令和元年度第3回定例会 一般質問

2019年09月18日 江口じゅん子区議

先ず、台風15号の被害に遭われている方々に、心からお見舞い申し上げます。

参院選の結果について

江口じゅん子

 質問に先立ち、7月の参議院選挙の結果について、述べます。

 自民・公明・維新等の改憲勢力が、改憲発議に必要な3分の2を割り、自民党は参院での単独過半数を割り込みました。「性急な改憲には賛成できない」、これが参院選で示された民意です。
 この結果をつくるうえで、市民と野党の共闘は決定的役割を果たしました。全国32の1人区全てで野党統一候補が実現し、10選挙区で勝利しました。  

わが党は選挙後、「政治を変える」展望を国民に提示し、実現のため、野党連合政権構想に向けた協議開始を5野党・会派に申し入れました。先週、れいわ新選組の山本代表と党首会談で、野党連合政権に向けた協力を合意しました。区民からも野党連合政権を求める声が広がっており、我が党は実現に向け、努力を重ねて参ります。

では、質問通告に従い質問します。

まず、消費税増税についてです。
 目前に迫った増税への、区民の反対・批判の声は根強いものです。
 我が党は現在、区民の方々に「暮らしの実態調査アンケート」を実施しています。

 商店街のあるレストランは、店頭でパンを売っていますが、「店内飲食は10%、持ち帰りは8%が混乱のもと。店の前にベンチを置いているが、持ち帰ったパンをそこで食べたら10%になるが、店側は注意できない。ここ数年で子育て層の客が減った。子どもの塾と習い事は減らさないから、外食を控え、コンビニ総菜等に客が流れている。増税で売り上げが減るのは当然。」等切実な声でした。複数税率への対応の遅れ等も深刻です。
 また、子育て世代からは、幼児教育無償化は3年間のみで、恩恵を受けられるのは短期間、高齢者からは年金が減らされる中で本当に増税はきつい等声が寄せられました。

経済指標は悪化の一途です。実質賃金は7カ月連続で前年同月を下回り、家計消費は冷え込み続けています。9月13日の共同通信社の世論調査では、増税後の経済が「不安」「ある程度不安」が計81・1%に上っています。
 こうしたなか、区は施設使用料の区民負担を、基本的に増税前と同額とする等対策を示しており、評価します。しかし、区長の招集挨拶で増税への言及がなかったことは残念です。

区として、増税による区民の声、実態をつかみ、幅広い観点からの対応・検討を求め、区長の見解を伺います。
 また、景気低迷下での増税が、国民生活、経済へ与える影響等々国会が国民の前で明らかにする問題は山積です。しかし、安倍政権は、野党の閉会中審査要求を拒否したままです。

区長として、区民に大きな影響をもたらす増税に対し、増税前の国会審議を求めるべきと考え、見解を伺います。従い、質問します。

保坂 区長

江口議員の質問に答えます。まずは消費税増税についてであります。

私は消費税についてはそもそも富裕層に負担が軽く、低所得者層に負担が重い、いわゆる逆進性の問題があると認識しており、ヨーロッパの諸国、税率は高いですが、食料品・学用品・生活必需品などきめ細やかな軽減税率及び食料品非課税等も参考になるとこれまで考えてきました。

そして消費税増税まであと2週間を切った現段階において、今回の増税やその税率、あるいはポイント還元など複雑な制度に不安の声が上がっているのは憂慮すべき状況だと考えています。今回の増税をめぐる政治判断がいかにあったのか、制度上の問題点について久しく休んでいる状態が続いている国会を開いて直ちに国においても議論すべきものであると考えています。

一方、区では消費税率の引き上げにより、区民生活や区内経済に極力影響を及ぼさないように、国のプレミアム付き商品券とともに商店街が発行するプレミアム付区内商品券の発行支援や、給食費を含めた就学援助の所得基準の引き上げを実施するとともに、施設使用料は消費税増税に適切に対応しつつも、コスト削減を図り区民負担を基本的に同額にするという方針を示させていただいています。

区としましても消費税増税が区民生活に与える影響に注目し、区民の生命と暮らしを重視し、今後も必要な対応を検討してまいります。

保坂区政3期目の区政運営ついて

江口じゅん子

次に保坂区政3期目の区政運営ついて、3点伺います。
 まず、自治体経営のあり方研究についてです。

総務省は昨年7月に、高齢化がピークを迎える2040年頃の自治体のあり方を検討した「自治体戦略2040構想研究会」報告書をまとめています。
 報告書では、人口縮減時代の自治体行政の大胆な書き換えを提言し、市町村行政をフルセット主義から脱却、「圏域」単位で行政・サービスを推進、職員を半減したスマート自治体への転換等示しています。この報告書に対し、地方6団体からは、「押し付けでなく、・・・、自治体が主体性を持って選択できる・・・ことが重要だ」等批判が相次ぎました。

当区では、今年度、せたがや自治政策研究所で、国の自治体戦略2040構想研究会副座長であり、第32次地方制度調査会委員である東大教授を座長に招き、学識経験者・区職員により「自治体経営のあり方研究会」が行われています。
 自治体のあり方については、国からの押し付け検討ではなく、次期基本計画を見据え、地域行政制度等区の歴史を踏まえた独自の観点から検討を行うことが必要です。区民生活を守り、支えるのが基礎自治体本来の責務です。目前に迫った増税や社会保障後退等による区民生活への影響をしっかり捉え、必要な対応を求めます。

区長は自治体のあり方について、どう考え、検討をしていくのか見解を伺います。

保坂 区長

次に自治体のあり方についての検討についてのご質問です。

第32次地方制度調査会において、日本の人口減少、高齢者人口がピークを迎える、いわゆる「2040年問題」にかかる中間報告が出されました。
 ここに、地域社会を支える人材育成や地域経済の活力向上、インフラ整備や最先端技術の活用など、本格的な少子高齢化社会にあって人口増加がなお続いている世田谷区にとっても避けては通れない大きな課題が投げかけられているものと受け止めます。これからの議論を進める上でもちろん、国の考えだけに縛られることなく、区民生活を支える区のもっとも基本的な使命に立脚をして研究していくことが必要であると認識をしております。

まずは区の基本構想を原点・出発点とし、また、現在の基本計画を骨格とする区の将来像を実現させることを基礎に据えて着手してまいります。100万都市にふさわしい新しい自治の姿を追求し、自治権拡充につなげるとともに、真の住民自治の確立を見据えた地域行政制度の充実など、世田谷ならではの自治体の姿を描く上で展望を得ることを目指してまいります。
 長期的な視点で戦略的思考を練ると難しいテーマではありますが、研究に参加している若手職員の柔軟で新鮮な発想を活かし、将来につなげる研究としてまいります。

地域行政制度の条例化について

江口じゅん子

今期の区政運営の2点目は、地域行政制度の条例化についてです。

我が党は条例制定にあたり、住民参加と協働、地域自治推進が重要との立場から、2つ提案します。
 第1の提案は、地区の役割と強化の明文化についてです。

大場区政の時代に提言され、進められてきた地行制度は、住民に身近な場所でのサービス提供と共に、街の小さな声を見逃さず、行政に反映するための仕組みと考えます。
 そして保坂区政のもとで、平成25年度策定の基本構想で示された、住民自身の力で地域の問題を解決する新しい発想と仕組みを織り交ぜ、進化してきました。
 地行制度の推進は、区の住民自治の基本として、住民、議会、行政の共通した確信です。条例化に向け、車座集会に地域行政制度をテーマに据えた、区長の判断を評価するものです。

平成24年7月、区議会の地方分権・地域行政制度対策等特別委員会が「地域行政制度に対する意見について」をまとめました。見直しの基本に、地区力強化を提言し、具体的にはまちづくりセンター・出張所の権限強化等4点を意見しています。区は提言を尊重し、まちづくりセンターに防災担当係長の配置等具体化を進めていますが、未だ検討課題の項目も残されています。
 条例化にあたっては、地区の役割、強化を規定するとともに、超党派でまとめたこの議会提言の具体化を求め、区の見解を伺います。

清水 地域行政部長

わたくしからは地域行政制度の条例化について2点ご答弁いたします。

はじめに地区の役割、強化を規定すべき、についてです。
 地域行政制度は、平成3年に発足して以来、地区、地域、全区の三層構造による機能を基本に、世田谷区の行政運営の土台として定着してきました。
 制度導入から28年が経過し、地域コミュニティの希薄化など地域社会の変化に対応した住民自治やまちづくりのあり方などについて、あらためて検証し、予測される行政課題に対し、参加と協働を促進させ、また、まちづくりセンター、総合支所、本庁がそれぞれの役割を最大限に発揮できる執行体制を図ることが不可欠であると認識しております。

この間、議会提言を受け、まちづくりセンターへの機能強化等に取り組んできたところですが、地域行政の条例検討において、特にまちづくりセンターや総合支所の機能・役割を捉え直し、区民の参加と協働の促進を図る地域行政のあり方などついて検討してまいります。
 今後、100万都市せたがやの到来を見据えたとき、地域の実態に即したまちづくりの重要性が増す中で、住民に身近なまちづくりの推進に向けた地区の役割などを整理し、条例制定につなげてまいります。

江口じゅん子

第2の提案は、住民意見の行政への反映と行政・住民の連携強化の仕組みについてです。

わが党はこれまで上越市などを参考に、地区ごとにその地域の声を集約し、行政に意見する地域協議会設置を提案してきました。
 90万人を超える当区において、住民により身近な地区単位で協議会を実施することで、これまで積極的に地域活動に参加していなかった層にも働きかけ、住民の公共的な課題への関心を高めることが期待できます。
 地区からの意見表明、集約の仕組みとして地区協議会の設置等も視野に入れた検討を求め、区の見解を伺います。

清水 地域行政部長

次に、地区からの意見表明、集約の仕組みとして、地区協議会の設置等も視野に入れるべき、についてです。

少子高齢化や地域コミュニティの希薄化など社会状況が変化するなか、住民と区の信頼関係のもと、地域で活動している団体や事業者との情報共有も図りながら、共に身近な地域課題を「わがこと」として受け止め、地域の課題は地域で解決するしくみがますます重要になると認識しております。

地区協議会については、政令指定都市などにおいて様々な形態で運営されており、地域課題の解決に向けた取組みの1つとして参考になることから、地域行政の条例検討に先立って、せたがや自治政策研究所では、住民参加の手法として研究しております。

議会と区との関係を基本とし、地域行政を持続可能なものにしていくためには、住民参加の機会を提供することが重要であるという視点に立ち、様々な住民参加による区政へのかかわりについても、検討してまいります。

新年度予算について

江口じゅん子

今期の区政運営の3点目は、新年度予算についてです。

まず、新年度予算編成における、区長の基本姿勢についてです。
 保坂区政3期目の最初の予算編成において、基本計画の実現とともに、区民生活の困難解決に対応する予算とすることを求めます。

区は予算編成に向け、国・都補助を活用した事業で、それが縮小・廃止の場合、 当該事業の縮減・廃止を原則としていますが、区として必要と判断した事業に関して財源確保の努力等必要な対応を行うべきです。
 予算編成にむけた区長の基本姿勢を伺います。

保坂 区長

次に新年度予算についてであります。令和2年度予算編成にあたりましては、区民の暮らしに直結する基本計画に掲げております重点政策を確実に推進するとともに、引き続き待機児童解消や子ども・子育て支援、高齢者人口増加に伴う社会保障関連経費の増大や学校など老朽化した公共施設の改築・改修の経費など、今後見込まれる財政需要に応えていこうと考えています。

ただし一方で、今年54億円に達したふるさと納税による減収は、来年度70億円と予測されており、東京2020大会以後の景気動向によっては、さらに大幅な減収も懸念されるなど、区の財政見通しは予断を許さない状況にあると認識しているところであります。

こうした危機意識を全職員が共有し、税源流出の抑制と寄付の獲得、国や都の補助制度や民間資源の活用など、一層の財源確保に努めていくとともに、行政手法のあらゆる改善や見直し等、この改革にも引き続き取り組み、限りある財源を効率的・効果的に区民に配分することを基本に来年度予算編成に取り組んでまいります。

江口じゅん子

次に新年度予算の重点的課題について、順次伺います。

まず、国民健康保険の多子世帯の均等割の区独自減免についてです。
 第2回定例会で我が党は、23区統一での多子世帯減免策実施まで、国保会計を超えた子育て支援としての区独自の時限的対応を求めました。区長は、「総合的な子育て支援策の観点から取り組んでまいります。」と答弁されました。増税による子育て世帯の負担増は明らかです。新年度予算での実現を求め、区長の見解を伺います。

保坂 区長

さらに国民健康保険料の多子世帯減免についてご質問をいただきました。国民健康保険の多子世帯にかかる保険料につきましては、私はかねてより国の少子化対策や子育て支援の考え方と真逆の制度になっていると考え、特別区区長会の場などで、直ちにこれは制度改善すべきであると問題提起し、区長会でも国や都に要望を上げることになるなど積極的に取り組んでまいりました。

また当区としても座視しているわけにはいかず、何か身近な自治体としてできることはないのか、子育て支援の観点から具体的な検討を行うように所管に指示してまいりました。

他自治体の事例等を参考に検討を進めておりますが、軽減の対象範囲や今般の国保制度改革との整合性、財源など財政面のこと、そして現行の国保法の中でどう整理するか、さらなる検討が必要な課題もございます。
  多子世帯軽減につきましては、子ども医療費を始め、子育てに要する費用やサービスなどを広い視野から総合的に考えつつ、制度設計者である国や広域行政を担う都の動向にも配慮しながら、引き続き解決のための課題整理にあたらせていきたいと思います。

江口じゅん子

次に、保育士の家賃助成についてです。
  保育の質を支えている現場の保育士等不足が生じないよう、区独自月1万円の処遇改善策継続と国・都の補助金廃止予定の令和2年度及びそれ以降の家賃助成継続を求め区の見解を伺います。

知久 保育担当部長

私からは保育士確保対策についてご答弁させていただきます。 区は保育運営事業者が借上げた住宅に対して、月額8万2千円の8分の7を上限に補助をする保育士等宿舎借り上げ支援事業月額1万円を給付する区独自の処遇改善助成など、他の自治体に先駆けて保育士確保策に取り組んでおります。

特に宿舎借り上げ支援事業は、地方から上京する保育士や新卒者など都市部の比較的高い賃料を負担する対象者にとっては事業効果が高く、保育運営事業者からも保育士等の人材確保や離職防止に必要不可欠であるとの声を多数いただいております。
  区では次期子ども計画におきましても令和2年度から4年度は一定数の保育施設整備が必要と見込んでおり、保育士確保支援は引き続き喫緊の課題であると認識しております。

このため令和 2年度以降も宿舎借り上げ支援事業を実施するよう国や東京都へ継続的に働きかけを行うとともに、1万円の助成を含め、効果的な保育士確保策を通しまして、保育の質の維持向上と着実な保育定員の拡大に向けて全力で取り組んでまいります。

公共交通不便地域解消について

江口じゅん子

最後に、公共交通不便地域解消に向けて、砧地区での早期の実証運行を求めます。

不便地域対策は全区的悲願です。地域の高齢者からは「早く通して欲しい、もう待てない。」と切実な声が寄せられています。砧地区での検討も3年目に入り、この間の地域・所管の大きなご努力で、実証運行目前まで準備が整っています。砧地区での早期の実証運行を求め、区の見解を伺います。

以上で、壇上からの質問を終わります。

五十嵐 道路交通政策部長

私からは砧地区での実証運行についてお答えいたします。 平成28年度より公共交通不便地域対策の調査・検討を進め、平成29年度に砧地区をモデル地区に選定して今年で3年目を迎えます。
 この間、地元の町会や商店街の方々を始めとして地域の多くの方々のご協力を得ながら調査・検討を進めており、平成30年度には地元協議会も立ち上げていただいたところでございます。
 加えまして、道路運送法に基づく地域公共交通会議も新たに設置し、既に2回、会議を開催するなど、対策に向けた調査・検討を行っております。

一方で、昨今の路線バスによる事故等により、公共交通に対してより一層の安全対策が求められており、現在の想定ルートに通学路が含まれることから、運行に関する再検討が必要となっております。
 また持続可能な運行計画とするための運賃外収入の確保等、運行収支面の課題も引き続き検討が必要な状況でございます。

区が重点的に検討すべきエリアの精査など、今後、公共交通不便地域対策を進めていく上で解決すべき課題は多々ございますが、区内多くの方々からの期待に応えるべく、実証運行の実現に向け着実に取り組んで参ります。

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