令和3年 予算特別委員会総括質疑

2021年3月10日 江口じゅん子区議

今後の感染対策における区長の基本的姿勢について

江口じゅん子

 まず、感染対策について三点伺います。
 一点目は、今後の感染対策における区長の基本的姿勢についてです。
 菅政権は、一都三県の緊急事態宣言を再延長しました。再延長に対し、専門家による政府の基本的対処方針等諮問委員会でも、二週間延長で十分か疑問が出されました。区民の受け止めも、なぜ二週間か、何をするのか見えない、説明不足などなどです。新規感染者数は下げ止まり、医療機関の逼迫は続き、感染力が強いとされる変異株は二十都府県に広がっています。再延長を余儀なくされたということは、政府の従来対策では限界ということが示されたと考えます。
 ワクチン接種が予定をされていますが、厚労省も感染そのものを防ぐ感染予防効果は明らかになっていないとしています。ワクチン頼みに偏らず、検査の抜本的拡充、医療機関の財政支援、そして事業者の十分な補償の対策強化が必要です。
 特に、無症状感染者が医療機関、介護施設、職場などで感染を広げクラスターを生み出す見えないクラスターと、リバウンドを防ぐ対策は急務です。国のコロナ対策に関する基本的対処方針を諮問する専門家でつくる基本的対処方針等諮問委員会の尾身会長は、今月五日、リバウンド防止の対策強化を求める見解を発表しました。見解では、感染リスクが高い集団や場所を特定し、軽症者、無症状者に焦点を当てた検査、つまりモニタリング検査、そして変異ウイルスの検査、さらに高齢者施設の職員に対する定期的検査など、実に見解では検査拡充に関するものが五項目を占める、そういった状況です。
 区長はこの間、尾身会長も提案された無症状感染者の早期発見、保護で感染を封じ込める社会的検査を先駆的に推進、国も大きく動かし、行政検査と認めさせ、プール方式も実現しました。当区では、既に約一万五千人の介護職員などが受検し、施設と地域のクラスター抑止につながっています。同時に、民間企業活用などによる保健所の負担軽減や在宅療養者を支える独自支援、また、社会的検査で陽性者が見つかった介護・障害施設の業務継続支援など、感染対策に先進的、総合的に取り組まれてきました。
 さきの衆院予算委員会の公聴会で、区長は社会的検査の有用性やワクチンに関しては、正確な情報提供や自治体の意見聴取を経ての制度設計など訴えられました。引き続き、様々な場を通じて国などへ要望などお願いをするものです。
 同時に、再延長に伴って宣言期間は七十三日間と長期になります。区民生活の制約、影響は大きなものです。区民一千二百人から回答が寄せられた区議団アンケートでも、「生活が苦しい」が過半数を超えています。幾つかアンケートの声を紹介したいんですけれども、勤め先がホテルで、コロナの影響で廃館になり失業、現時点では手取り八割になった、春以降会社が維持できるか難しいと言われている、勤務していた和菓子店が経営難で解雇され事務職に転職しました、二十五年勤めた歯医者さんをコロナによる減収を理由にリストラ、音楽家であるが仕事が全てキャンセル、厳しい状況である、イベントや舞台にお花を届ける仕事のため九割減の売上げが一年間続いている、幼稚園がなかなか通常に戻らず休みが続いたため派遣契約が途中で終わり失業したなどなど、本当に大変厳しい実態というのが伺えます。
 生活が困窮し先が見通せないという区民、事業者への支援強化が必要です。また、保健所に関しては、平時からの健康危機管理体制見直しに区として舵を切ったことから、再来年度以降の保健師の計画的増員などを含む抜本的体制強化を求めます。
 区長は、二週間の再延長などを受け、見えないクラスター対策など今後どうしていくのか、区民生活をどう支えるのか、今後の感染対策の基本的姿勢を区長に伺います。

保坂 区長

感染症対策で何より重要なのは、区民の生命と健康を守り抜くことであります。本日も三百人台半ばに近づくなど、一旦低減していた感染者数もまだ予断を許さない状況になっております。今は、新型コロナウイルス感染症防止対策で大変重要な局面であるという認識から、これまでの実績を基に取組を進めてまいります。一都三県の緊急事態宣言が延長になった今、都内の感染者数は少し下げ止まる状況から少し微増といいますか、こういった状況に推移していますので、ここは着目していき、変異ウイルスなどの実態にも十分な注意を払っていきたいと思います。
 このような状況の中において、感染症の蔓延を防止するために、医療機関と緊密な連携を図りつつ、社会的検査も含めて幅広くPCR検査の実施を推進し、早期に新規感染者を入院あるいはホテルなどの療養につなぐこと、さらに陽性者の行動履歴を追跡し、お話しの見えにくいクラスターをはじめ、感染源や濃厚接触者を的確に把握することが重要だと考えています。保健所及び関係所管においてしっかり進められるよう、改めて指示をしてまいります。
 感染症対策の推進に向けては、引き続き先頭に立って、率先して取り組んでいきます。また、四月以降のワクチン接種の準備を加速させるとともに、区民に三密の回避や、自ら感染しない、他者に感染させないなどの注意事項について、区民の皆さんの行動変容が確実に感染を抑えるという啓発を進めていきたいと考えています。さらには、先行きの見えないコロナ禍において、区民生活の安全と安心を守り抜くことを基本に、区民の皆さんとともにこの難局を乗り切っていきたいと考えております。

江口じゅん子

その方向性でぜひよろしくお願いいたします。

変異株について

江口じゅん子

二点目は、変異株についてです。

感染力が強いとされる変異株は、免疫・ワクチン効果低下の可能性も指摘され、大きな脅威です。変異ウイルスの感染状況把握のため、検査数を増やすための検査体制強化が必要です。神戸市では、独自に陽性者の約六割を対象に変異株の検査を実施、一週間に調べたウイルスの約一五%が変異株と発表しました。

先頃、八日のNHKニュースでは、一都三県の検査は新規感染者発表の約一割にとどまると報道しています。国や都と連携し検査数を増やす必要があると考えますが、課題含め、現状と、今後どう取り組んでいくのか伺います。

辻 世田谷保健所長

海外での変異株の発生動向を踏まえ、国では新型コロナウイルスの遺伝子解析が実施されています。国内で年末年始に英国、南アフリカ共和国、ブラジルからの帰国者から変異株が検出された以降、海外渡航歴のない方からも変異株が検出されるなど、その発生動向が注視されております。

このような状況を踏まえ、昨年十二月以降、都内における変異株検査は東京都でスクリーニング検査を実施し、その後に国での確定検査が行われております。本年三月二日の時点で確認された都内の変異株の数は十四株と報告されております。区におきましても、変異株は感染力が強いことや、新型コロナワクチンの有効性に影響を及ぼす可能性が指摘されていることから、その対応は重要であると認識し、令和二年一月二十八日の都の通知に基づき、海外からの帰国者で陽性になった検体や、クラスターに関係するものに加えまして、散発例の検体も東京都に積極的に搬入しております。一方で、自治体で把握しない民間検査会社の陽性検体をスクリーニング検査につなげる仕組み等の課題もございます。

今後も、国や都と連携を図りながら、変異株への監視体制を強化し、感染症の蔓延防止に努めてまいります。なお、変異株であっても手洗いやマスクの着用、三密の回避などの対策は有効であることから、区民に向けて感染対策の徹底を引き続き呼びかけてまいります。

江口じゅん子

今、答弁にあった課題の民間検査会社の活用ですが、今週八日の都議会で我が党の質問に、東京都は、スクリーニング検査を実施していない民間検査機関に働きかけ、規模拡大を図ると答弁をしており、引き続き連携して監視体制強化に努めてください。

モニタリング検査について

江口じゅん子

三点目は、モニタリング検査です。

国は、緊急事態宣言解除地域の感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、無症状者を対象に広くモニタリング検査を実施し、全国で一日一万件規模を目指すとしています。しかし、全国の大都市部などの市中感染把握のためには、この一日一万件では少なく、リバウンドを防ぎ、封じ込めを図るなら十万の桁で幅広い体制をつくるべきです。

八日の新聞報道では、官房長官が再延長の一都三県の実施について、早期開始を目指し、などとしています。私どもの区民アンケートでも、無料もしくは低額で検査を受けたい、いつでも、どこでもはいつ実施されるのかなど、PCR検査受検の要望、大変多くありました。見えないクラスターは若年層が起点とされています。区内は大学なども多く、また、三茶、下北沢など交通の要衝などもあることから、区としても積極的に手を挙げるなど対応していただきたく、伺います。

有馬 保健福祉政策部次長

委員のお話にございましたこのモニタリング検査でございますが、繁華街などの特定のエリアを面的に捉えた検査手法ですが、区においては、施設内でのクラスターが発生した場合でも、周辺エリアまで感染が広がっているケースは見られておりません。区では、十月から社会的検査を開始しておりますが、一月末の国の再要請もあり、高齢者施設等への検査を再徹底し、クラスターや重症化防止に取り組んでいるところでございます。

区といたしましては、地域の特性やエリアで感染が広がるなど、感染状況によってはモニタリング検査が有用であると認識しており、今後、国により東京都が検査対象地域となった場合には、モニタリング検査の特性と条件を精査の上、その中で世田谷区が検査対象地域に該当した場合には、関係機関と調整し、対応を図ってまいります。

江口じゅん子

引き続き検査体制の強化をよろしくお願い申し上げまして、次に移ります。

説明会について

江口じゅん子

次に、外環道について順次伺います。

一点目は、説明会についてです。

昨年、調布で陥没事故、そして長さ約三十メートルの二か所の空洞が発見されました。NEXCOは、外環道に起因する事故と認め補償をすると表明しました。地上部に影響はないとした大深度地下の安全神話が崩壊した重大事故です。区議会でも十一月、事業者に対し、原因究明を早急に進め、区内の掘進完了区間における安全性について直ちに確認し、万全の措置を講じることなどを求め、議会の一致で要望書が提出されました。また、区長はこの間、事業者へ二度にわたり要請文を手交しています。

発災直後の十月は、安全な工法であること、周辺住民への情報提供や丁寧な対応などを条件に、区としても協力をしてきた。しかし、今回の事象はその根本を揺るがすものであって、区民の安全安心確保の観点から、区への報告及び区民への周知を行い、原因究明がなされるまで工事を再開しないよう強く要請する。さらに、昨年十二月の要請では、陥没・空洞事象に関する説明会を一月を目途に開催し区民に説明を行うことなど期限を決めて要請をし、地元区の首長として毅然とした対応と認識しております。

ところが、いまだ事業者は区民への説明をしていません。二月十二日、第六回有識者委員会で、世田谷区間の空洞調査で十八か所の異常信号があったとの報告がありました。今、その資料を抜粋しパネルにしております。これはもう本当に大変分かりにくいんですけれども、ここに世田谷十八とか世田谷十七とか世田谷十六とか、本当に分かりにくい。ここは喜多見の何丁目なんだろう、成城の何丁目なんだろう、全く分からない地図に十七とか十六とか番号が落としてあって、この丸いのがその異常信号をキャッチしたというところなんです。

こういった情報提供の在り方については後ほど質問しますけれども、本当に分かりにくい地図に番号が書いてあるだけ、一体これがどこなのか全く分かりません。異常信号とは、つまり空洞や異物購入などの可能性があるということです。先日、地域住民と他党の区議とともに、異常信号十八か所のうち八か所、住所だと成城三、四丁目を現地調査しました。調査をしていると、地域の方々と対話になります。十八か所もあるの、全く知らない、空洞調査をしたのはレーダー車が回ったから知っているがその後どうなったのか知らされていない、きちんと詳細調査をしてほしいなど要望を伺いました。また、異常信号があった場所ではないのですが、成城四丁目のあるお宅では、庭に直径十センチ、深さ最大約一・三メートルの穴が二つ空いていて、NEXCOは詳細調査を実施すると聞いております。

我が党の国会質疑で国交大臣は、今般の重大事故を受け、地元に丁寧に説明する、国交省としても事業者任せにせず、住民の不安を取り除けるよう寄り添うなどを答弁しています。事業者には説明責任があります。いまだ説明がなく、ホームページでの情報提供がメインのこの情報提供の在り方に、地元の不安、不満の声が高まっています。いつまで待てばよいのでしょうか。

区長は、今般の重大事故及び地域住民の不安などについてどのように受け止めていられるのか、早期の説明会開催を実現するべく、さらに積極的に対応していただきたい。見解を伺います。

保坂 区長

外環道の本線トンネル工事によりまして、調布市内で発生した陥没事象等の大変衝撃的な事態、深刻に受け止めています。大深度法の前提として、深い地下で行われている工事は地上部に影響を与えないとしてきたことが、今この事態で認識を改めざるを得ないというふうに考えております。

外環事業者にこれまで要請書を二度お渡しをし、説明会の開催、これは完全な言わば原因究明等できていなくても早く開催してほしいということ、そして十分な再発防止策や、安全対策が講じられるまでは工事を再開しないということを求めてきました。二月十二日にトンネル施工についての有識者委員会が開催されましたが、その直後に外環事業者が区役所に来庁しまして、委員会での調査結果などの詳細な説明を受けました。

その際、早い時期に区内で説明会を開催、事象発生のメカニズムを区民に分かりやすく説明するとともに、区内の掘進完了区間における影響と安全性について丁寧に説明を尽くすように改めて要請をしたところであります。まだこの説明会が行われていないということですので、今後も事業者に対して、区民の安全安心を守る立場から、しっかりと意見を、そして具体的な要請を実現するよう働きかけてまいります。

江口じゅん子

よろしくお願いします。

異常信号箇所の早急な二次調査について

江口じゅん子

二点目は、異常信号箇所の早急な二次調査です。

有識者委員会では、異常信号があった箇所はトンネル直上に集中していないことから、トンネル施工が影響している可能性は低いと考えられるとしております。しかし、それでは住民は納得できませんし、不安の払拭はできません。速やかな二次調査を求めますが、今後区としてどうしていくか伺います。

田中 道路・交通計画部長

区内の掘進済みの区間におきましては、事業者が実施した調査結果等から、シールドトンネルの施工が要因となる空洞の形成や、補修等の措置を必要とする地盤の緩みが生じている可能性が極めて低いことが有識者委員会で確認されております。

委員お話しの路面下空洞調査は、直ちに陥没に至るような差し迫った空洞の有無を調べるため事業者が実施したもので、区内では陥没の可能性評価ランクAに該当する異常信号があった箇所は確認されておりません。また、有識者委員会では、区内で異常信号が確認された箇所はトンネルの直上に集中していないことから、シールドトンネルの施工が影響している可能性は低いことが確認されておりますが、地域の方々の御不安は大きいと区も認識しております。

今回確認された箇所のうち、区が管理している区道等におきましては、安全管理のため早期の二次調査の実施を目指し、地域の方々の御不安を払拭するよう努めてまいります。

江口じゅん子

これまでも地元区として住民の安全安心を守る立場で、説明会に関してはかつてなかったと思うんですが、一月に期限を切って要望したという経緯もあります。本当に早期の対応というのが求められていると思うんですね。二次調査、年度内か年度を越えるか、そういった問題もありますけれども、ぜひ早期に進めていただきたいと重ねて要望します。

何度となく要望している情報提供の改善について

江口じゅん子

そして三点目は、何度となく要望している情報提供の改善です。

この間、分かりにくく、見つけにくく、丁寧とは言えない事業者からの情報提供について、我が党を含め多くの会派が改善を求めてきました。そのたびに区は事業者に地元要望を伝え、丁寧な情報提供を求めてこられたと認識しています。

先ほど来提示しているこの十八か所の異常信号のホームページの資料ですが、見えないと思うんですけれども、拡大をしても字が潰れていて、小さく世田谷十八とか世田谷十七とか、番号はかろうじて読めますけれども、住所がどこかというのは全く分からないんです。これについては多くの住民から、どこにあるか探せない、読めない、分からないなどなど、不満の声をいただいております。

私もこの資料がホームページのどこにあるか、国交省なのか、NEXCO東か、またNEXCOのホームページのどこなのか分からず担当課に聞きました。担当課もNEXCOに確認をしてくださり、ようやく資料にたどり着いた次第です。また、番号の住所に関しては、副参事と資料を拡大して一緒に住宅地図を見ながら、この世田谷十八は大蔵五丁目の土砂ピットあたりかねという感じでその住所を推測しました。しかし、それは推測であって、事業者はきちんと全ての住所を明らかにするべきです。情報提供の改善がないこと、遺憾です。

区として事業者に重ねて対応を求めるとともに、事業者と協議しつつ、区民への分かりやすい情報提供について区独自の工夫を求め、伺います。

田中 道路・交通計画部長

調布市内で発生した陥没事象等の情報については、外環事業者のNEXCO東日本や外環事業を紹介している東京外環プロジェクトのホームページに掲載するとともに、メールアドレスを登録された方にお知らせを送信するなどして様々な形で情報提供を行っております。また、世田谷区においても区のホームページから外環事業者のホームページのリンク先を掲載しているところでございます。しかしながら、事業者が公表している資料が多いため見つけづらいことや、専門用語も多いことなどから、区民には分かりづらいことは区も認識しております。

区といたしましては、誰もが分かりやすい資料と確認しやすい公表方法について検討するよう事業者に要請するとともに、今後区が開催を要請している説明会では、住民に分かりやすい平易な言葉で丁寧に説明するよう求めてまいります。また、区のホームページにつきましても、区民の方々に分かりやすく必要な情報が得られる内容となるよう工夫してまいります。

江口じゅん子

 十八か所の異常信号の箇所について、事業者に全ての住所を明らかにするよう求めていただきたい。伺います。

田中 道路・交通計画部長

委員お話しの箇所の公表につきましてでございますが、区といたしましても、区民の安全安心確保の観点から、掘進済みの区間における安全性の確認とその結果について区民へ周知を行うことを事業者へ要請した経緯もありますので、委員からの御意見につきましては事業者に伝えてまいります。

江口じゅん子

しっかり求めて実現していただきたいことを重ねて要望し、以上で日本共産党の質疑を終わります。

 

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