平成26年第3回定例会 一般質問

2014年09月18日 江口じゅん子区議

妊娠期からの切れ目のない子育て支援と産後ケアについて

江口じゅん子

質問通告に従い、質問します。

初めに、妊娠期からの切れ目のない子育て支援と産後ケアについて伺います。

先般報告された世田谷区子ども計画第二期素案において、妊娠期からの切れ目のない支援・虐待防止が重点政策と位置づけられました。

子育て世代を応援する積極的な施策となることを求め、以下具体的に質問します。

私ごとですが、昨年末、第一子を出産し、産後鬱を経験しました。

早期から区の保健師や子ども家庭支援センターの支援を受け、産後ケアセンターや産前、産後の家事・育児支援のさんさんサポートも利用しました。

区の手厚い産後の支援体制があり、おかげで元気を取り戻すことができました。これを妊娠期からの切れ目のない支援と結びつけ、産前からの相談・支援体制の拡充を行うことを求めます。
妊娠中は、主に健診を受ける病院などがその役割を担っています。

しかし、私も健診時、診察時間が短い中、十分に相談ができなかった経験や、切迫早産で安静療養になった際、家事ができず困った経験があります。

妊娠中からのさまざまな不安やトラブルに対して、助産師など専門職種にじっくり相談できる窓口の開設やさんさんサポートの拡充などに取り組むことが必要だと考えます。

産前からの早期の手厚いサポートは、母体によい影響をもたらし、出産、産後の状態改善が期待できます。

また、産後、育児中のさまざまな問題の早期発見、予防、早期支援につなげることが可能になるのではないでしょうか。

こうした妊娠期からの切れ目のない支援体制のモデルに、フィンランドの子育て支援制度ネウボラがあります。

区長はこの間、ネウボラに関するフォーラムなどに参加され、妊娠期から就学前までワンストップで同じ保健師がかかりつけ専門職として切れ目のない支援を実施していることに注目されています。

ネウボラのような制度は確かに理想的ですが、毎年出生数が増加し、昨年は七千七百三十一人の子どもが生まれた世田谷区で、その実現は容易ではありません。

予算の問題、保健師、助産師の専門職の人員確保の問題などなど、課題が多いと考えます。今後どのように具現化していくつもりでしょうか。

妊娠期からの切れ目のない支援の仕組みについて、現在の検討状況、課題をお伺いします。

岡田 子ども・若者部長

私からは、三点、御質問に御答弁申し上げます。

まず、妊娠期からの切れ目のない支援の仕組みの検討の検討状況、課題についての御質問にお答えします。

区では、平成二十七年度から、今後十カ年の子ども計画の策定を進めておりまして、今般素案をお示ししたところですが、現在計画におきまして、妊娠期からの切れ目のない支援、虐待予防を重点政策に位置づけることとしております。

妊娠、出産、子育てに係る父母の不安感や負担感が増加しており、育児不安を抱え込むことは虐待のリスクを高めることにもつながることなどから、妊産婦や子育て家庭に寄り添いながら支える仕組みを身近な場から充実していくことが必要と考えております。

区はこれまでも、乳児期家庭訪問事業、産後ケア事業、産前産後サポート事業などの子育て支援策により、虐待予防から早期発見、支援を要する家庭へのサポートなど、個々のケースに応じた支援を進めてきておりますが、児童虐待件数の増加など、子どもを取り巻く環境は変化しており、より有効な子育て支援策のあり方を構築していくことが必要と考えております。

こうした観点から、個々の事業を充実するとともに、緊密な連携を進めていくなど総合的な取り組みを進め、妊娠期から切れ目なく継続的に支援する仕組みについて、計画策定の中で検討していきたいと考えております。

江口じゅん子

過日、この素案に関して、世田谷助産師会の方と話し合う機会を持ちました。助産師会として潜在助産師の活用などさまざまな協力ができるのではという意見を伺いました。

具体的な検討に当たっては、区内の医療機関、助産師会、子育てサロンなどの専門職種・機関や当事者である母親が参加する検討会の設置を提案します。

区の見解を伺います。

岡田 子ども・若者部長

次に、妊娠期からの切れ目のない支援の検討に当たっては、専門職種・機関や子育て中の母親が参加する検討会の設置をという御質問です。

区では、平成二十五年七月、子ども・子育て部会を設置し、児童福祉や幼児教育等の分野における学識経験者や子ども・子育て支援サービスを提供する事業者、団体、子ども・子育て支援サービスを利用する一般区民などの構成員により御議論をいただき、次期子ども計画の策定を進めてきております。

また、地域の子育てNPOや子育て支援団体が主催する子ども会議などの御意見も参考にして計画の策定を進めてきているところです。

子ども施策を展開していくためには、議員御提案にもありますとおり、幅広く区民の声を反映しながら検討を進めていくことが重要と考えており、今後、妊娠期からの切れ目のない子育て支援の仕組みの検討を進めていくに当たっても、さまざまな機会を捉えて、区民、事業者の声を聞きながら進めてまいります。

江口じゅん子

次に、産後ケアの充実を求めて質問します。

桜新町にある産後ケアセンターの利用率は、年々増加しています。平成二十五年度の申込件数は四千六百九十五件、利用者数は千二百七十七件でした。

区が今年度から区民利用枠を八床から十床に増床したことを評価しますが、それでも産後のケアが必要な母親全てを受け入れることはできません。

今後、さらなる利用枠の拡大が必要です。区の見解を伺います。

また、現在、区内二カ所の助産院で実施している産後入院、デイケアの活用を求めます。
課題となるのは高額の自費負担です。区内二カ所の助産院の一泊二日の産後入院の料金は、それぞれ二万八千円、六万八千円です。

産後ケアセンターも自費では一泊二日三万二千九百円ですが、区民利用枠だと六千四百円になります。

区として、民間の助産院で実施している産後入院、デイケアに対して、産後ケアセンターと同額で利用できるよう助成を行うことを求めます。区の見解を伺います。

岡田 子ども・若者部長

次に、産後ケアセンターの利用枠の拡大、民間の助産院の活用など、利用枠の拡大の検討についての御質問です。
産後ケアセンター桜新町は、家族からの支援が受けられない母子や産後の心身ともに不安定な時期にある母子の育児不安の解消や孤立の防止などを目的として事業を実施しておりますが、年々利用ニーズが増加し、区民の利用申し込みに加え、運営事業者の自主事業による利用も増加しているため、希望する日の予約がとりづらい状況にあります。

こうした状況を踏まえ、今年度からは十五床のうち、区民が確実に利用できる枠を八床から十床と二床ふやし、産後ケアを必要とする母子が従来以上に利用しやすい体制の充実を図ったところであります。

区といたしましては、今般の利用枠拡大による状況や利用ニーズの分析、検証を行いつつ、国のモデル事業の実施状況なども参考にしながら、御提案の手法も含め、より充実した産後ケア事業の検討を進めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

高齢者の孤立死をなくす対策について

江口じゅん子

次に、高齢者の孤立死をなくす対策を求めて質問します。

八月のお盆明け、区内のある団地で八十歳代女性の孤立死がありました。

新聞がたまっているなど、最初に異変に気づいたのはふだんからおつき合いのある御近所の方であり、それを聞き、ベランダ越しから故人宅の安否確認をし、消防などが立ち入る際協力をしたのもおつき合いのある隣室の方でした。孤立死があったことは大変残念なことです。

同時に、今回の事例では、ふだんからつき合いのある御近所の気づき、連携があり、死後数日で発見できたことが救いでした。私はこの一件を通し、高齢者の見守り活動に対する自助、共助、公助のさらなる強化の必要性、そして御近所のちょっと気になることを見過ごさず、緩やかに見守り、支援につなげられる地域をつくることの重要性を痛感しました。

平成二十五年度に区が把握できた区内の高齢者の孤立死数は八十名でした。

区としてこの事態をどう受けとめているのでしょうか。孤立死をなくすため、区として全力を果たすべきです。区の見解を伺います。

田中 高齢福祉部長

私からは、高齢者の孤立死に関する区の見解と対応策について御答弁申し上げます。

区では、高齢者が誰にもみとられずに自宅で死亡し、死後数日を経過して発見された場合を孤立死と位置づけており、平成十九年度より、区及びあんしんすこやかセンターを通して状況の把握に努めております。

平成二十四年度までは年間三十から五十人で推移しておりましたが、昨年度は八十人で、そのうち六十二人は福祉や介護のサービスを利用しておりませんでした。

孤立死が起こる背景としては、福祉や介護のサービスを利用しておらず、また、近隣住民との交流もなく、社会的に孤立している方が多い傾向にございます。

区は、高齢者の社会的孤立や孤立死を防止するため、地区高齢者見守りネットワーク、民生委員ふれあい訪問、あんしん見守り事業、高齢者安心コールの四つの見守り施策を中心に、配食サービス、緊急通報システムやごみの訪問収集等のさまざまな見守り施策を推進しております。

新聞販売同業組合との見守りに関する協定に加え、今年度は東京都住宅供給公社と協定を締結いたしました。今後、東京都水道局や東京ガスといったライフライン事業者とも協定締結を予定しており、さまざまな事業者やネットワークを活用して見守りを推進し、安心して暮らし続けられる地域づくりを進めてまいります。

以上でございます。

砧、大蔵の公共交通不便地域の解消について

江口じゅん子

次に、砧、大蔵の公共交通不便地域の解消を求めて質問します。

区内の公共交通不便地域は一九・六%あり、実に区の五分の一が該当します。
私は、平成二十三年十二月の議会において、その一つである砧、大蔵へのコミュニティーバス運行を求め、質問をしました。

要望を求める地域の声を紹介すると、高齢者からは、自転車に乗れなくなり、祖師ヶ谷大蔵駅に徒歩だと二十分以上、世田谷通りからバスを使えば成城経由で三十分以上かかる。駅近くのウルトラマン商店街、病院、そしがや温泉に行きたい。

また、若い世代からは、砧公園や美術館などに行くのに駅からバスがあれば便利というものです。祖師ヶ谷大蔵駅南側にコミュニティーバス運行を求める質問は他党からも繰り返されています。

こうした中、先般、区より世田谷区交通まちづくり基本計画改定素案が示され、公共交通不便地域の解消を目指して、目標年度、平成三十六年度に向けて、さまざまな移動手段の確保に向けた取り組みを検討と明記されました。

住民の要望を受けとめた前向きの姿勢と評価します。

しかし、区は検討に当たり、事業者への補助金支出は行わない、コミュニティーバス新規運行は採算性、車道の幅員不足などの問題があり、困難と伺っています。これまでと同様の認識では、砧、大蔵を含め区全体の不便地域の解消は難しいと考えます。

区の公共交通不便地域の割合は、平成十四年度二二・五%、平成十九年度一九・九%、平成二十六年現在一九・六%とほぼ変化がありません。解決のためには、コミュニティーバス新規運行について、前向きな検討を行うべきと考え、以下伺います。

課題である車道の幅員不足、採算性を解決するためにどのような解決策が考えられるのでしょうか。また、バス事業者への補助金支出を検討すべきです。区の見解を伺います。

以上で、壇上からの質問を終わります。

五十嵐 交通政策担当部長

私からは、砧、大蔵の公共交通不便地域の解消につきまして、二点の質問にお答えいたします。

まず、コミュニティーバス運行導入について、どのような解決策が考えられるかにお答えいたします。 区では、公共交通不便地域の解消や南北交通の強化、高齢社会における地域間の移動の利便性の向上を図るため、平成二十五年度に、新たに二路線のコミュニティーバスを加え、これまで九路線のコミュニティーバスを導入してまいりました。

当該地域は、道路の幅員が狭い箇所が多くあり、待避所の設置や道路の一方通行化、路側帯の引き直しなど、導入に向けた可能性につきまして検討しましたが、警視庁との協議、調整が調わなかった経緯がございます。

区のコミュニティーバス路線導入の考え方は、短期的には、既存路線の接続や延伸による利便性の向上に取り組み、中長期的には、道路整備や開発等のタイミングに合わせ、バスの走行できる経路の確保に取り組むこととしております。

今後も、公共交通不便地域の解消に向け、新規コミュニティーバス路線の導入に向けた検討や、地域の実情に合ったさまざまな移動手段の確保に向けた取り組みを区民、事業者、区それぞれが持つ知恵や力を出し合い、協力、連携して進めてまいります。

次に、バス事業者への補助金支出についてでございます。

バス事業者に区が補助金を支出することは、路線維持のために継続的に財源を確保する必要がございまして、区の財政的負担は大きくなります。

そのため、区では、コミュニティーバスを導入する際には、バス事業者に対し、運行にかかわる経費の補助は行わず、バス事業者の自主運行によることを基本としております。

一方、運行に関する支援といたしまして、交差点の改良や路側帯のカラー舗装などによる走行環境の支援、バス停設置などにかかわる地元や関係機関との調整、広報、また実験運行の実施などを行っているところでございます。

今後も、こうした役割分担のもと、バス事業者と協力、連携しながら、バス路線の充実に努めてまいります。

以上です。

再質問

江口じゅん子

コミュニティーバスについて、区長に再質問させていただきます。

私、先ほど壇上で、区の公共交通不便地域の割合、平成十四年度は二二・五%、平成十九年度一九・九%、平成二十六年現在一九・六%とほぼ変化がないことを申し述べました。

今般示されました交通まちづくり基本計画改定素案では、公共交通地域の不便解消を目指して目標年度の平成三十六年度に向けて取り組んでいくということですけれども、果たしてこのテンポで本当に目標年度の平成三十六年度に向けて解消を目指せるか、区長のお考えをぜひお聞かせください。よろしくお願いします。

再答弁

保坂 区長

再質問にお答えします。

世田谷区内の交通不便地域、解消されていないということでありまして、一方では高齢の方はどんどんふえている実態があります。

これまで、コミュニティーバスについても、今所管部長が答弁したとおりの考え方で進めてきましたけれども、これからの時代、高齢者が町に出ること、そして、買い物だけではなくて、イベントに参加したり、あるいは知り合いに会ったり、さまざまな社会的な活動をすることと健康というのは非常に大きく関連するだろうというふうに思っております。

今後は、地域福祉の視点からも、交通政策、そして交通不便地域、特に高齢者の足の問題をしっかり取り組んでいきたいと思います。今後、検討させていただきたいと思います。

江口じゅん子

検討されるということですので、ぜひ、コミュニティーバス新規運行について前向きな検討をよろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。

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