平成24年第4回定例会 一般質問

2012年11月29日 江口じゅん子区議

お泊りデイについて

江口じゅん子

初めに、いわゆるお泊りデイについて伺います。

お泊りデイとは、昼間は介護保険のデイサービス事業を行う事業所が、夜間は介護保険外で実施する宿泊サービスのことです。七月四日付朝日新聞に、デイサービス宿泊増加、死亡十件、届かぬ行政の目という見出しの記事が報道されました。記事では、二十三区が二〇一〇・二〇一一年度に把握した宿泊サービス中の夜間・早朝事故は六十五件、うち世田谷区は五件、二十三区全体で死亡は七件とのことでした。このうち一件は、区内清水の郷成城での死亡事故です。

我が党は昨年十二月議会でこの死亡事故を取り上げました。お泊りデイの問題点として、良心的な施設もあるが、多くが営利目的で、施設設備、職員配置など安全上さまざまな問題があり、宿泊は法外事業のため行政のチェックがきかないことを指摘、再発防止策を求めました。

その後、区はお泊りデイを実施する区内三十八事業所の実態把握調査を行いました。このうち東京都に届け出を行っているのは二十カ所です。内容を詳しく見ますと、連泊数百一日から五百日の利用者がいる施設が五カ所、五百一日以上の方がいる施設が六カ所、最長連泊数は九百十三日でした。なお、都では利用者の尊厳保持及び安全確保のために独自の基準を設けており、連泊上限は原則三十日以内としています。また、利用定員を超えてのサービス提供十七カ所、緊急時の対応として、主治医や関係医療機関に連絡するなど措置を講じる体制がない、二カ所、従事する職員の資格、総計二百八十一名のうち資格なしが七十二名、ほかにも、火災報知機がない二カ所など、多くの事業所で消防設備の不備がありました。

率直に申し上げて、これで利用者の安全を守れるのか、大いに不安を感じました。区の実態把握調査の結果に対する認識をお伺いします。

利用者の尊厳保持及び安全確保のためには、まずは東京都への届け出を促進させる必要があります。そのために、区はどのような実効ある指導を行っているのかお伺いします。
 我が党には、区内のお泊りデイで働く職員から、日勤、夜勤の連続二十五時間勤務が週三日、一日置きに行われているという過酷な労働の告発も寄せられています。今後、職員の労働条件の調査も必要と考えます。

さて、先ほど朝日新聞の報道で、世田谷区の二〇一〇・二〇一一年度の夜間・早朝事故は五件と述べました。しかし、我が党の指摘を受け公表した清水の郷成城での死亡事故以外、その詳細は明らかにされていません。区がこの間、法外事業にも事故報告を求め、必要な場合には議会に報告、関係事業者などに注意喚起などを行うとしたことを評価します。それをさらに進め、死亡などの重大事故発生時は直ちに事実を公表し、ケアマネジャーなど関係者への情報提供と注意喚起を行うなど具体的な対策を行うべきです。区の見解をお伺いします。

最後に、この問題の背景には、特別養護老人ホーム、ショートステイなどの深刻な不足があります。私は先日、緊急で利用できるショートステイを紹介してほしいと相談を受けました。老老介護でご主人を介護していた妻が緊急入院となり、見かねたご近所の方からの相談でした。結局、ご主人はショートステイはどこもあきがなく利用できず、お泊りデイは不安を感じ利用しませんでした。介護サービス以外は遠くで働く息子を呼び寄せ、それ以外の時間はご近所で協力しお世話を行いました。私は、長時間労働、通勤の後、介護を行う息子や、ご近所に介護を頼む本人、家族の心的負担などを見て、自助、互助の限界を感じました。

先般、旧希望丘中跡地にショートステイ、特養ホームの提案が行われたことを歓迎します。そして、区には、第五期介護保険事業計画の小規模多機能型居宅介護、ショートステイ、特別養護老人ホームの目標達成を強く求め、その計画見通しをお伺いします。

板谷 地域福祉部長

私からは、デイサービスが行っている宿泊事業について四点お答えいたします。

まず、実態把握調査の結果に対する区の認識はというお尋ねです。

このたび、宿泊サービスを実施している指定通所介護事業所等の実態把握調査を実施いたしました。これは、昨年五月に東京都による指定通所介護事業所等における宿泊サービス基準及び届出・公表制度が施行されましたが、いまだ届け出がされていない事業所があることを踏まえ、その実態を把握する必要があると考えたからでございます。

調査はまず六月一日を基準日として、区内の全ての通所介護事業所等に対して宿泊サービス実施の有無についてアンケートを実施いたしました。その結果、宿泊サービスを実施している旨の回答を得た三十八事業所に対して、ことしの七月から八月にかけて訪問調査を実施いたしました。小規模の通所介護事業所との家庭的な雰囲気そのままで、落ちついて過ごされている利用者のご様子を確認できましたが、一方、設備面や宿泊スペースのプライバシー確保に課題のある事業所も散見されました。また、一カ月以上宿泊サービスを続けて利用されている方も多くおられることから、長期にわたる宿泊デイ利用者に係るケアマネジメント点検支援シートを活用し、ケアマネジャーへの啓発と支援を行ってまいります。

次に、都の基準の遵守や届け出を促進させるため、区としてどのような指導を行うのかというお尋ねです。

今回の実態把握調査により、三十八事業所は宿泊サービスを提供しており、そのうち東京都に届け出を行っているのは、六月時点では二十事業所でした。また、届け出は行っているものの、幾つかの事業所では基準を満たしていない部分もございました。今回の実態把握調査におきましても、訪問調査特に都の基準を示し、その趣旨を踏まえた上で、改善すべき点につきましては口頭で指導を行いました。また、都へ未届けの事業所につきましては、届け出をするよう促し、事業所の設置者へも指導をしたところでございます。幾つかの事業所からは、届け出についての具体的なご相談もいただいており、届け出事業所は十一月では二十五事業所となっております。

今後もさまざまな機会を捉えて都の基準及び届出・公表制度が遵守されるよう、東京都とも連携して取り組み、利用者の尊厳の保持及び安全の確保に努めてまいります。

次に、重大事故発生時は事実を公表し、介護事業関係者への情報提供と注意喚起をとのお尋ねです。

事故は、事業者、利用者、その他さまざまな要因が関係しており、情報提供や注意喚起を行うためには、原因や再発防止についての検討、分析を行うとともに、個人情報等に配慮することが必要であると考えております。事故が発生した場合、事業者は利用者の安全を最優先に、速やかに適切な措置を講じる必要があります。その上で、区は事故の概要、事故時の対応や原因分析と再発防止策、利用者及びご家族への予後の対応等を報告するよう求めております。

区といたしましては、事業所からの事故報告があったときは、事故の再発防止及びサービスの質の向上に資するよう個別に指導をしております。宿泊サービスは法外事業であることから、事故内容を詳細に公表することは難しい面もございますが、区内の事業所に対し事業の再点検を促し、類似の事故を未然に防ぎ、職員の資質向上に資する場合は、個人情報等を配慮した上で積極的に情報提供をしてまいります。

最後に、第五期介護保険事業計画における小規模多機能型居宅介護、ショートステイ、特養ホーム等の目標と計画見通しについてお答えします。

平成二十四年度から二十六年度までの三年間の計画である第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、小規模多機能型居宅介護について各地域に一カ所以上を整備することとし、六カ所で通所定員九十人の整備目標数をお示ししております。本年十一月に三軒茶屋に一カ所、通所定員十五名で開設をいたし、十二月には喜多見と千歳台に各一カ所、定員十五人の開設が予定されていることから、平成二十四年度末には三カ所で通所定員四十五人分が整備される見込みとなっております。

ショートステイについては、四カ所、定員六十人の目標数を掲げ、現在のところ、二十五年七月に開設予定の新樹苑において基準該当ショートとして六人分が、二十六年四月に開設予定の成城八丁目の特別養護老人ホームの併設として定員二十人が見込まれているところでございます。また、特別養護老人ホームについては、二カ所、定員百八十人の目標数を挙げ、現在、成城八丁目に整備予定の施設において定員百人の整備が見込まれており、定員二十九人以下の小規模特別養護老人ホームについても、二カ所、五十人の計画目標数を掲げているところでございます。

こうした介護保険施設等の基盤整備に当たりましては、国の交付金や東京都の補助金に加え、一部区の上乗せ補助を行い、事業者の誘導を図るほか、引き続き未利用公有地の活用について機会を捉え、国や東京都に相談させていただく等、今後も計画的な整備促進を図ってまいりたいと存じます。

以上でございます。

江口じゅん子

お泊りデイについて、まず再質問します。

これで大切なことは、清水の郷成城で起きた死亡事故、過去には茶話本舗もありました。二度とこのような重大事故を繰り返さない、起こさない、そのために区がどういうことをするかということが大切だと思います。この間、調査にも乗り出して、区が一定ご努力をされていることは評価をしますが、先ほども申し上げたように、お泊りデイで働く職員の労働条件、それの把握も大切なことだと思うんですね。清水の郷で死亡事故が起きたときは、職員は仮眠する場所もなかったと。そのほかにも、雑魚寝でとかいろんな情報が寄せられています。ぜひこの次の調査では、そういう職員の労働条件についてもお調べいただきたいと思います。

板谷 地域福祉部長

お話しのとおり法外のほうですので、一定の法の限界はありますけれども、ご指摘の点も踏まえまして、今後とも指導を進めてまいりたいと思います。

以上でございます。

外環道建設が地域にもたらす影響

江口じゅん子

次に、外環道について伺います。

さきの議会では、準備工事敷地内土壌から鉛などが検出したことが大きな問題になりました。現在、再調査を求める地元住民の声を無視し、汚染土壌の搬出が行われ、住民からは怒りや失望の声が聞かれています。日本共産党はこの事態に抗議し、区長には国に七項目の要望遵守への毅然とした対応を求めます。

さて、私は三月議会で外環道建設が地域にもたらす影響を指摘しました。それは、東京ドーム二・五個分の敷地に巨大ジャンクションや高さ三十メートルの排気塔などができることによる環境・健康悪化の問題であり、町が分断され、二百六十五棟の方が立ち退かされる暮らしの問題ということです。現に建設予定地、例えば大蔵五丁目、喜多見六丁目では転居、更地が目立つようになりました。汚染土壌搬出の現場のすぐ近くの方は、洗濯物も干せなくなり、環境が悪くなって、ここで暮らすことができなくなると言われています。今後工事が進めば、さらに影響が広がるでしょう。

また、私はこの間、立ち退きを迫られている農業・工業者の地域内での事業継続、代替地確保の問題解決を求めてきました。しかし、国、区からは見通しが示されないままです。業者の方々は、外環道に反対はしないが、国の都合で移転せよと言うなら、せめて国や区が事業継続できるよう対処してほしい。誰も責任を持とうとしないと怒りの声が募っています。区は、東名ジャンクション周辺地区街づくり方針をもとに、地権者の生活再建についても、今後具体的なまちづくりを進める中で解決をする課題としています。しかし、その実現には用途地域・地区計画変更などなどが必要です。幅広い住民参加、徹底した情報公開を経た地区の住民合意形成が不可欠であり、長い年月を要することも予測されます。

そこで以下、今後のまちづくりを推進するに当たっての区の見解を伺います。

第一は、今年度実施のジャンクション周辺街づくりの調査委託の具体的な内容について。

第二に、先般実施された外環事業地内の農業・商工業者の意向調査について、事業継続者は何名か、創業に至った経緯、移転先要望などなど、結果を明らかにしていただきたい。また、その結果に対する区の受けとめをお伺いします。

第三に、今後のスケジュールと住民参加、情報公開の考えを明らかにしていただきたい。

さて、外環道整備は沿線住民の反対運動などで四十年以上も凍結されてきました。しかし、前知事がオリンピック招致を理由に計画を進め、その後、コンクリートから人へと公約した民主党政権、外環道計画は凍結すべきと表明した保坂区長が誕生しましたが、事業は進行中です。住民は政治に翻弄されてきました。

しかし、今、地域では外環道整備に反対や疑問を表明する自主的な会が次々に生まれています。みずからの手で地域や自分たちの未来を決めようという住民の力強い動きです。日本共産党は、こうした地域の皆さんと力を合わせていくことを申し上げ、以上で壇上からの質問を終わります。

外環道整備による周辺街づくりについて、今年度のまちづくりの調査委託の具体的内容についてご質問いただきました。ご答弁申し上げます。

区では、平成二十二年度に外環の事業化を契機とし、地域の方々と策定した東名ジャンクション周辺地区街づくり方針をお示しいたしました。本年度は、この街づくり方針とこれまでの検討内容を踏まえ、具体的なまちづくりの推進のため調査研究を行っております。

具体的には、地区内における関係権利者の把握調査、道路ネットワーク検討などのための地区内にある区有地面積の調査、住民などへの周知方法の検討、まちづくりルール案などの検討、まちづくり検討組織の検討などでございます。

その中、外環の事業地内での農業、商工業を営む方々への意向調査のその結果と区の受けとめについてご答弁申し上げます。

この調査は、昨年度、国の訪問調査に同行し、外環の事業地内で農業、ものづくり事業を営む方々に対しまして、まちづくりの検討の基礎的なデータとするためヒアリング調査を実施し、現況の把握を行ったものであります。

昨年度調査時点での傾向といたしまして、調査対象者のうち、農業を営む方三十名のうち約半数の方は事業継続の意向を明確に示されていらっしゃいます。また、ものづくり事業を営む方三十五名のほとんどの方が事業継続の意向をお持ちであり、移転先としては、顧客との関係、交通の利便性、従業員の方の住まいなどのことから、区内、あるいはできれば地区内への移転を要望されておりました。

なお、ご質問の現在地での操業に至った経緯につきましては、手ごろな敷地規模の確保ができたことや利便性などの理由が多く挙げられ、さらには、約半数の方が地区内のみで操業していらっしゃいます。

この調査結果につきましては、外環の事業者である国なども把握しているところであり、個別の地権者に対する生活再建、事業継続などにつきましては、国等によりまず対応されるべきものと考えております。

区といたしましては、このようなご意向も参考にしながら、具体的なまちづくりを検討していくことといたします。

次に、具体的なまちづくりを進めるに当たってのスケジュール、住民参加、情報公開についてでございます。

まちづくりを進めるに当たりましては、地区にお住まいの皆様のご意見をお伺いするための意見交換会の開催や街づくり通信の発行、区報、ホームページなど時宜に応じたさまざまな手法を通じて情報提供や情報収集を行っていく予定でございます。なお、外環事業は、本年九月の着工式以来、本格的に始動しております。具体的なまちづくりにつきましても、本体工事におくれることなく、総合支所として地域の皆様のご理解をいただきながら着実に進めてまいります。

以上です。

江口じゅん子

そしてもう一点、区長に外環道について再質問させていただきます。

区長が準備工事の汚染土壌について七項目の要望を外環所長に申し入れたということは、さきの議会でご答弁いただいております。しかし、事態は進行し、住民からは七項目の要望が無視されている、そういう認識、そういうお声をたくさん頂戴しているんですね。今後工事が進行すれば、もっと深刻な影響、問題が起きてくると思います。区長は住民の健康、そして地域の環境を守る立場で、七項目の要望が実効あるものとするためにどのようにしていくおつもりか、お聞かせください。よろしくお願いします。

保坂 区長

再質問にお答えします。

今回、土壌汚染のデータが出てきた。そして、幾つかの調査をした中で、鉛、フッ素等の数値が確認されたということを所管部から聞いておりまして、私としては七つの、特に環境配慮、あるいは住民に対してしっかり正確な情報を伝えるなどのことに照らして、これは厳重に調査してほしいということを国、外環事務所に求めていくつもりです。近々、そういう機会があろうかと思います。

江口じゅん子

以上で終わります。

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