令和2年 決算特別委員会総括質疑

2020年09月30日 江口じゅん子区議

 

江口じゅん子

日本共産党世田谷区議団の総括質疑を始めます。

まず、コロナ禍において、国の社会保障の制度改変から、区民の命と暮らしを守る区の取組について、大きく二点伺います。

コロナ禍において、国の社会保障の制度改変から、区民の命と暮らしを守る区の取組について

江口じゅん子

一点目は、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。

現在、厚労省は、市区町村が認めた場合には、要介護者全てを対象に、利用者が希望すれば、総合事業の対象とする省令改正を強行しようとしています。

総合事業の概要を簡単に説明しますと、平成二十六年の法改定で、介護保険の給付費削減などを目的に、要支援一、二の方々の訪問・通所サービスが介護保険給付から外されました。要支援者には保険給付の代替サービスとして、自治体が担う総合事業が提供されます。総合事業は主に二種類あります。

一つ目は、緩和型の住民主体サービスです。主に無資格者の地域ボランティアが担い手となり、地域デイが行われます。

二つ目は、介護保険と同様の事業者の従前相当サービスです。当区では、導入から現在五年目ですが、様々課題が明らかになっています。例えば総合事業を担うヘルパー養成研修受講者、世田谷区が主催しておりましたが、この受講者は二年間でたった三十四名、研修後の従事者はゼロ、平成三十年度以後、養成研修は中止と、担い手不足は深刻な状況です。

また、住民主体デイでは、現在、区の要請もあって、コロナ禍で半数が休止状態となっています。自治体の判断でサービスの代替や継続がなくてもよい、総合事業の介護基盤としての脆弱さが明らかになったと思います。

厚労省の調査でも、全国的に総合事業は、従前相当サービスが大半を占めている。多様なサービスは三割程度と報告をされています。この総合事業、広がっていない、成功していないというのが現状だと思います。

こうした中、国は来年度から総合事業の対象を現在の要支援一、二に加え、既に要介護一から五の全ての要介護者へ広げる要件緩和を省令改正で行おうとしています。既にパブコメも終了しました。これに対し、全国でも、そして区内からも、介護団体、また家族会などから危惧や抗議が表明をされています。

認知症の人と家族の会は緊急声明を発表しています。要介護認定者の総合事業移行は絶対に認められない。要介護者の介護保険外しに道を開く省令改正は撤回すべきと厳しい声明を発表しています。

概要を紹介しますが、介護保険の給付費削減の流れに沿ったものである、また、要介護者の保険給付外しに道を開くことが強く懸念される、極めて危険な内容であり、断固反対、利用者が希望すればというが、どれだけ自由意思が尊重されるか懸念などとあります。

この省令改正について、我が党の小池晃参議院議員の聞き取りで、国は自治体から要件緩和の要望があった、世田谷区からだと説明していることが分かりました。その際、説明資料として提示をされたのが、今年七月開催の全国介護保険担当課長会議資料です。それがここにあるとおりです。世田谷区はこの中で、要介護になっても通い続けられる場として、金曜倶楽部という区内の住民主体デイの活動を取り上げていまして、そしてこの金曜倶楽部からの要望として、課題というのを提示しているんです。とても小さいので見えないと思うんですけれども、ここに大きくしました。

世田谷区は、課題として国にどのように上げたかというと、ここからです。要介護認定を受けたからといって、即住民主体型サービスの利用を中止し、介護給付の通所型サービスに切り替えるより、引き続きこのサービスを利用して、地域でのつながりを継続することが重度化防止につながるものと考えていて、要件緩和が必要とは考えていると、このように課題を掲示しました。

同じ資料では、厚労省は、昨年末の社会保障審議会介護保険部会の意見書を踏まえ、総合事業対象者を要介護認定者まで弾力化するとあります。そのための自治体からの要望として、世田谷区の事例が紹介されているということなんです。

区が事例紹介をした、この金曜倶楽部の方からお話を伺いました。昨年、区と厚労省などが聞き取りに来た。うちはスタッフ五名のうち三名がケアマネなど有資格者、だから、登録者十五名のうち、九名も要介護者を受け入れることができていると。しかし、運営協力費は、要支援者数でしか支払われないので、スタッフ二人分にしかならない。要介護、要支援問わず、参加人数に応じた協力費が必要など、話したということです。

ところが、まさかこれがこのような形で国に使われて、省令改正になるなんて思わなかったなど、戸惑いと、それから苦しい胸のうちが語られました。

ここで伺いますが、まずこの課題提出の事実関係、そして今般の省令改正は、要支援から新たに要介護となった方だけではなくて、今要介護の方にまで対象を広げている。今要介護の方も総合事業を使えるというものです。

その点、区の課題認識を超えた緩和ですが、これについて区は要望したのか伺います。

長岡 高齢福祉部長

今、委員からお話がありましたように、今年の七月三十一日の全国介護保険担当課長会議資料に記載されているとおり、世田谷区では厚生労働省からの依頼により、一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会第二回におきまして、自治体による地域特性に応じた取組の事例の一つとしまして、他の自治体とともに、介護予防・日常生活支援総合事業の住民主体による支援の取組を発表し、その中で課題を示したものでございます。

補助により実施する通所型の住民主体型サービスにつきましては、開始から五年がたちまして、利用者の約半数が要介護者となっている活動団体もあることから、要介護者が補助金交付の対象とならないことは、団体を運営していく上で課題であり、また、要介護認定を受けても引き続き地域でのつながりを継続することが、自立支援重度化防止につながるのではないかという課題を示したものでございます。

区が国のその検討会で出した資料につきましては、要支援から要介護に移った場合の継続したサービス利用について課題を示したものであり、要介護全体を総合事業の対象にするよう要望したものではございません。

江口じゅん子

つまり、金曜倶楽部からの要望の課題として提示しただけということですよね。しかし、私それに本当に問題を感じています。まず、区内の住民主体デイ全体を鑑みての課題ではなくて、有資格者をそろえて半数以上が要介護者という金曜倶楽部の特殊性、こういったことを無視して、課題提示をしたということです。ここまで有資格者をそろえている住民主体デイは本当に全国でもまれと聞いています。
 私、区内で長く住民主体デイを主催している関係者に、この省令改正についても伺ってきました。この方は何ておっしゃったかというと、要介護者受入れは無理、うちのスタッフは全員無資格、地域デイは介護予防、送迎もしていないし、要介護者はプロで診てほしい、このようにおっしゃられていました。
 区としては、課題表明に当たって、全体を把握し、慎重かつ総合的検討が必要だったと考えます。区内地域デイの全体状況の把握をされた上での課題表明だったのでしょうか、部長に伺います。

長岡 高齢福祉部長

 その点については、現段階では、過去の話ですので、認識、ちょっと把握をしておりません。

江口じゅん子

認識を把握していないということですけれども、少なくとも私は所管とやり取りする中ではこのように伺っています。

また、省令改正というのはもう既にパブコメも行われて、示されているわけですから、改めて区として、地域デイの実情、それから聞き取りをぜひしていただきたいと思います。

そして、もう一つ問題を感じているんですが、総合事業は区の運営なんです。国への要件緩和の前に、区として住民主体サービスの運営協力費引上げなど、検討するべきだったのではないかと思います。私、先ほどこの要件緩和について、認知症の人と家族の会の声明を挙げまして、要介護者の介護保険外しに道を開くと、こういったことを紹介させていただきました。

国は、社会保障費削減ということで、来年度からの介護保険制度改正に向けて、要介護一、二の生活援助の総合事業への移行というのを昨年来検討していました。しかし、全国市長会などから、あまりにも拙速であると、利用者への影響が大きいと、慎重を期することと要請したということもあって、この制度改正は見送られたわけです。市長会には当然世田谷区も入っております。

こういったことが背景にありながら、こういった省令改正で、要介護者の方を総合事業に振り分けるという、こうした国の方法というのは本当に乱暴ではないかなというふうに思っています。全国的にも大きな懸念が広がっていますが、区長の厚労省のこのたびの要件緩和について、認識を伺います。

保坂 区長

御質問を伺っていて、幾つか問題を整理しながら答えたいと思いますが、まず世田谷区のほうでは、こちらの倶楽部、住民主体型のサービスで、大変居心地がよく、ここに継続していたいという、要支援から要介護へ移られた方がいらっしゃるので、こういった方の意思が通るように、柔軟な対処をしてほしいということを、今出されているその文面で例示をしているわけですよね。これは、今所管が答えたように、全ての要介護の皆さんについて、市町村の判断するところの、いわゆる総合支援型に全部移行させてくれなんていうことは全く考えておりませんし、言ってもいないということでございます。

現在、住民主体型であるデイサービスでは、やはりそこの倶楽部は大変ベテランの方が、有資格者もいらっしゃるということですけれども、これは地域包括ケア、ここ五年かけてだんだん積上げてきて、やっぱり世田谷区でも広がってきたという成果の部分もあると思うんです。ただ、そこは介護保険の仕組みの中で、要介護者の方が多くなってくると、それだけ運営が苦しくなるという部分があって、そこの課題というのを出したんだと思います。ただ、これは認知症条例のときにもいろいろお話し、議論しましたけれども、御本人にとってどこの場がいいのかというその自己決定権、この視点も大事だと思います。

今、委員が御懸念のように、世田谷区がこういう事例を出したことで、全国の基礎自治体が、いわば要介護の方に関して、いわゆるチェンジできますよということが、いわゆる解約です。サービスが大幅に削られて、総合支援にみんな振り落とされると、しかし、その総合支援の中身たるや、全国で一律に育っているわけじゃないということだと思います。そこのところは、そのような使われ方をもし本当にしているんであれば、それは本意ではないと、そういうことを求めたのではないということを厚労省に対して改めてしっかり伝えるということをしたいと思いますし、そういう意味で、この報告なり要望が大変大きな制度の議論の中で普遍化されるというのはそもそもおかしなことだというふうに思います。

江口じゅん子

本意ではないと、厚労省にも改めて意見を申したいということで、本当に大きな制度改変です。全国的にも懸念が広がっています。しっかり世田谷区としてのスタンスを表明していただきたいと要望します。

国保について

江口じゅん子

次に、国保についてです。

かねてより子育て支援の観点で、国保の多子世帯均等割の区独自減免を求めてきましたが、コロナ禍でその必要性、緊急性は高まっています。現在、国による減免が実施されています。申込みは約九千二百件、決定は約二千四百件と聞いています。

区内の食品製造業、子ども二人を持つ方からお話を伺いました。コロナはひどかった。外食店は閉まり、食品を卸せず、五月は自分と妻の給料、約十万円だった。今年度の年間保険料は三十二万円、子どもは私学、本当に大変、早く減免してほしいとのことでした。加入者に多い自営業、非正規雇用などの方々の生活が逼迫する中、減免、本当に求められています。

区には処理のスピードアップ、区長を先頭に国へ来年度以降の減免継続働きかけを重ねて求めます。

同時に、今般の減免は、国保の構造的及び都道府県化による急激な保険料高騰問題を解決するものではありません。現在二十三区統一保険料方式の当区でも、六年間の激変緩和の真っ最中、保険料抑制のための法定外繰入金を毎年減らし、保険料は毎年上昇しています。この激変緩和、本当に大きな効果額で、今年度の一人当たり保険料十六万二千百五十二円なんですが、この激変緩和がなかったら、ここにさらに七千百九十九円が上乗せになると本当にこの効果額は大きいと思います。

来年度は激変緩和の四年目、さらに保険料が上がります。コロナ禍による経済悪化が数年間続くと予測され、かねてより求めてきた国による多子世帯減免実現まで区としての時限的対応が必要です。様々優先すべき課題もありますが、改めて区長の認識、今後どうしていくのか、伺います。

保坂 区長

国民健康保険のとりわけ多子世帯に係る保険料、多子世帯だけではないと思うんですが、とりわけ象徴的に多子世帯にかかって、私はこれは少子化が今一段と加速している中で、全く逆立ちした制度であると考えて、これは特別区長会でも皆さん意見一致しまして、度々国への要望に上げているところでございます。

こうした意見が届いたのかどうなのか、政府がこの五月に少子化社会対策大綱に、これは閣議決定しているわけですが、子どもの数に応じた保険料の負担軽減を図る自治体への支援をするんだということが書かれていると。書かれているということは実行されるということでなければならないので、現在今、所管を通してどういうプログラムなんだということを問合せをしているところであります。

私としてもこの間、国が動かないんであれば、自治体として区でできることはないのか、所管に指示して、その多子世帯に対する軽減の問題について様々検討させてきたところです。

今般、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、保険料の減免、これは現在行われていますどの時点まで継続されているのかちょっと定かではありませんけれども、こういう減免に対する処理をまずは優先させるという判断をしてきました。

多子世帯負担軽減につきましては、国保の制度設計者である国としっかりその議論を加速するように求めながら、区としての早期の実現を目指して、引き続き課題整理、検討を進めていきたいと思います。

江口じゅん子

しっかり進めていただきたいと思います。

ふじみ荘について

江口じゅん子

最後に、ふじみ荘について伺います。

我が党として、廃止条例可決、大変遺憾です。私は改めて条例可決後、利用者の方々からお話を伺いました。区も区長も年寄りをないがしろにしている、年寄りを全く理解していない、こんなやり方はない、代替というけれども、この年齢で新しい場所になじめるか不安、行く場所がなければ孤立してしまうなどなどを伺い、納得が全く得られていないということを実感しています。区長も区もこうした声をしっかり受け止めていただきたいです。

そして、先ほど他会派からも代替策の質疑がありましたけれども、やはりふじみ荘利用者、バスを確保すれば代替になるという区の考えは違うと、このようにおっしゃっています。これで終わらせず、さらなる工夫と努力を求めます。

この間、新たな高齢者施策について提起されましたけれども、検討には高齢福祉部が入らず、生活文化政策部と経済産業部のみということにも問題を感じています。区長として、現段階で示されている新たな高齢者施策について、代替策も含め、どのような認識でしょうか。代替策についてはさらなる工夫と努力を求めます。

また、今後、新たな高齢者施策をどうしていくのか、その方向性、具体的取組を伺います。

保坂 区長

先ほど他会派にもお答えしましたが、ふじみ荘の利用者の方、あるいはこの問題に関心を持たれた方から多数の御意見をいただいているところです。私としても、高齢者を支える、また交流をする、個人で利用する場がいかに大事かということについては、改めて認識をしてきた次第です。

一方で建物の老朽化等のやむを得ない事情があって、今回廃止条例を提案し、可決成立をしていただきました。

ふじみ荘の利用者の受け皿として、千歳温水プールの健康運動室などの活用、また送迎バスを使うことで、交通の便を確保していこうということについても指示してまいりましたが、これは委員おっしゃるように、そういう場所だけがあって、そこに案内されても、それだけでは、代替とは言えないというふうに思います。

この間、高齢者の地域参加型の促進施策を充実させることを九月頭以降、担当部で申し上げていますが、高齢者の居場所づくりという点で、そこで何が行われるのか、どのような出会いがあるのか、あるいはどのようなサービスがあるのか、あるいは発見があるのか、それが示されない限り、場所だけがリスト化されても、はっきりと伝わらないということを感じています。ふじみ荘の建物を活用して多世代交流という御提案もありましたが、耐震上の問題がなかなかありまして、大規模改修などの検討を行った上で、やむなく今回の選択をしたわけでございます。

今所管に対して、改めて岡田副区長も入って、今、委員おっしゃるような元気高齢者、一方で高齢福祉が対象としている介護、介護予防、庁内一体になって、プロジェクトチームをつくり、そしてどのように具体的に利用者に関して、春以降、代替を示せるのかと、その具体像を急いでつくるように指示しているところでございます。

江口じゅん子

 高齢者の皆さん、本当に残念で、廃止には納得していません。今の区長の方向性を示されました。参加と協働で早急の具現化をお願いしまして、以上で終わります

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