平成24年予算特別委員会 都市整備委員会所管質疑

2012年03月15日 江口じゅん子区議

外環道計画について

江口じゅん子

私は、外環道計画について質問いたします。

国の平成二十四年度予算案で外環道建設本格着手の予算が計上されました。外環道は、昭和四十一年、高架式での都市計画決定後、沿線住民の反対運動などにより、四十年以上も凍結されてきた経緯があります。

総事業費は約一兆三千億円、完成後の維持管理費は年間約五十億円と算定をされています。八ッ場ダム含め大型公共事業の総事業費は四十一兆五千二百億円です。

国交省によると、新規事業以外にも、公共事業、インフラの維持管理・更新費用は今後五十年間で百九十兆円になる見込みです。将来世代にも大きな負の遺産となります。

一方、三・一一から一年がたちますが、今も避難生活者は三十四万人と復興はほど遠く、原発事故収束のめども立っていません。社会保障・税の一体改革と称して庶民には消費税増税も検討されています。従来どおり大型公共事業を推進する国の姿勢に多くの国民は納得をしていないでしょう。

日本共産党は、外環道計画も含め、不要不急の大型公共事業は中止し、財源は東日本大震災の救援、復興と国民の生活を守るために優先的に充てるべきと考えます。

さて、外環道計画により、世田谷では何ができて、どのような影響があるのでしょうか。計画では、世田谷から練馬まで十六キロの大深度トンネルがつくられます。トンネルの直径は十六メートル、五階建てビルとほぼ同じ高さです。二本の高速道路計六車線が通ります。

そして、これがジャンクションの完成イメージ図です。大蔵、そして喜多見、鎌田、宇奈根にまたがって東名高速につながるジャンクション、そして四本のランプ、料金所、そしてビルのようにそびえ立っているのが排気塔です。こういったものがジャンクションでつくられる予定になっています。

ここでお尋ねしますが、ジャンクションの面積と幅、高さはどのくらいでしょうか。

筒井 道路計画・外環調整課長

面積は約十二・六ヘクタールでございまして、延長や幅員につきましては、道路区域決定告示を起こした延長でございますが、千五十五メートル、幅員につきましてはゼロメートルから約五百六十九メートルでございます。

江口じゅん子

この面積十二・六ヘクタールというのは、二子玉川再開発の公園を抜かしてほぼ同じ大きさということです。ちょっとイメージがつきにくいのかもしれないんですが、東京ドーム二・五個分と同じ広さです。

そして、先ほど私が指摘しましたこのビルのようにそびえ立つ排気塔は、地下にたまった排気ガスを流す施設ですが、その幅、高さはどのくらいでしょうか。

筒井 道路計画・外環調整課長

地下の道路でございますので換気は当然必要になりまして、その換気塔でございます。

高さにつきましては、東名ジャンクションの関連がございますので、約三十メートルとしてございますが、幅につきましては、今後設計段階で浄化装置について最新の技術を用いて検討するということになってございますので、現在の段階では未確定ということでございます。

江口じゅん子

私はきのう、そのご答弁を聞きました。ただ、以前から住民の方は、国交省から高さ三十メートル、幅三十メートルと説明をされています。

私はきのう、理事者の方のそのご説明を住民の方にお聞きしました。そうしたら、住民の方は、自分たちは以前から幅三十メートル、高さ三十メートルと聞いている、最新のデータに基づいて幅を小さくするとか、そういったことを住民には何の説明も情報提供もなくて、一体いつの間に変わったんですかと、私が反対に聞かれてしまいました。こうした情報提供というのは区民の方にされているのでしょうか、お尋ねします。

筒井 道路計画・外環調整課長

原則といたしまして、国のほうで説明会等を通じて、この幅並びに高さ等についてはご説明しているということでございます。

江口じゅん子

ただ、それが聞いていないということなんですよ。やはりこういう排気塔といった大きい施設は、本当に地域住民の方にとっては大きな影響を及ぼすものです。きちんと説明されることを要望しておきます。

そして、この計画によって移転予定とされる戸数についてお伺いします。

筒井 道路計画・外環調整課長

東名ジャンクション付近でございますが、二百六十五棟と聞いてございます。

江口じゅん子

今のやりとりだけで本当にこの地域に大きい構造物ができることがわかりますし、そして多くの地域住民が移転させられることになります。

外環道完成後の本線から東名ジャンクションの一日の交通量は約七万台以上、また、ジャンクションができるまでの工事車両は一日千台以上とも聞いています。地上部のジャンクションだけでも地域の町並みが激変し、環境、健康などに大きな影響があることが予測されます。

PI外環沿線会議について

江口じゅん子

さて、平成十四年から国と都、関係自治体は、計画の構想段階から幅広く意見を聞き、住民参加を進めるという名目でPIを行ってきました。

ここに、平成二十一年四月に地域などからの意見をまとめ、課題を明らかにしたという国、都がまとめた対応の方針があります。この対応の方針では、心配、不安、疑問の意見は懸念といい、要望や期待の意見は期待と表記をすると説明されています。

読んでみますと、期待の部分では、環七、環八の混雑改善などの意見が載っています。

一方、懸念といいますと、外環道建設の必要性や高架への懸念、生活道路の交通量増加の懸念、排気ガスによる大気汚染の懸念、騒音や振動の懸念、巨大ジャンクションによる町の分断の懸念、地下トンネルが野川、湧水に影響する懸念などなど、圧倒的に懸念の意見が占めています。

世田谷区民にとっては、外環道計画はジャンクションや排気塔などができることによる環境、健康の問題であり、多くの方が立ち退きを迫られることによる暮らしの問題なのです。

私は、PIに参加された方々からお話を伺ってきました。住民の声が反映されず、国の言うとおりに物事が進んでいった、疑問が残ったままPIが打ち切られたとのことでした。これは、これまでも議会で問題視をされてきたことです。板垣副区長が当時の担当部長のお立場で委員として出席されていた国のPI外環沿線会議は、平成十九年以降開かれていません。

ここでお尋ねしますが、このPI外環沿線会議は既に終了したのでしょうか。なぜ会議が開催されなくなったか、区は理由を聞いていますか。

筒井 道路計画・外環調整課長

PI会議につきましては、正式に終了したとは聞いてございません。

江口じゅん子

何で会議が開催されなくなったか理由を聞いていらっしゃいますか。

筒井 道路計画・外環調整課長

PI会議の中で対応の方針がまとめられて、一定の方向性が出ているということを聞いてございまして、その後について改めてまだ会議体等は開かれていないというふうに聞いてございますが、理由については特に聞いてございません。

江口じゅん子

前区政時代から、沿線区市長意見交換会やPI外環沿線会議で、ジャンクションの影響を極力最小限にしてもらいたいですとか、地下水、動植物、環境に最大限配慮をお願いしたい、また、農地、工場の移転に際して、地権者の意向を十分聞きながら最善を尽くしていただきたいと繰り返し国に要望しています。

副区長も、先ほど来申し上げているPI外環沿線会議の平成十七年の構想段階における総括文書の中で、区民の方々は環境についての影響が一番心配なことでございますので、環境については十分過ぎるほどの検証、検討をお願いしたいと要望しています。

区は、この計画が、地域の環境、住民の健康、暮らしに大きな影響があるという認識に変わりないか確認をいたします。

筒井 道路計画・外環調整課長

区としましては、この計画ですが、ジャンクションができますので、環境については変化が生じるということはございます。

区といたしましては、ジャンクションの建設を契機にまちづくりが進められ、より暮らしやすい地域になるように、区民の方々とともに努力していきたいというふうに考えてございます。

江口じゅん子

環境に影響があると、それは今も認識は変わりない。そしてこれまでも区は、さまざまなことを外環沿線会議ですとか区市長の会議とか、そういうところでおっしゃられてきたのです。

対応の方針で区民の皆さんの意見を聞いて、それを遵守すると言っておりますけれども、この対応の方針でも意見が計画に反映されないのではという懸念が載っているんです。住民の皆様は、議論がし尽くされていない、このまま本格着工されることに不安を持っています。

そして今、区としても影響があるという認識でしたので、それをきちんと国に意見する、沿線区市長意見交換会や、なぜかとまったままのPI外環沿線会議の再開を国に求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。

筒井 道路計画・外環調整課長

PI会議につきましては、私どものほうも先ほど申したとおり、終わったというふうに考えてございませんが、今後新たに工事が着工するということになりましたものですから、さまざまな機会の中で、PI会議というよりも、地元の意見を直接国に働きかけることが大切と考えてございます。

江口じゅん子

このまま事業が本格着工されることに不安を持っていて、そのPI自体が議論がし尽されていないとか、そういった意見があるんですね。終わったとは考えていないということなので、ぜひ再開を求めるよう要望します。

そして、対応の方針、さっきから出ておりますけれども、幾らここで国、都が対策案を提示して、そして区が遵守を求めると言っても、できたら確実に被害は生まれるんです。そして、それからの対策は実に困難であるということは、二子玉川再開発の風害問題を見ても明らかだと思います。

区は、この計画の事業者ではありません。地方自治体の役目は、地域住民の福祉や暮らしを守る立場で、国の事業に対して必要な対策を求めることです。区民にとって悪影響を及ぼす計画にはノーと表明することも必要です。

江口じゅん子

かつて、熊本前区長は、外環道推進の立場でしたが、当初計画にあった世田谷通りインターチェンジ設置は難しいと表明し、それを中止させたと聞いています。前区長が世田谷通りインターチェンジ設置は難しいと判断した理由は何でしょうか、お伺いします。

筒井 道路計画・外環調整課長

熊本区長は、世田谷通りインターチェンジの構想でございますが、道路混雑の状況や環境への影響等から、道路拡幅等の抜本的対策が施されない限り現状では設置が困難として、東名以南の計画とあわせて、推進の立場ではございますが、そういった形で要請しているということを聞いてございます。

江口じゅん子

推進の立場でしたけれども、実際に区長がそのように判断をして、そして中止をさせた。そういうことが判断できたのは、住民の皆様のたくさんの反対の声があり、議会でもさまざまな会派がこの問題を取り上げたからです。私は、前区政が国にきちんと意見を表明、要望を行い、インターチェンジ設置を中止させた意義は大きいと考えています。

意向調査結果について

江口じゅん子

さて、私はジャンクション建設予定地で立ち退きを求められている自営業者の方から相談を受けました。長年、区内業者を相手に仕事をしてきた。ここは工場が固まっているので、何かあったら近隣の業者と協力し合える。立ち退けと言われても、実質区内に準工業地域は少なく、行くところがない。区外に転居して一から営業を成り立たせることは困難だ、そういった訴えでした。農業者の方も同様の悩みを持っているのではないでしょうか。

現在区は、ジャンクション建設予定地の住民を対象に、事業継続の意向などを聞く意向調査を実施しています。対象者は何名、そして農業、工業者は何名いるのか、意向調査結果はいつごろ出るのか、お尋ねします。

佐々木 砧総合支所街づくり課長

まず、現在行っております意向調査につきましては、農業を営む方が約三十件、商工業を営む方三十三件を対象として国の訪問に同行し実施をしております。現在、まだ若干未調査部分もございますので、三月、今年度末までにすべてを終了する予定でございます。

江口じゅん子

まだ意向調査自体終わっていないということですけれども、結果が出ましたらぜひ議会に報告することを要望しておきます。

そして、意向調査の結果、地元で営業、農業を継続したいという方は必ず出てくると思います。そういった区民の声に区はどうこたえるのでしょうか。こうした区内の大切な農業、そして工業を守る、そういった認識はあるのか、お伺いします。

佐々木 砧総合支所街づくり課長

外環の事業地内で農業や事業所等を営む地権者の方の中には、再建のために土地を確保しなければならない方がいらっしゃるということについては私どもも認識しております。

こういった個別の生活再建につきましては、外環の事業者である国の責任において対応がなされるべきものと考えております。国も、対応の方針の中で、生活再建については十分な支援を行う旨、記載しているところです。

しかし、区としても、東名ジャンクション周辺のまちづくりを進める中で、こうした問題も町全体で解決を図るべき課題であると考えております。こうしたことから、先ほど申しましたヒアリング調査を実施し、現況の把握に努めているところでございます。

江口じゅん子

まちづくり計画の中で、区ができ得る限り区民の意向に沿うように努力をされていると思っております。

しかし、国に対応を求めて十分な支援を行うと対応の方針に書いてあるとおっしゃいますけれども、では、希望者に地元で代替地を確保できるのか、それが本当に可能なのか不安を感じています。区は、それが可能と考えていらっしゃいますか。

佐々木 砧総合支所街づくり課長

先ほどもお話ししましたとおり、現在、事業者の皆さんに意向調査を実施しているところでございます。こういったヒアリングの結果を踏まえて、国と情報交換をしながら、対応の方針に沿って生活再建が図られるよう国へ働きかけてまいります。

江口じゅん子

やはり本当に代替地の確保は難しい問題だと思います。国に求めていくということなので、ぜひ責任を持って国に対応させるように求めることを私たちも要望します。

そして、そのためには、やはり沿線区市長意見交換会や、とまっているPI外環沿線会議の再開は必要なことだと思います。区が、区民の立場に立ち行動し、意思表示することを強く求めます。

七項目の要望をつけて区有地許可をしたことについて

江口じゅん子

そして、最後に、準備工事着手のため、区長が七項目の要望をつけて区有地許可をしたことについて伺います。

区民の立場で要望をつけたことは大切なことだと思います。しかし、区長はこれまで繰り返し情報公開と住民参加を標榜してきました。

だからこそ、要望書提出前に、議会や区民に意見を聞いて要望内容を定める必要があったのではないでしょうか。そして、要望書を出したことをきちんと議会に報告するべきと考えます。

これまで、PIで議論を積み重ね、対応の方針をつくったり、先ほど来、地域に丁寧な説明とか、そして情報提供を心がけて行動されてきたと、そういった答弁をされてきましたが、これまでそういうことをしてきたのは、行政には説明責任があり、住民参加、情報公開を進めるためだったのではないでしょうか。区の見解をお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

筒井 道路計画・外環調整課長

先ほども他会派の質問の中でお話しした七項目の要望でございますけれども、こちらのほうにつきましては、地元の方と調整した中というんですか、外環のほうのPI、あるいは地元の意見交換会の場の中で出てきたものを文言として出したということでございまして、通常の貸し借りの文書で添付させたものでございます。

したがいまして、特に議会の場で出すということを当初から考慮していたものではございませんので、今回出していないということでございます。

江口じゅん子

PIですとか、そういった意見交換の中で住民の要望をきちんと盛り込んだことは大切だと思っています。

だけれども、やはり区長は情報公開、住民参加を行うと繰り返し標榜してきたわけです。私は、区民の方が、自分たちに知らされることもなく、こういった要望がされたことに対して大変失望や、そして疑問を持っている、そういったご意見を伺いました。言うまでもなく、準備工事をするということは本格工事につながることなんです。

私は、こういった情報公開、住民参加が行われなかったことに区民は失望しているということを指摘します。そして、今後改善をすべきだと考えます。

以上で私の質問を終わり、中里委員にかわります。

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