平成26年第4回定例会 代表質問

2014年11月26日 江口じゅん子

国政の諸問題について

江口じゅん子

日本共産党世田谷区議団を代表して質問します。

質問の第一の柱として、国政の諸問題について、区長の政治姿勢を伺います。

衆議院が解散し、総選挙が行われます。国民の間からは何のための解散かといった批判の声が寄せられています。安倍首相がこの時期の解散を決断した動機は、先に延ばせば延ばすほど追い詰められる、だから、今やってしまおうという思惑です。この解散は、秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、原発再稼動、沖縄基地問題、そして消費税増税など、あらゆる分野で国民の民意に背く暴走をしてきた安倍政権が、国民の世論と運動に追い込まれての解散にほかなりません。

区民の間でも自公政権への批判の声が高まっています。日本共産党区議団は、この秋、区民アンケートの全戸、駅頭での配布を行いました。現在約二千百人の方から回答が寄せられています。アンケートでは、保育園増設や若者の就労支援など区政にさまざまな要望が寄せられているとともに、政治に対する批判、意見がびっしりと書き込まれています。

二十代女性、安倍政権は政策を無理やり推し進めようとしている。国民の経済状況は苦しくなる一方なのに。納豆一パックの値段も知らない人たちに国民の声は届かないと思い、絶望している。今の若者は長生きを望んでいない。苦しい生活を強いられることが不安で仕方ないのだ。子どもなんてこの世に残せないから産む気にもなれない。

三十代女性、子どもを戦争に行かせたくないのは母親であれば当然だと思います。あれだけ集団的自衛権に関して反対の声があるのに、なぜ国民の声を全く聞かないのでしょうか。

四十代女性、私たちの子どもたちは、誰かに傷つけられたり、誰かを傷つけるために生まれてきたのではありません。

こうした声が寄せられました。私はアンケートを読んで、特に子どもたちを戦争に行かせたくないという母親たちの戦争反対の強い思いを強く感じました。

さて、安倍首相は、消費税一〇%増税を一年半先送りした後は、景気がどうであろうと増税を実施すると断言しました。一〇%増税を一年半先送りして給料が上がる保証はありません。年金はさらに下がります。国民所得がふえなければ地域の景気はよくなりません。

日本共産党は、消費税一〇%の中止を求めるとともに、消費税に頼らない別の道を提案しています。それは格差の拡大に対応した税制改革です。富裕層と大企業に応分の負担を求めること、そして大企業の内部留保を活用し、国民の所得をふやす経済対策で税収をふやすことです。この二つをあわせて行うならば、消費税に頼らなくても社会保障を充実し、財政再建を図ることは可能です。消費税一〇%の増税についての区長の見解を伺います。

保坂区長

江口議員にお答えします。

まず、解散総選挙と一〇%消費税増税についてのお尋ねをいただきました。

先般、内閣府が発表した七―九月期のGDP速報値は年率換算でマイナス一・六%と、二期連続のマイナス成長となりました。報道機関やエコノミストの中では衝撃的であるという声もありましたが、私はむしろそのことに驚きました。消費の現場、生活の現場、個人から見れば驚くべき数字ではないというふうに感じております。

こうした状況を受けて安倍首相は、来年十月に予定されている消費税税率一〇%引き上げを一年半先送りすることを表明するとともに、二十一日に衆議院を解散、総選挙を実施することとしています。今回、消費増税法にある景気条項によるもので、にわかにこれが解散理由に結びつくものではないと思いますが、一方で安倍首相は、一年半の先送りの後、かかる景気条項を外して、景気がどうあろうと消費税の一〇%の増税を実施すると断言しているということにも注目せざるを得ません。総選挙では増税実施の是非が大きな争点となると見ております。

この二年間の政権運営並びに憲法改正や原発再稼働など、今後の政治が向かっていく方向が大きく議論されるべきと考えます。報道によると、国が新たな緊急経済対策を検討しているという報道がございますが、引き続きこの状況を見据えた上で、暮らしに密着する影響の低減や地域経済の活性化など、必要な施策を検討していきたいというふうに考えます。

江口じゅん子

今回の総選挙のもう一つの争点は、日本を戦争する国につくりかえる集団的自衛権の問題、その具体化である日米ガイドライン改定についてです。

日米両政府は、十月に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)見直しに向けた中間報告を発表しました。中間報告は、集団的自衛権行使の閣議決定を適切に反映するとした上で、従来のガイドラインにあった周辺事態、後方地域という制約を取り払うものとなっています。つまり、地球の裏側、戦闘地域まで行って米軍と一緒に戦争する、これがガイドライン再改定の正体です。

日本共産党は、日本を海外で戦争する国につくりかえる憲法違反の閣議決定の撤回、そして閣議決定を具体化する一切の作業の中止を強く求めます。

日米ガイドライン改定中間報告についての区長の見解を伺います。

保坂区長

次に、日米ガイドライン改定中間報告についてのお尋ねがございました。

十月八日に、日米両政府において自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米防衛協力のためのガイドライン改定に向けた中間報告がまとめられました。前回のガイドライン改定のときに、私自身、国会において、この特別委員会で随分議論をした記憶があります。つまりは、周辺事態というのはどこまでが周辺事態なのかということが繰り返し議論され、当初の政府側の答弁というのは、周辺事態というのは地理的な概念ではないんだと、事態の性質に着目した概念なんだということが繰り返されてきたわけです。そういったことを考えると、この中間報告は、まさに周辺事態を全て外したということによって、まさに地球上全てが対象であるということに、いわばそれが地理的に地球上全てが対象であると、従来の範囲を大幅に拡大する内容になったというふうに感じています。

集団的自衛権の行使を容認するため、安倍政権は、この七月に行った憲法解釈変更閣議決定がございますけれども、これにもこの中間報告に言及をしておりまして、そういう意味で、さきの議会でも申し上げましたけれども、集団的自衛権の行使容認とは、戦闘、武力行使への歯どめを外すことになると強く懸念をしております。具体化されていくことに危惧を抱かざるを得ません。

報道によると、衆議院の解散を受けて、最終報告、これは先送りになるという見通しですが、安全保障問題は、もちろん国政できちっとした議論をしていただくべき問題ですが、他方で国民全体、自治体も含めて大きな影響があることから、十分な国民的議論を経ることが不可欠であると考えております。

新年度予算編成について

江口じゅん子

質問の第二の柱は、新年度予算編成についてです。

先日、ある年金生活の方からお話を伺いました。月十三万円の年金で生活をしているが、家賃が月七万円以上で生活に余裕がなく、とにかく節約をしている。安いもやしをよく買って食べている、引っ越ししたほうがよいのはわかっているけれども、都営住宅に当たらない。消費税が一〇%になるなんて考えたくもありませんというお話でした。

また、地域で長く居酒屋を経営されている店主からは、四月から消費税八%になり、お客が減って戻ってこない。お客さんも苦しいのだろう。節約していることがよくわかると話されていました。

働く人の実質賃金は十五カ月連続でマイナスとなり、年金は毎年減額され続けています。安倍首相は、この二年で雇用が百万人以上ふえたとしていますが、非正規雇用の労働者数は百二十三万人ふえて、一方で正規雇用の労働者数は二十二万人減少しています。また、働いても年収が二百万円以下の世帯は一千百万人を超え、一年間で三十万人増加しました。貯蓄なし世帯の比率は三割を超えました。これが国民生活の実態です。

こうした中、区の新年度予算では、区民の暮らし、福祉を守る自治体としての役割の発揮が求められます。ふえ続ける保育園の待機児、特別養護老人ホームの待機者の解消など、区政の直面する課題にしっかりとした解決の道筋をつける予算となることを求めます。そのためにも、開発優先の区政から暮らし、福祉を優先する区政への転換を図ることが必要です。

日本共産党は、新年度予算において、特に三つの視点で予算編成を行うことを求めます。一つ目は、安倍政権の悪政から区民の生活と福祉を守る予算、二つ目は、保育所増設など切実な区民要求に応える予算、三つ目は、大型道路・開発優先の区政からの転換に結びつく予算です。区長の新年度予算編成の基本姿勢について見解をお伺いします。

次に、この三つの視点に基づき、具体的な課題について質問します。

一つ目は、区民生活と福祉を守る施策の充実についてです。

この間、区は、安倍政権が行った生活保護基準の引き下げにより影響を生じる就学援助などの六十三事業の福祉水準を守る対策を講じました。さらに介護保険料の独自軽減を実施しました。区民の暮らしを守るためのこれらの施策を評価します。

区長はこれまで子どもの権利擁護の取り組みを積極的に推進されてきました。子どもの権利を考えるときに、貧困により子どもの健やかな成長や学ぶ権利などが奪われているという現状を看過することはできません。区として独自の積極的な対策を実施すべきです。子どもの貧困対策に系統的に取り組むことを求めます。区長の見解を伺います。

また、貧困家庭の子どもを対象にした無料塾の開催と就学援助の拡充に取り組むことを求めます。区の見解を伺います。

二つ目は、景気対策についてです。

今、区内の商店、業者の経営状況は深刻です。地域で四十年間酒屋を営んでいる方からお話を伺いました。

この地域には昔、酒屋が十軒以上あった。それが今は三軒で、うち一軒は今月廃業する。カクヤスやオオゼキと価格競争で勝てるわけがない。うちはお父さんが病気になってから配達は息子が会社が終わってからしているけれども、大手はバイクで広い地域を配達していて勝てない。一〇%増税は大きい、うちもいよいよやめるしかないかもとのことでした。

駅前商店街では昔ながらのお店は次々になくなり、かわりにチェーン店が出店します。駅から離れた商店街では歯が抜けるように店が閉じてシャッターがおりています。区内中小企業では急激な円安がその経営を圧迫しています。

今、区に求められることは、増税、円安から区内商店、業者を守り、経営を応援する緊急経済対策を検討することです。住宅リノベーション事業は地域産業対策として位置づけ、改善をすべきです。区長の見解を伺います。

三つ目は、防災対策についてです。

初めに、二十二日、長野県北部を震源とする地震で負傷者が四十五人に上り、民家が八十七棟全半壊するなど大きな被害が出ました。被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、日本共産党は救援活動に全力を挙げてまいります。

さて、区民の間では首都直下地震への不安、関心が高まっています。震災から区民の命を守る自治体の役割の発揮が強く求められています。区の地域防災計画では、地震による死者や避難者、建物被害を抑えるために減災目標を掲げ、住宅耐震化を第一に挙げています。そして、住宅耐震化を二〇一五年度までに耐震化率九五%に引き上げる、七万七千戸の未耐震住宅の解消を目指してきました。

しかし、現状は大変おくれています。区は、毎年莫大な予算をつけて都市計画道路整備を進めています。そのことで確かに防災性能が向上しますが、しかし、それは一部の地域に限定されます。震災から区民の命を守るための区全体の共通課題は、住宅の耐震化、住宅の不燃化です。都市計画道路整備を重点化するという区の考えを転換し、七万七千戸の未耐震住宅の解決のため、予算の増額、体制の強化が必要です。

都市計画道路偏重の防災対策を改め、住民の命を守る住宅耐震化の大幅引き上げを求めます。区長の見解を伺います。

保坂 区長

次に、新年度予算編成の基本姿勢についてのお尋ねがございました。

平成二十七年度予算については、二つの大きな課題に向けた取り組みを軸として取り組んでおります。その一つは、子ども・子育て応援都市の基盤をさらに強くすること、二つ目は、高齢化社会の身近な福祉の窓口を実現する世田谷型地域包括ケアのスタートに当たり、地区展開の内容を充実させていくことであります。

そして、二年目となる基本計画、新実施計画に掲げる重点政策を確実に推進していくとともに、社会保障関連経費や老朽化した公共施設の改築、改修、そして今後のさまざまな行政需要に備えた持続可能な財政基盤の構築という方針のもとに編成に取り組んでおります。さらに、教育環境の整備、若者支援、災害対策の強化、みどり33の推進など全力で取り組むものとするよう、限りある財源の効果的、適切な配分に努めていく予定です。

経済の先行きが不透明である中、自治体の首長として区民の暮らしを守る立場から、基本構想に掲げる子どもが輝くまち、信頼関係に支えられて誰もが安心して暮らせるまちづくりを念頭にして、参加と協働の区政を進めてまいります。

次に、この問題に関して区独自の緊急経済対策というお尋ねがございました。

区内における中小企業の景況におきましては、七―九月期のDI値マイナス七・六と、前期から二ポイント悪化しておりまして、十―十二月期の見通しとしてはマイナス六・三となっています。区内中小零細事業者を取り巻く経営環境は大変厳しいというふうに認識をしております。

報道によると、国において緊急経済対策も検討されていることですが、区といたしましても、この状況を見据え、引き続き必要な区民サービスの点検、見直しを進めていくとともに、国の経済対策の内容もよく見ながら、区内の経済活性化をさらに推進する具体策の展開、区民一人一人の生活の安定に取り組んでまいりたいと思います。

御指摘がありました環境配慮型住宅リノベーション事業につきましては、この制度がより潤滑、また業績にも地域経済の活性化に貢献するよう、有効で使いやすい制度になるように、さらに所管に検討改善を指示してまいります。

以上です。

岡田 子ども・若者部長

私からは、二点について御答弁申し上げます。

まず、子どもの貧困対策についてでございます。

子どもの貧困対策の推進に関する法律では、子どもたちの将来がその生まれ育った家庭の事情等に左右されることのないよう、子どもたちの生育環境を整備するとともに、教育を受ける機会の均等を図り、生活の支援、保護者への就労支援などとあわせて、子どもの貧困対策を総合的に推進することが重要とされております。

国の調査では、子どものいる現役世帯のうち、ひとり親世帯を含む大人が一人の世帯の貧困率が五四・一%と高いことから、特にひとり親家庭への支援については、区はこれまで子どもの自立に向けた支援や子育てと仕事の両立を図るための支援などを総合的に取り組んでまいりました。

今後、ひとり親家庭を含む貧困家庭の子どもの支援について、子供の貧困対策に関する大綱に位置づけられた教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援の四つの重点施策を踏まえ、総合的な支援の推進に向けて庁内関係機関が連携を図り、系統的に検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、無料塾の開催について御答弁申し上げます。

貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図るために、親と子どもへの支援を総合的に推進する必要があると認識しております。特に子どもが将来において自立した生活を送るためには、学習環境の整備は重要であると考えております。

区は、ひとり親家庭の支援策として、学習塾に行きたくても経済的な理由で行けなかったり、聞きたくても近くに大人がいないなどの環境にいるひとり親家庭の子どもを対象に学習環境を提供し、学習習慣の定着と苦手科目の克服を目的に、無料の学習支援事業、かるがもスタディルームを区民施設を活用し、現在三カ所で実施しております。

生活困窮者自立支援法では、生活困窮者である子どもに対し学習の援助を行う事業が位置づけされております。今後、かるがもスタディルームの地域展開の検討にあわせ、生活困窮の子どもに対する学習支援についても、庁内関係所管と連携しながら検討してまいります。
 以上でございます。

 

古閑 教育次長

就学援助の拡充を求める御質問にお答えいたします。

子どもたちが健やかに成長していくために、経済的理由により就学が困難な児童生徒の保護者に対しまして、経済的な支援を含め、児童生徒が十分に学習していくことができる教育環境を整えていくことは大変重要なことと考えております。

この間、国では、子どもの貧困対策法に基づき、本年八月二十九日に大綱が閣議決定されました。これを踏まえ、平成二十七年度の文部科学省の概算要求には義務教育段階の就学支援の充実として、経済的支援、学習支援、就学支援体制、教育相談体制、生活指導・進路指導の五つの充実を掲げているところでございます。

区では、就学援助の受給者の認定基準について、このたびの生活保護基準の見直しに伴う影響につきましても影響が出ないよう、見直し前の基準に据え置く対応をしているところでございます。

いずれにいたしましても、就学援助につきましては、今後の国の子どもの貧困対策や生活保護基準の状況などの動向を注視してまいります。

以上でございます。

保育待機児解消について

江口じゅん子

三つ目に、保育待機児解消についてです。

世田谷区の保育園事情は相変わらず厳しい状態が続いています。昨日、四月からの一歳児クラスの入園を目指すお母様から御相談の電話が寄せられました。

現在、主婦だが、経済的に厳しくて、知人の紹介で就職をすることになった。しかし、認証、保育ママ、保育室など自宅・職場付近の保育所を全て当たったが、全く受け入れ先がない。また、認証は保育料が月五万円から七万円と高過ぎて、働いてもこれでは生活が楽になりません。普通に保育園に入れて働きたいだけなのに、どうしてそれがこんなに困難なのでしょうかとのことでした。この方は、結局預ける保育園がなくて、保育園に入れることを諦め、また就職を断念したということです。

区はこの間、認可保育所を中心に保育所整備を精力的に行っていることを評価します。しかし、毎年掲げる整備目標の実施はできていません。今年度目標では一千四百人分に対して見込みは一千百人分です。待機児解消を求める保護者、区民の要望の声は年々高まっています。

今後五年間で二万人の保育整備目標の確実な整備を行うことが必要です。区長の決意を伺います。

秋山 副区長

今後五年間で二万人の保育整備目標の確実な整備についてという御質問をいただきました。

世田谷区基本構想を受けて、区の今後十年間を見据え策定した基本計画では「子どもが輝く 参加と協働のまち せたがや」を副題とし、「子ども若者が住みたいまちづくり、教育の推進」を目標に掲げています。子ども施策の中でも保育の基盤を整備し、待機児童を解消することは重要な課題の一つと認識しており、現在策定している平成二十七年度からの新たな子ども計画では、二十六年四月時点で約一万三千五百人の保育定員を、平成三十一年までに約二万人まで確保することを目標としているところです。

この間、整備の課題である保育園用地の確保に向けて不動産専門調査員を任用し、民有地確保に向けて積極的に働きかけるとともに、二十年間にわたる賃借料補助の新たな仕組みを導入しました。さらに、国家戦略特別区域に世田谷区子ども・子育て応援特区として保育施設整備を促進する方策を提案しているところでございます。

一方、量的な施設整備と同時に、保育の質を確保していくため、現在、保育の質ガイドラインの策定を進めております。保護者や保育施設関係者、学識経験者など、さまざまな立場の方から御意見をいただきながら今年度中に策定し、保育現場での質の高い保育の維持向上に取り組んでまいります。保育の質を確保しながら、また財政的な配慮もしながら目標を達成することは大変困難な課題ではありますが、保育待機児解消に向けた取り組みを全力で進めてまいります。

以上でございます。

道路・開発優先区政からの三つの転換について

江口じゅん子

新年度予算に関連した最後の課題は、道路・開発優先区政からの三つの転換です。

第一に、行政改革についてです。

本来、行政改革とは、無駄をなくし、区民サービスを向上させることが最大の目的です。しかし、目先の経費削減を追い求めた区民負担増やサービスカットなど本来の目的を見失った前区政の行政改革によって、区の福祉施策、そして公共サービスの本来の姿はゆがめられてきました。

我が党は、さきの議会の代表質問において、特定健診を例に挙げて、低所得者への配慮などの見直しを求めました。区長はそれに対し、区民の生活を最大限守る、こういったことを基本に、区民のさまざまなサービスの低下などに及ばないようにしていきたいと御答弁をされています。

特定健診、長寿健診、がん検診は新年度予算で見直すことを求めます。区長の見解を伺います。

金澤 保健福祉部長

 私からは、特定健診、長寿健診、がん検診の自己負担は新年度予算で見直すべきという御質問にお答えいたします。
 特定健診、長寿健診、がん検診については、経済的な理由により健診を受けられないことがないよう、また、経済的な負担を軽減することにより受診率を向上させて医療費の伸びの抑制を図るという視点から課題を検討しているところです。
 現在、低所得者対策を実施した場合の事務処理やシステム等に関して検討しておりますが、非課税世帯の方に一部負担金を減免する場合、現行の特定健診、がん検診のシステムでは世帯単位の課税状況が判定できないため、システム改修が必要になります。また、胃がん検診については、保健センターで受け付けを行っていることから区のシステムが活用できないため、受診者が非課税世帯の方か確認する方策について別途検討が必要です。
 区としては、こうした諸課題についてさらに検討を進めた上で、特定健診、長寿健診等における低所得者対策について方向性を固めてまいりたいと考えております。
 以上です。

江口じゅん子

第二に、職員体制の増員についてです。

世田谷区はこの間、職員定数を大幅に削減してきました。その結果、区民サービスは低下し、また、職員の仕事量は増大し、やりがいを見出せないという声や、また、心身の健康に支障を来す職員も多くなっています。

例えば区政の喫緊の課題に保育待機児解消問題があります。先ほども保護者の声を紹介しましたが、保育園増設にはスピードと、そして成果が求められます。今後も保育需要は高まると考えられ、保育所増設、そして世田谷の保育の質の保証のためには、さらなる職員体制の強化が必要です。

また、新BOPの大規模化が進んでいます。保護者からは目が行き届いていないという声、そして職員増員を願う要望が繰り返し出されています。生活保護受給者は増大をしています。一人のケースワーカーが百世帯を超える受給者を担当しているところもあります。一人一人の受給者の状況把握が困難で、死後数日たち発見された事態も起きています。現場の職員が減らされ、疲弊をするということは、区民生活のさまざまな分野のサービス低下につながります。

職員削減で区民サービスにも職員の健康にも影響が出ています。職員体制を削減から強化の方向に転換することを求めます。区の見解を伺います。

萩原 総務部長

私からは、職員体制についてのお尋ねにお答えいたします。

世田谷区基本計画、新実施計画の取り組みを初め、区政の重要課題を着実に推進していくためには、それを支える力強い組織づくりと人づくりを進めていくことが重要であると考えております。

区では、これまでも事務事業の見直しなどにより生み出された人員を重要課題への対応に振り向けるなど、効果的、効率的な定数管理を進めてきたところです。例えば今年度は、子ども・子育て支援新制度や保育施設整備への対応を初め、生活困窮者支援体制の強化、地区防災対策強化のための出張所・まちづくりセンターの体制整備など、区の重要課題に対して人員体制の充実を図ってまいりました。

今後も引き続き効率的な執行体制の確立と区政課題への着実な対応の両面から適切な職員定数管理を推進するとともに、長期的視点に立った人材育成にも積極的に取り組みながら、区民サービスの向上に向けて、職員が元気に働けるよう必要な体制づくりを進めてまいる所存でございます。

以上です。

江口じゅん子

第三に、道路整備についてです。

熊本前区政のもとで都市計画道路の用地買収がそれまでの数倍の規模にはね上がりました。一方、予算概要で示される道路整備計画から地先道路の記述が消えました。地先道路は最も身近な暮らしに密着をした道路です。危険な通学路、交通量が多いのに狭い道路、防災上不安な場所、コミュニティバスを通すのにネックになっている場所など、住民が地先道路の整備を求める場所が区内各所にあります。その整備が後景に追いやられています。

前区政の都市計画道路整備に偏った道路政策を転換し、地先道路の計画的な整備を進めることを求めます。区長の見解を伺います。

青山 道路整備部長

私からは、三点御答弁申し上げます。

まず、地先道路の計画的な整備についてでございます。

本年三月に策定いたしましたせたがや道づくりプランは、これまでの道路整備方針と地先道路整備方針を全面改定しまして、新たに道路整備に関する総合的な方針として策定しております。

この道づくりプランは、防災・減災の考え方に重きを置いたことが特徴であり、これを実現するために新たに打ち出した方策として、延焼遮断帯、避難経路、緊急物資の輸送路など、都市の防災性向上に大きく寄与する都市計画道路の整備を重点化する考えを示しております。

なお、実施に当たりましては、関係住民の理解と合意を得ながら丁寧に進めてまいります。

一方、地先道路の整備につきましても、消防活動困難区域の解消、安全な避難路や防災拠点に通じるアクセス道路の確保等に不可欠であります。道づくりプランでは、整備の必要性や配置計画の考え方を示し、具体の整備箇所などは現在策定中の地域整備方針において検討していくこととしております。

区といたしましては、道づくりプランや地域整備方針に基づく計画的な取り組みによって、都市計画道路から地先道路まで一体的かつ総合的に道路整備を推進し、災害に強いまちづくりの実現を目指してまいります。

江口じゅん子

質問の第三の柱として、各分野にかかわる政策問題について伺います。

まず、緊急経済対策として環境配慮型住宅リノベーション事業を位置づけることについてです。

環境配慮型住宅リノベーション事業の平成二十五年度の実績は二十二件、助成額は二百三十万円でした。今年度の九月までの申請数は十五件です。区内業者の仕事起こしとして期待をされていましたが、産業対策としては極めて不十分です。

一方で、大田区の住宅リフォーム助成事業は、世田谷区と同様の助成率一〇%、助成上限額が二十万円ですが、平成二十五年度の実績は三百十三件、助成額は三千九百六十七万円です。世田谷の十倍以上の利用で、実に四億円の経済効果をもたらしています。大田区によると、住宅リフォーム助成事業を産業対策として位置づけているということです。助成は、バリアフリーや環境配慮などの工事が含まれる全体の工事費に対して出されています。申請はしやすく、見積書とカタログのみで申請が通るとのことでした。

区は、緊急経済対策として環境配慮型住宅リノベーション事業を位置づけ、助成額の拡充、対象工事の拡大に取り組むべきです。区の見解を求めます。

松村 都市整備部長

私からは、予算に関連して二点の質問にお答えをいたします。

まず、環境配慮型住宅リノベーション事業についてです。

環境配慮型住宅リノベーション事業は、環境に配慮した住宅の改修工事に対し補助を行うことによりまして良好な住宅を普及促進するとともに、区内施工者の技術の向上と振興を図ることを目的に、平成二十五年度から実施しているところでございます。事業開始からこれまで事業に関しさまざまな御意見をいただき、より使いやすい制度へと見直しを図ってまいりました。

さらに、対象の範囲を広げることなどにつきましては、大田区の事例の御指摘もありましたが、先ほど区長から答弁がありましたように、環境に配慮した住宅ストックの形成が地域経済の活性化にも資するよう検討してまいります。

次に、住宅耐震化の促進についてです。

首都直下地震の切迫性が指摘されている中、防災・減災の観点から、道路の整備と建物の不燃化、耐震化を同時に進めていくことが重要であると認識しております。特に震災時における避難、救急・消火活動、緊急物資の輸送及び復旧復興活動の生命線となる緊急輸送道路におきましては、沿道建築物の倒壊による道路閉塞を防ぐため、沿道の建築物に対して早急な耐震化が必要であり、都条例や耐震改修促進法に基づいて指導、指示を行い、期限を設けて助成金の割り増しを図るなど、耐震化を推進しているところでございます。

また、住宅の耐震化につきましても、平成十七年度から行っている耐震診断、補強設計、改修工事助成や専門家派遣などの支援、また、一階部分のみの耐震化や耐震シェルターなどの設置などの制度の拡充、さらに毎年実施している耐震講演会、地区防災訓練や避難所運営訓練での模型による耐震化実験など、さまざまな啓発事業を行い、耐震化率九五%の目標に向けて取り組みを進めているところでございます。

しかしながら、建物所有者が高齢で耐震改修費用を負担するのが難しいなど課題も多くございます。今後は、耐震改修促進計画の計画期間が平成二十七年度に終了を迎えることから、今までの計画の実施状況等に関する調査、検証、課題の洗い出しなどを行いまして、他の自治体の事例を参考に助成拡充なども含め新しい手法を研究して計画の改定を行い、引き続き耐震化の促進に努めてまいります。

以上です。

介護施設の整備計画、第六期介護保険事業計画について

江口じゅん子

次に、今後の介護施設の整備計画、第六期介護保険事業計画について伺います。

先般、区より世田谷区介護施設等整備計画案が示されました。計画案には、団塊の世代が七十五歳以上となり、大介護時代と言われる、二〇二五年を目途とする介護施設配置の基本的な考え方が示されています。例えば特別養護老人ホームは小規模も合わせて、二〇二五年には約一千人の整備予定数を掲げています。また、デイホームに宿泊機能と訪問介護を加えた小規模多機能型居宅介護と、そこに訪問看護が加わった複合型については、いずれかが出張所・まちづくりセンターのエリアごとに一カ所以上の整備を目指すとしています。

まず、整備目標の根拠を示すことを求めます。目標どおり、介護施設、サービスが整備されれば、二〇二五年の介護離職、介護難民はなくなるのでしょうか、深刻化する介護の実態は改善をするのでしょうか、あわせて伺います。

策定に当たって、説明会など区民、事業者からの意見を聞き、反映させることを求めます。

また、認知症対応型共同生活介護、つまり認知症グループホームと地域密着型特別養護老人ホーム、つまり小規模特養ホームについては、いずれかが出張所・まちづくりセンターのエリアに一カ所以上の整備を目指すとしています。しかし、認知症グループホームと小規模特養ホームでは対象者の重症度、介護度が異なり、どちらかが整備されればそれで十分ではありません。小規模特養ホームに対しては、出張所・まちづくりセンターのエリアごとに整備目標とすることを求めます。また、小規模特養ホームを早急に五地域ごとに整備することを求めます。

第六期介護保険事業計画についても伺います。

来年度は三年に一回の介護保険料を改定する年です。区民の皆様の関心は大変高いものになっています。第六期の介護保険料の見込みについて伺います。また、保険料の設定に当たっては、低所得者への軽減について配慮をすること、そして応能負担の徹底を求めます。以上、区の見解を伺います。

田中 高齢福祉部長

私からは、介護施設等整備計画、第六期介護保険事業計画について、四点に御答弁申し上げます。

初めに、介護施設等整備計画の根拠等についてでございます。

高齢化の進展に伴い、要介護高齢者や認知症高齢者の増加が見込まれる中、介護サービスの基盤整備を進めることは重要な課題であり、区では医療介護総合確保促進法に基づき、第六期高齢介護計画の策定とあわせ、世田谷区介護施設等整備計画の策定を進めております。

特別養護老人ホームの整備目標は、団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年、二〇二五年を見据え、平成二十七年度から二十九年度の三年間について、高齢者のニーズ調査や介護保険実態調査等を踏まえ、高齢者人口や要介護認定者の伸び率、施設希望者や退所者の割合を勘案し策定いたしました。

認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護は身近な地域で利用できるよう、未整備圏域を中心に整備を目指しております。施設整備に加え、誰もが地域で安心して暮らし続けられるよう、また、介護者が仕事と介護の両立ができるよう、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの在宅サービスの充実にも取り組んでまいります。

次に、計画策定に当たり、区民、事業者からの意見を聞く機会を設けよという点にお答えいたします。

介護施設等整備計画の策定に当たりましては、区民や介護サービス事業者の意見をお聞きすることが重要であると認識しております。

区では昨年度、高齢者ニーズ調査や介護保険実態調査を実施し、区民の方や事業者から介護を受けたい場所や施設利用等について御意見をいただきました。また、第六期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案についてパブリックコメントやシンポジウムを実施した際、施設整備に対する御意見や御要望をいただいております。

区はそれらを踏まえ、学識経験者、医療関係者、区民、介護サービス事業者で構成される地域保健福祉審議会や高齢者福祉・介護保険部会、地域密着型サービス運営委員会で御意見や御議論をいただいてまいりました。今後、審議会の答申を踏まえて計画の具体的な目標数値等を検討し、議会の御意見を伺いながら計画を策定してまいります。

次に、小規模特養ホームの整備目標についてでございます。

現在策定中の介護施設等整備計画においては、平成三十七年、二〇二五年を目途とし、二十四時間の居住系の施設として地域包括ケアシステムの拠点となるよう、認知症高齢者グループホームと小規模特別養護老人ホームのいずれかが二十七カ所の身近な日常生活圏域に一カ所以上との整備目標を示しております。

また、小規模特別養護老人ホームを含め、特養は区内の五地域ごとに二カ所以上となるよう整備目標を立てております。計画策定に当たっては、土地の確保や事業者の参入動向等を考慮し、具体的な目標数を設定することとなっております。整備は国有地や都有地等を活用するとともに、整備補助を活用し取り組んでまいります。

最後に、第六期の介護保険料設定についてお答えいたします。

平成二十七年度から平成二十九年度の第六期介護保険事業計画期間における標準給付費は、高齢化の進展等に伴い、第五期と比較して約二〇%増となる見込みでございます。介護保険ではサービスにかかる費用の二二%を第一号被保険者の保険料で賄うこととされていることから、地域保健福祉審議会における計画案の検討の過程では、第六期の保険料について基準額が二〇%程度上昇し、六千円を超える見込みになるとの推計をお示ししたところです。

区では、一定所得以上の方の保険料段階を細分化して設定するなど、引き続き低所得の方の保険料上昇の抑制に努めるとともに、国が予定しております公費投入による低所得者対策の仕組みに沿って、区としても費用負担を行ってまいります。

今後は国の低所得者対策の動向を踏まえまして、平成二十七年第一回区議会定例会で低所得者対策を盛り込む形で条例改正を行いたいと考えております。あわせて、世帯全員が非課税の方につきましては、第五期の区独自軽減の趣旨が継続できるよう、きめ細かな対応を図ってまいります。

以上でございます。

江口じゅん子

 そして、二つ目の高齢者の問題について再質問しますが、世田谷区介護施設等整備計画案について質問させていただきました。
 二〇二五年の大介護時代を迎えるに当たって、団塊の世代、当事者の方からも、自分たちの将来の介護問題はどうなるのか、本当にこの計画で自分たちは安心して地域で年をとれるのか、こういった不安の声を私は伺っております。区内の介護難民、介護離職は解消されるのかと、私はそのように先ほど質問で述べさせていただきましたけれども、ちょっとこの御答弁がなかったので、もう一度その点についてお伺いしたいと思います。

田中 高齢福祉部長

 現在お示ししております世田谷区介護施設等整備計画は、高齢者のニーズ調査であるとか、要介護認定者の伸び率、施設希望者、退所者の割合等を勘案して策定したものでございます。

一方、計画の策定に当たりましては、土地の確保ですとか、事業者の参入動向等、ある程度実現可能性も考慮し、具体的な目標設定をすることが求められてございます。こうしたことを考えあわせてお示しした計画でございますが、こうした施設整備とあわせ、在宅サービスの充実にも取り組むことで、誰もが地域で安心して暮らし続けていただける、また、介護者が仕事と介護を両立していただけるような地域社会をつくるように努めてまいります。
 以上でございます。

公共交通不便地域の解消について

江口じゅん子

次に、公共交通不便地域の解消についてです。

区内の公共交通不便地域は一九・六%存在します。区内の面積の五分の一を占め、人口に換算すると約十七万人もの方が住んでいらっしゃいます。区の公共交通不便地域の解消は進んでいません。この十二年間でたったの〇・九%しか改善をしていません。高齢化が進む中で、地域をきめ細かく回り、駅や病院などにアクセスする足の確保を求める声は高まっています。また、公共交通不便地域の解決には、道路の幅員、交通管理者、警察との協議、事業の採算性など、さまざまな課題があります。解決のためには総合的に取り組む体制の強化が必要です。担当所管である交通政策課の職員体制は極めて不十分なものになっています。

公共交通不便地域の解消を区政の重要課題として位置づけることを求めます。区長の見解を伺います。

五十嵐 交通政策担当部長

 私からは、公共交通不便地域の解消についてお答えいたします。
 区では、これまでも区政の重要な課題といたしまして、公共交通不便地域の解消とあわせ、南北公共交通の強化や高齢社会における移動利便性の向上を図るため、新規バス路線の調査検討、バス事業者への働きかけ等により、バス交通サービスの充実を促進してまいりました。
 区では、幅員の狭い道路が多く、バス路線も限られていることから、公共交通不便地域が点在しております。現在作成中の新たな交通まちづくり基本計画におきまして公共交通不便地域に対する地域の取り組みに向けての章を起こし、各地域に点在する公共交通不便地域の解消を目指し、バスのほか、乗り合いタクシーの活用など、地域ごとにさまざまな移動手段の確保に向けた取り組みを検討することとしております。
 区といたしましては、今後も南北公共交通の強化や公共交通不便地域の解消、高齢社会における移動利便性の向上に向けた取り組みを進め、新たな交通まちづくり基本計画の理念であります「誰もが快適に安全・安心な移動ができる世田谷」を目指してまいります。
 以上です。

江口じゅん子

私は、高齢者の問題について再質問させていただきます。

一つは、区長にぜひ公共交通不便地域の問題について御見解を伺いたいと思っております。

今、部長の答弁で公共交通不便地域の解消、これはこれまでも区政の重要な課題として位置づけと、そういった御答弁がありました。しかし、私は質問でも述べましたけれども、この十二年間で〇・九%しか改善していないという、そういうことになっています。私もこの解消についてはこれまで議会でも何回か取り上げましたし、そして多くの会派がこの問題の解決、そういったことを求めて質問もされていますし、また陳情のほうも上がって、公共交通不便地域の解消を求める、それが継続審議になっている、そういったこともあります。

重要課題だというふうに言っていますけれども、しかし、現実としてこの問題が解決できていないという事態が進んでいないということに対して、区長としてはどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。

特に高齢者の間で、本当にこの問題を解決してほしい、自転車に乗れなくなった、駅や病院に行くのに帰りはタクシーを使ってお金がかかって大変とか、本当に大変な声が寄せられています。

ぜひ区長として、この問題に対して区政の中で重要というふうにおっしゃっていたので、最重要課題として位置づけていただいて、リーダーシップを発揮していただきたいと思っております。区長の見解をぜひお伺いしたいと思います。

保坂 区長

江口議員の再質問にお答えします。

公共交通不便地域の問題については、私もバスの時間が六時で終わってしまう、それ以降買い物に行けない等々のお話を何箇所かの高齢者の方から聞いております。

超高齢化社会と言われますけれども、六十五歳以上人口が二〇%になってきて、またさらにそれが拡大する中で、この間申し上げている地域包括ケアの地区展開も力を入れているわけですけれども、その目指すところは、いつまでも健康を保持して、ともに支えあい、語ったり、ともにさまざまな取り組みをしたりという、その区民の自発的健康な活動ということを保障していくインフラの一つが、この公共交通であるというふうに認識しております。

コミュニティバスなどの運行に関して、警察等の規制が以前より強まったということで、なかなか新規の求められているところの交通が実現しないという現状があると聞いていますけれども、区民の立場、特に高齢の方の実際買い物に行けない、こういうことの中で孤立をし、健康を損ねてしまうというリスクを十分認識して、この課題について取り組んでまいりたいと思います。

江口じゅん子

区長、御答弁ありがとうございました。区長がおっしゃられているとおり、警察の規制が厳しくなった、それも不便地域解消の課題の一つです。この問題は、ぜひ区長のリーダーシップの発揮を期待したいと思っています。実際の警察との協議ですとか、それから道路の幅員が足りなくてコミュニティバスが通らないというのは二十三区共通の課題ですので、区長会で取り上げるなど、ぜひお願いしたいと思っております。

本庁舎整備について

江口じゅん子

次に、本庁舎整備について質問します。

本庁舎整備には莫大な区民の税金が使われます。ですから、庁舎整備に関しては区民の理解なしには進めることはできません。しかし、議会では、区民の理解、合意なしに、災害から区民の命を守ることを理由に庁舎整備を決断しろと迫る議論もあります。今、庁舎整備について区民の理解は得られていません。庁舎整備の必要性、どういう庁舎にするかなど、まず区民に情報提供を行うこと、そして区民の理解、合意を得ることが何よりも先です。

さきの決算委員会で、我が党の質問に対し区長は、庁舎整備について区民への情報発信は大変不十分と認めています。庁舎整備について区民の合意はできていません。区長の認識を伺います。さらに今後、区民への情報発信と合意形成をどのように進めるのか、あわせて区長の見解を伺います。

板垣 副区長

私からは、本庁舎整備についてお答えさせていただきます。
 本庁舎整備につきましては、平成二十年度に二十七出張所地区における報告会の開催や、また意識調査を実施しまして、二十一年度には公募区民、地域団体の代表や学識経験者などで構成されます本庁舎等整備審議会から答申をいただきました。

二十五年九月からこれまでの報告会や審議会答申を踏まえた検討を再開し、有識者アドバイザーから専門的な御意見を伺いますとともに、区民ワークショップを開催し、本庁舎に必要な機能や、一部または全部改築等について御意見をいただきながら検討を進め、本年三月に本庁舎等整備方針を策定しまして、議会にも報告してきたところでございます。

また、この整備方針につきましては、区のホームページで公開しますとともに、本年五月にはシンポジウムを開催し、広く区民の方々へ周知し、意見等の把握にも努めてまいりましたが、区民の方々の認知度が必ずしも十分な状況ではないと認識しております。

今後も二年間で策定いたします基本構想の検討の進捗状況を踏まえまして、「区のおしらせ」やホームページなどさまざまな手法で区民への周知に努め、御理解をいただきますとともに、機会を捉えて御意見を伺い、さらに議会や職員の意見も聞きながら基本構想の検討を引き続き進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

外環道について

江口じゅん子

最後に、外環道について伺います。

大蔵五丁目では外環道の立て坑工事が進んでいます。外環道に関して賛成、反対、住民の皆様からはさまざまな意見がありますが、工事の進捗とともに新たな問題が発生するなど、地元住民の方々の不安、不満の声は広がっています。区としてこの声を受けとめ、応えることを求め、以下伺います。

最近問題となっているのは立て坑工事のロット沈下時の振動被害です。工事現場のすぐ近くの方からは、震度三から四の揺れ、最初は地震だと思ったとの声が寄せられました。また、現場から離れた喜多見小周辺の方からも同様の訴えが聞かれています。住民の方からは、国、NEXCOからは完成まで百五十回の沈下作業があると説明を受けた。何とかしてほしいとの切実な声が寄せられています。

今後も工事の進捗とともに新たな問題が発生するでしょう。区はこの計画の事業者ではありません。地方自治体の役目は、地域住民の福祉や暮らしを守る立場で、国の事業に対して必要な対策を求めることです。しかし、現状では、問題発生時の対応は、住民が個別に事業者と交渉しています。その負担は大きなものであり、また、事業者に言っても聞いてもらえない、高圧的だとの苦情が寄せられています。

工事周辺地域では、振動などさまざまな被害、影響が生じています。区は、外環道に関する苦情、相談を受け付けるための専門の窓口、体制をつくり、問題解決に積極的に取り組むことを求めます。

ことし八月、地中拡幅部の構造、範囲を見直す都市計画変更素案が示され、住民の間からは環境アセスメントをやり直すべきだなどの意見が寄せられています。都市計画変更案に対して、都知事から区長へ意見照会があり、来年一月に回答を出すことになっています。

都市計画変更案に対する区長意見作成に当たって、住民の声を聞く場の開催を求めます。また、意見には住民の声を反映させるべきです。区長の見解を伺います。

この間、外環道ふたかけ部分などの上部空間の利用について話し合う上部空間等検討ワークショップに参加をしました。議論を通して多くの参加者から出された意見を紹介します。

前提として、外環道は、地元住民にとってはあくまで迷惑施設、上部空間利用は、近隣住民の迷惑を軽減させるため、騒音や排気ガス、目ざわりなものを軽減させるためのものにしたい、ジャンクションという大迷惑施設を喜多見の原風景に溶け込ませるために全て緑でカバーさせたい、外環道計画の賛成、反対を超えて、これが地元の方々の率直な思いです。

区長として暮らし、環境を守る立場で、できることを最大限していただきたいと強く要望し、以上で壇上からの質問を終わります。

青山 道路整備部長

次に、外環道工事にかかわる苦情や問題の解決についてです。

外環道の整備工事につきましては、事業者である国、中日本高速道路株式会社及び東日本高速道路株式会社により進められております。

現在、仮称東名ジャンクション周辺では本線トンネルのシールドマシンを設置するための立て坑工事が、また、仮称中央ジャンクション周辺では工事車両を搬出入するための準備工事がそれぞれ進められております。

外環道の工事に関する苦情や問題等につきましては、基本的には事業者の責任において地域住民に対してわかりやすく説明し、理解を得ながら解決していくべきものと考えております。現在までの対応状況でございますが、事業者はオープンハウス等を活用し、工事の進捗に合わせて具体的に工事や調査等の内容を説明するとともに、直接住民の皆様から意見を伺う機会を設けており、区もこうした場に出席し、地域の状況を把握するよう努めてまいりました。

区といたしましては、これまでも区民の立場に立ち、事業者に対して必要な要請を行うとともに、事業者との調整を図ってまいりました。今後とも事業者との連絡を緊密に行い、工事にかかわる情報について、区民の皆様へ適時適切に提供できるように努めるとともに、必要に応じて調整してまいります。

最後に、外環道の都市計画変更案に対する区長意見書についてお答え申し上げます。

本年九月に、外環事業者である国、中日本高速道路株式会社及び東日本高速道路株式会社は、有識者から成る東京外環トンネル施工等検討委員会の提言を受け、本線トンネルとランプシールドトンネルとを地中でつなぐ地中拡幅部の構造や範囲を見直す都市計画変更案を作成いたしました。都市計画の変更に当たりましては、都市計画法第二十一条第二項において準用する同法第十八条第一項の規定により、都市計画決定権者である東京都が関係区市の意見を聞き、かつ東京都の都市計画審議会の議を経て都市計画を決定するものと定められており、現在、東京都より区長への意見照会が来ております。

また、都市計画変更案に対する住民の意見を聞く手続といたしましては、都市計画法では都市計画決定権者である東京都が都市計画法第十七条第一項の規定によりその旨を公告し、公告の日から都市計画の案を二週間縦覧することと定められており、本件についての縦覧期間は十二月一日から十五日までとなっております。さらに、住民及び利害関係人は縦覧期間満了の日までに東京都に意見書を提出することができるとされております。この一連の都市計画の変更手続は都市計画法に基づき進められており、区といたしましては「区のおしらせ」等を活用して区民の皆様に周知しているところでございます。

なお、区長意見書の提出に当たりましては、区民意見を踏まえて検討してまいります。

以上です。

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