江口区議が定例会にて質問を行いました。

2018年06月15日 江口じゅん子区議

子どもの最善の利益を保障する保育の実現に向けた区の今後の保育施策について

江ロじゅん子

まず、子どもの最善の利益を保障する保育の実現を求め、三点伺います。
一点目は、区立保育園の今後のあり方についてです。
昨年度末、子ども・子育て会議の部会が区立保育園のあり方検討部会報告書を区へ答申をしました。
報告書では、まず、区立保育園は、自治体において保育を行う責任を定めた児童福祉法第二十四条により設置された行政直営の保育施設であり、公務員である職員には、地域全体の子どもの育ちの保障や保育の質の向上に向けた取り組みを行う責任がある、このように定義づけられています。
具体的には、今後の区立園のあり方として、養育への支援が必要な家庭等への支援、保育の質の確保のための地域連携など四点が提言をされています。

新たな役割として、児童虐待への予防的取り組みと子育て力の回復を支援する、このことが求められていることは重要です。区立園がその組織力と職員の高い専門性を発揮し、地域での子育て支援や緊急・一時保育の拡充などで、虐待に至らせない予防的効果を期待します。

そして報告書では、保育の質の確保のために、行政の関与や支援が有効であるとして、区立園が区内保育施設の質の確保に努めること、さらに地域で一定の保育の質を確保し示していくことで、保育の質を高めていかなければならないとあります。
区には、保育の質を守り高める公的責任があります。提言はそれを根幹に据え、区立園だからこそ果たせる役割、期待が明確に打ち出されています。提言の方向性の実現のためには、今後も区としての独自努力が必要です。報告書を受けての今後の区立保育園の方向性について伺います。

保育に関する二点目は、児相移管に伴う保育分野の事務移管についてです。
児童相談所移管により、認可・無認可施設の許認可権限・届け出事務、さらに無認可含めた全ての保育施設の監督、指導などが可能になります。
これは、区が目指す全ての保育施設での質の高い保育の実現を可能とする大きな好機と考えますが、区の見解を伺います。
今、企業主導型保育施設が区内でも急速に拡大しています。私はこの間、複数の園を見学しました。

ある園では、月の利用実績が十六日以上なら翌月の保育料は半額、これを適用すると、ゼロ歳の地域枠では月一万八千円と割安、また介護や育休中でも柔軟に扱えるなど事業者裁量が大きく、利用者獲得のための質の低下が危惧されました。また、ある園では午後四時過ぎに子どもが午睡をしており、睡眠チェックも不十分ではと思える場面もかいま見ました。
企業主導型保育施設は、保育職員のうち保育士資格者は半数でよく、また、指導・チェック体制が不十分との指摘もあり、質に大きな不安があります。

企業主導型・無認可保育施設に対して、児相移管を待つのではなく、今から保育の質を守る支援を求めます。また、移管後の体制の着実な準備を求め、見解を伺います。

最後に、昨年度から三歳児以降の待機児が解消し、ことし五月の待機児は大幅に減少しました。認可を中心に質を守るという区の施策を大きく評価し、引き続きその方向で待機児解消に取り組むことを求めます。

現在、区立園では約四百人の定員弾力化が行われています。保育の質を考えると、定員を超えた子どもの詰め込みは本来の姿ではなく、段階的解消を求め、区の見解を伺います。
また、五歳児クラスでも育児時間をとることができるよう改善を求め、見解を伺います。

知久 保育担当部長

私からは、保育施策に関して順次答弁いたします。
まず、区立保育園の今後の方向性について御答弁いたします。
昨年度、子ども・子育て会議において設置された区立保育園のあり方検討部会の報告では、増大する保育施設への対応や今後の児童相談所移管を見据え、区立保育園が地域全体の子どもの育ちの保障や保育の質を維持し高めるための牽引役を担うことや、区立保育園が地域の中心となり、保育施設間の連携を強化しながら全ての保育施設が質の高い保育を実践できるよう支援していくことなど、区が果たすべき公的責任について具体的な提言をいただいております。

区では、平成二十四年二月に策定した今後の保育施策推進のための保育施設再整備方針に定める区立保育園が果たすべき役割を基本とし、子ども・子育て会議の提言を踏まえ、現在、区立保育園の方向性についての全体像をまとめているところです。案がまとまり次第、議会にお示しし、区立保育園が一人一人の子どもの最善の利益を第一に考え、果たすべき役割をしっかりと担っていけるよう議論をさせていただきたいと考えております。

二点目でございます。児童相談所の移管が全ての保育施設における質の高い保育を実現する契機ではないか、三点目、移管を見据え、無認可保育施設等に対する区の取り組み、二つの御質問にお答えいたします。
児童相談所の移管に伴い、区は区内全ての認可・認可外保育施設に対する指導、支援等業務を担うことから、保育行政に対するこれまで以上の責任を感じております。 そこで、区は、権限移譲を見据え、昨年度は東京都の認可外保育施設への立入調査及び巡回指導に八十五施設同行しまして、今年度も積極的に同行するなど施設の保育環境、保育内容、運営体制などの実態把握とともに、東京都の指導検査業務等のノウハウの蓄積に努めております。

また、移管後すぐに業務が開始できるよう、移管された事務事業の内容や事務量等を精査した上で、認可、認可外全ての保育施設に対する指導、支援に対応できるよう体制も含め検討してまいります。

さらに、現在、認可保育園を中心に実施している施設への巡回相談や職員研修、区内五地域の保育関係者によるネットワークへの参加の呼びかけなど、企業主導型保育を含め、区内全ての認可外保育施設を対象として拡大、実施できるよう準備を進めてまいります。

区としましては、児相移管に伴い、権限移譲を好機と捉え、区が目指す全ての保育施設で子どもの最善の利益をとうとび、子ども中心とした保育が実現できるよう全力で取り組んでまいります。

四点目、区立保育園による定員弾力化についてお答えいたします。
区では、これまで保育施設の整備を中心としながら、区立保育園において約四百人の定員弾力化を図るなど、さまざまな手法を用いて保育待機児童の解消に向けて取り組んでまいりましたが、依然として待機児童の解消には至っておりません。
現在の待機児童の状況を見ると、定員に空きが生じている地域もある一方で、待機児童が多い地域もあり、地域偏在の解消が課題となっております。今後は、地域ごとの保育需要等をより細かく分析し、低年齢児を対象とした保育施設を機動的に整備していく必要がございます。

区では、平成三十二年四月までの待機児童解消に向けて二万一千五百八十四人分の保育総定員の確保を計画していることから、当面は、この目標に向けて保育施設の整備に取り組んでまいりますが、次期子ども・子育て支援事業計画の策定の中で、御指摘の区立保育園の定員弾力化の見直しについてもあわせて検討をしてまいります。

最後に、五歳児クラスの進級時における育児時間についてお答えいたします。
入園選考は保護者の実際の勤務時間に基づいて実施をしておりますが、育児時間勤務制度を取得する保護者に限っては、五歳児クラスになる時点でフルタイムに戻すことを条件に、フルタイム勤務とみなした選考を行っております。この特例的な取り扱いは、子育てと仕事の両立に資する育児短時間勤務制度を推進する観点と、同制度を取得できない保護者の状況等を踏まえ、導入した経緯がございます。

制度開始から五年が経過した現在、育児短時間勤務を取得している保護者を中心に本制度の廃止を望む声がある一方で、待機児童となっている保護者からの不満の声も上がるなど、制度に対する相反する意見がございます。区としては、区議会や子ども・子育て会議等の意見、待機児童の解消状況等も踏まえながら、仕事と育児の両立を支援する方向で制度を検討してまいります。
以上です。

補助五二号線について

江ロじゅん子

次に、補助五二号線について伺います。 四月、都道五二号線(環境破壊)に反対する会による第四次優先整備路線に指定されている区間の現地調査があり、参加をしました。
宮坂一丁目の経堂出張所前を出発、環八船橋手前の浄立寺まで約三時間を、ビラを見て初参加の方含め、地域の二十七名の皆さんと歩きました。当日、経堂の福昌寺の住職からは、町のコミュニティーが壊されてしまう、できる協力をしたい、このように話されていました。

五二号線は、そもそも七十二年前に都市計画決定されました。現道がない計画線には、住宅、商店街がびっしりと建ち並び、既に住民生活は何代にもわたり根づいています。しかし、計画では農大通り商店街など四つの商店街、福昌寺など二つの寺、二つの公園、そして烏山川緑道を横断します。区議団調べでは、三百戸以上の商店、住宅が立ち退くことになり、地域への被害、影響は多大です。現在の住民のあずかり知らぬところで決められた計画を、七十二年もたち、なぜ強行するのか、この住民理解が得られていません。

現在、都や区は、防災性向上、道路ネットワーク形成など整備効果を説明しています。しかし、防災対策は住宅の耐震化、不燃化など総合対策が必要です。地域からは、あす来るかもしれない震災を前に、道路でなく今できる防災対策を早急に講じてほしい、このように声が聞かれます。

道路ネットワーク形成については、城山通り、小田急の高架下側道、赤堤通りと、既に並行に走っている道路があり、地域からは五二号線は不要との声も聞かれています。住民理解が得られない計画に、地域の幅広い層に見直し、中止を求める声が広がっています。地元区として、都の施行路線だからではなく、課題、影響を把握し、都へ意見することが必要です。
区は、道路整備について住民理解と合意を大切にすると繰り返し表明していますが、五二号線について、それは得られていません。認識と今後の対応を伺います。

小山 道路・交通政策部長

私からは、補助五二号線の優先整備区間についてお答えいたします。
補助五二号線の優先整備区間は、ほぼ現況道路がないこともあり、関係する権利者も多数に上ると考えられます。この事業につきましては、地域に賛否両論があるのが現実でございますが、最終的には権利者全員の御協力があって初めて道路整備事業が完了いたします。

本区間は、東京都や他区市町との協働で策定いたしました第四次事業化計画において、地域の安全性向上の視点から優先整備路線に選定されており、補助第五二号線の事業施行者は東京都と世田谷区の役割分担により東京都となっておりますが、区は、これまでも区に寄せられる地域の皆様のさまざまな声を受けとめ、粘り強く道路の必要性を丁寧に説明し、御理解をお願いしているところでございます。

区では、引き続き、さまざまな声を施行者、東京都に伝えて共有するとともに、事業着手に向かう工程において必要な対応を適切に講じるよう求めてまいります。施行者が取り組むべきこと、施行者でなければできないことは東京都に対応を求めるとともに、地元区として東京都と連携、協力してまいります。
以上です。

梅ヶ丘拠点整備における精神障害者へのアウトリーチ事業について

江ロじゅん子

次に、梅ヶ丘拠点整備における精神障害者へのアウトリーチ事業についてです。
この間、家族会、当事者により、その必要性が繰り返し要望される中、今議会でも多くの会派がこの実現を求めています。現在、区が梅ヶ丘拠点整備で多職種チームによるアウトリーチ事業を、区直営を含め検討していることを評価します。

五月、家族会主催の勉強会に参加し、行政によるアウトリーチ事業を先駆的に行っている練馬区からお話を伺いました。家族が精神障害者を抱え込まざるを得ない現状がある中、家庭を訪問するアウトリーチの効果、また、課題としては、夜間休日対応の必要性などを伺いました。区におけるこの事業の検討においても、二十四時間三百六十五日の相談支援体制は大きな課題です。

先日、精神障害の当事者であり、長年、当事者によるピア電話相談を行っている方から話を聞きました。精神障害者にとって、夜間に不安、病状が強くなることが多いが、家族などとの関係が希薄な方も多く、誰にも相談できない孤独、不安がさらなる病状悪化につながる。実質、夜間の電話相談窓口がない現状があり、その設置を強く望みます。

さらに、ピアカウンセラーとして実感するのは、相談者は自分のつらさ、しんどさを聞いてほしい、だから、傾聴、共感で相手が落ちつくことも多い。当初は依存が強くても、関係ができることで卒業した方もいますということでした。

私自身、精神科看護師として長年働き、二十四時間支援による利用者の依存性の高まりを危惧していましたが、この間、既に取り組まれている当事者、医療者などから実態を伺い、二十四時間三百六十五日の支援体制を必須と考え、区の積極的検討を求めます。

区がこの事業で目指すこと、現在の検討状況、今後のスケジュールと二十四時間三百六十五日の支援体制の見解を伺います。

辻 世田谷保健所長

私からは、梅ヶ丘拠点整備での精神障害者のアウトリーチ事業についてお答えします。
まず、事業の目的、検討状況、スケジュールでございます。

一般的に、精神障害者のアウトリーチ事業は、精神障害者や精神疾患者等の未治療者や治療中断者であったとしても、地域の一員として安心して暮らせるよう、医師、保健士等の専門職チームが訪問し、必要に応じて医療へのつなぎや保健福祉サービスの提供など包括的に支援することを指します。
区におきましては、精神障害者や精神疾患者等の地域生活支援をより一層推進するため、精神保健等の相談窓口やアウトリーチ事業のあり方などにつきまして、昨年度より、学識経験者、地域医療関係者等で構成するこころの相談機能等の強化検討専門部会で検討を継続しております。その中では、訪問支援及び退院後支援計画策定支援等に携わる多職種チームの設置の必要性についても御意見をいただいております。

今後、専門部会の議論を踏まえ、区としてのアウトリーチ事業の目的、役割、チーム構成などを十分検討し、新宿区や練馬区など先行自治体例を参考に実施体制を明らかにしてまいります。

次に、二十四時間三百六十五日の支援体制です。
精神障害者等の家族会などからは、精神障害者や精神疾患者は夜間休日に精神状態が不安定となることも多く、いつでも相談や支援が受けられる体制整備を望むとの御要望を伺っており、専門部会でも検討をしております。

専門部会では、二十四時間の相談窓口は相談者の昼夜逆転による生活リズムの乱れや相談員への依存性が高まること、また二十四時間アウトリーチ事業に携わる民間事業者においても、夜間に受け付け、翌朝に訪問支援を行うことが多く、即時対応は少ないことから、行政が二十四時間体制で行う必要性は高くはないといった見解が示されております。

区におきましては、二十四時間アウトリーチ事業を取り組む民間事業者等の実態なども把握し、相談窓口の目的やあり方等を引き続き検討してまいります。さらに家族会へも情報を共有しつつ、より適切な相談窓口の整備に取り組んでまいります。
以上です。

環八千歳台交差点の横断歩道設置について

江ロじゅん子

最後に、環八千歳台交差点についてです。
現地では、歩道橋使用ができない車椅子やベビーカーの方、そして歩行者も自転車レーンで環八を横断する危険な現状があります。

現在、都と警察で横断歩道設置に向けての検討が行われていると聞いています。この間、地元からは、その方向が明らかになるにつれ、それは歓迎だが、同時に歩道橋撤去に根強い心配の声が聞かれています。
交差点は変形五差路で見通しが悪く、事故が多い。さらに付近に千歳台小、船橋希望中、保育園があり、子どもの往来が多いという地域事情があります。

私は、事故を起こさないため、横断歩道と歩道橋の併存が最低限必要と考えます。実現すれば、横断歩道設置はバリアフリー化への一歩ですが、抜本的対策としては、当初から提案している歩道橋のエレベーター設置が望ましいと考え、これは今後も求めてまいります。今後重要なのは、何より安全対策です。区としては、都や警察任せではない主体的対応を求めます。

都、警察、区、地域が一丸となり、安全対策に知恵を出し合い、協力する必要があり、そのために住民を交えた関係者協議の場の設置を都や警察に求めていただきたい。
区の見解を伺い、以上で壇上からの質問を終わります。

五十嵐 土木部長

私からは、環八千歳台交差点の横断歩道の設置についてお答えいたします。

千歳台交差点のバリアフリー化につきましては、議会などからの問題提起を受け、区が道路管理者である東京都第二建設事務所や交通管理者である成城警察署に要請を行った際、両者とも横断歩道を新設するには、現在ある横断歩道橋を撤去する必要がある旨伺っております。現在、東京都第二建設事務所においては、昨年度の委託調査をもとに、横断歩道の新設について警視庁本庁と調整を行っていると伺っております。御指摘の協議の場の設置につきましては、事業主体である東京都が判断することと認識しております。

区といたしましては、これまでと同様に地元の声を伝えるとともに、地域との調整を担うなど東京都と連携を図ってまいります。
以上です。

江ロじゅん子

五二号線について、区長は、この間、議会で関係する区民の皆さんの御理解、御協力をいただいて進めることが重要と答えられており、その立場で直接住民の方の声を聞いていただきたいと再度要望します。
終わります。

<< 前のページに戻る