江口区議が予算特別委員会にて質問を行いました。

2018年03月22日 江口じゅん子区議

介護職の処遇改善、確保について

江ロじゅん子

日本共産党の補充質疑を始めさせていただきます。
まず、介護職の処遇改善、確保について伺います。
介護職の深刻な人手不足と言われて久しいですが、全国的にも、そのために入所抑制、ユニット閉鎖なども生じ、深刻さは増している状況と認識しております。
それでは、区内ではどうでしょうか。まずこのビラを見ていただきたいんですが、四月一日、船橋に開設予定の世田谷希望丘ホームの求人広告ビラで、昨年秋ごろ、地域の新聞に折り込まれました。このビラによると、世田谷希望丘ホームは、特養ホーム百十床を初め、ショートステイ、都市型軽費老人ホーム、小規模多機能居宅型介護、障害者の就労支援まである大型複合介護施設ですとあります。
ビラでは、開設に向けて、何とスタッフ百四十二名の大募集とありまして、先週は内覧会が行われ、私も行きましたが、地域の方が多数来られており、地元や、そして今特養ホームの入所を待っている、そういった区民の方の期待は高まっています。
しかし、深刻な人手不足という中で、開設が目前に迫る中、このビラにある百四十二名は集まったのでしょうか。介護職が確保できず、入所制限ということがあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。
また、既に区内で開設済みの特養ホームではいかがでしょうか、伺います。

瓜生高齢福祉部長

御質問のチラシは、昨年十月に世田谷希望丘ホームの運営法人が、特養ホームのほか、併設のショートステイ、小規模多機能型居宅介護、都市型軽費老人ホーム等、実施する全事業所の介護、看護、事務員、調理員などの職員募集を行うために、近隣にお配りしたものです。
現在、特養ホーム、ショートステイ、小規模多機能、都市型軽費老人ホームは、運営基準上の必要な職員が確保でき、四月に予定どおり開設し、特養ホームは計画どおり三カ月で満床予定となっております。しかし、職員の休暇や研修参加など円滑な運営のために、引き続き採用活動を進めると聞いてございます。
一方、併設の訪問介護、居宅介護支援事業所、障害者就労支援事業につきましては、特養ホーム等の運営が落ちつく七月ごろの開設に向け、職員の採用を含め準備を進めている状況でございます。
現在、区内で運営している特養ホームは、入退所の動きはあるものの、常に一〇〇%に近い入所率となっております。
一方、平成二十九年八月に開設した定員九十六名の特養ホームは、ショートステイ、小規模多機能居宅介護、都市型軽費老人ホームを併設しており、開設八カ月後の本年四月に満床を目指しておりましたが、介護職員の採用辞退や退職者が予想以上となり、介護、看護職員が計画どおり確保できず、現在、入所者は四ユニット四十八名、五〇%となっております。
運営法人は、職員採用に向け、採用説明会の開催や就職会への出展、求人雑誌や求人サイトの掲載など、さまざまな機会を活用して取り組んでおりますが、厳しい状況となっております。
区といたしましても、予定どおりに残りのユニットが速やかに開設できるよう、区が主催する就職面接会や施設見学会なども活用するとともに、運営法人との意見交換などを通し、必要な支援に取り組んでまいります。

江口じゅん子

今の御答弁にありましたとおり、世田谷希望丘ホームのほうは、訪問介護、居宅介護支援事業所、障害者就労支援事業については、七月ごろの開設に向けて調整があるということ。また、昨年開設の特養ホームは五〇%の稼働ということでした。
こうした事態が生じているのは、区として、いずれも介護職の確保が困難である、こういったことに大きな要因があるというふうに御判断されているんでしょうか。

瓜生高齢福祉部長

介護人材の確保の状況ですが、ハローワーク渋谷管内の介護サービスの有効求人倍率は、平成三十年一月時点で十七・〇五倍となっており、世田谷区を含む周辺地域では介護人材の確保は大変厳しい状況と認識しております。
また、昨年八月に開設した特養ホームは、同じ運営法人による従来型の特養ホームの廃止に伴い、そこから移行した職員が多く、運営法人は十分新しい運営方式のシミュレーションを行い取り組んでまいりましたが、従来型のサービス提供方式がユニット型方式に変わったことに職員の戸惑いも大きく、職員の退職が相次いだものと思われます。
一方、平成十六年以降新たに開設した区内の特養ホームは全てユニット型ケアの施設でございまして、介護職員の不足により入所を制限するというような事態は起こっていなく、常に一〇〇%に近い入所率で運営をされているところでございます。

江口じゅん子

ハローワーク渋谷管内の介護サービスの有効求人倍率は十七・〇五倍と、本当に大変な状況だと思います。
一方、五〇%の稼働のある特養ホームの大きな要因としては、多床室、つまり大部屋から個室ユニット型への変更が大きな要因ではないかということでした。確かにそれも大きな要因と考えます。
私も世田谷希望丘ホームを内覧会で行きましたけれども、こちらは一ユニット、つまり、一グループが個室で十一室並んでおりました。夜間は介護職一名で二ユニットを介護する予定と聞き、動線が大変長くて、個室の二十二人を一人の介護職が、おむつ交換、体位変換などルーチンの業務を行いつつ、認知症の方の不意の対応などしなくてはならず、私、看護師をしておりましたので、本当にどんなに大変か想像できますけれども、一人の長時間夜勤は目の回る忙しさと、職員の心身の相当の負荷だと思います。
ユニット型個室に関しては、さきの福祉保健領域で利用者の経済的負担が大きいと指摘をしましたが、職員の負荷、確保という観点からも検討が必要ではないかと考えます。
いずれにせよ、区内でも介護職の確保は課題であり、開所の調整や、それから五〇%の稼働という事態を大変憂慮しております。
私は先日、八十八歳になる要介護五の御主人を介護している八十代の奥様からお話を伺いました。御主人はこの間、区内ショートステイのあきがなく、登戸、稲田堤など、区外のショートを転々としている。奥様自身も足腰が悪くて、遠くて通うのが本当に大変ということでした。
区内の特養ホームを申し込み、昨年、ようやく入れると返事があった。本格入所の前にショートステイを利用したが、おむつ外しなどもあり、また人手も足りないということで入居を断られたということです。その特養ホームは、先ほど申し上げた、介護職の確保ができず、五〇%の稼働というその施設です。
御主人は今、稲田堤のショートにいまして、今月末、自宅に二泊三日帰り、また稲田堤のショートに戻る予定ですが、その二泊三日を自分一人では介護し切れない、どうしたらよいのかと御相談を受けました。私もケアマネジャーさんに問い合わせましたが、お泊りデイで対応するしかないんじゃないですかということでした。
議会でも多くの会派が指摘していますが、介護保険外の事業であるお泊まりデイは、安く、そして臨機応変に、また長期間利用できる一方、区内で死亡事故も起きるなど、サービス内容など問題も多いと認識をしております。特養ホームやショートステイ不足の受け皿としてお泊りデイが機能しているのが現状だと思います。

深刻な介護職の不足の改善について

江ロじゅん子

ここで伺いますが、区内特養ホーム待機者は約一千七百人いて、私が先ほど申し上げた事例というのは、それだけあるという状況かと思います。
区はこの間、二〇二五年度までに特養ホーム一千人分増設計画を掲げ、地域の方から大変喜ばれていますが、一方で深刻な介護職の不足という事態があり、この改善には、区として何が必要とお考えでしょうか。

瓜生高齢福祉部長

区は、二〇二五年に向け、特養ホームの整備など計画的な介護基盤整備を推進しておりますが、担い手となる介護人材の確保は、労働力人口が減少していく中、区のみならず、全国的な課題となっていると思います。こうした中、二十九年八月に、特別区長会は国に対し、介護人材の確保、定着のための継続的な施策を実施するよう要望書を提出しております。
区では介護人材の確保育成に向け、これまでも介護職員初任者研修受講料助成や、特養ホームやグループホームなどへの研修費助成、職員の資質向上に資するさまざまな研修を実施しております。さらに、二十九年度からは介護福祉士資格取得費用助成や実務者研修受講料助成を新たに実施するなど、介護職員のキャリアパス構築と介護報酬の加算により処遇改善が図られるよう支援を行ってまいりました。
区といたしましては、区内介護事業所の御意見も伺いながら、事業所における介護ロボット、ICT機器を活用した職場の環境改善に向けた取り組みや、三十一年十月から実施予定のさらなる処遇改善加算が取得できるよう支援してまいります。国や都の人材確保策を活用するとともに、さらなる人材確保策に、区としても取り組んでまいります。

江ロじゅん子

今御答弁された取り組みはどれも必要な対策と考えます。しかし、介護職として働きたい、介護職として働き続けられるお給料や働き方の改善という本質的問題に、区としても正面から取り組む必要があると考えます。
介護職の平均給与は全業種と比べ十万円余りも低いという状況です。区が平成二十八年度に報告した世田谷区介護保険実態把握調査報告書事業者編でも、人材確保の状況が不足している、やや不足しているが約六二%。不足している理由が、給与が労働条件に見合わないが約六六%。労働環境改善のために重要だと思う取り組みに、労働条件の改善、賃金の改善が約六六%と、処遇改善を望む声が圧倒的です。
確かにこれは一義的には国の仕事です。この点で特別区長会が国へ要望書を提出していることは重要です。しかし、国は、平成二十七年度処遇改善加算を行い、二十九年にも追加策を実施していますが、その効果は不十分です。ことし一月の毎日新聞の記事では労働組合調べから、政府は昨年、介護職員の月給を平均一万円引き上げるため、処遇改善加算の仕組みを拡充した。今回の調査結果では賃上げは半額にとどまったほか、賃金への加算の反映を実感していると答えたのは二割程度だったとあります。
さきの区の調査でも加算の対応なしが約三五%と、特に区内の介護事業所の七割以上を占める小規模事業所が加算をとりにくいことが明らかになっています。もはや区として、国や都の処遇改善任せではない、独自の取り組みが必要です。

ここで区長に伺います。介護職の確保、処遇改善、当区にとって喫緊の最重要課題です。特養ホームができても入所できないという深刻な事態がさらに広がるのを防ぐため、ぜひ区として一歩を踏み出していただくことを求めますが、いかがでしょうか。

保坂区長

高齢者施設、特別養護老人ホームなどに大変労力をかけてやがてでき上がっても、働いていただける人が集まらないということで、その施設が使えない、あるいはフルに使えないという状況の手前にいる、あるいは一部そういうところもあるということは大変深刻だと考えております。
区長会での国への要望書も、部長からも答弁しましたけれども、これを進めていくとともに、保育園の待機児対策で、やはり保育士さんの処遇が非常に低いということで、法人が一括してアパート、マンション等を借り上げて家賃補助するという仕組みは、かなり利用者が多くて有効に機能しているというふうにも聞いています。
一部介護人材に関してもその仕組みの導入はありますが、極めて限定的だったり、あるいは法人によって使える人数が非常に限られていたり、そしてまた、お話しのあった処遇改善加算についても本当にその底上げがなされるのかどうかというのが大きなポイントだと思いますので、これから二〇二五年に向けて非常にニーズが高まる中で、施設はあるけれども稼働しないということがないように、区としてできる限りこの人材確保策について、国とも交渉し、また、区としてできることも検討してまいりたいと思います。

江ロじゅん子

区がこの間、二〇二五年、一千人分特養ホーム増設計画を掲げ、特養ホームの基盤整備を積極的に行ってきたこと、区民は高く評価しております。ぜひ処遇改善に取り組むということ、区民もまた期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

世田谷公園のミニSLについて

江ロじゅん子

それでは次に、世田谷公園のミニSLについて伺います。
ミニSLは、昭和五十七年の国際児童年及び区制五十周年記念行事として開設し、「ちびくろ号」の愛称で長年区民に愛され、現在、D51とC57の二台の蒸気機関車が走っています。私の子どもも蒸気機関車がもう本当に大好きで、よく世田谷公園に通っています。我が子も含め、子どもたちが家族と一緒にきらきらした瞳で本当にうれしそうに乗る姿を見ていて、私も幸せに感じるし、子どもたちの夢を乗せているんだなというふうに思います。
私は、この子どもたちにとっての宝を、区と区民がともに力を合わせて継続させていただきたいという立場で、本日は提案をさせていただきます。
さて、そもそも区制五十周年記念行事になぜミニSLをつくったのかなと疑問に感じまして、導入の経緯などを調べてみましたところ、五十周年記念行事はさまざま取り組まれて、砧ファミリーパークで野外彫刻展を開いたりとか、そういった一環の中でこのミニSLも設置することになったということです。
昭和五十七年の当時の大場区長は議会で、五月二日には記念行事の先頭を切ってミニSLの開通式を挙行しました。当日は一万人を超す親子連れでにぎわい、終日歓声が絶えませんでした。次代を担う子どもたちの夢を育て、その健全育成に大いに役立つことを心から念願するものですと、このように言われております。
一万人の親子連れが集まったということに本当に率直に驚いたんですが、当時の区議会での議論を見ましても、次代を担う子どもたちの夢を育てるということでつくったということです。
しかし、夢をつくった後、現実にはその後の経費が生じます。所管に聞いたところ、今年度の維持管理経費は約三千五百万円でした。平成十四年ごろには行革計画において、維持管理費がかさみ、いずれ多額の更新費用も必要なため、廃止検討もされました。これも当時の議事録を調べたのですが、議会で多くの会派が、だからといって、子どもたちの夢を壊してよいのかという議論をしていました。
平成十四年の決算特別委員会で、ある議員はこのようにおっしゃっています。ミニSLは、日曜祭日なんか見にいきますと満席状態で使われているんですね。私が言いたいのは、そうした現実に区民に喜ばれているものを、聖域を設けないとはいえ、まず廃止を考えるという職員の感性というのを疑いたくなるわけです。何とか残すために考えれば知恵が出てくるんじゃないかと、この議員の方はおっしゃっています。この委員会室にいらっしゃる諸星議員も同様の趣旨で御質問をされておりまして、私、議事録を見て、本当にそのとおりと感銘を受けました。
次代を担う子どもたちの夢を育てるというミニSLの役割が、区民、議会に大きく認められていると実感しますが、区としての評価をお伺いします。

髙木みどりとみず政策担当部長

お話しいただきましたけれども、世田谷公園のミニSLは、昭和五十七年の国際児童年及び区制五十周年事業の一環として開設されておりまして、D51型とC57型のミニSL二台で運行を行ってきてございます。最近では利用者も伸びてきており、委員のお子様も使っていらっしゃるということで、本当にありがたく思いますけれども、年間約十五万人の方々に利用されております。利用者の約六割に当たる九万人が小学生以下であり、子どもにとってとても魅力的であり、長年親しまれている施設であります。
また、大変精巧につくられた車両でございます。大人からも高い評価をいただきまして、ミニSLは、子どもから大人まで人気の高い、大切にしていかなければいけない貴重な施設であるというふうに認識しております。

江ロじゅん子

今部長が御答弁されたとおり、ミニSLは約十五万人が集まるということで、大変な集客力だと思います。この方たちを世田谷公園で終わらせるのは、産業政策としても非常にもったいないと思います。
そこで、二十三区でも数少ないミニSLを一つの観光資源と捉え、ミニSLで金も人も集める、いわば攻めの戦略への転換を考えてはいかがでしょうか。
例えば世田谷公園でミニSL乗車、プレーパークの体験とセットで、三軒茶屋で親子で楽しむ観光・体験イベントなど、民間の力も大いにかりて魅力ある観光メニューをつくり、区内外の親子連れを呼び込む、こういったことをぜひ検討していただきたいと思います。そして収益の一部をミニSL維持のため使用するなど工夫もできると思います。
そのためには、ミニSLをより乗ってみたいと思ってもらえるリニューアルが必要と考えます。そこで、クラウドファンディングを活用し、石炭で走る本物のミニSLにすることを提案します。もちろん問題になるのは幾らかかるかということです。
ここで伺いますが、「ちびくろ号」を蒸気駆動にリニューアルする際、新規購入をすれば幾らかかるでしょうか。

髙木みどりとみず政策担当部長

平成十五年当時、行革において廃止等を念頭に検討した時期の記録でございますけれども、現在二台ございますが、二台で約一億七千万円ほどという記録が残ってございます。

江ロじゅん子

ミニSLが一台約八千万円もするということで驚きました。
それでは、昭和五十七年、昭和六十一年当時、購入をしたわけですが、この購入額は幾らだったか、教えてください。

髙木みどりとみず政策担当部長

当時の記録によりますと、備品として購入しておりますが、約三千五百万円程度だったというふうに記憶しております。

江ロじゅん子

三千五百万円の当時の購入額から、新たに買おうとすると何で二倍になるのかが率直に言ってわからないと思います。
平成十五年当時、区が議会に提示した資料がもとだと、今部長はおっしゃっていましたけれども、では、今見積もりをしたら幾らだろうということで、私調べてみました。ミニSLの販売などを行う専門の事業者さんがいまして、「ちびくろ号」のメンテナンスにもかかわっていたということです。この方によると、「ちびくろ号」は非常に精密につくられ、物としては国内で最高級、このレベルのミニSLが走っているのは、もう本当に希少価値ですよということでした。
しかし、それにしても新規購入、一台約八千万円というのは聞いたことがない。ミニSLはオーダーメードなので、金額に応じて製造することになるので、それを下回る価格でつくることは可能ですということです。また、維持管理費についても三千五百万円ということですが、事業者によっては圧縮可能ということでした。
二台の「ちびくろ号」は製造からことしで三十年以上を越えます。この事業者さんによれば、確かに入れかえの検討の時期だと思うということでした。
そういう時期を迎えるわけですから、ぜひ所管としても、車両や事業者さんによっても価格は異なるので、二台で一億七千万円という昔の数字にとらわれず、きちんと調べていただきたいと要望します。
さまざま課題はありますが、ミニSLを区と区民が力を合わせ継続発展させるという観点で、クラウドファンディングの提案をしました。区長、一言お考えをお聞かせください。

保坂区長

十五万人もお子さんたちが乗っているということで、世田谷の本当に資源だと思います。クラウドファンディングでよくするということは工夫をしてみたいと思いますが、実際の蒸気駆動にするということについては幾つか課題はあると聞いていますが、子どもたちの夢をしっかり続けられるように整備をしていきたいと思います。

江ロじゅん子

お願いいたします。
それでは、私の質問を終わり、中里委員に交代いたします。

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