江口区議が予算特別委員会にて質問を行いました。

2019年03月06日 江口じゅん子区議

国の社会保障改悪から区民の命と暮らしを守ることについて

江口じゅん子

日本共産党の総括質疑を始めます。
 さきの代表質問で我が党は、区政の次期四年間を展望し、区民の福祉、暮らしを守る区政の実現のため、今後の区政が重点的に取り組む課題を示しました。

それは次の三つです。一つ目は、国の社会保障改悪から区民の命と暮らしを守る、二つ目は、子どもの命と健やかな成長を守る、三つ目は、災害から区民の命と財産を守るです。
本日の総括では、まず私から社会保障と子どもの問題について伺います。

まず、国の社会保障改悪から区民の命と暮らしを守ることについてです。
区長は、さきの我が党の代表質問の答弁において、社会保障制度の見直しに伴う区民生活の影響を踏まえ、今後も必要な対応を行うとともに、国に対する申し入れや、特別区長会、全国市長会として要望を上げるなど改善につなげていきたい。
さらに区民生活を支えることが基礎自治体の責務、首長としてセーフティーネットとなる社会保障制度を守り、区民の暮らし、福祉を前進させるため、リーダーシップを持って先頭で取り組んでまいりますと決意を述べられています。大変重要な姿勢と評価をしております。

こうした区長の姿勢、行動が、現に国の制度改善に結びついています。二月二十五日の産経新聞の記事を抜粋して読み上げます。見出しは、企業主導型保育所質確保へ骨子案、政府、実施要綱に反映へ。
記事では、企業主導型保育所の運用改善に向けた検討委員会は、制度見直しの骨子案をまとめた。新設の条件として保育事業者への五年以上の実績を義務化。
保育の質の担保に向け、保育士割合を現行の五〇%以上から七五%以上へ引き上げることも掲げた。施設側から自治体への運営状況の定期報告なども求めたとありまして、政府は新年度から制度改善を行うとしております。

昨年末、区内での企業主導型保育所での保育士一斉退職による休園などの事態に対し、区長みずからが内閣府に赴き、制度改善を求めた要望書を提出しています。こうした区長の働きかけが、今回の制度改善に至ったものと認識をしております。
区長がこの問題でリーダーシップを発揮されたことは、区内全ての保育施設の子どもたちの命と成長が守られることにつながると思います。こうした立場で、引き続き広く国の社会保障の制度改変から区民の命と暮らしを守る対応を期待し、本日は具体的には国民健康保険について伺ってまいります。
これまで区議団は、高過ぎる国保料で払いたくても払えない切実な現状があり、区民負担は限界、その軽減を求めてまいりました。

最近もある方から相談を受けました。夫婦ともに五十歳代、御主人は非正規雇用の社員、奥様は非常勤の訪問介護ヘルパーです。
御主人がある日突然脳出血で倒れ入院、奥様から、夫の収入がなくなって、自分も夫の付き添いのため働きに出られない。少ない貯金が底をついたら、夫の入院費も家賃も払えない、毎月の国民健康保険料と介護保険料が生活を圧迫している、どうしたらよいかという切迫した御相談でした。こうした世帯の増加が保険料滞納の背景となっております。

国民健康保険は、ほかの健康保険と比べ、加入者の負担が重い現状があります。このパネルをごらんください。大きいんですが、これは今国会で我が党の笠井亮衆議院議員が、市町村国保と中小企業の労働者が加入する協会けんぽでは負担額がどのくらい違うか、グラフにしたものです。年収四百万円、四人家族のモデル世帯で試算をしております。

東京特別区では、ここにあるように、国保の年間の保険料は四十二万六千二百円。そしてほかの政令市が三つ並んでいますが、いずれも約四十万円になっております。この青い棒グラフですね。一方、協会けんぽ、赤い棒グラフですと、保険料はどこでも二十万円前後になっています。家族構成によっては保険料負担が協会けんぽの二倍になることがわかります。
国保料が高い背景には、加入世帯の高齢化などの構造的問題があり、根本的な解決としては、国としての一層の財政支援が必要です。

平成二十六年、全国知事会は国に、協会けんぽ並みに引き下げるため、一兆円の国費投入を求める要請をしております。都道府県化に当たり、国と地方の協議の結果、国による三千四百億円の財政支援が決まりました。しかし、その後も、全国知事会、全国市長会はさらなる財政支援を求め、国へ要望しています。

それらを抜粋してパネルにまとめてあります。これも大きいんですが、昨年の二〇一八年、平成三十年の七月に、全国知事会は国定率負担の引き上げなどさまざまな財政支援の方策を講じること。
そして、同じく昨年の十一月に全国市長会は国庫負担割合の引き上げなど、国保財政基盤の拡充強化を図り、国の責任と負担において実効ある措置を講じることを国に求めています。

また、東京では私が調べた範囲でも、港区、北区、東村山市、東大和市、日野市が同様趣旨で国の公費負担増額を求める議会意見書を提出しています。全国ではこうした意見書は大変な数がありました。

ここで伺いますが、国保料が高いという現状について、区としてはどのように認識をしているのか、また、国の財政拡充について見解を伺います。

板谷 保健福祉部長

国民健康保険は、各種の公的医療保険制度の柱として、我が国が誇る国民皆保険制度を支えるセーフティーネットの役割を担っています。

一方で、会社等の健康保険とは異なり、世帯の構成人数に応じて保険料が加算される均等割分があることに加え、社会保険の適用拡大等による国保の被保険者数の減少とともに、職域保険の対象外の方を被保険者としているため、高齢化や保険給付費の増加等により保険料の増額につながっております。

いろいろ全国知事会や市長会の要望の話もありましたけれども、国に対し、さらなる公費の投入ということで、協会けんぽ並みの負担率を目安として要望していることは承知しております。

本来、国民健康保険は国民皆保険の根幹をなす重要な医療保険制度ですので、国が責任を持って運営すべきものであり、個々の区市町村の繰入金等によらずとも運営できる制度設計と財政負担を行うべきと考えております。

さらに東京都におきましても、今般の制度改革により、区市町村とともに新たな保険者となり、国保の財政運営の責任主体となりましたので、財政面でのより一層の支援を求めてまいりたいと考えます。

江口じゅん子

今御答弁されたように、国や都の財政支援拡充、本当にそれは不可欠で、国保制度の抜本的改善が必要です。この実現のために具体的な提案をしたいのですが、その前に、当区において、今後国保料はどうなっていくのか、少しやりとりをしたいと思います。
さきの福祉保健常任委員会で来年度の保険料が示されました。来年度の保険料は幾ら上がるのか、また、一人当たりでは幾らになるのか、そして値上げの要因について伺います。

板谷 保健福祉部長

加入者全員に賦課される基礎分と後期高齢者支援金分を合わせた一人当たりの平均の保険料は年額十二万五千百七十四円となり、前年比三千百八十六円の増加となります。四十歳から六十四歳までの被保険者のみ賦課となる介護納付金分保険料は一人当たり平均で年額三万三千五百五十円となり、前年比六百六十五円の増加になります。

例えば年金受給者の世帯主と収入がない配偶者の世帯で年収二百万の保険料は、三十年度では九万五千八百三十八円ですが、三十一年度は九万六千八百三円となり、九百六十五円の増額となります。

稼働層の社会保険への加入等による被保険者の大幅な減少は引き続き継続しております。一方で、高齢化や医療の高度化により、一人当たりの医療費は増大をしております。このため、保険料は上げざるを得ない状況となっております。

江口じゅん子

数字を聞いているだけだと区民の負担の重さというのはなかなかよくわからないので、このパネル、モデルケースによる試算というのをつくってみました。これは委員会で配付された資料の抜粋です。

今、部長が御説明をされた年金生活で二人世帯、そして年収二百万円のこの世帯は、今後、保険料がこのようになりますよという御説明がありました。

この年金生活二人世帯の収入二百万円ってどういう家庭かなというのをまず考えてみたいと思うんですが、二百万円を十二カ月で割ると、一カ月の収入は約十六万円となります。年金だけでは生活できないので、御主人が働いて生活を支えている状況と想定をします。
持ち家だったらまだいいのですが、例えば賃貸でしたら、家賃、食費、水光熱費、医療費など、日々の生活はぎりぎりで、全く無駄遣いはできない状況と思います。実際、私もこうした年金生活の方々から、国保料が高い、何とかならないかと、本当に相談をよく伺います。

低所得者対策としてこの二百万円世帯は既に均等割の軽減がされているんですね。そうしたことで年間の保険料は九万六千八百三円になります。実際はこの九万六千八百三円に介護納付金分保険料がまた加わるので、手書きで申しわけないんですが、この世帯の年間の保険料は十一万二千八百七十五円になります。
実際にはこの十一万二千八百七十五円の年間保険料を九カ月で割って徴収されますので、このおたくにはことしの七月に、七月から三月まで、一カ月一万二千五百四十一円を徴収します、そういう通知が届くわけです。ただでさえ余裕のない年金生活の中、今後、消費税一〇%増税も予定されています。国保料の軽減、本当に区民の切実な願いです。

今年度から始まった国保の制度改変、つまり都道府県化の目的に、各自治体で行っていた保険料を抑えるための繰入金をなくすことがあります。当区の平成二十九年度決算の繰入金は幾らで、これがなくなれば一人当たり幾らの値上がりになるのか伺います。

板谷 保健福祉部長

当区における解消すべきとされる決算補填等を目的とする一般会計からの法定外繰入金の額は、平成二十九年度では約十七億六百六十四万円でした。
この金額を保険料で賄う場合には、平成二十九年度の国保の被保険者数の平均が二十万一千五百二十五人でしたので、単純に一人当たりで割り返しますと、おおむね一年間で八千四百六十九円の増、そういうことになります。

江口じゅん子

いろいろ数字が出てきておりましたけれども、つまり、保険料を抑えるための繰入金がなくなれば八千四百六十九円以上の値上げになるということです。
統一保険料方式では急激な保険料高騰を抑えるため、今年度からの六年間の激変緩和を設定し、徐々に繰入金を減らし、少しずつ値上げをしますが、それがなくなれば、結局大幅な値上げとなります。現状の制度では高過ぎる国保料は区民の暮らしを圧迫するだけでなく、国保制度の構造的な危機となって、医療保険制度としての持続性を揺るがしています。だからこそ、全国知事会など地方団体が国の負担の増額を求めています。

そして、各自治体での努力も必要です。まず当面の課題としては、区長がリーダーシップを発揮され、区長会で提案されている二十三区足並みそろえての子どもが多い世帯の軽減実現が必要です。国保には均等割という、赤ちゃんなど収入がない加入者でも一人当たりにかかる人頭税のようなものがあります。
来年度、この均等割は一人五万二千二百円となっていて、子どもが二人になれば十万四千四百円にもなります。本当に大きな負担です。子どもの均等割軽減の実現の見通しについて、事務方のトップである、宮崎副区長に伺います。

宮崎 副区長

国民健康保険制度のいろんな課題については、東京都のほうが保険者になる際にいろいろ議論がありました。その中でも、この多子世帯の問題については、双方それぞれ課題として捉えてきたところでございます。

やはり持続可能な国民健康保険制度を目指して始められたこの国保制度の改革でございますので、そうはいっても、一自治体の中で解決困難な制度的課題も多くございます。

今、多子世帯の話でございますけれども、この少子化対策や子育て支援という社会全体の取り組みに反しているのではないかという問題意識から、区長のほうからも特別区長会の場などで発言、発信を続けてきたところでございます。

今後もこの根本的な制度改革を国に求めていく必要があると考えておりまして、引き続き二十三区が一体となって、さらには保険者となった東京都とも協議をして、その上で、ともに力を合わせて、国に働きかけてまいりたいと考えております。

江口じゅん子

実現を期待しております。

こうした独自努力と相まって、国保料を引き下げ、区民の暮らしと医療保険制度を守るため、区議団は独自の保険料設定が可能となる統一保険料方式からの離脱を提案します。 先ほど来述べています六年間の激変緩和は、国保の都道府県化に伴い、二十三区で決定したものです。

次期区政の最終年度は激変緩和がなくなる前年の年です。ぜひ今後四年間で統一保険料方式からの離脱、実現をしていただきたい。九十万都市である当区が率先して行動をとれば、国や都、他区へも大きな影響を及ぼし、冒頭述べた企業主導型保育所の制度改善のように、国保の制度改革につながるものと考えます。

二十三区では既に千代田区、江戸川区、中野区が今年度から統一保険料方式から離脱し、独自の国保行政に踏み出しています。 ここで伺いますが、統一保険料方式から離脱することで、例えば財源などで区への影響はあるのか伺います。

宮崎 副区長

特別区が今とっています統一保険料方式でございますが、これは財源とも当然大きく関係しておりまして、平成十二年の都区制度改革時に大都市としての一体性に鑑みまして、区長会として統一基準、統一保険料方式を毎年度設定いたしまして確認し、各区の条例により決定するとしたもので、今般、国保の広域化の考え方を先取りした保険料の決定方式でございます。

現在、三区、御紹介ありましたけれども、独自で保険料率を設定しておりますが、都内の保険料水準の統一、それから法定外繰入の解消、または縮減という、将来的な方向性に沿って段階的に移行すべく、二十三区統一で対応する。ただし、この水準を参考に、各区独自で対応することも可とした決めがありまして、この特別区の対応方針の範囲内でのことと考えております。

統一保険料方式を離脱した場合には、決算補填目的の一般会計からの繰入金を統一保険料方式よりも短い年数で解消するために、急激に減少させるのであれば、保険料の上昇率もその分高くなります。
また逆に、繰入金の維持や増加をすることになりますと、国保以外の区民、納税者からの理解が求められることになります。そういう意味で、この保険料率を抑えようとするためには新たな財源が必要となり、今でも一般会計からの繰り入れを行っている、こういう現状でございます。

江口じゅん子

るる御説明いただきましたが、つまり、離脱をするだけでしたら直接区に大きな影響はないと認識をしました。

中野区の担当者から離脱の理由など聞き取りを行いました。前区長が職員向けメッセージでそれを語っているということで、以下、それを読み上げたいと思います。
今回の都道府県化の制度改革の目的の一つは、基本的に保険料を補填するための一般財源の投入を削減していくということ。しかし、急に一般財源の投入をやめると保険料が大きく増加するおそれがあり、一定期間は一般財源を投入して急激な保険料の増加を抑えていく必要がある。
赤字解消、削減の取り組みは、各区がそれぞれ被保険者への影響を考慮して行う必要があり、一般財源をどれだけ投入するのか、そのことを区民に説明、納得してもらうかは、各自治体の判断であると、前区長が離脱を決定したわけですけれども、理由については今のように語られております。
実際、中野区では所得の少ない方に配慮した独自の保険料率の設定を行い、激変緩和は九年に設定をしています。来年度の保険料はどうなるか、我が区も含め、統一保険料方式と中野区独自方式ではどうなるかの比較をパネルをつくって説明したいと思います。

先ほど申し上げた一人当たりにかかるこの均等割は、特別区統一保険料方式では五万二千二百円、そして中野区では四万九千五百円と、中野区のほうが二千七百円低くなっています。
一人当たりの保険料額ではどうかというと、特別区統一保険料方式では十二万五千百七十四円。中野区では十二万三千五百二十四円と、中野区のほうが千六百五十円低くなっています。担当者からも聞きましたが、中野区では、統一保険料方式より均等割額を抑え、そしてここにある所得割率を高く設定することで、所得の低い方に配慮した保険料率を設定し、応能負担に近づける努力をしています。区独自でこうした工夫ができるわけです。

世田谷区でも介護保険料算定に当たり、応能負担の考え方で独自に多段階化を進めています。国保料についても応能負担に重点を置くことが、区民負担を抑えるために必要と考えます。
以上、高過ぎる国保料を引き下げ、区民の暮らしと医療保険制度を守るため提案をしました。もちろん離脱が簡単でないのは承知です。しかし、国保の制度改革は待ったなしです。区長としてそれにつながる決断を求め、見解を伺います。

保坂 区長

特別区長会は任意団体でありながら、やっぱりこの統一保険料方式というのをとって運営してきたわけです。国民健康保険の広域、いわゆる東京都のほうに移管するに当たって激論がございました。
もう各区全部ばらばらでいいんじゃないかという意見と、いやいや、やっぱり統一保険料方式を守りながら一般財源の投入を次第に少なくしていこう、この二つの意見だったわけです。

実は中野区がそうやられたというので、非常に驚いているところですが、私の記憶の限りでは、言われていた理由はそういう理由ではなくて、もうこれは各区それぞれの判断でということを強調されていましたので、特別区長会自体が存在をしている存在理由、レゾンデートルといいますか、そういうところで統一保険料方式ということを辛くも守りながらやっているということは、それだけ重要だということで、私はどちらかというと中野区長さんの提案に対して、統一保険料方式を守りつつ、そして言われているように高過ぎるという問題があります。

それから、人頭税と言われましたけれども、子どもが仮に五人いれば掛ける五になってしまうので、これは少子化対策に全く逆行するでしょうと。これについては区長会としてまとまって、国にも要望を出していますので、統一保険料方式をきちんとやっていこうよということを主張している、また主張してきた世田谷区の立場からは、ここで離脱ということはちょっと選択し得ない。
むしろ、この高過ぎるというのは事実ですから、それに対して、例えば激変緩和措置の期間を決めているけれども、それは見直しが必要なんじゃないかというような議論、これはしていかなければならないと思っています。

江口じゅん子

経緯もあり、簡単ではないということをるる語られましたけれども、しかし、認識、国保は高いと。そして国保の根本的制度改革というのは、これは本当に必要なことです。一義的には国が中心となって取り組むことですが、やはりそれを促す当区での決断、ぜひ次期四年間で期待しておりますので、よろしくお願いします。

子どもの命と健やかな成長を守るための行政力強化について

江口じゅん子

それでは次に、次期区政において、区政が重点的に取り組む課題の二つ目である、子どもの命と健やかな成長を守るための行政力強化について伺います。

目黒区、野田市と相次ぐ児童虐待死は大きな衝撃で、その抜本的対策は急務です。これまで区議団は、来年四月の児相移管を目前に控えた当区として、悲劇を繰り返さず、幼い命を虐待から守るため、予防から措置、保護に至る各段階での体制強化、そして関係機関とのネットワーク強化を求めてきました。中でも行政力強化は、子どもの命を守るための最重要政策です。

目黒区の事件では、広域にわたる児相間の連携、また、地元区での子ども家庭支援センターのかかわりが問題視されました。そして野田市の事件でも、糸満市からの引き継ぎ、情報共有の不備、何より野田市の学校、教育委員会、児童相談所が威圧的な父親の態度によってアンケートのコピーを渡すなど、行政機関の対応、本当に大きな問題になっています。

区はこの間、予防型児童相談行政の転換、保護者支援に重点を置いた施策展開、このことを表明しており、重要な方向性です。この実現の核となるのは、児相、子ども家庭支援センター、学校、教育委員会、区立保育園、児童館、「せたホッと」など、区の各機関の対応と連携の強化です。それがあってこそ、地域関係機関と連携し、身近な地区での見守りネットワークが構築されるものと考えます。

区は、虐待を未然に防止する予防型児童相談行政の実現に当たって、行政力強化についてどのような認識を持ち、また、どう実現しようとしているのか伺います。

澁田 子ども・若者部長

児童虐待による子どもの生命を守るためには、子ども家庭支援センターと児童相談所の一元的な運用を大きな柱といたしました、虐待を未然に防止する予防型の児童相談行政への転換が何よりも重要であると考えております。

児童相談所が高度な専門性を発揮し、強力な法的権限を的確かつ迅速に行使できる体制を整備するとともに、地域や関係機関が連携し、今まで築いてまいりました要保護児童支援協議会を初めとする、区の持つさまざまなネットワークをさらに強化することにより、身近な地区で子どもと家族を支え見守ることができるネットワークづくりを進めてまいります。

また、児童相談所開設を契機に、区立児童館や区立保育園のあり方を検討するなど、児童相談行政の再構築に向けた具体的な取り組みや、教育委員会所管のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教育支援チームなどと連携するなど、学校との連携強化に向けた取り組みをさらに加速させまして、子どもの生命を守っていく環境の整備を進めてまいります。

江口じゅん子

子どもと日々向き合う学校や区立保育園、児童館などの現場が疲弊し弱体化をしては、早期発見や適切な対応は現実のものにはなりません。学校現場では教師の多忙化の解消が必要です。今後、ソーシャルワーク機能強化が必要とされ、各地区展開が展望される児童館は、公的責任の後退があってはなりません。

区立保育園は、今議会に今後のあり方が示され、新たに子どもの育ちのセーフティーネットの役割が規定されました。その役割は重要であり、区としての引き続きの努力を求め、副区長の見解を伺います。

宮崎 副区長

先般お示ししました区立保育園の今後のあり方でございますけれども、これは児童相談所の移管も見据えまして、今後の区立保育園は地域におけます身近な公設の児童福祉施設として、民間保育施設の相談支援、各地域で取り組んでおります保育ネットの活動強化等を通じまして、全ての保育施設と連携協力しながら地域全体の保育の質の維持向上に努めるとともに、支援が必要な家庭に対しましては、その早期発見と適切な対応を行えるよう、ソーシャルワーク機能の充実に取り組んでまいります。

今後とも区立保育園がさまざまな保育施設や関係機関と連携協力しながら、全ての子どもの安全と健やかな育ちを保障いたしまして、子どもの命を守るため、職員一人一人がその存在意義を認識いたしまして、必要な人員体制や財源を確保し、子どもの育ちのセーフティーネットの役割をしっかりと担ってまいります。

江口じゅん子

各機関で公的なセーフティーネットの役割を身近な地区できちんと果たせるよう、区の役割を果たすことを重ねて要望します。

公共交通不便地域について

江口じゅん子

それでは次に、公共交通不便地域について伺います。

当区にとって南北交通の強化、それを補完するバス路線の充実、そして不便地域解消は長年の全区的課題です。不便地域は区内の一九・七%を占め、単純に割合で計算しますと約十七万人以上の方が暮らしており、この解決が急がれています。

議会ではさまざまな提案が、まさに全区的にされておりまして、そして、区民からもここを通してほしいと何本も請願が提出されています。区もこれに応え、タマリバーバスを初め路線バスの運行を実現しております。
しかし、従来の取り組みで不便地域解消が進まなかったことも事実です。この問題の解決に向けて、平成二十九年度から不便地域での新たな移動手段検討に踏み出したことは大きな一歩と認識しています。

砧でのモデル地区での取り組みは二年目を迎え、勉強会、また運行主体である協議会の設立、昨年度は警察立ち会いのもと、運行ルート案に実際にワゴン車を走らせる実査も実施しました。この間の所管の御努力、本当に評価するものです。

先日、山野小での新校舎落成祝賀会に参加しました。地域の方から、運行ルートをもっと工夫してほしい、早く通してくれないと、年寄りだから待てないなどさまざま伺い、早急なモデル運行、本格運行への期待を感じました。
そして、砧での成功は全区に波及します。全区的課題である不便地域解消に向けて、区長の見解を伺います。

保坂 区長

砧地域をモデルに、地域の町会・自治会、商店街にも御協力をいただきまして、新たな公共交通の不便地域対策の調査検討を続けております。事業収支計画に加え、安全対策、いまだ解決すべき、解決していない課題があり、来年度は着実に次につながっていくよう検討を指示したところであります。

世田谷区において高齢化の進展が顕著で、買い物難民、あるいは病院への通院、日常生活における移動手段の確保、ますます区民にとって重要な課題という認識はございます。高齢者など移動が困難な方への支援、地域包括ケアの地区展開の中でもテーマとして必ず上がってきます。

モデル地域での取り組みは、こうした課題にどのようなスタイルで応えていくかという、公共交通、これまでのバス路線という形では実現し得ない、地域においてもその移動需要が当然あるわけですから、モデル地域を早く打ち立てて、他の地域にも広げていく仕組みとしてスタートさせていく必要があると思います。

民間活用など、他の自治体の事例や、東京都の補助制度の活用も視野に入れて、この公共交通不便地域の解消の具体策、これを福祉政策、交通政策のみならず、福祉やコミュニティー政策、産業政策とマッチングしながら進めてまいりたいと思います

江口じゅん子

期待しております。よろしくお願いします。

環八千歳台交差点のバリアフリーについて

江口じゅん子

私の質問の最後として、これも地元の超党派が求めております、環八千歳台交差点のバリアフリーについて伺います。

私はこの間、事故を起こさないため、横断歩道と歩道橋の併存が最低限必要、抜本的対策としては、当初から提案している歩道橋のエレベーター設置が望ましいと求めてきました。最近、警視庁から都へその検討結果が示されたと聞いていますが、区として把握しているか、伺います。

五十嵐 土木部長

環八通りを横断する横断歩道の新設につきましては、この間、区は地元の意見を酌み、東京都へ何度も足を運び、要望を伝えてきております。それを受け、東京都第二建設事務所では横断歩道橋の移動円滑化の基本設計委託の実施や、警視庁も立ち会った現地調査により検討を進めていただいたところでございます。

その結果、環八通りを横断する横断歩道を新設した場合、歩行者の横断に必要な時間によって、環八通りの車両の青の時間が大幅に減少することとなり、環八通りの交通量に鑑みると交通影響が多大であることから、横断歩道の新設は見送ると伺っております。

一方、当交差点の西側に位置する補助五四号線を横断する横断歩道の新設につきましては、歩行者の滞留空間やドライバーの視認性を確保するために横断歩道橋の撤去が必要であること。また、周辺の学校関係者等から横断歩道橋の存続要望もあるため、検討が必要な状況であると捉えており、現段階では横断歩道の設置は見送り、引き続き調整を行うと伺っております。

江口じゅん子

歩道橋のエレベーターの設置を進めることは必要ですが、いかがですか。

五十嵐 土木部長

横断歩道以外のバリアフリーの方策といたしましては、横断歩道橋にエレベーター等を設置することが考えられますが、これまでの都との打ち合わせでは、エレベーターを設置するためには用地の確保が課題であると伺っております。
区といたしましては、引き続き課題解決に向け積極的にかかわってまいります。

江口じゅん子

区の積極的役割を期待しております。
以上で私からは終り、中里委員に交代します。

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