平成26年決算特別委員会 都市整備委員会所管質疑

2014年10月08日 江口じゅん子区議

公共交通不便地域の解消について

江口じゅん子

私は、公共交通不便地域の解消を求めて質問いたします。

区内には、公共交通不便地域が一九・六%存在します。区の五分の一を占める広大な地域が不便地域となっているわけですが、では、その一九・六%に何人の方がお住まいか、人口は把握していらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。

工藤 交通政策課長

委員から御質問ありましたように公共交通不便地域は一九・六%ございますが、その中の人口については把握しておりません。

江口じゅん子

交通不便地域というのは数字や面積だけの問題ではありません。
そこに住む区民の暮らしの問題ですから、ぜひきちっと調べて、そして現在策定が行われております世田谷区交通まちづくり基本計画改定には、きちんと何人の方が不便地域に住んでいらっしゃるか、数字を示してもらいたいと、まず要望いたします。

区のほうから、わかりませんという答弁でしたので、参考の一つとして聞いていただきたいんですが、九月一日現在の区の人口は八十七万三千二百四十八人になります。
単純にこの人口の一九・六%を計算しますと、十七万一千百五十六人になります。実際の人口はもちろん異なりますけれども、一つの目安の数字としても本当にたくさんの方が不便地域に住んでいるということに私自身、改めて驚きます。

私は、その一つである砧・大蔵地域の方に、以前地域の方にアンケートをとりまして、祖師ケ谷大蔵駅南側のバス運行についてお話を伺ってきました。ここでそのアンケートを少し紹介させていただきます。

この方は、大蔵団地にお住まいの七十歳の方です。大蔵団地というのは本当に広い団地で、長い坂を下ったところに住む号棟の方からの声なんですけれども、平地に出るだけでも六十六段の石段を上っていかなければなりません。
そのため、祖師谷方面には最近ほとんど行っておりません。用事は近くに住む娘が自転車で行動しているので頼んでおります。こういった声がありました。同じく大蔵団地の七十代の方、祖師谷には自転車で行っていますが、いつまで自転車に乗れるかわかりません。あれば利用すると思います。やはり大蔵団地の八十代の方も祖師ケ谷大蔵駅にはたまには行きたいと思うけれども、遠くて行けないといった声でした。

そして、砧・大蔵地域には銭湯が一カ所もなくなって既に十年以上になります。ですから、このアンケートの調査でも、家で一人で入るのは心細いので、そしがや温泉21に行っていますという声が本当に多かったんですね。高齢者の方からは、こういった要望の声が聞かれました。

しかし、三十代の若い世代の方からはこういった声もありました。年配者の要望も多いと思いますが、砧公園や世田谷美術館のような施設に行きたい。
誰にとってもミニバスがあれば便利なものになると思う。日大商学部の大学生も利用するのではというアンケート調査の声がありました。
どの方からも、祖師ケ谷大蔵駅南側と砧・大蔵地域を結ぶコミュニティーバス運行を求める声は切実でありましたし、もっともな意見ばかりでした。

区内の不便地域に目を向けてみますと、烏山地域の方からも、平成二十四年五月、交通不便地域を一刻も早く解消してほしいというコミュニティーバス新設の陳情が出され、継続審議となっています。
そして、先ほど他会派からも桜上水から経堂路線についての地域の要望の声、また同じく、祖師ケ谷大蔵駅南側について要望を求める声が紹介されました。

こうした区内各地域からの声、そして、私、先ほど参考値として十七万人、単純計算すると一九・六%お住まいになっていると。実際はもちろん異なりますが、多くの方が公共交通不便地域に暮らしているということに対する区の受けとめをお伺いしたいと思います。

工藤 交通政策課長

区では、公共交通不便地域の解消、南北公共交通の強化、また高齢社会における移動利便性の向上を図るため、バス交通サービスの充実に向けた取り組みを進めてきております。

今お話がありました地域、また我々も桜上水等の地区、昨年度導入しました喜多見団地の方にも直接お会いする機会もございます。
そういった区民の方からバスを通してほしいという御要望もいただいております。今後も、公共交通不便地域の解消に向けまして取り組んでまいります。

江口じゅん子

取り組んでまいりますということなんですが、実際問題、不便地域の解消は進んでおりません。
平成十四年、不便地域二二・五%、平成十九年、一九・九%、平成二十六年、一九・六%ということで、十二年間で約三%しか改善していないという状態なんですね。

それでは、なぜ解消が進まないのか、お伺いいたします。

工藤 交通政策課長

公共交通不便地域となっている地域におきましては、幅員の狭い道路が多く、バス路線も限られてくることから、公共交通不便地域が点在している状況となっております。

また、数年前から交通管理者とのバス通行に対する規制が厳しくなっていることも要因となっております。こうしたことから、新規バス路線の導入が難しくなっている状況でございます。

江口じゅん子

確かに幅員の問題でいえば警察による規制が厳しくなっているのは事実です。
今道路幅員のことを言われましたけれども、私はこの間、コミュニティーバス運行を求める質問をしまして、必ず問題として言われるのは道路幅員のこと、そして採算性の問題です。
そういったことがあるということで、それでは、今般示された世田谷区交通まちづくり基本計画改定素案についてお伺いしたいと思います。

素案では、公共交通不便地域の解消を目指して「五地域ごとに、様々な移動手段の確保に向けた取り組みを検討します」とあります。
この中で現状調査を行うとありますけれども、五地域ごとに区民の方々からニーズ、意見、希望ルートなどしっかり調査をしていただきたいとまず要望しておきます。

それでは、さまざまな移動手段の確保に向けた取り組みとは、どのような取り組みが可能でしょうか。また、他自治体の取り組みはどのようなものがあるか、お伺いいたします。

工藤 交通政策課長

例えば、他自治体の取り組みとしましては、武蔵村山市ではタクシーを活用しました乗り合いタクシー、また同じ地域でございますが、商店街などと連携した、移送ニーズは少ないんですけれども、自転車による送迎などを行っております。
また、横浜市の事例でございますが、自治会が観光バス会社と協議、調整をしまして、独自にミニバスを走らせたというケースもございます。

区としましては、こういった事例なども参考にしながら、さまざまな移動手段の確保に向け調査、研究をしてまいりたいと考えております。

江口じゅん子

私は、そうした住民の方、それから自治会、商店街の方が自主的に取り組まれた、そういう取り組みは大切なことだと思います。
特に幅員の問題の解決には、他会派からも出されておりますけれども、乗り合いタクシーの導入検討など引き続き検討も行うこと、そして同時に、幅員の問題というのは、世田谷だけでなく二十三区同様の問題であります。
二十三区で協働して道路幅員の問題、都や警察に意見を上げるなど対応を検討する必要があると思います。

そういったことを踏まえて、先ほど武蔵村山、商店街の自転車送迎など事例を出されましたけれども、しかし、商店街の自転車送迎でどれだけ公共交通不便地域が解消するのか疑問があります。むしろそういった取り組みは買い物支援、商店街振興策の要素が強いのではないかと思います。

先ほど先行事例のことも申されまして、それでは、世田谷区としてこうした地域・住民主体の取り組みの課題というのは何でしょうか。

工藤 交通政策課長

まず、区としてしっかり支援するということは当然必要だと思います。あわせまして、地域での機運の高まり、協力体制が必要となると考えております。

江口じゅん子

区としてしっかり支援するということですけれども、その中身が問題だと思います。何よりこういった住民主体の取り組みの課題で大きいのはお金ではないでしょうか。
検討経費から始まって、車両購入費、運行経費など、果たしてそれを住民、自治会、商店街の独力でクリアできるのでしょうか。

区ですら、ここに、コミュニティーバス路線導入などに関する検討報告書に書いてありますが、運行補助によりコミュニティーバスを導入すると、路線維持のために多年にわたり多大な財源が必要となることから、運行補助は行わないとしております。
先ほど、武蔵村山市での乗り合いタクシー、商店街の自転車送迎という先行事例を示されましたけれども、武蔵村山市はこうした取り組みに補助事業を実施しております。私は、区民、事業者、区がそれぞれの力を出し合い、協働、協力することは必要であるし、大切なことだと思います。

しかし、区として公共交通不便地域の解消に本気で取り組む、先ほどもしっかり取り組むと答弁がございました。それであるのならば、補助事業についても検討する必要があるのではないでしょうか。

ここに平成十年施行の世田谷区バス路線運行経費等補助金交付要綱があります。
通則第一条を読みます。

「この要綱は、世田谷区内で、公共交通不便地域の解消、高齢者等に配慮した公共サービスの確保等のため、新規バス路線の導入を促進する場合において、採算性等の問題からその運行が困難なものについて、運行に要する経費等の一部を補助することについて必要な事項を定めることにより、バス路線の運行の安定を図り、もって区民の福祉の向上に資するものとする」とあります。

中身は区が運行開始から五年間運行補助を行うことなどが定められております。
それではお伺いしますが、この要綱を適用し、新規運行が実現したコミュニティーバスはありますでしょうか。

工藤 交通政策課長

平成十年十月に運行を開始しました玉堤循環路線、通称タマリバーバスがございます。

江口じゅん子

タマリバーバスは区のコミュニティーバス第一号であります。それ以後、現在区内にはタマリバーバスを含め九路線のコミュニティーバスが運行しておりますが、この要綱が適用されて補助金を出したというのはタマリバーバスだけなんですね。確認をさせていただきます。

工藤 交通政策課長

今委員お話しいただきましたように運行経費を補助した路線としましては、タマリバーバスのみでございます。

江口じゅん子

それではお伺いしますけれども、タマリバーバスだけなぜ補助適用となったんでしょうか。

工藤 交通政策課長

タマリバーバスだけではなくて、この路線につきましては当該地域の公共交通不便地域であるだけではなく、最寄りの鉄道駅、商店街へのアクセス、また国分寺崖線という地形的な不利があり、高齢者等移動制約者の日常生活に係る利便性の確保が必要であるという特殊事情から補助をいたしております。

江口じゅん子

特殊事情というのは、誰がどのように決めるんでしょうか。
今の御答弁では公共施設ですとか、そういったところを回るということをおっしゃっておりましたけれども、それだったら、先ほど私が申し上げたとおり、砧・大蔵地域も公共施設はありますし、病院へのアクセスも大変要望が高いと。それは特殊事情じゃないんでしょうか。

工藤 交通政策課長

タマリバー地域につきましては、皆さん御存じの国分寺崖線がありまして、高低差もある。なかなか移動ができないという事情の意味で特殊事情。基本的には、この要綱につきましては、補助の有無につきましては、我々区と事業者のほうで協議をしまして進めてきております。

江口じゅん子

この要綱は現在も使えるんですよね。確認させていただきます。

工藤 交通政策課長

要綱は廃止しておりません。ですから、存在しております。

江口じゅん子

では、この要綱が、先ほど来申し上げているとおり、タマリバーバスだけ特殊事情があるということですけれども、今御答弁いただいただけでも、誰がその特殊事情を決めるのかと、非常によくわからないというのが率直な感想です。

この要綱がタマリバーバス以後なぜ使われなくなったんでしょうか。現在九路線走っていて、タマリバーバス以降八路線が通りましたけれども、それについてお伺いいたします。

工藤 交通政策課長

先ほど御答弁しましたように、あくまでも我々、要は区がここの路線をやってくれという話をしたにしても、最終的には事業者のほうが継続的に運行しますので、そういう意味で、事業者と我々が協議をし、進めてきているというところでございます。

江口じゅん子

要綱は存在すると、廃止はされていないと。しかし、それにもかかわらず、区はコミュニティーバス運行にかかわる経費の補助は原則的に行わずというふうになっているんですね。

私は、この世田谷区交通まちづくり基本計画を読んでみました。一番最初の平成十四年のところには、そういった文言はございませんでした。
平成二十年の改定世田谷区交通まちづくり基本計画から、コミュニティーバス運行にかかわる経費の補助は原則的に行わずと明記されるようになっております。
これはいつ誰が決めたんでしょうか。区としての正式な政策決定はあったんでしょうか、お伺いいたします。

工藤 交通政策課長

今委員お持ちの交通まちづくり基本計画十九年度版につきましては、お話しいただいたように、原則補助は行わないという記載がございます。
こちらにつきましては、財政負担が大きいということから運行にかかわる経費の補助については原則行わないということで明記しております。

また、御質問いただきました、いつ誰が決めたというところは確認できておりません。

江口じゅん子

要綱はあるのですから、現在も使えるわけですから、使えばよいのではないでしょうか。

それで、世田谷区は補助は行わないとしておりますけれども、ここに二〇一一年、日本共産党都議団が二十三区のコミュニティーバスの実態調査を行った資料があります。
この調査の中では、コミュニティーバス導入をしている十五区のうち、補助金を実施していないのは四区になっております。中野、荒川、足立、世田谷、その四区が補助金を実施していないということです。

東京都には、地域福祉推進区市町村包括補助事業というものがございまして、コミュニティーバスの運行経費、調査検討経費、車両購入費の補助金支出を行っております。
使いにくいという指摘もあるようですが、しかし、都の補助事業を使うこともできます。そして、十五区導入をしているうち、実施していないのは四区だけということですから、都の補助事業も使い、そして要綱もあるわけですから、区がコミュニティーバス運行にかかわる経費の補助は原則的に行わないというこれまでの見解を見直すことが必要です。
そのことを求めて、桜井稔委員にかわります。

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