平成23年決算特別委員会 福祉保健委員会所管質疑

2011年10月11日 江口じゅん子区議

介護保険法改正法、そして地域包括ケアについて

江口じゅん子

おはようございます。ただいまから日本共産党の質問を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

私はまず、介護保険法改正法、そして地域包括ケアについて質問いたします。

ことし六月、介護保険法など改正法が公布されました。この改正法の目玉は地域包括ケアシステムになっています。しかし、国会での審議が十八時間という大変短いものであり、国民の間には、一体これは何なんだろうか、そういった疑問が数多く聞かれております。

まず、私は地域包括ケアシステムのこの理念と、あと具体的な事業について教えていただきたいと思います。

吉岡 介護保険課長

慶應義塾大学大学院の田中滋教授を座長とする地域包括ケア研究会の報告書によりますと、地域包括ケアシステムについては、ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供できるような地域での体制と定義しております。おおむね三十分以内に必要なサービスが提供される圏域としては、具体的には中学校区を基本とする。また、二〇二五年、平成三十七年までに実現を目指すべきものとされております。

この考え方を背景といたしまして、今般の介護保険法の改正におきましては、二十四時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護など、新たなサービスの創設などが行われたものと認識しております。

江口じゅん子

今るるご説明いただきました。その地域包括ケアシステム、このことによって、例えば病院ですとか、あと特養ホームに、今、多くの介護者の方が生活されて療養の世話を受けていますけれども、このシステムによって、地域で安全安心に介護のサービスが受けられる、そのために二十四時間地域巡回型訪問サービスなどの整備をする、そういうふうに私も認識をしております。

私、この地域包括ケアシステムというのは、社会保障と税の一体改革が進められている中で、それと一体に医療分野では、高齢者の病院追い出しと医療費の削減、そして介護分野では介護給付の抑制が背景にあるものだと考えます。私はそういう問題意識を持って、この地域包括ケアシステムの根幹事業である二十四時間地域巡回型訪問サービスについて具体的にお聞きします。

世田谷区は、平成二十二年度からこのサービスのモデル事業を実施しています。堀川地域福祉部長は厚労省の二十四時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会の委員を務められ、ことし二月にはこうした報告書も報告されております。

ここで質問ですが、区は、平成二十一年から二十四時間随時訪問サービスを実施しています。今年度からは事業名を二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスとしてモデル事業で実施しております。その具体的な内容について教えてください。

吉岡 介護保険課長

二十四時間随時訪問サービスにつきましては、地域密着型サービスである夜間対応型訪問看護の対象にならない時間帯について、区が都の補助金を活用して、二十四時間の随時訪問サービスとして実施しているものでございます。

また、平成二十二年の八月からは、国のモデル事業として実施しております二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスを行っております。これは利用者宅を一日複数回訪問し、安否確認や短時間の介護サービスを行うとともに、二十四時間体制で利用者からの通報を受け、必要な場合には随時訪問サービスを提供するものでございます。

介護保険法の改正により、平成二十四年度から創設が予定されている、先ほど申し上げました定期巡回・随時対応型訪問介護看護につながるモデル事業となってございまして、来年度からの制度導入に備えまして、十月からは二事業者で実施するなど、事業拡大を図っているところでございます。

この事業につきましては、現在、社会保障審議会介護給付費分科会におきまして、介護と看護の連携、職員の配置基準、介護報酬のあり方等サービスの詳細について、さまざまな視点、立場から検討されているところでございます。

区といたしましても、制度の詳細について、今後の動向を注視してまいりたいと存じます。

いずれにしましても、介護と看護が連携しつつ、一日複数回、必要なタイミングで必要な量と内容のケアを一体的に提供する新しいサービスが、二十四年度から必要な方に提供できるよう、今後も準備を進めてまいります。

江口じゅん子

ご説明ありがとうございます。

私のほうから、今年度、二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスが事業者を拡大して行われているということで、仕様書というものがあります。その仕様書に基づいて、サービス内容を補足して説明させていただきます。

まず一つ目は地域巡回型訪問サービスです。これは今課長の答弁にもありましたが、利用者に対し日常生活上の世話を、一日三回を目安に、必要に応じて複数回提供すること、そして、原則としてサービス内容を行うのに要する標準的な時間が一回当たりおおむね二十分未満のものとしております。

二つ目は随時の対応サービスです。二十四時間三百六十五日対応可能な窓口を設置し、これは具体的にはオペレーターを配置し、利用者から電話などの通報を受けて対応します。そして相談援助、定期巡回型訪問サービス以外の訪問サービスの提供などの随時対応を行うと、区の仕様書では説明されております。

厚労省は、九月に行われた社会保障審議会介護給付費分科会で、このサービスの介護報酬を定額の包括払いと提案しております。つまり、サービスの量にかかわらず、事業者に支払われる介護報酬は一定額しか支払われないというものです。

ここに、区の平成二十二年度世田谷区二十四時間地域巡回型訪問サービスモデル事業検討報告書があります。この中で、区は報酬体系のあり方について、次のように述べております。単純に包括報酬とした場合、特定事業者が利用者を囲い込んだり、事業者が必要なサービスの提供を控える傾向が生じたり、利用者の過剰なサービス利用を誘発したりといった問題が生じることが懸念と、大変的確な指摘をされております。

利用者の病状によっては、一日何十回も随時対応を要請することが予測されます。私は看護師をしておりました。看護師時代、夜間、何時間もの間、五分から十分ごと、トイレ希望のコールがあったり、本当に医療や介護の現場では何回も何回も頻繁なコールをするというのは珍しくないことなんです。

そこで質問します。包括報酬により、事業者が採算性を確保しようと考えたら、区の指摘どおり、必要なサービスの提供を控えることが予測されます。どのサービスの提供を控えるかと考えれば、一日三回目安の定期巡回は、これは決まっているものですから減らせません。では、何を減らすかといえば、随時対応サービスの回数を減らすことが考えられます。それについて、区の見解をお聞かせください。

吉岡 介護保険課長

利用者へのサービス提供につきましては、利用者を担当するケアマネジャーと事業所の計画作成責任者との共同マネジメントが想定されております。また、地域の関係者による評価の場の設定や外部評価等の公表など適正実施の仕組みについては、先ほど申し上げました介護給付費分科会で議論されているところでございます。

江口じゅん子

そのとおりで、社会保障審議会介護給付費分科会でサービスの過少供給に対して想定される対策というのがもう既に検討されているんですね。厚労省が包括報酬を導入すると決めた際から、サービスの過少供給に対して想定される対策を検討するのですから、これは現実的に起こり得る大きな問題だと考えます。

堀川地域福祉部長が委員を務められた厚労省の二十四時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会報告書でも次のように書いてあります。「本サービスについて包括定額方式を採用した場合、『事業者によるサービスの提供控え』が生じる可能性がある」と指摘の上、事業者によるサービスの提供控えについては、保険者の責任、つまり世田谷区の責任で、利用者の満足度なども考慮の上、利用者の在宅生活が包括かつ継続的に支えられているかについて把握すべきとしております。

ここで、副区長にお聞きいたしますが、区は保険者の立場で、包括になったからといって、利用者の満足度も考慮の上、在宅生活が包括かつ継続的に支えられるこの立場でやるか、その決意をお伺いしたいと思います。

秋山 副区長

保健福祉部長でいた時代から、この巡回型にはずっとかかわらせていただきまして、確かに今ご指摘があったように、本当に事業者が行くことを控えてしまおうというようなことの懸念は少し心配もしていました。しかし、こういったことは、区の保険者としての大変重要な仕事だというふうに思っていますので、そういったことのないような対策をしっかりとりたいというふうに思っております。

江口じゅん子

そういったご答弁をいただきまして、すごく心強く思っております。実際に介護を受ける利用者は、そういったことを本当に強く望んでいると思います。利用者の介護の質が低下しないよう、重ねて要望しておきます。

次に、この二十四時間地域巡回型訪問サービス、今年度は、区では二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスと名づけて実施しております。昨年度と現在実施中のモデル事業では、利用者はこのサービス以外の訪問介護、つまりヘルパーさんが来ることですとか、あと訪問看護を利用していますでしょうか。

吉岡 介護保険課長

本年五月の実績からご説明をいたします。

まず、十一名のご利用者の中で、訪問介護、訪問看護、両方ともご利用のなかった方が二名いらっしゃいます。また、両方ともご利用になっている方も二名いらっしゃいます。また、訪問看護のみの方が三名、ヘルパーさんのほう、訪問介護の方が三名、この内訳でございます。

江口じゅん子

詳しくご説明くださいましてありがとうございます。つまり、現在のモデル事業では、既存の訪問介護、訪問看護の併用はできるんですね。しかし、九月に行われた社会保障審議会介護給付費分科会では、訪問介護、訪問看護、夜間対応型訪問介護については、サービスの内容が重複することから併用することは想定しがたいが、訪問介護における通院など乗降介助、車いすに乗るとかおろすとか、そういった介助については供給を認めと報告をしております。これは来年四月からの本格実施では、二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービス利用者は、居宅サービスである訪問介護、訪問看護は利用できない、こういった認識でよろしいんでしょうか。

吉岡 介護保険課長

この件につきましては、国の議論の推移を注視しているところでございますが、先ほど委員がおっしゃった報告書の中にも必要なタイミングで必要な量と内容というご指摘が入ってございます。必要なサービスの提供はその中で想定されているものと認識しております。

江口じゅん子

来年四月から訪問介護、訪問看護は利用できない、そういう方向だと。しかし、必要なタイミング、必要な量でサービスを提供するのでというご答弁だったと思います。ただ、私、この併用ができないというのは大変大きな問題だと思います。来年の施行からこの定期巡回・随時対応サービス以外の訪問介護、訪問看護の併用ができないのならば、このサービスは、それらが使えなくてもサービスの質は今より低下しない、そういったものでなくてはなりません。しかし、それが可能なのか、私は本当に疑問に思っております。
 理由の一つは、先ほど申しました、施行前から厚労省も区も包括報酬により必要なサービスの提供を控えることが予測され、随時対応サービスはどの程度利用者の求めに応じて訪問してくれるかわからないということです。
 そして二つ目の理由です。短時間で一日複数回の定期巡回サービスを必要なタイミング、必要な量で行うとおっしゃられました。しかし、これでは、利用者の安全を守り、かつ十分な介護・看護サービスの提供は困難であると考えます。なぜかというと、区のモデル事業、この報告書や、あと、先月行われた第五期介護保険事業計画素案についてのシンポジウムで配られた資料を私読みました。平成二十二年のモデル事業では、一日の定期巡回回数は三から四回です。一回のサービス時間平均は約十三分、平成二十三年度は一日の定期巡回回数は三回を目安に複数回、一回のサービス時間は、三例の事例しか載っていなかったんですが、二十分以下という本当に短時間なものになっています。
 私、先ほども申しましたように、病院看護師として勤務をしておりました。現場の経験からいえば、障害、病気にもよりますが、例えば要介護五の寝たきりの患者様には、一日約十回のおむつ交換、三回の栄養補給、毎食後の口腔ケア、数回の服薬、二時間ごとの体位交換などの定期のケアのほか、清拭や吸引など適宜の医療行為、看護行為を行います。夜間は三十分ごとの巡回も行います。生命、健康の維持を他者にゆだねるというのは、それだけ人手もケアの時間も必要です。体調が急変するリスクもあります。
 また、看護・介護行為は必要なケアをそれだけ提供すれば終わりというものではありません。例えばおむつ交換の際は、皮膚や全身状態の観察から始まり、全身状態の評価を行います。そしてケアは、体位交換、排たんケアなどと連動します。

私は現場の経験から、この一日複数回、随時の短時間ケア、必要な量、必要なタイミングでサービスの提供を行う、そういったことで利用者の命と健康を守れるか、大いに疑問を持ちました。

私は二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスを全部否定するつもりではありません。ケースによっては、地域で暮らし、年をとりたいという願いに一定こたえるものだと思います。ただ、厚労省はこの二十四時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会報告書で、このサービスの最終的目標を単身・重度の要介護者でも在宅を中心とする、住みなれた地域での生活を継続するとしつつも、一方で、あらゆるタイプの要介護高齢者に対して効果的なケアを提供できるとは限らないとちゃんと書かれているんですね。厚労省が認めるとおり、このサービスには問題や限界が懸念されることを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

特養整備計画について

江口じゅん子

それでは次に、特養整備計画について質問させていただきます。
 国は、地域包括ケアシステム導入により、医療が必要な重度の単身の介護者も住みなれた地域での生活が可能であり、そのために、特養ホームの長期待機者は生じなくなると説明をしております。しかし、私は先ほど来の質問で、施設から地域へ移行するためのその中核を担う二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスの問題や限界を指摘してまいりました。特養ホーム、これからもやはり必要不可欠な施設です。
 区がことし実施した介護保険実態調査では、主な介護者、それは配偶者が三一・八%、子どもが二三・七%と、老老介護と家族の介護負担の実態が大きいことがわかります。特養ホームの整備率は本当に待ったなしの状況だと思います。
 そこで質問いたしますが、東京都二十三区の中で特養ホームの整備率は何番目でしょうか。そして待機者数は現在何人いらっしゃるか、お聞きいたします。

伊藤 高齢福祉課長

世田谷区における特別養護老人ホームは十八カ所、定員千三百四十九名で、整備率が〇・八六%ということで、現在、二十三区内で二十一位でございます。また、入所希望者数でございますけれども、平成二十三年九月現在で二千四百六十七名になります。

江口じゅん子

今ご答弁いただきましたとおり、特養ホームの整備率、二十三区中、下から三番目に下がってしまったんですね。待機者数二千四百六十七名、本当に深刻だと思います。

それで、現在、区は第五期介護保険事業計画を策定しております。第五期介護保険事業計画の中で現在明らかになっている特養ホーム整備計画は、平成二十六年度開設の成城の特養ホームだけです。

質問をいたしますが、第五期介護保険事業計画の中で、これ以外の特養ホーム整備計画があるのかお聞きします。

伊藤 高齢福祉課長

現在、第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について、世田谷区地域保健福祉審議会の高齢・介護部会におきましてご審議をいただいている最中でございます。

なお、特養ホームの整備計画につきまして、都営成城八丁目アパートの跡地以外で具体的に整備計画が進んでいるものはございません。

現在、第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について、世田谷区地域保健福祉審議会の高齢・介護部会におきましてご審議をいただいている最中でございます。
 なお、特養ホームの整備計画につきまして、都営成城八丁目アパートの跡地以外で具体的に整備計画が進んでいるものはございません。

江口じゅん子

ご審議をいただいているが、成城特養ホーム以外はないということなんですね。特養ホーム整備率が二十三区で下から三番目、待機者二千四百六十七名、これを解決するのに、次の三年計画で一カ所しかないというのは本当に問題だと思います。
 ことし三月議会で我が党は、介護保険事業計画の中で、特養ホーム増設の中長期計画を作成し、区民に示すべきと、区の見解を尋ねました。堀川地域福祉部長は、審議会や部会におけるご審議や、議会及び区民、事業者の皆様のご意見などを踏まえまして、次期計画において特別養護老人ホームの整備の考え方をお示ししてまいりたいと答弁されております。質問から半年たちまして、今の課長さんのご答弁にありましたとおり、ご審議をいただいている、検討、進行している、そういうことだと思います。
 改めて、この介護保険事業計画の中で特養ホーム増設の中長期計画を作成すべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。

伊藤 高齢福祉課長

先ほども申しましたとおり、第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画につきましては、現在、世田谷区地域保健福祉審議会の高齢・介護部会でご審議をいただいているところでございまして、計画期間につきましては平成二十四年度からの三年間ということで、また、整備目標につきましては、さらにご審議をいただき、今後お示しをしていきたいというふうに考えております。

江口じゅん子

ご審議をいただいていると。それでは、第五期介護保険事業計画の中で、この成城以外にふえる可能性というのはあるんでしょうか。

伊藤 高齢福祉課長

整備目標につきましては、さらにご審議をいただくということで、今、具体的な整備が進行しているということではございません。

江口じゅん子

一カ所なんですよね。なぜこんなにこだわるかと申しますと、中長期計画がなければ、この三年の介護保険事業計画の中で、次の計画では一カ所だけ特養をつくる、その前はつくらないとか、一カ所特養をつくるかつくらないかだけという、そういう計画では、将来の世田谷の介護サービスの姿、つまり特養がどれだけ必要か、待機者を解消するためにどうしたらいいのか、そういったことがわからないんですね。だからこそ、中長期計画の作成というのを私たちは要望しているんですが、改めて特養ホーム整備の中長期計画の作成を強く要望いたします。

介護予防・日常生活支援総合事業について

江口じゅん子

それでは、次の質問に移らせていただきます。

次に、地域包括ケアシステムで新たに創設される介護予防・日常生活支援総合事業について質問をいたします。

これまで要支援者というものは、国の定める人員、設備などの指定基準をクリアした事業者の介護サービスを予防給付として利用することができました。自己負担は一割、残り九割は介護保険からの給付になっています。しかし、来年からは市町村の判断で要支援者を、これまでの予防給付か、もしくは介護予防・日常生活支援総合事業にするのかを選別できるようになります。総合事業は介護保険給付とは異なるサービスなので、今から利用料の値上げ、そして介護サービスの質の低下などが懸念されております。

ここで質問ですが、総合事業実施は各自治体の判断に任せられております。区の導入についての見解をお伺いいたします。

金澤 地域福祉課長

お話にございました介護予防・日常生活支援総合事業ですが、今般の介護保険制度の改正により、平成二十四年度から地域支援事業の一つとして創設されます。国は要支援者、二次予防事業対象者に対して、介護予防や配食、見守り等の生活支援サービスを、区市町村の判断により総合的に提供できるとしております。

区ではこの間、関係部課長が中心となって、この総合事業を実施する上での課題や財政面での試算等を行ってまいりましたが、介護保険の給付見込み額の三%という地域支援事業の枠の中では、総合事業を利用する要支援者に対し予防給付にかわる事業の財源が確保できないことや、これまで区が配食や見守り等のサービスを要支援者、二次予防事業対象者に限定せず実施してきたことから、現時点では事業実施のメリットはないものと考えております。

区では当面、現行の地域支援事業を継続するとともに、国の動向を注視し、事業の効果や財政上のメリット等が明確になった場合は、改めて検討してまいりたいと考えております。

江口じゅん子

現時点ではメリットはないと。導入については消極的ではあるが、引き続き国の動向を注視する、そういった解釈でよろしいでしょうか。

金澤 地域福祉課長

今申し上げたとおりでございます。当面は現行の地域支援事業を継続するという形、今後の国の動向を注視したいということでございます。

江口じゅん子

この介護予防・日常生活支援総合事業というのは、今は介護保険給付の対象となっている要支援者を市町村の判断で保険給付から外すことができると。そうすることで介護給付費の削減というのを大がかりに進めることができるんですね。私たちは要支援者を保険給付から外す、介護給付費削減先にありきのこの総合事業実施には反対の立場をとっております。区にも現時点ではメリットはないとおっしゃられておりますけれども、ぜひ利用者の立場、要支援者の立場に立って判断をしていただきたいと考えております。

それでは次に、介護士、看護師の人材確保について質問させていただきます。

先ほど来も地域包括ケアシステムについての二十四時間地域巡回・随時対応型訪問サービスについていろいろやりとりをしてまいりました。最終的な目標は単身・重度の要介護者でも在宅を中心とする、住みなれた地域での生活を継続する、そのためにこういったサービスを行う、そういったことです。

しかし、その最終的な目標を本気で体現するためには、それを支える介護職、看護職の人材確保、本当に必要なものになります。しかし、その人材不足というのは、東京では特に深刻になっております。介護職でいえば、平成二十一年度の有効求人倍率は二・四〇倍です。これは全職業の〇・五五倍を大きく上回っております。

看護職も同様です。厚労省は、二〇一一年の看護師不足は五万六千人と報告をしております。私も現場で働いておりますときに、やはり欠員というのは本当に多々出るんですね。女性ですと、妊娠や出産、それから子育て、あと介護など、そういった家庭の事情なので、やはり夜勤がある仕事ですから、働き続けることができない、どうしてもやめざるを得ない、そういった状況は本当によくありました。

それで、じゃ、欠員補充がすぐできるかといえば、できないんですね。病院のそのときの上司も日本全国、例えば新卒職員のリクルートのために、本当に北は北海道から九州までリクルートの活動をしておりました。中途採用も毎月のように募集をしているんですね。それでもなかなか欠員補充はできない、どこでも看護師不足は深刻、そういったことになっております。

区は、福祉介護人材確保、そして育成のために、二級ヘルパーの受講料助成や施設職員の研修費助成など多々行っていると聞いております。

ここで質問しますが、区の福祉介護人材確保育成のための対策についてお聞かせください。

伊藤 高齢福祉課長

介護人材の確保状況につきましては、平成二十二年度介護保険実態調査におきまして、区内介護事業所に人材確保の状況を調査しております。訪問介護及び訪問看護事業所で不足しているとご回答された事業所の割合が高くなっており、介護人材の確保に向けた取り組みが重要ということは認識しているところでございます。

区におきましては、お話にございましたとおり、介護人材の確保に向けて、次のような取り組みを行っております。

区内事業所に三カ月以上従事している訪問介護員の方に対する二級ヘルパーの受講料の助成、また、ハローワーク渋谷や東京都福祉人材センター、世田谷区産業振興公社とともに、世田谷区福祉人材育成・研修センターが開催する区内の介護サービス事業所との合同就職面接会、また、資格はお持ちであるけれども、現在仕事から離れていらっしゃる看護師が再度職につくことを働きかける潜在看護師発掘イベント、その他がございます。

一方、国におきましては、介護人材の確保に大きく影響があると考えられる介護報酬の改定や介護職員処遇改善交付金の取り扱いについては、平成二十四年度以降の対応は今後検討を行うとし、いまだ詳細は明らかになっていないところでございます。

世田谷区の福祉を支える看護人材の確保は、今後とも重要な政策課題であることから、国の動向を見据えつつ、区として実施すべき対応を、今後とも検討してまいりたいと存じます。

江口じゅん子

区が介護人材、そして看護師人材の確保、育成のため、さまざまな対策を行っていることを評価いたします。

ただ、懸念されるのは、今の課長さんの答弁にございましたとおり、介護士確保のための介護職員処遇改善交付金は、まだ明確ではないけれども、でも、今年度で終了ということになっているんですね。人材確保というのは、今後ますます困難、そして激化すると考えます。国の動向を見据えつつ、人材不足にならないよう対処するとおっしゃられていましたが、具体的にどういった対策があるのか、その考えをお聞かせください。

伊藤 高齢福祉課長

先ほどお話しいたしました今までの取り組みもそれぞれ効果が出ているところでございますので、引き続き同じような取り組みもしていくところでございます。また、世田谷区福祉人材育成・研修センターで開催する研修内容についても、そのプログラムの改善なども含めまして、さらに潜在的にいらっしゃる看護師さん、介護士の方々が就職できる、あるいは勤められるような、そういった取り組みができればというふうに考えております。

江口じゅん子

さまざまな対策をとられるということで、ぜひ地域包括ケアシステムに基づく二十四時間の定期巡回・随時対応型訪問サービス、来年四月から始まります。そこでも人員体制の問題とか、今からいろいろ懸念をされて、厚労省のほうでも審議をされております。実施するに当たって、国は単身、そして重度の要介護者であっても地域での生活を可能とする、それを最終的目標として掲げているのですから、ぜひこの人材確保の問題についても、区として一層取り組まれることを要望しておきます。

認可保育園の待機児解消問題について

江口じゅん子

それでは、続きまして認可保育園の待機児解消問題についてお聞きいたします。

まず、十月一日付の区の最新のことしの待機児童数は何人でしょうか。

辻 子ども部副参事

国基準の待機児につきましては三カ月ごとに集計をしております。十月一日の集計がまだ終わってございませんので、最新となりますと七月一日でございます。ちなみに七月一日、国の基準に基づく待機児数は三百四十人となっております。

江口じゅん子

三百四十人ということを今確認させていただきました。三百四十人ということで、今年度当初の数字からいえば、世田谷区の認可保育園の待機児童数というのは二十三区三年連続ワーストワンであったかのように記憶しております。そういった認識でよろしいでしょうか、確認をお願いいたします。

 

辻 子ども部副参事

そのように認識しております。

江口じゅん子

この待機児解消というのは本当に大きな問題だと思っております。区もそのことは重々承知をされて、喫緊の課題として整備を進められております。しかし、その大きな財源である安心こども基金は、今年度までの暫定措置となっております。来年度、基金がなくなれば、今から保育園整備が困難になることが懸念されております。大手全国紙の新聞でもそのことが話題として取り上げられておりました。

ここで質問いたしますが、区は、これまで国へ基金継続の要望など行っていますでしょうか、具体的にお聞かせください。

辻 子ども部副参事

安心こども基金は、運営事業者によります認可保育所や認定こども園などの新設や定員増を伴う増改築等を対象として補助を行う仕組みでございます。対象事業により補助率は若干異なりますが、運営事業者と市町村の負担割合はおおむね八分の一程度に抑えられるなどのメリットがある一方で、基金設置期間が平成二十三年度までとなっておりまして、延長の見通しは不明でございますが、満了後は基金残額を都道府県が国に返還する仕組みとなってございます。

区がこれまで進めてまいりました整備計画におきましても財源として最大限活用している仕組みでございますことから、国や東京都に対し、安心こども基金の拡充や保育所整備への支援を強化するよう働きかけてまいりました。

今後も、区といたしましては、国や都の整備補助制度を最大限活用するとともに、子ども計画後期計画の目標事業量を踏まえつつ、区の財政状況や保育ニーズの動向を見きわめながら、計画的な保育所整備を推進してまいります。

江口じゅん子

世田谷区の待機児童解消の大きな財源は安心こども基金であると。現在、その延長の見通しは不明ではあるけれども、都と国に働きかけを行っている、そういうご答弁でした。

では、働きかけを行うことで、この基金が継続する見込みというのは今現在ございますでしょうか、お聞かせください。

辻 子ども部副参事

先ほど申し上げましたように、延長の見通しは現時点で不明でございます。しかし、私どもとしては、引き続き延長強化等を働きかけてまいる所存でございます。

江口じゅん子

不明ということでは本当に困ると思います。今年度までの暫定措置です。来年度からどうなるのか、それで待機児解消が今より滞ってしまう、そういうことでは本当に困ることになります。ぜひ区としては、こども基金がなくなっても待機児解消が滞らないような、そういう対策を求めてまいります。そして、施設整備に当たっては、地域住民の声をよく聞いて進めることを要望いたします。

今現在、国では子ども・子育て新システムについて審議が進められております。最後に、そのことについて意見をいたします。

この新システムは、市区町村の保育実施責任を放棄し、保育の市場化を進めるものとなっております。この新システムでは、安心安全な保育の提供、そして父母の願いである待機児解消はできないことを申し上げて、私の質問を終わります。

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