基礎自治体として子ども・子育て応援都市をバージョンアップする、生まれてくる子どもが歓迎され、大切にされて育つ地域を実現する、子育て支援をより一層充実させるなどと表明されました。大変重要な方向性です。

我が党としてもこれに賛同する立場で、本日は二点提案したいと思います。

一点目は、子育て支援策としての国保の子どもがいる世帯への支援です。

国保の加入者は、高齢者、自営業、フリーランス、非正規と、経済基盤が脆弱な方々が多く、コロナ禍でも経済的な打撃、直撃しています。

お子さんが三人いる区内の四十代のお母様からお話を伺いました。

会社勤めのときの保険料は半額会社持ちだったが、国保になって本当に高額と思っている、貯金を崩して国保料を払うときもある。

また、四十代のトラック運転手の方は、コロナ禍で取引先のビール会社の需要が激減、年間百万円の減収、納付の意思はあるが、国保料を払えず滞納している、そのため減免も受けられない、病院の窓口負担も高く、虫歯の治療にも行けないなど深刻な声がこの間寄せられています。

高過ぎる保険料が家計の急変世帯、低所得者、子どもが多い世帯の暮らしを圧迫し、受診抑制、保険料滞納につながっています。

国保には、加入者の所得は低いのに、ほかの医療保険と比較し、保険料は最も高いという構造的な問題があります。

本日は、このグラフで区内在住の給与年収四百万円の三十歳代の夫婦と子ども二人の四人世帯を事例に、国保と、それから中小企業の労働者が加入する協会けんぽではどのくらい今年度の保険料が違うのか、比較をするためにグラフを作ってみました。

まず、協会けんぽの場合は、この四人世帯では年額十九万六千八百円の保険料となっています。しかし、国保は、これを見ると分かるんですけれども、年額四十三万二百円と協会けんぽの二倍以上の保険料となっています。

では、何でこんなに二倍も国保料は高くなってしまうのかということなんですが、その要因の一つに、国保にしかない均等割というものがあります。

均等割は人頭税と同じ仕組みです。収入のない赤ちゃんであっても、加入者一人当たりにかかる負担になっています。今年度は、年間一人当たり五万二千円。子どもが二人なら五万二千円が二人分なので十万四千円、三人なら年間十五万六千円が均等割額となります。

この四人世帯の場合は、年額保険料四十三万二百円の半分、二十万八千円が均等割を占めるということで、国保料が高い大きな要因が均等割になっているというのがこのグラフでも分かると思います。

そういったわけで、この子どもの均等割というのが子どもの貧困対策にも子育て支援にも逆行するということで、長年、全国知事会、また区長会も、国へ子どもの均等割減免を要請してきました。

これらや、そして、何より国保料が高いという大きな世論が国を動かして、来年度から小学校入学前の子どもに限って、均等割は半額になります。

しかし、これで子育て支援として十分なのでしょうか。

この四人世帯の事例を見ていただきたいんですが、この四人世帯のここにいる子どもです。この二人が小学生以上であれば、来年度からの国の未就学児の均等割半減の恩恵はありません。

だから、国保料が四十三万二百円のままです。仮に就学前の子どもが二人ということだったら、均等割の保険料がそれぞれ二万六千円に半減されます。そのため、この世帯の場合、令和四年度から国保の年額の保険料は三十七万八千二百円になります。

しかし、軽減をされても、協会けんぽの保険料の一・九倍の保険料額になるんです。来年度の国の制度から見ても、保険間の負担感格差解消には程遠いという状況が分かると思います。


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区長は、既に国の制度改正は子育て支援として不十分と表明をしていますが、まさにそのとおりです。同じ世田谷の子どもでありながら、加入する保険の違いで負担に差異がある。だったら、基礎自治体である世田谷区が、子育て支援策として、その軽減に踏み出す必要性があるのではないでしょうか。

先ほど来、ほかの会派から、来年度からの子どもの医療費助成の対象十八歳まで拡大について質疑が重ねられています。私どもも一般質問でそのことを質問を行い、大変重要な施策と評価をしています。同時に、子どもにかかる負担軽減という点では、子育て支援にも、子どもの貧困対策にも逆行するこの国保の子どもの均等割の軽減も非常に重要な課題です。

区長はこの間、国保の多子世帯軽減については、区としての早期の実現を目指して引き続き課題整理、検討を進めていきたいと、令和二年の決特などで答弁をされてきました。

また、区は具体的に、軽減対象や影響額、一定の所得制限を設けた場合の試算など、検討をしていると議会答弁も重ねてきた経緯があります。

区長、伺いますが、子育て支援策として、国制度への区独自の対象年齢拡充にぜひ踏み出していただきたい。来年度に向け、どう取り組んでいくのか、区長の見解を伺います。

保坂 区長

国民健康保険についてですけれども、確かに会社員であるところの皆さんが入っていらっしゃる健康保険とは負担の度合いが異なるという点、しかも、お子さんが四人であれば、この示された表よりさらに十万円以上高くなる。少子化対策という点からいっても、子どもが多ければ多いほど、何かペナルティーを払うような仕組みはよくないのではないかということは、かねてから特別区長会で問題提起し、これはそれぞれの区長たちも、やはり国民健康保険料をどうやって確定していくか、非常に悩ましい課題なんです。それに関して皆さんの賛同を得て、国に働きかけ、これが就学前という限定つきではありますが、一歩前進したと。

次は、やはりそもそもの考え方、子どもが多ければ多いほど保険料が増えるということを抜本的に改めようということを区長会としても言っていきたいと思います。

委員おっしゃる、区としてこの落差を何とかできないのかということについてですけれども、区長会での取組を強めるとともに、区としても、財源の確保や、どのような仕組みが適当なのかという課題を整理していき、この課題は国民皆保険自体を現在の国保の状況は揺るがしつつあると認識していますので、今後の課題として念頭に置きたいと思います。

江口 じゅん子

財源の確保や仕組みの課題を整理していくということで、大変重要と思いますけれども、しかし、課題のみならず、多子世帯については具体的に検討した経緯もあるので、ぜひこの対象年齢拡充についても検討まで進めていただきたいと思いますが、区長、御答弁をお願いします。

保坂 区長

かつての議論がありました。区として何ができるのかを検討いたしました。そのあたりももう一度振り返りながら、現状の課題について何ができるのかを整理したいと思います。

江口 じゅん子

ぜひ検討を進めてください。

子ども・子育て施策の二点目の提案は、不登校児対策、発達障害児などの対策です。

つながるプラン案などでは、誰一人取り残さない社会の構築、また、コミュニティー、居場所、プラットフォーム、これを区政運営の土台にすると明記されています。

この方向性をぜひ不登校児や発達障害児などの支援についても貫いていただきたい。本日は予算編成権を持つ区長にその認識を伺います。

不登校児、生徒、大変増加しています。そして、教室には入れず保健室登校など、その予備軍とも言うべき子どもたちはさらに多い状況になっています。

区の調査でも、不登校児の半数以上が長期欠席、また、支援につながらない、自宅で長期間過ごす子どもたちの問題が指摘されています。

また、すまいるルーム利用者は多くなっていますが、ハード面も、そして質の部分もまだまだ不十分です。教員や支援員、サポーターの質の向上は喫緊の課題です。

この間、区長は、学びの質の転換を掲げ、教育委員会とともに、総合教育会議、教育推進会議において連携協働を進めてきました。

ぜひ、誰一人取り残さない、個に応じた寄り添う教育支援の実現のため、区長として積極的に取り組んでいただきたい。見解を伺います。

保坂 区長

不登校のお子さんが大変増えて悩んでいらっしゃる。区としては、ほっとスクール拡充、不登校特例校、そして特別支援教育のさらなる充実、これは教育総合センターが立ち上がりましたので、大いに区長部局と連携するバックアップ機能として生かして、世田谷区の資源、施設、人材をトータルに投入しながら、誰一人取り残さない教育の実現を教育委員会とともに実現してまいります。

江口 じゅん子

しっかり進めてください。

以上で日本共産党の質疑を終わります。

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