江口区議が決算特別委員会にて質問を行いました。

2018年10月02日 江口じゅん子区議

今後の財政運営について

江口じゅん子

日本共産党の総括質疑を始めます。

まず、今後の財政運営について伺います。
我が党は、代表・一般質問を通じて、新たな対応が求められる災害支援のあり方や、また、国保の軽減、介護職の確保など、区政の喫緊かつ重要課題について、具体的な提案を交え、区としての判断を求めてきました。区民の生活は、安倍政権のもとでの社会保障費の圧縮や、貧困と格差の増大などにより厳しさが増し、余裕のない状態が続いています。

午前中、平成二十九年度世田谷区各会計主要施策の成果の説明がありました。この中の冒頭三ページのところでも、平成二十九年度の都内及び区内の景況感においては、一部に改善が見られたものの、実質賃金や個人消費が伸び悩むなど、経済の好循環の実現が十分に進展していない状況となったと明記されています。そのとおりの認識だと思っております。

また、災害対策で言えば、区内でも水害被害など、地球規模の気候変動などを背景とし、従来の想定を超える被害が繰り返しこの間起きております。 区政においては、国の悪政から区民生活を守る役割を発揮し、区民の暮らし、福祉を優先とした区政運営の推進が必要です。

また、災害対策に対しても、従来の枠組みにとらわれない新たな対応も求められています。こうした区政の推進のためには、独自の財源も必要になります。
暮らし、福祉を守る財源をどうつくり、実現をしていくのか。言うまでもなく、財政は区政運営の最も大きな柱であり、区長の姿勢があらわれ、問われる問題です。我が党はこの立場で、区長の財政運営に対する姿勢、考えについて、大きく二点伺ってまいります。

一点目は、国の不合理な税制改正により特別区の財源が失われているという問題についてです。我が党はこの間、国の税源偏在是正措置に対して、地方自治制度を軽視する国の政策によって区財政が大きく圧迫されていることを指摘してまいりました。
当区では、平成二十九年度、ふるさと納税、法人住民税の国税化、地方消費税の配分変更で九十八億円も減収となりました。特にふるさと納税で四十億円の減収については、大きな報道もあり、区民の関心も高く、世田谷区は大丈夫なんですかと、私も不安の声を多く聞いてまいりました。

区長会でも、国の財政改正に対し、これまで緊急声明や要望書提出など積極的な行動をしています。ことし七月、特別区長会は、不合理な税制改正等に関する要望書を国へ提出しています。
要望書の中を少し抜粋して御紹介しますが、地方創生の推進と税源偏在是正の名のもと、地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税などの不合理な税制改正などにより、特別区の貴重な税源は一方的に奪われていますと、国のやり方を区長会が批判をしております。

この上、さらに、自民・公明党による平成三十一年度与党税制改正大綱では、最近の新聞報道によると、東京都から最低三千億円の法人事業税を地方に分配とあります。この税制改正は、平成三十年度中に結論を得るということですから、今後の区への大きな影響も懸念されます。
さらに、区への財政の影響に関しては、さきの代表質問でもただしましたが、来年度十月から消費税一〇%増税とセットで実施予定の幼児教育無償化の問題があります。
ここで伺いますが、幼児教育無償化によって今後区の負担は幾ら増すのか、そして、区の見解についても伺います。

松永 財政制度担当参事

来年十月より実施予定の幼児教育無償化に係る経費でございますが、現在の法定割合等で区が負担することになった場合、特別区長会の試算などに基づき、認可外保育施設等も含めて試算した結果、保育料収入の減少や保護者負担分に対する補助金の増額などによりまして、来年度で十七億円、平成三十二年度以降は年間で三十三億円程度の負担増が生じるものと想定しております。

 幼児教育無償化に係る経費につきましては、本来、国がみずからの責任のもとで全ての財源を確保すべきものとして、特別区長会より国に要望しているところでございますが、ふるさと納税の影響、法人住民税のさらなる国税化及び地方消費税率の配分の見直しに加えまして、お話にありましたような、さらなる税源の偏在を是正する新たな措置も検討されておりまして、こうした不合理な税制改正に加え、幼児教育無償化の財源も負わなければならない部分があるなど、二重の負担が区にかかることになるということも言えると思います。

江口じゅん子

平成三十一年度は十七億円、平成三十二年度からは三十三億円と、改めて聞いて本当に大きな額、二重の負担というふうに参事はおっしゃられましたけれども、本当にそのとおりと思います。負担が増すのみならず、そもそも幼児教育無償化は消費税増税の口実であるし、保育の質や待機児解消の面からも問題が多いと認識をしています。

 当区においては、待機児解消や介護職確保、処遇改善など、取り組むべき喫緊の課題や将来的な課題が山積しています。貴重な財源が国に奪われている問題について、区長を初め、当区としてもさらなる積極的な対応、発信が必要です。また、ふるさと納税の減収に関して区民の方の関心は高いです。
中には、区自身の財政運営がまずいんじゃないですかと私も聞かれることもありました。事実を知らせ、区としての立場を発信していく啓発の工夫も必要と考えます。区長としての見解、今後の対応についてお聞かせください。

保坂 区長

今御紹介いただいたように、ふるさと納税、法人住民税の一部国税化、地方消費税の配分見直しといったところで九十八億円と、百億円近い減収に現在直面しております。この百億円というのは到底容認できるものではなく、特別区長会でこの点を再三にわたりまして提案をし、国への強い要望ということを届けていただいています。

区長会では、平成二十五年より税源偏在是正議論についての特別区の主張を毎年出しておりまして、これは冊子ですが、この中で法人住民税の国税化は地方税の根本原則に反している、特別区は大都市特有の膨大な行政需要を抱えていることなどを主張して、不合理な税制改正の問題点を指摘しています。
また、ことしの七月には幼児教育無償化に関する要望を内閣府特命担当大臣に提出し、特別区においては、地方消費税の配分が仮に上がったところで、この無償化による負荷を全部自治体が負うことになると逆にマイナスになってしまう、こういう計算も同時に添付してございます。

ふるさと納税につきましては、区長会として昨年三月に総務大臣に対して、ふるさと納税に関する要望書を提出しました。返礼品見直しに係る総務大臣からの通知がその後行われるなど、一定の成果があったものと考えています。区民に対しては、ふるさと納税制度が決してプラス、メリットばかりではない。
実際、自治体に及ぼす影響が甚大で、将来、あるいは現在の福祉から子どもたちの支援、高齢者の福祉などに対して影響が余りにも大きいんだということを周知していきます。

今年度も、十月に「区のおしらせ」のふるさと納税特集号を発行するとともに、新たな取り組みとして、もう少し視覚的にビジュアルで見やすい「ふるさと納税ジャーナル」などを発行して広報に努める予定です。

今後も国に問題点を主張していくとともに、区民に対してふるさと納税、そのほかの国による一方的なルール変更でいかに自治体運営が危機に瀕しているのかということを強く訴えてまいりたいと思います。

江口じゅん子

しっかり発信をお願いしたいと思います。

それでは二点目に、来年度予算編成における区長の基本的姿勢について伺います。

国の税制改正による区財政の大きな減収がある中、区としては本庁舎整備など公共施設整備が相次ぎ、予算規模全体が増大しています。今後、学校施設の新たな耐震補強工事も想定されています。我が党はこの間、投資的経費増大による財政規模拡大に対して慎重な対応を繰り返し求めてまいりました。
区としては、不要不急な事業を見直し、次期新実施計画の実施においては慎重な選定と検討が必要です。新教育センターは新実施計画事業となりましたが、慎重な対応を重ねて求めるものです。

区長はこの間、参加と協働を基軸に、防災、子育て、福祉、教育の充実と、多方面に積極的施策を展開してきました。子どもの育ちや権利を守る姿勢、また、これまで光が当てられてこなかった精神障害者や児童養護施設の子どもたちなどへの前向きな支援は重要と考えます。

一方、こうした財政状況の中、保坂区政がさらに区民の暮らしと福祉を守る役割を発揮しようとするならば、財源を生み出す努力と工夫が必要です。何を優先し、選択をしていくのか、その姿勢も問われます。来年度予算編成に向けての区長の基本的姿勢について伺います。

保坂 区長

平成三十二年四月以降、早期の開設を目指す児童相談所の移管を初め、幼児教育の無償化や、また、ニーズの高まっている高齢者福祉の体制の充実、障害者等への福祉施策の展開、また、昨今の自然災害豪雨などの災害対策など、区が取り組むべき重要課題に対して、九十万区民の生活を預かる私の使命は重いと感じています。

人口の増加がこのところまだ続いておりまして、九十万七千人を超えたということでありますけれども、この人口増は、支えなければいけない子育て世代、また、ひとり暮らしの高齢者の方も非常にふえているということで、行政需要のいわば増大がセットになっております。セーフティーネットとなる福祉基盤の充実、基礎自治体として、区民の生活を総合的に向上させていくバランスのいい施策展開を今回、とりわけ知恵を凝らして進めていきたいと思っております。

これまで、世田谷区の需要、世田谷区の例えば待機児対策において、土地の値段が高いなどについて、やはりこれは公的な支援制度は必要だということを国に働きかけ、結果として国及び都からの援助、補助が得られるようになったり、あるいは保育士の処遇改善など、国と我々世田谷区も同時に努力をしたことによって一定の成果を生み出しました。

一方で、まだ介護の人材不足などの課題もございます。本庁舎整備など、これからの長いスパンを考えると、どうしても避けることができない大きな支出を伴う仕事も控えています。こういった予算の無駄を削りながら、長期にわたって安心して住める町について区民に理解をしていただけるよう、しっかりリーダーシップを持って取り組んでまいります。

江口じゅん子

今、財源確保、それから経費削減、財政需要を見越した基金の積み立てと、三つの方向性が示されたと思います。その方向性をしっかりやっていただきたいと思います。

財政運営における本庁舎整備について

江口じゅん子

次に、今後の財政運営における本庁舎整備について伺います。
繰り返しになりますが、投資的経費の増大に対して、区としてその抑制と選択を行うのは当然です。限りある財源は言うまでもなく区民の税金です。削減、抑制の努力を根幹に据える必要があります。

ところが、本庁舎整備に関しては、この間、事業費が増大しています。この間、基本設計の方針を決める段階で、想定する職員数を変更し、建物の床面積をふやしました。また、今般、区民会館の耐震性能向上のために、一億円工事費が膨らみました。さらに、ノバビルの土地を五十年間、賃貸借するとしました。年間で約一千九百万円、五十年間で十億円の経費ということです。

既にことし六月、本庁舎等整備基本設計方針では、本庁舎の規模を定め、ノバビルなしで設計はされています。今後も必要とメリットがあれば、方針であっても変更していくのか、区の姿勢が問われます。
年間約一千九百万円の経費に対する区の考えも問われます。先ほど来、区の財政見通しに不安な要素が多く、必要な財源をつくり、生み出す努力を求めてまいりました。一千九百万円あれば何ができるでしょうか。この後触れますが、例えば介護職の確保、区政の喫緊の課題です。

区は今般、特養ホームを対象に介護職確保・職場環境改善の取り組みとして、クラウドファンディングにより財源を募り、介護ロボット、ICT機器普及を促進するとしています。
予算規模は約二千三百万円、うち寄附目標は一千万円です。一千九百万円のノバビルの賃貸借の予算があれば、こういった面でもさらなる取り組みもできるでしょう。今後も必要と判断すれば経費を増大していくのでしょうか。やむを得ず経費が増大したら、その分、節減する対策が必要です。見解を伺います。

松村 庁舎整備担当部長

本庁舎等は、区民自治の協働・交流の拠点、揺るぎない災害対策拠点であり、その実現に必要な規模や機能を備えた庁舎を整備する必要がございます。この間、議会からの御意見も踏まえ、規模につきましてはこの六月に基本設計方針の中で変更し、また、七月の特別委員会で区民会館の耐震性能が向上する考え方を御報告したところです。

また、西側隣接敷地につきましては、計画敷地に入れることにより、西棟の低層階の床面積を増加し、多くの区民の方が利用する窓口職場の配置による区民サービスの向上を図り、また、これに伴い、区民から多くの御意見もいただいておりました敷地東側のケヤキの風景の継承・発展をすることなどの変更を行い、今回、基本設計(案)中間報告及び区民会館整備方針策定に向けた区の考え方をまとめたところでございます。

区民会館の構造体Ⅱ類からⅠ類への耐震性能向上や規模の増加など、設計与条件の変更はしてございますが、今回、基本設計(案)の中間報告でもお示ししているとおり、総事業費につきましては、本庁舎等整備基本構想並びに六月に策定いたしました基本設計方針において目標額とした四百十億円を念頭に基本設計を進めてまいります。

今後、コンストラクション・マネジメント業務委託により、設計の各段階で設計者に示す工事費概算と目標工事予算との比較検討や試算を行い、常にコスト管理に努めるとともに、VEなどを実施しながら建設工事費の縮減に取り組んでまいります。また、竣工後のランニングコストにつきましても、自然エネルギーの活用や高効率設備システムの導入、屋上緑化やルーバーによる日射負荷低減などの積極的な検討を行い、ライフサイクルコストの低減も目指し、基本設計案を策定してまいります。

江口じゅん子

コスト管理、それからライフサイクルコストの低減を目指すとありますけれども、しっかり取り組んでいただくことを重ねて要望します。

介護職の確保、処遇改善策について

江口じゅん子

それでは次に、介護職の確保、処遇改善策についてです。
さきの代表質問でも取り上げましたが、区として特養ホーム一千人分計画に見合う介護職確保について、区の責任と新たな決意を持って取り組んでいただくことを求め、伺います。

我が党はこの八月、区内二十二カ所の特養ホームを対象に実態調査のアンケートを行いました。十六施設の事業所と百五十二名の職員の方々から聞き取り、回答を得ることができました。これが職員、そして事業所の皆さんからとったアンケートの全てです。本当に多くの方々から御協力をいただきました。その上で、調査で明らかになった、介護職の賃金が安い、社会的評価が低い現状を改善するための確保、処遇改善を求めました。

区長は答弁で、開設から一年たっても稼働率半分の特養ホームに対し、介護人材不足が深刻な中、このような事態が生じていることは重く受けとめている、また、区は介護人材の確保育成、定着支援は区としても喫緊の課題と、このように答弁を示しつつも、具体的には、人材不足の抜本的対策としては、国や都と連携し取り組んでいく、介護ロボット、ICT導入を活用した職場環境の改善、魅力を発信するイベント、多様な人材――外国人労働者も入っていると思いますが――への働きかけなど、従来のものにとどまっていると認識をしております。アンケート結果を踏まえた提案に対しては、区独自の手当創設は継続性の観点からも難しいなど、消極的なものでした。

率直に申し上げ、これで特養ホーム一千人分計画に見合う介護職確保はできるのか、さらに、現状でも人手不足による介護サービスの質の低下という現状があり、大きな不安を持っております。

私も看護師として長年働いてきました。介護ロボット、ICT導入は確かに現場職員の負担軽減につながります。今回の私どもの調査で、特養ホームで働く外国人労働者の方ともお話をしました。介護福祉士の資格を持ち、現場で重要な働きをされている方もいました。区の答弁にあるこれら取り組みは、どれも必要な対策と考えます。
しかし、介護職として働きたい、介護職として働き続けられるお給料など、処遇の改善という本質的問題に区としても正面から取り組む必要があります。
ここで改めて、区議団が実施した介護職アンケートについて紹介をします。まず、設問の一としては、あなたの職場は人員が足りていますかという設問です。非常に不足が二八%、やや不足が五一%と、合計約八割の職員が人手不足を感じていると回答しています。

見えるでしょうか。区内の特養ホームは、国の人員配置基準よりも独自に手厚い配置をしているホームがほとんどです。また、事業所アンケートでは、欠員がないと回答した施設も多かったです。それにもかかわらず、現場の八割の職員が人手不足感を感じている背景には、特養ホーム入居者の介護度の重度化、医療的対応や認知症など、対応の困難さ、複雑さが増していること、さらに、職員確保ができず、やむなく人材仲介派遣業者に雇用を頼らざるを得ない状況の中、無資格や経験の浅い方が介護現場に入ってきて現場の負担感が増しているなどが要因と考えます。

次に、介護職員の人員確保が困難な理由は何ですかの設問を行いました。介護職の人員確保が困難な理由としては、賃金が安い、これが八一・六%、次いで、仕事に対する社会的評価が低い、六五・八%と、この二つが圧倒的だったんです。私も夜勤していましたので、夜勤があるが多いのかなと思ったんですが、そうではなくて、賃金が安いの後は、仕事に対する社会的評価が低い、これは本当にショッキングでした。

そして、次の設問では、欠員・人員不足でどのような支障が生じていますかの設問では、丁寧な対応ができない、これが五九・九%と最も高く、以下、事故のリスクが高まっている、スケジュールどおりに進まない、職員の退職につながっていると続きます。人手不足によって介護サービスの質が下がっている現状がうかがえます。

ここで、職員アンケートの自由記載欄に寄せられた声を実際に読んで紹介したいと思います。
仕事内容がハードの割に賃金が安い。人員確保ができないため有給休暇もとれず、職員の体調不良や病気、欠席にも対応できないのが現実です。処遇改善、人材確保策を本気で考えているのであれば、一般企業並みの賃金アップまで行わないと、退職者はふえるばかりだと思います。
人員確保のためには、まず賃金をアップして魅力ある職業としなくてはならないと痛感します。やりがいのある憧れの職業となれるよう、賃金アップが必須と考えます。実現を切に願います。

介護という仕事は社会からつらい仕事として敬遠されているように感じます。このイメージを変えていくことが人材の確保につながり、結果、介護職員の処遇の改善につながると思います。介護職は誰にでもできる仕事、魅力を感じない仕事、仕方なくやる仕事のレッテルが張られている。専門性のある仕事ということをクローズアップしてほしい。
賃金が安過ぎる。人手不足で業務内容の過多にもかかわらず、介護職員に対するケアもなく、仕事だけがふえていく一方では、退職につながってしまうのも仕方がないと思う。現場の声が全く届いていない。

そして、事業所のアンケートも紹介します。事業所からは、既に介護人材が少ないのに新規の施設をオープンさせるので、人材の奪い合いによる共倒れの危機を感じています。次年度も複数、特養を新設予定と伺っておりますが、ことし新設された特養の稼働率も目標を達成していない現状があります。世田谷区でもさまざまな人材確保の取り組みを行っているところではありますが、数年で解決できるとは考えにくい。こういった本当にたくさんのお声をいただきました。

こうした深刻な介護不足の状況は、もちろん当区だけではありません。介護職の奪い合いという状況の中、他区では先進的にさまざまな介護職の確保・処遇改善策を講じています。ちょっと調べたら本当にたくさんあったので、全ては紹介できないんですが、幾つかの区の取り組みを紹介します。

品川区では、緊急介護人材確保・定着支援事業として、遠隔地から人材を獲得した場合に、品川区などでの居住を要件として採用法人に助成する。看護職員支援確保、紹介派遣を活用した看護職員を活用した場合にかかる紹介料を助成する。介護職員など、離職防止対策費、介護職員の離職防止に向けた取り組みを促し、離職の原因とその改善策などを協議し、具体的な実行により助成を行う。また、家族介護をしている介護職のレスパイト、職務継続支援として、家族介護をしている職員の軽減を図るため、入所施設を利用した場合の利用料を助成する。

千代田区でもたくさんありました。高齢者サービス事業所、産休、育休など代替職員確保助成、有用な人材が介護や出産により離職することがないよう、職員が安心して休暇を取得できるよう助成を行う。介護人材奨学金支援助成、奨学金の返済負担が大きくなっており、経済的負担が大きく、離職の一因となりかねません。介護人材の定着を図るため、奨学金支援を行う。

それから、江東区では、江東区福祉のしごと相談・面接会の参加者が参加から三カ月以内に区内事業所へ就労した場合、就労準備金として三万円を助成。杉並区は、新規開設介護事業所の求人広告経費など補助金交付事業、また、訪問サービスヘルパーの高齢化、確保困難な事態に対し、杉並区の居宅サービス事業所へ非常勤の介護従事者の健康診断費用を助成する。

練馬区は、このように介護人材確保事業の冊子がありました。この中でも紹介しますが、求人採用活動支援の助成、それから、さらに練馬区は介護人材実態調査も行っています。区内介護事業所の職場環境の改善、人材確保定着に向けた支援を推進するため、勤務する介護職員に対し、就労実態や意識に関する調査を実施するとあります。私どもも代表で現場の声の把握を求めましたが、区は困難と答弁していましたが、他区ではこういう取り組みを既に行っております。

ここで区長に伺いますが、先ほど紹介したアンケート結果と寄せられた声をどう受けとめているか、ぜひお聞かせください。他区の先進事例も紹介しましたが、こうした事例も検討いただき、現状の対策にとどまらない、区としての積極的支援を求めますが、区長の見解を伺います。

保坂 区長

これからの高齢社会、そして労働力人口が暫時減ってくるという状況を踏まえ、介護職が現状でも足らないわけですけれども、今、福祉専門学校等に希望する方の数も残念ながら極めて減っていると聞いております。

今御紹介いただいたアンケートをお聞きしておりまして、とりわけ賃金が低いという訴えは多かったわけですけれども、気になったのは、介護職の社会的評価が低い、この部分であります。これは本当に大切な仕事で、命を預かる、命にかかわる、そういった仕事であるということで、介護職の社会的評価を本当に持ち上げていかなければいけない。同時に、その評価を持ち上げていくとともに、賃金も同様の引き上げが必要だと感じました。

人材確保の抜本的な対策として、この介護報酬の引き上げを求める声もあったと思います。国を挙げてのイメージアップ戦略、また、イメージだけにとどまらず実態がなければいけませんが、区としてもできることをより力を入れて取り組んでいき、国に対してもいただいた意見を要望していきたいと思います。

他区の事例も紹介をしていただきました。二十三区内でも、この介護人材の不足の緊急度、深刻度を捉えてさまざまな工夫を凝らしているということを御紹介いただきましたので、これを参考にさせていただき、国や東京都との連携もさらに加速させて、事業者、区関係者と知恵を絞って、総力を挙げて介護人材確保、その評価、そして待遇の改善に取り組んでいきたいと思います。

江口じゅん子

区長がおっしゃられるとおり、社会的評価の引き上げとともに、賃金の引き上げは本当に必要だと思います。私どもは、そういったことを含めての総合的な対策が必要だと考えています。ぜひ一千人分計画に見合う介護職確保、処遇改善、積極的な取り組みを期待します。よろしくお願いします。

災害を受けた事業所に対する区の支援のあり方について

江口じゅん子

それでは最後に、経済産業政策の観点から、災害を受けた事業所に対する区の支援のあり方について伺います。

代表質問でも取り上げましたが、地球環境の異変、気候変動を要因に、この夏、大きな地震、記録的豪雨、強力台風の上陸が相次ぎました。区内でも、災害級の猛暑や集中豪雨、また、さきの台風被害など、区民生活に支障を来す被害が発生しています。これまでの想定を超える災害に対し、住民の生命と財産をどう守っていくのか。区として、災害対策のあり方についての再考が求められています。

災害を未然に防ぐため、例えば水害に対しては、抜本的には下水道などハード面の整備が必要です。しかし、それが不十分であるならば、被害に遭った個人、事業所が一日も早く通常の生活や事業が再開できるよう支援することが区の役割であり、責務です。

八月二十七日の集中豪雨では、三百件を超える個人や事業所が浸水被害に遭いました。代表質問では、ある保育所のことをお話ししましたけれども、それ以外にも浸水被害に遭われた幾つかの事業所、商店の方々から状況を伺ってきました。

ある設計事務所の方は、そばにある谷沢川が満杯になって、地下二階の事務所に川の水が逆流し、一メートル三十センチの高さまで水没した。
パソコンなどの電子機器は使えなくなり、去年九月に行った内装も全てだめ。使えなくなったごみを無料で引き取ってほしいが、清掃事務所に話をしても、事業所のごみは無料で引き取らないと言われた。そのため、事業所のごみは手つかずのまま。大家とも話しているが、新しいところを同時進行で探しているとのことでした。

そして、ある写真店の方は、店の奥まで水が入り込み、四十から五十センチまで水位が上がって、数百万円もするプリント機械が使えなくなった。保険会社に、雨漏りなら保険金がおりるが、浸水だと保険額に限りがあると言われた。不十分な額なので、お金が足りず、機械か店内か、どちらを直せばいいか困っているとお話を伺ってきました。

経済産業部として、こうした実態は把握されているのでしょうか。現在、区には、居住世帯に対する支援として見舞金、見舞品の支給、粗大ごみ減免、税、保険料の減免、猶予、保健所による消毒を実施しています。しかし、被災した商店、事業所には税、保険料の減免、猶予、保健所の消毒以外、その適用はありません。

ここで伺いますが、経済産業部として、被災した事業者に対して事業再開の支援を行うことは本当に必要だと思います。課題と見解を伺います。

久末 経済産業部長

世田谷区内には約二万八千を超える事業所がございます。現在、経済産業部といたしましては、災害などの被害を受けた中小企業者に対して、事業を再開するための支援策として、災害応急資金融資あっせん制度を設け、支援を行っております。
今回、豪雨により被災された事業所についてお話しいただきましたが、現時点において、被災した事業所の情報を全て把握することは困難な状況でございます。
先月の豪雨の際は、電話等で事業者からの御相談がありましたが、事業所の状況に応じて産業振興公社にて中小企業診断士による融資相談や災害での経営相談を行うなど、災害を受けた方が一日でも早く事業再開ができるよう取り組んでまいります。

江口じゅん子

事業所の把握は確かに全ては難しいと思いますけれども、しかし、こうした区内の商店、事業所がこういった被害状況にあるという知る努力はぜひ行っていただきたいと思います。

そして、今、部長の御答弁にありましたけれども、支援策として、災害応急資金融資あっせん制度がありますとあります。これは設けられて約十年というふうに伺っていますが、この実績の件数について伺います。

瓜生 高齢福祉部長

実績でございますが、現在把握しているところといたしましては、平成十七年度に三件の申し込み、融資の実績がございます。それ以降はございません。

江口じゅん子

事業所に対する大切な支援策としてこういった災害応急資金融資あっせん制度があるんですが、実績はわずかということです。
その要因として、利率が〇・九%なんですね。先ほど事業所の方々の被害状況を申し上げましたけれども、やはり数百万円の被害というところで、事業再開に対しての融資はありがたいが、しかし利率〇・九%、大変な負担だとも聞いております。やはり、この災害応急資金融資の本人負担率を下げるなど見直しが必要と考えますが、見解をお聞かせください。

瓜生 高齢福祉部長

今、委員がおっしゃられました災害応急資金融資あっせん制度でございますけれども、融資条件は、あっせん金額が五百万円、返済期間が六年以内。本人の負担利率でございますけれども、一回目の融資については〇・九%、以降、二回目の融資については〇・五%、三回目の融資については本人負担はなしとなっております。災害に対する融資制度を設けている他区の状況でございますが、本人負担の少ないもので〇・一%、多いもので一・〇五%となっております。

いずれにいたしましても、被害を受けた方が、一日も早く事業を再開し、通常の事業活動が営まれるよう支援することが重要であると考えておりますので、本人負担利率の引き下げについて検討してまいります。

江口じゅん子

今、部長のほうから、被害を受けた方が一日も早く事業を再開するよう支援する、区の姿勢としてそこが重要であると。引き下げについて検討するということなので、使いやすく、負担が低くということでぜひ検討していただきたいと思います。

そして、この質問の最後ですけれども、今後も事業に影響を来す災害が想定されています。台風二十四号が過ぎた後、二十五号も発生していると。繰り返し水害が起きている地域はあります。
被災した事業者、業界への支援をまとめたパンフの作成など、わかりにくいという声を聞いておりますので、ぜひ広報についても工夫していただきたいと思います。見解を伺います。

瓜生 高齢福祉部長

現在の周知方法といたしましては、産業振興公社のホームページに掲載するほか、取扱金融機関にも中小企業融資あっせん制度のパンフレットを配付して、被害を受けた事業者の方に周知をしております。

今後といたしましては、災害が起きた翌日以降、ほかの情報とあわせて、区のホームページにお問い合わせが多い事項として掲載するとともに、東京商工会議所の世田谷支部、商店街連合会、工業振興協会などを通じてチラシなどを配布し、周知を図ってまいりたいと考えております。

江口じゅん子

よろしくお願いします。
以上で日本共産党の総括質疑を終わります。

 

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