平成24年予算特別委員会 企画総務委員会所管質疑
2012年03月08日 江口じゅん子区議
平和への取り組みについて
江口じゅん子
よろしくお願いします。
私はまず、平和への取り組みについて質問いたします。
一般質問で私は、平和市長会議から呼びかけられた核兵器禁止条約の早期実現を求める署名をさらに広げるためにという趣旨で質問いたしました。
補足説明をしますと、平和市長会議は、二〇二〇年までの核兵器廃絶を目指し、具体的な行動指針、二〇二〇ビジョンをつくり、世界的に活動しています。
その主な取り組みがこの核兵器禁止条約の早期実現を求める署名活動です。そして、そういった活動が現実的に世界を動かし、昨年の国連総会では核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議が採択されています。
二〇一五年、NPT再検討会議で条約交渉開始を実現すべく、まずはことし五月の準備会議に向けてこの署名を大きく広げる必要があります。
区長は、私の質問に対して、ことし八月を焦点に、区として区民にこの署名をしてもらうべく努力すると、大変前向きなご答弁をされました。
また、板垣副区長は、ことし一月に広島市で開催された第一回平和市長会議国内加盟都市会議に参加をされました。本当にお疲れさまでした。
そこで、ぜひ参加の感想を副区長にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
板垣 副区長
今お話にありましたように、私は区長の指示によりまして、一月十三日と十四日に広島で開催されました第一回平和市長会議国内加盟都市会議に参加してまいりました。
残念ながら公務の都合から十三日午後の出発になりましたので、当日午後に予定されておりました被爆者の体験談ですとか慰霊碑の参拝等には参加することができなかった状況でございました。
翌十四日の午前に会議がございまして、そこには八十八自治体が参加しておりました。今、国内の加盟都市会議というのは千を超える自治体が加盟しておるんですが、当日の出席は八十八自治体が参加しておりまして、そのうち四十二の自治体につきましては、首長さんが参加されているという、そんな状況でございました。
その中で、先ほどお話がありました核兵器禁止条約の早期実現を求める市民署名活動を加盟都市挙げてぜひ取り組んでほしいというようなことの提案がありまして、会議で活発にそういう議論がされていたという状況でございます。
私はその会議に参加しまして、一応お昼で終わりましたので、その後、前日ちょっと見れなかったもので、平和資料館のほうを少し見学させてもらいました。
さまざまな写真が展示されておりましたけれども、大変悲惨な写真、あるいは石の階段がありまして、人の影だけが残っているような、そういうものを見たりとかしまして、改めて核兵器の恐ろしさというのを感じて帰ってきたところでございます。
帰りまして、区長には早速報告させていただきまして、署名活動等も提案があったということで、今現在、もう既にリンクを張って署名運動ができるような対応をしているところでございます。
江口じゅん子
お忙しいさなか、原爆資料館のほうも見学をされて積極的に取り組まれていて、本当にお疲れさまでした。
そして、この会議では、今副区長がおっしゃられた市民署名活動の展開などを盛り込んだ、第一回平和市長会議国内加盟都市会議総括文書というものが採択をされました。
会議では、この市民署名活動展開の際に、次の具体的な展開例を参考にしながら、各自治体の状況に即して自主的に取り組むことが提起されています。
具体的な展開例とは五つありまして、ホームページにリンクを張るですとか、これは現在、区が実践しています。
行事や庁舎、公共施設の中に署名コーナーを設置することですとか、町会やNPOなど市民団体との連携や自治体職員みずからなどによって署名活動を推進する、そういったことが提起されています。
早速、ホームページで署名リンクを張っていることは評価いたします。ただ、区民からは、検索をしないと署名ページに行かないため利用しにくいですとか、インターネットが使えない人は、実質この署名を目にすることができないんですね。
せっかくの取り組みが、現状のままでは広い区民に知ってもらえず、限定的なものになっています。より広い区民に呼びかけるため、具体的な参考例にある署名コーナーを設置するですとか、また、市民団体の連携など、そういった署名活動推進活動に一層取り組んではどうでしょうか、見解をお伺いします。
小田桐 政策企画課長
区では、国内加盟都市会議での要請を受けまして、最も適切な方法として、より広く長期間、区民に対して署名活動をお知らせすることができるというようなことで、オンライン署名について、区のホームページからご案内することといたしました。
委員ご指摘の点につきましては、今後予定している行事等での取り組みを検討するほか、区民の方々がより署名しやすくなるように、現在のホームページ等の工夫もあわせてわかりやすい紹介をしていきたい、改善してまいります。
江口じゅん子
大変申しわけないんですが、ホームページのほうはわかりにくくなっていますので、工夫をしていただきたいと思います。
そして、より広く長期間、区民に対して署名活動をお知らせすることができるようというふうにおっしゃられていましたが、では、この取り組みは、この先もずっとインターネット上ではホームページでしていくということでよろしいんでしょうか。
小田桐 政策企画課長
その予定で進めております。
江口じゅん子
よろしくお願いします。
署名方法はオンライン署名か区民が用紙を印刷する方法の二つになっています。この印刷をする方法の場合は、区のホームページでは、「なお、署名用紙については、直接平和市長会議へご提出ください」としています。
その提出先、送り先は広島市、郵送料は自己負担になっています。平和市長会議国内加盟都市会議の議事資料によると、集まった署名は各都市が取りまとめ、または市民団体が直接に事務局に提出とあります。もちろんこれには強制力はありませんが、区が集約して届けることも一つの支援と考えます。区の見解をお願いいたします。
小田桐 政策企画課長
区のホームページからご案内している署名ページにつきましては、ご案内のとおり、オンラインの署名、もしくは各自が郵送で提出することになっておりまして、区で署名を集約する方法については、オンラインを活用して区が集約したものを提出する方法とかもあると思います。効率的に提出する方法を工夫して、必要な対応を行ってまいりたいと思います。
江口じゅん子
区民の方が署名用紙をプリントアウトして何枚か集めましたと持ってこられた場合も考えられると思うんですね。そういったときの支援のことを考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
小田桐 政策企画課長
その都度、その状況に応じて適宜対応を考えていきたいと思います。
江口じゅん子
ぜひ検討をお願いしたいと思います。
そして、採択された総括文書では、加盟都市にことし八月ごろを目途に、庁舎などで原爆被害の実態などに関するポスター展の実施と、原爆展、平和学習資料などの活用による核兵器廃絶に向けて、市民意識の醸成の取り組みの推進が決められています。
区は、これらに対しどのように取り組もうと考えているのでしょうか、具体的な計画があるようでしたら教えていただきたいと思います。
小田桐 政策企画課長
先ほどの会議においてお示しいただいた項目等については、副区長より検討する旨の指示は受けてございます。
これまでの区の平和事業の取り組みに加えまして、現在既に実施しているイベントだとかそういった機会を活用して、ポスター展の実施等について内容を検討しまして、適宜取り組んでまいります。
江口じゅん子
副区長が早速、そういったご指示をされまして、大変心強く思っております。
そして、ポスター展の開催については、平和市長会議も各自治体に負担をかけないようにということで、今つくっている最中らしいんですけれども、ホームページからダウンロードできるようにしたりですとか、もしくは平和記念資料館などが貸し出すポスターを活用するとか、長崎市のホームページからダウンロードできるとか、そういったことも具体的に提案をされているので、ぜひ具体的に取り組んでいただきたいと思います。
そして、日本原水爆被害者団体協議会というものがありまして、その方たちがことし十五年ぶりに、新しく原爆パネル「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間」というものをつくられたということです。
これをつくった方によりますと、古いパネルと比べ、若い人にもわかるように解説をつけるなど内容も刷新したということですとか、被爆者が高齢化し動けなくなる中で、本当にこれが最後になるかもしれないという思いを込めてつくったということで、後世にこの体験を語り継ぐためのさまざまな取り組みが行われております。
ぜひこういったものを購入して展示することも一つの大きな取り組みになると思うので、検討していただきたいと思います。
そして、市民意識を醸成するために平和学習をということに関しては、昨日、上川あや委員が具体的な質問をされております。
私もその質問の中で区内に山の手空襲で被害を受けた木が今も残っているということを初めて知りました。
戦争遺産の存在を伝えることや、また、戦争・被爆体験者の記録を映像に残してはとの上川委員の質問に、区長は映像化に関しては早速指示をしていきたいとご答弁されています。
こうした取り組みが平和市長会議の呼びかけの具体的行動にもなると思います。私からも、ぜひ上川委員の提案を実現することを要望しておりますので、よろしくお願いいたします。
戦争の実態を後世に引き継ぐ、平和を希求し、実現するためには、多くの方と力を合わせ協働することが大切だと認識をしています。
福島原発事故後、放射能や核の問題を自分のこととしてとらえ、区内でも子どもを放射能から守ろうという自主的な区民の活動が広がっています。
私は区民の意識の変化を実感しています。区が平和に関するさまざまな取り組みに積極的、主体的に取り組めば、多くの区民がこたえてくれるはずです。
私たち日本共産党も、ともに力を合わせていくことを申し上げて、以上で私の質問を終わり、村田委員に交代をいたします。
