平成23年第3回定例会 一般質問

2011年09月22日 江口じゅん子区議

平和と核兵器廃絶について

江口じゅん子

質問通告に従って質問します。

まず、平和と核兵器廃絶についてです。

私は八月、長崎で行われた原水爆禁止世界大会に参加しました。大会には、国連代表や六カ国の政府、アラブ連盟代表が出席、内外から約一万人が参加しました。

大会参加者は若者と子育て世代が多く、もう核は要らない、子どもたちのために今行動しなければという熱気であふれていました。世田谷のある参加者は、原発事故後、初めて核を自分の問題としてとらえた。放射能の恐ろしさを知るたびに、自分の無知、無関心の恐ろしさにも気づいたと語っていました。

私も再び被曝者が生まれた事実を重く受けとめました。そして、こうした事態を繰り返さないために、安全が確認されないままの原発再稼働を許してはいけないと強く思いました。

原発事故後、核、放射能に対する住民の考え方は大きく変化をしています。例えば駅で核兵器全面禁止と原発廃止署名を集めると、署名をした方はみんな、子どものために原発をなくさないとと言われ、両方の署名に応じてくださいました。核兵器廃絶と原発廃止を求める運動は、新たな被曝者をつくらないという一致点で今大きな動きを生み出しています。

長崎市長は長崎平和宣言で、「ノーモア・被爆者」を訴えてきた被爆国の私たちが、どうして再び放射線の恐怖におびえることになったのか、これからどんな社会をつくろうとしているのか、根底から議論し、選択するときが来ていると述べられました。

そこで、これまでさまざまな平和運動に取り組まれた区長の平和と核兵器廃絶についての見解をお伺いします。

新たな被曝者をつくらないため、区として何ができるか、区長の見解をお伺いいたします。

保坂 区長

江口議員にお答えします。

広島、長崎に続いて、ことし、福島で新しい放射性物質の大量の飛散という被曝を生み出したことは、まことに残念であります。

そして、この福島第一原発事故が最後の原発事故になるかどうかということについて、これからの政権が、例えば運転して経年、かなりたっている老朽化した原発、あるいは地震多発地帯に立地する原発等について、くれぐれも再稼働するようなことのないように求めていきたいと思います。

区では、核兵器の廃絶と世界に平和の輪を広げていくことを誓って、昭和六十年八月十五日に平和都市宣言を行って、また、昨年四月一日には、前熊本哲之区長が平和市長会議に加盟をしております。

そして、平和都市宣言の趣旨に基づいて、さまざまな機会をとらえて戦争の悲惨さや平和のとうとさを区民に訴えてきましたが、残念ながら、地球上ではいまだ戦争の絶えない状況にあります。

私は、これまでの取り組みを踏まえた上で、より一層全人類の願いである世界平和の実現、そして核兵器の廃絶、とりわけこういった九月十一日、十年前の同時多発テロ事件以降、核兵器自身が必ずしも国家の意思で使われるということ以外の懸念も広がっている、こういうことを考えると、核の完全廃絶に取り組んでまいりたいと思います。

そして、この核ということでいえば、議員のお話にもあるように、今回のレベル七の最悪の事故の結果、次々とメルトダウンが続くという最悪の事態が今回起きました。

一たん制御不能になると、暴走し始めたこのエネルギーをとめるということができないということを思い知らされたという方が多いと思います。

もちろん原子力発電所は核兵器製造と結びついていて、今後はこれに依存しない世界、社会をつくっていくことも大事なポイントだと思います。

私は、核兵器のない世界の実現に向けて、今後とも、これまで区が続けてきた平和映画祭などの平和事業に引き続き取り組むとともに、子どもたちにその平和のとうとさを伝え、年々、高齢化のため、みずからの言葉で語る機会が少なくなっている被爆をされた当事者の、被爆者の皆さんの体験談を、直接若い世代、子どもたちに伝える取り組みなども進めてまいります。

だれもが安心して暮らせる、子や孫の世代に希望を託していける社会を、今後とも平和の問題、そして原子力に依存しない安心できるエネルギーを使っていく社会に向けて切り開いていきたいというふうに思います。

被災者の住宅支援について

江口じゅん子

次に、被災者の住宅支援について質問します。

現在、区内の震災避難者は二百十九世帯、三百七十八人です。区は、我が党が提案した民間住宅活用による被災者受け入れを開始し、現在は「居ながらボランティア」として民間応急仮設住宅提供を実施しています。

これは二十三区で世田谷区だけの対応で、被災者の立場に立った先進的な取り組みと大いに評価をいたします。

私もこの間、福島県楢葉町から避難されたご家族の住宅相談にかかわっています。原発事故のため、区内親戚宅に避難、その後、一家三人、九万円の民間賃貸住宅に引っ越しました。

しかし、民間応急仮設住宅は月額家賃が七万五千円以内、五人家族以上で十万円以内が条件のため、制度利用はできませんでした。

このご家族は他区の都営住宅に転居予定となりました。しかし、地域の社協サロンになじんだことや、元気だった地元の高齢者が避難先で亡くなることが相次いでいることから、区外への転居に不安を訴えられています。

私は、区長も参加された区主催の住宅情報提供懇談会に出席しました。そこで被災者が最も訴えていたのがこの家賃問題です。

七万五千円では、家族世帯がここ世田谷で住むのは困難、高齢の親が避難生活の影響で入院、退院後、車いすになるが、避難中の「せたがやの家」は車いす利用ができない。結局民間住宅に転居せざるを得なかった。こういった深刻な声もありました。

区は、こうした被災者の声にどのようにこたえますか。

民間応急仮設住宅の家賃条件は、厚労省が参考金額を六万円と設定後、都と被災県で決められました。

しかし、厚労省も参考金額はあくまで参考、柔軟な上にも柔軟な対応をしていただく、被災者の立場に立って幅を持たせた運用を要請しています。

現在の条件では、家族世帯が世田谷などの都市部で暮らすのは困難です。区は都に応急仮設住宅とする民間賃貸住宅の家賃条件緩和を求めるべきです。区の見解を尋ねます。

区が募集した民間応急仮設住宅の物件は、一K、一DKが多く、応募も単身世帯が中心です。区は家族や介護者のいる被災世帯の声に耳を傾けるべきです。そして、現行の条件内での民間応急仮設住宅に限定せず、今ある資源を最大限活用すべきです。

今後も被災者の立場で支援をするのか、区政が問われています。区長は、被災者支援に関する我が党の代表質問に、区としてでき得る限りの心ある支援を行っていきたいと、被災者に心を寄せた答弁をされました。

区は、これまで「せたがやの家」二十九戸を応急仮設住宅として提供しました。現在、「せたがやの家」に空き住宅は三十八戸あります。区は、要望があった際には、「せたがやの家」を応急仮設住宅として提供すべきです。区の見解を尋ねます。

今後も「せたがやの家」の応急仮設住宅提供は制度上可能か、確認します。

中杉 都市整備部長

私からは、被災者への住宅支援についての質問にお答え申し上げます。

初めに、家賃条件の緩和についてお答え申し上げます。

民間賃貸住宅の借り上げによる応急仮設住宅の提供につきましては、八月十五日より入居者募集の受け付けを開始し、今月末まで実施する予定でございます。

既存の賃貸借契約からの切りかえを含めまして、現在三十件の申し込みがございまして、二十五件について順次契約、入居手続を進めているところでございます。

この制度は、災害救助法に定める応急仮設住宅であることから、耐震性や住宅の設備、家賃など厳格に条件が定められており、区はこの条件のもとで事業を展開しているところでございます。

ご指摘の家賃条件につきましては、議員お話しのとおり、都と被災県との取り決めであり、これまで東京都との打ち合わせの中で条件緩和が困難であることを確認しております。

このことは、家賃水準の高い世田谷区では大変大きな問題であると認識しております。

そのため、区では広く区民に協力を求め、一般の相場より安く賃貸住宅を提供していただける家主を募集し、現地に行かなくても被災者の支援ができる、いわば居ながらボランティアを呼びかけ、区民とともに被災者の支援に取り組んできたところでございます。

次に、「せたがやの家」を応急仮設住宅として要望があった場合は提供すべきだ、また、制度上そういったことは可能かというご質問にお答えいたします。

「せたがやの家」は、財団法人トラストまちづくりが民間賃貸住宅を一括して借り上げ、管理している住宅でございます。

区では、これまで東日本大震災で避難された方に対し、「せたがやの家」三十戸を提供いたしました。九月一日より「せたがやの家」は、民間賃貸住宅借り上げによる応急仮設住宅として位置づけ、現在、退去された方もあり、二十七戸の住宅を提供しているところでございます。

現在、区では民間賃貸住宅の空き室ストックを有効活用し、民間から提供された賃貸住宅を借り上げ、応急仮設住宅として避難者へ提供しております。

これまで応急仮設住宅として住宅の提供の申し込みがあった物件は約百三十件ほどとなり、また、応急仮設住宅の申し込みをされる方は単身世帯が中心であることから、避難者のニーズにはこたえている状況でございます。

区といたしましては、応急仮設住宅の提供につきまして、区民の皆様から提供された民間賃貸住宅の活用を進めてまいります。

以上でございます。

二子玉川再開発による風害について

江口じゅん子

次に、二子玉川再開発による風害から地域住民をどのように守るのか質問します。

二子玉川再開発は、ことし三月、第一期工事が終了しました。

現在、駅周辺のⅠ街区には高さ四十六から八十二メートルの四棟の高層ビルと、Ⅲ街区には最高百五十一メートルの三棟の超高層マンションが建っています。ビル群による風害に、住民、特に多摩堤通り沿いの方々は日々影響を受け、大変な被害を生んでいます。

私は、区長も参加された二子玉川の住民主催の保坂区長と街づくりを考える会に出席しました。参加者からは、風が強く、雨の日は傘を持った子どもが飛ばされるなど、風害の実態が次々と訴えられました。

私は現地の実態調査もしました。ビル風にあおられ、おばあさんが骨折した多摩堤通りの交差点や屋根の一部がはがされたアパートを確認しました。住民の方々からは、植木や自転車がなぎ倒される、風に飛ばされないため、物につかまり、信号待ちをすることは日常とお聞きしました。

現地では風害による危険な状態が続いています。平成十二年の環境アセスでは、風害については多摩堤通り沿いの一部に強い風が吹く頻度がやや多くなるが、風環境は住宅地、公園で許容される程度と評価をしています。

さらにアセスは、工事完了後の風の強さは小枝が動く程度の和み風とし、人体に与える影響は快適レベルとしています。住民を吹き飛ばすような危険な状況は、環境アセスの評価結果と異なり、間違っていることは実証済みです。区の見解を尋ねます。

組合は、第二期工事の住民説明会で、風環境は住宅街、公園で許容される程度と報告しました。日本共産党は、一期工事後の現状を踏まえない二期工事開始には断固として反対をします。

そして、私は区として組合に抜本的な風害対策をとらせることを強く求めます。

六月議会で区は、風対策の必要性は認識し、さらなる風対策を早急にとるように再開発組合に指導と答弁をしています。

そして組合は、風環境効果確認中として、パネルや植木設置、強風時の警備員配置を実施し、今後、注意喚起の音声、警告灯パネル設置など一定の対策をとらざるを得なくなっています。その背景には、この間の住民の方々の粘り強い運動があります。

区長は、我が党の代表質問に、大規模な開発事業について、一層の情報公開と事業の透明度を高めと答弁をされています。区は組合に測定した風データの公開を求めるべきです。区の見解を尋ねます。

住民から地下道や防風フードつき歩道橋設置などの要望が出されています。こうした声を踏まえ、区は危険な風害から地域住民をどのように守るのか、その決意と見解を尋ねます。

以上で壇上からの質問を終わります。

春日 生活拠点整備担当部長

私からは、二子玉川再開発につきまして三点のご質問にお答え申し上げます。

初めに、平成十二年の環境影響評価書についてでございます。東京都の条例に基づきまして意見書の提出や公聴会等必要な手続を経て、適切に予測評価が行われたものでございます。

この環境影響評価書における評価につきましては、風環境評価ランクが一部において変化し、強い風が吹く頻度がやや多くなるものの、許容される程度と記述されております。

環境アセスメントにつきましては、事業完了後等に事後調査を追跡調査として行うこととなっております。風等の項目につきましては、二期事業が完成した後、一期、二期全体を対象に事後調査を実施する予定となっております。

次に、風データについてでございます。現在の風環境を把握するとともに、組合では実施している風対策の効果を見きわめるため、再開発区域内の風速を測定しております。

今後、地元からの要望に対しては丁寧な対応をとるよう指導し、風対策の評価についても、区民にわかりやすく根拠を示して説明するように指導してまいります。

最後に、風環境対策についてでございます。

お話にございました多摩堤通りにつきましては、再開発組合に対し、さらなる風環境対策を早急にとるよう指導し、既に仮設的に生け垣や風よけパネルなどの対策を実施させており、効果を確かめながら高木の植栽などもさらに加えるなど、本設化に移行していく予定となっております。

また、交通広場周辺につきましても植栽に高木を追加するなどの対策を進めるとともに、二期事業においてもこうした取り組みを踏まえて、より総合的な風対策を行うよう、再開発組合を強く指導してまいります。

以上でございます。

再質問

江口じゅん子

被災者支援の住宅対策について再質問します。

まず一つ、私、質問通告にありましたとおり、今後も「せたがやの家」の応急仮設住宅提供は制度上可能か確認するというふうに問いました。答弁漏れがあります。答弁をお願いします。

そして、区民ニーズが満たされている、「せたがやの家」の提供はできない、そういった答弁でした。しかし、現に三人家族で制度を使えず、区外に転居したくないというご家族がいらっしゃいます。

区長も被災者の立場に立って支援を続けたいとおっしゃっています。今ある「せたがやの家」を活用すべきではないでしょうか、再度答弁を求めます。

再答弁

中杉 都市整備部長

応急仮設住宅としての条件に合って、オーナーが了とすれば、制度上は応急仮設住宅として提供することは可能でございます。

ただ、「せたがやの家」については、本来の賃貸住宅としての活用も図っていきたいというところでございます。また、先ほどもご答弁申し上げましたが、約百三十件ほどの応急仮設住宅の申し出がございましたが、その中には十件ほど、部屋の数が二つ、三つあるものもございます。そういった民間賃貸住宅を活用していきたいということでございます。

以上でございます。

江口じゅん子

これで質問を終わります。

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