平成24年決算特別委員会 福祉保健委員会所管質疑

2012年10月09日 江口じゅん子区議

精神障害者グループホームについて

江口じゅん子

それでは、私は精神障害者グループホームについて質問いたします。

この夏、区内のある社会福祉法人から、精神障害者滞在型グループホームから撤退し通過型に移行する旨の話を聞きました。この法人は、古くから区内で精神障害者の作業所、グループホームなどを運営しています。

平成十九年から滞在型グループホームを運営、平成二十三年にはケアホームの認定も受けておりました。この滞在型グループホームでは、利用者の安全、ケアの質の確保のために、配置義務のない宿直の配置を行い、夕食の提供も行っていました。

しかし、一年間に七十歳代の高齢者がホームで亡くなるということが二件続き、長期間空き室になってしまい、そのことで法人の運営状況が非常に厳しくなり、苦渋の判断で撤退を決断したとのことです。

ここで確認をしますが、精神障害者のグループホームには、滞在型と通過型の二つのタイプがあるんですね。通過型は都独自の制度であり、おおむね三年間で単身生活に移行することが目標です。一方、滞在型はいわば普通のグループホームのことであって、期限の制限はありません。

そもそも、グループホームは障害者自立支援法に基づく自立支援給付費が主な財源になっています。しかし、滞在型でも通過型でも、利用者が突然亡くなる、または病状の悪化のために入院するなどで突発的に空き室が発生することがあります。

その間の家賃は当然法人の持ち出しになるし、また、さまざまな補助金も入らなくなるので、結果的に事業者の運営を圧迫する。つまり、持続的な安定した運営が難しくなるということですね。

ですから、安定的な運営のためにも家賃などのさまざまな助成というのはなくてはならないものなんですが、しかし、この助成も滞在型と通過型では異なります。通過型には都独自の助成があります。

ここで、都の要領から通過型の助成を抜粋しました。ちょっと見えないと思うんですが、通過型加算というのがまずありまして、これは二つの種類があるんですね。一日九百二十六円の加算が出る。そして、こちらでは利用者が退去した翌日から三カ月まで加算が出るというものです。

そして、二つ目は施設借り上げ費、これは三つのタイプがあります。

一つ目は、入院したときの入院中六カ月までの家賃ですとか、そういった施設借り上げ費の助成、そして二つ目は、患者さん、利用者が退去した後、次の利用者さんが埋まるまで三カ月家賃などを補助する。そして、最後は交流室の家賃補助というものになっております。

今申しましたこの通過型の助成、全部で五つあるわけですが、これは滞在型にはないんですね。私は区内にたった三つしかない精神障害者滞在型グループホームから話を聞きました。

それぞれ補助金が出ない交流室を設けていました。なぜかと申しますと、仲間やスタッフに支えられながら地域で共同生活を営むグループホームにとっては、みんなで一緒に御飯を食べたり、そしてミーティングなどを行う交流室は本当に必要な場所になっています。ですから、それを設置するための補助は通過型、滞在型問わず両方必要なことだと考えます。

ここでお聞きしますが、事業者や家族からは、通過型に加算が多い現状では滞在型の整備が進まないという声が聞かれています。

実際、区内の精神障害者グループホーム、通過型は十カ所に対し滞在型は三カ所、うち一つは撤退予定です。区は、この現状や声をどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。

お伺いします。

瓜生 障害者地域生活課長

精神障害者グループホームには、通過型と滞在型があります。東京都は、精神保健福祉士等の専門職を配置して、おおむね三年間でアパート等へ移行し自立した生活ができるとの認識から、通過型グループホームを設けております。

滞在型グループホームは特に期限はなく、支援の必要な精神障害者の住まいの場となっております。現在、区内には通過型十カ所六十人分、滞在型三カ所十四人分の精神障害者グループホームがあります。

区といたしましては、精神障害者のご家族との意見交換、またグループホーム事業者連絡会、運営法人との個別の話し合いなどを通しまして、関係者の皆様の声をお聞きしております。その中で、滞在型グループホームの課題などについても伺っているところでございます。

障害者の高齢化、重度化が進んでいることなどから、滞在型グループホームについても設置の必要があると認識しております。

江口じゅん子

ここでもう一度確認しますが、精神の通過型・滞在型グループホームの必要性についての認識、もう一度お願いします。

瓜生 障害者地域生活課長

障害者の高齢化、重度化が進んでいることなどから、滞在型グループホームについても必要があると認識しております。

また、高齢化、重度化につきましては、二十五年施行の総合支援法でも課題となっており、区といたしましても課題としまして今後も検討していきたいというふうに考えております。

江口じゅん子

精神障害者にとって、グループホームはただ単なる地域移行の場や居住の場ではないと思います。私は精神看護師として働いてまいりました。精神疾患・障害をめぐるさまざまなおくれや不十分な現状があり、患者さんの病状が重くなって入院をする。

そして、悪くなる過程の中では家族関係が壊れたりですとか、地域、学校、会社などでトラブルを生じ、もといた場所に帰ることができない、受け皿がない、そうした実態を見てきました。ですから、このグループホームは本当に大切な場所だと思います。

さらに、長年社会的入院を余儀なくされている方、これは厚労省の二〇〇二年の推計値では社会的入院というのは七万二千人いると言われています。長年そういった社会的入院を余儀なくされている高齢者の患者さん、看護が必要な方にとって、期限を設けないでいられる滞在型ケアホームの必要性は本当に大きいと考えます。

ここでお尋ねしますが、区のケアホームの必要性に対する認識をお伺いします。

瓜生 障害者地域生活課長

グループホームは、就労し、または就労継続支援等の日中活動を利用している障害者が、地域で自立して日常生活を営む上で相談等の日常生活支援上の援助が必要な方が利用します。

一方、ケアホームは生活介護や就労継続等の日中活動を利用している障害者で、地域で自立した日常生活を営む上で、食事や入浴等の介護や日常生活上の支援を必要とする方で、障害程度区分が区分二以上である方が利用できるとなっております。

二十四年六月に障害者相互支援法が成立し、ケアホームとグループホームは一体的に運営することになりました。グループホームの一体化に関する法の施行は二十六年度となっております。

現在もケアホームとグループホームが一体型事業所として指定されている事業所が多いことから見て、利用者に応じた適切な支援が提供されているものと認識しております。

区といたしましては、障害者が地域の中で自立して安心した生活が継続できるよう、グループホーム、ケアホームを一体として整備に取り組んでまいりたいと考えております。

江口じゅん子

数年後には一体型になると。

しかし、それまでの間、滞在型またケアホーム増設のために通過型と同程度もしくはさらなる補助金加算創設を東京都に求めることで、滞在型や、またケアホームの増設につながるのではないかと考えます。

都にそのことを求めることに対して、区の見解をお伺いします。

瓜生 障害者地域生活課長

区は、精神障害者グループホームを含む障害者グループホームに対し、都の考え方に沿って開設準備経費や入居者の居室借り上げ費を補助し、開設支援や入居者の負担軽減を図っております。

都では、通過型グループホームに対し障害者が地域生活に移行できるよう独自の支援を行っております。

一方、同じ滞在型の知的障害者や身体障害者を対象としたグループホームにおいては、世話人室の家賃補助がありますが、精神の滞在型グループホームには同様の仕組みはございません。

滞在型グループホームの利用者のサービス向上と安定的な事業運営を考慮した補助の仕組み等について、都とも協議していきたいと考えております。

江口じゅん子

事業者さんから本当にお話を聞きましたが、今でも滞在型、通過型と補助金の加算が異なるということで、法人全体のさまざまな事業からそれを穴埋めしたり、やり繰りをしているというお話を聞いています。

本当にこの補助金の増設、必要なことだと思います。しっかり都にも求めていただきたいと思います。

そして、世田谷区の第三期世田谷区障害者福祉計画において、グループホーム、ケアホームの整備目標数を掲げております。

平成二十四年度は十七人分、平成二十五年度は二十人分、平成二十六年度は二十人分となっております。この各年度の達成目標の見込みについてお伺いいたします。

瓜生 障害者地域生活課長

ご指摘のとおり、区では第三期障害福祉計画におきまして、主要テーマの一つに障害者の多様な住まいを掲げてグループホームの整備に取り組むこととしております。

グループホームの具体的な整備目標は、今ご指摘いただいたとおりでございます。目標設定に当たりましては、総合支所等から情報を得まして、グループホーム等への入居を希望している障害者数を把握しまして、三期の計画期間中に充足できるように設定をいたしております。

新規のグループホーム整備運営事業者につきましては二十四年四月に募集開始をしておりますが、現在までのところ応募がないので、随時受け付けを行っております。

二十五年度開設に向けましては、民間物件活用によります定員増などについて、幾つかの法人から相談を受けているところでございます。

二十六年度には成城八丁目及び北烏山三丁目の公有地を活用した施設整備を予定しており、二カ所で計二十人分の基盤が確保される見込みでございます。

江口じゅん子

目標達成、そしてさらなる増設を求めて次の質問に移ります。

地域包括ケアシステムについて

江口じゅん子

次に、地域包括ケアシステムについてお伺いをします。

昨年、私は九月議会でこのことを質問しました。地域包括ケアシステムとは何か、その当時区は以下のように答弁をしています。

ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、医療や介護、福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供できるような地域での体制と定義、おおむね三十分以内に必要なサービスが提供される。

また、二〇二五年、平成三十七年までに実現を目指すべきものというふうに説明をしております。

私は昨年この場で地域包括ケアシステムの問題点、そういったことを指摘させていただきました。社会保障と税の一体改革が進められている中、それと一体に医療分野では高齢者の病院追い出しと医療費の削減、そして介護分野では介護給付の抑制が背景にあるもの、そういった指摘をさせていただきました。私は、引き続きそういった問題意識を持って以下質問をしたいと思います。

まず、この地域包括ケアシステムの根幹事業である二十四時間定期巡回・随時対応サービスについてお伺いします。

これは、国のモデル事業を経て本年度から世田谷区での本格実施となっております。

そこで、現在の事業者数、利用者数についてお伺いします。

吉岡 介護保険課長

九月末現在、二事業者、三十一名でございます。

江口じゅん子

率直に言って、少ないなという印象です。ちなみに、区の第五期介護保険事業計画の整備目標では、平成二十六年度末には事業者数を五、利用者数二百に設定をしているんですね。

私は、昨年このサービスの問題点について三点指摘させていただきました。

一つ目は、介護報酬が包括払いということです。つまり、サービス量にかかわらず、事業者に支払われる介護報酬は一定額しか支払われない。そのために、導入前から世田谷区も厚労省も事業者のサービス控えについての指摘をしておりました。

そして二つ目の問題点、これは、このサービスを利用すると既存の訪問介護の併用ができないということです。ですから、このサービスはそれが使えなくても成り立つものでなくてはなりません。

三つ目の問題点、しかし、一日三回、四回の定期巡回、そして一回のサービス時間は約二十分の短時間で、本当に必要なサービス提供はできるのか、そういった疑問があります。

そして随時対応、つまり、利用者が来てほしいときに随時訪問する、こういったサービスは包括払いなのでサービス控えの懸念があると。私は二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスすべてを否定するものではありませんが、こうしたことを指摘しました。

そして、そのとき包括払いによるサービス控えに対しては、昨年の決特で副区長が、事業者が行くことを控えてしまうということの懸念は少し心配もしていた、区の保険者としての大変重要な仕事なので対策をしっかりとりたいと答弁をされています。

それでは、本格実施後の実態についてお伺いをしたいんですが、区は利用者、事業者の実態把握を行っているのでしょうか。

吉岡 介護保険課長

世田谷区は、平成二十二年度から本サービスにつなげるべくモデル事業に取り組んでまいりました。介護保険サービスとなりました今年度も、このサービスを必要な方に使っていただけるように研究、普及啓発が必要だとは考えております。

そのため、六月から七月にかけてこのサービスのわかりにくい点や課題と感じているところについてアンケート調査を行い、利用者や介護現場から見た実態把握に努めております。

江口じゅん子

そのアンケート調査はどういった方が、そして何名回答があったんでしょうか。

吉岡 介護保険課長

ケアマネジャーを中心として、七名の方からご回答がありました。

江口じゅん子

七名なんですよね。率直に言って大変少ないと思います。ホームページ上で募集をしたということで、これでは利用者さんは高齢の方が多いですから、ご家族も、適切な方法かどうかということには異議があるということは指摘しておきます。

参考に、そのアンケート結果を抜粋しますと、まず、定期巡回サービスについてどう思うかという回答については、在宅生活の安心感につながるという答えがある一方、一日三回の訪問では支え切れない、短時間では食事や入浴の介助は困難などの回答がありました。

次に、随時対応サービスについてどう思うかというアンケートに対しては、十分役に立つ、込んでいると待つこともある、通話のみでは伝えられない部分もあるのでは、こういった回答がありました。

その他、この制度についての問いに対しては、報酬の問題として訪問入浴を利用すると限度額を超えてしまう、人材が確保できるのか、訪問介護事業者の介護報酬が低いなど回答がありました。

私も実際利用していた方からお話を伺ってまいりました。九十七歳、要介護三の母の介護を頼んだ。八時の定期巡回を要望したら、人を回せないと断られた。食事介助を頼んだが、母の食は細くてゆっくりなので二十分ではとても時間が足りなかった。

デイケアに行くときだけは早い時間に来て車いすに乗せてくれたが、時間なのでということで、迎えの車が来る前に帰ってしまった。随時対応は使わなかった。便失禁をした際に電話をしたら、行くのに十分から十五分かかると言われた。そんなのとても待っていられない。よくないので、結局このサービスは一カ月でやめたとのことでした。

私は、区のアンケート結果や私が聞いた利用者の声だけでもちろん評価はできないと思っています。しかし、区はこの事業者のモデル事業者、そして前地域福祉部長は厚労省の二十四時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会の委員も務められて、いわば推進してきた責任があるのではないかと思います。

そのためにも、まずはしっかりと利用者、事業者からの実態調査を行う必要があると考えますが、区の認識はいかがでしょうか。

吉岡 介護保険課長

区では、ことし七月にケアマネジャー、看護師、あんしんすこやかセンターの職員、ヘルパー、オペレーターなど、多職種による検討会を立ち上げてございます。今ご答弁申し上げましたアンケートの結果も、それから、いろいろ寄せられたお声などを踏まえながら、本サービスの研究を努めているところでございます。

検討会の中では、サービスの案内の仕方や一週間の訪問パターン、利用料金など、委員ご指摘の点も含めまして、現場ならではのさまざまな意見交換がされておりまして、実態が明らかになってきているところでございます。

江口じゅん子

実は、全国的にこのサービスの普及、とても低いんですね。国会で前厚労大臣は次のように答弁をしています。平成二十四年四月末日現在で、全国で二十七保険者、三十四事業者が事業を開始している、これが少な過ぎるというご指摘はいただいていますと、このように答弁をしているんですね。

また、厚労省自身も二〇一二年度に実施するのは全国で一二%の百八十九保険者にとどまり、二〇一四年度の普及見込みについても三百二十九保険者、全国二一%にとどまる、こういった見込みを発表しています。

私は、このサービスが本当に利用者のニーズ、要望に合ったものなのか、先ほども言ったとおり区はモデル事業者として十分検証する、必要なら国にも意見をすることが必要だと考えます。副区長、この点について見解はいかがでしょうか。

秋山 副区長

先ほど課長のほうから答弁しましたように、今現場のケアマネジャーさんとかそういう人たちを含めた検討会を立ち上げています。

そこの中でさまざまな意見をいただいていますし、また、この問題についてずっと研究にかかわってきた人たちのアドバイスもいただくというふうになっておりますので、これをしっかりやった上で、必要であれば国にも働きかけていくということはしっかりしていきたいというふうに思っています。

二十四年の四月から始めた事業ですので、まだまだ浸透していない部分、私たちもまだまだ検証しなくてはいけない部分というのはあるというふうに思っています。

このサービスは、大変私としては区民が安心して暮らすためには必要なサービスだというふうに認識をしておりますので、ぜひこのサービスがきちんと制度として定着をしていくように、しっかりしていきたいというふうに思っております。

江口じゅん子

おっしゃられたように、区民が安心して生活できる、本当に必要なサービスになるようにしっかり見ていただきたいと思います。引き続きこの件に関しては注目していきたいと思います。

介護予防・日常生活支援総合事業について

江口じゅん子

続きまして、地域包括ケアについての二つ目、介護予防・日常生活支援総合事業についてお伺いします。

昨年改正介護保険法が行われまして、新たに介護予防・日常生活支援総合事業が創設されました。厚労省はこの総合事業について、要支援者及び二次予防事業対象者に対して予防サービス、生活支援サービス、ケアマネジメントのすべてにおいて総合的に実施する事業と説明をしております。

大変わかりにくいと思うので、厚労省が出しているこの図で総合事業について説明をします。これもまた見えないと思います。済みません。

現在、介護保険制度では要支援一、二と認定をされた場合は、通所介護、訪問介護などの予防給付、介護保険の中の予防給付が受けられるんですね。しかし、今回の改定で要支援者に対しては、市町村や委託を受けた地域包括支援センター、世田谷ではあんしんすこやかセンターが、従来の介護保険給付にするか、それともこちらの総合事業に移行するか判断をし、選別をするということになります。総合事業は、全国一律の基準ではありません。

区が行う地域支援事業となり、サービスの内容も料金設定もすべて区の判断となります。特に、国はサービスの担い手については地域における互助、インフォーマルな支援の活用、民間事業者によるシルバーサービスの活用など、従来の枠組みにとらわれないサービスの創出が必要と述べています。

ですから、これまで介護保険の枠内ではヘルパー資格を持つ職員による家事援助や入浴介助が、総合事業のもとではボランティアの手伝いに置きかえられるということも想定され、サービスの質の低下が懸念をされています。

私は昨年、この場で、総合事業を導入することで、これは要支援者を保険給付から外し、介護給付費の削減をするねらいがあるということや、介護サービスの質の低下、利用料値上げの問題点というものを指摘させていただきました。

同様の指摘が東京都社会福祉協議会センター部会というところからも出されているんですね。東京都社会福祉協議会センター部会というのは、東京都内の地域包括支援センター、在宅介護支援センターが二百六十四カ所、通所介護事業者が三百九十九カ所、計六百三十三カ所が加入をしている、そういった団体なんです。

こちらが昨年十月、厚労省あてにこういった提言を出しているんです。どういったものかというと、一つ目は、この総合事業の決定に関しては、本人の意思に反した判断が行われることのないよう、客観的な判断基準を明確にするとともに、本人が決定に異議を唱えた場合、そういったときは適切な規定を設けることですとか、現行の介護保険内での予防給付と総合事業内の介護予防サービスでは、サービスの種類、質、量に著しい開きがあると。

ですから、本人にとって必要なサービスが十分提供されないといった事態が発生しないよう対策をとってほしいということ。さらに、介護保険部会や介護給付費分科会――これは厚労省のものなんですが――では、軽度者や生活援助を介護保険給付から除外するという議論が出ていたが、今回の事業はそこへ向かう布石ともとれる。

本事業の真の目的、そういったことについて明らかにすること、こういった提案が出されているんです。今後、この総合事業の中心を担うところからこうした問題点が指摘をされているんですね。

区は、昨年の答弁では、総合事業に対しては実施のメリットがないとしていたんですが、ことし十月からモデル事業である市町村介護予防強化推進事業を導入することになりました。

ここでお尋ねしますが、モデル事業実施の理由、またその後の本格導入、決まっていることなのか、お伺いします。

小堀 介護予防・地域支援課長

委員のお話にありました介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援認定者並びに介護が必要になるおそれがある二次予防事業対象者に対しまして、多様な地域資源等の活用を図りながら、介護予防や見守り等の生活支援サービスを、創意工夫によりそれぞれの自治体が総合的に提供できるものとして、今年度、二十四年度から新設された事業でございます。この事業は、従来の制度上の制約によりサービス提供が不十分であった高齢者にも対応できることや、地域活力の向上につながることが事業効果として見込まれております。

区といたしましても、高齢者の方が住みなれた町で地域の方々とともに自分らしく自立した生活を目指すためにも、この事業はメリットがあると考えております。

事業の実施につきましては、今月の十月から平成二十六年三月まで実施いたします国のモデル事業である市町村介護予防強化推進事業の実施結果を踏まえまして、今後委員のご指摘の件につきましても平成二十六年度からの導入へ向けて研究と検証をしてまいります。

江口じゅん子

実は、この総合事業も全国で導入した自治体が少ないんです。社団法人国民健康保険中央会の調べでは、ことし四月から実施している自治体は全国で八十四市町村、保険者の四・五%にとどまっているんですね。

なぜ導入が少ないのか、どんな課題があるのか、導入前から先ほど申しましたようにさまざまな指摘がされています。区は、もちろんそうしたことを考慮した上でモデル事業実施を判断したのだろうと思っております。

しっかり研究、検証するということなので、何より利用者の立場に立って判断することを求め、以上で質問を終わります。

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