江口区議が決算特別委員会にて質問を行いました。

2017年10月10日 江口じゅん子区議

産後ケアセンターの今後について

江口じゅん子

おはようございます。日本共産党の福祉保健領域の質問を始めます。
まず、産後ケアセンターの今後についてです。
さきの区議会本会議において、世田谷区産後ケアセンター事業に関する条例が全会一致で可決をされました。来年四月の区立産後ケアセンター開設に向けて、公募による委託事業者選定が行われており、十一月には決定の見込みです。
当区の乳幼児人口はここ数年増加が著しく、毎年約八千人の新生児が誕生しています。出産の高齢化が進んでいるのも当区の特徴で、平成二十八年度は三十五歳以上の高齢出産が四六・七%を占め、二人に一人という状況です。この割合は年々増加をしています。 母親たちを取り巻く背景はというと、核家族化や母親が高齢ということは、祖父母も高齢で頼れない、また、夫は長時間労働で育児協力者がいない中、子どもと二人きりの密室育児に多くの母親が不安や孤独を感じています。
こうした中、産後鬱など支援が必要な母親たちがふえています。ホルモンの劇的な変化などを要因に産後鬱を発症する母親は十人に一人と言われ、成育医療研究センターの調査では、産後二週間時点で産後鬱陽性者の割合は四人に一人という報告です。産後ケアセンターは、育児不安解消や児童虐待予防を目的につくられましたが、設立から十年たち、その役割はますます重要になっています。
私も産後鬱を経験したということは、この区議会で何度も申し上げております。区の支援の中で、私も産後ケアセンターを利用させていただきました。余談にはなりますけれども、私が議会で産後鬱だったと話すのは、それだけ病気になる人が多いなということを私自身も実感しているからです。この病気を公言する人が、例えばがんなどと比べて絶対的に少ない中、このやりとりを見た方々が、人知れず悩んでつらい思いをしている母親に、元気になった人がいるよ、治療すれば治る病気だよと伝えていただきたいと思うからです。
産後鬱の私も利用することで休息ができまして、母乳育児などに助産師さんが丁寧に指導、ケアを行ってくれ、ほかの母親と交流する中で、自分だけが悩んでいるんじゃないと思えたことなど、このセンターを利用することでつらくて大変な時期、本当に助けられました。
先日、センターの視察を行いましたが、母親たちから、ここに来て元気を取り戻せた、世田谷区民でよかったなどの声を伺いました。センターの質を支えているのは二十四時間常駐している助産師です。産後の母親の回復を促し、育児の自立支援などを行う産後ケアには助産師の専門性が必要です。この点では、事業者公募の条件に、現在の人員配置、職員の継続雇用の協議が明記されており、評価いたします。
一方、センターの年間稼働率はここ数年九六%以上、競争率は高く、宿泊数の限定や二回目以降の利用は難しいのが実態です。やむなく宿泊は諦め、日帰り利用の方もいます。これまでは区民利用枠に外れても、どうしても使いたいという方には、大変高額ではありますが、事業者の独自枠で利用が可能でした。しかし、今後は全十五室が区民利用枠となる予定です。
このベッド数では、使いたくても全ての方を受け入れることは困難と考えます。利用できない区民に対し、区立施設として広く地域の母子支援機能を持つことが必要です。現に数年前までセンターでは一階ホールを利用し、親子ヨガなど、母子が集まるさまざまな場があり、地域のお母様方で大変にぎわっておりました。
ここで伺いますが、センターは虐待予防の二次予防施設の位置づけではありますが、区立施設として地域の母子支援事業が必要と考えますが、区の見解を伺います。

松本 子ども家庭課長

産後ケアセンターの利用につきましては、条例や要綱にありますとおり、家族などからの支援が受けられず、心身の健康や育児に対する不安がある方を対象としております。利用の必要性の高い方が、情報が届かないために利用ができなかったということがないように、妊娠期面接や乳児期家庭訪問などで適切に御案内をしているところです。
現在、武蔵野大学では、自主事業として、施設の一部を活用して、外部の方も利用できる母乳外来やボディケアサービスを行っております。来年度からの運営事業者につきましても、現在自主事業で活用している部屋のほか、お話がありました一階のホールなどを活用した地域に還元できる自主事業の提案をしていただくこととしており、より多くの方の支えとなる施設として活用してまいりたいと考えております。

江口じゅん子

当区の人口は九十万となっております。そして出生数増加など、先ほど申し上げた状況もあり、やはり宿泊機能を持つ第二の産後ケアセンター、本当に必要になっていると思います。議会でも多くの会派がそれを求めております。
区は国に申し入れを行い、本年八月、厚労省の産後ケア事業ガイドラインにおいて、旅館業法の適用除外となりました。しかし、区民の関心は、それで次の産後ケアセンター設置が進むのかどうか、ここです。区の見解をお伺いします。

松本 子ども家庭課長

産後ケア事業の法的な位置づけがこれからの課題として残されてはおりますが、ガイドラインにおいて、産後ケアセンターのような規模の大きな施設も、条例等で衛生管理基準を定めることで、旅館業法の適用除外とすることが示されたことは前進だと考えております。
産後ケアセンター事業に関する条例が可決され、今後、旅館業法の届け出を行う必要がなくなります。また、将来新たな施設を設置する必要が生じた場合でも、区においてはこの条例が根拠となります。 現在、産後ケアセンターの需要は高く、二回目以降の利用につきましては、全ての希望にはお答えできていない状況にあります。そのため、今年度、委託室数を二室ふやして十三室に、また来年度は区立施設とするに当たりまして十五室として事業を開始してまいります。
今後も世田谷版ネウボラの実施により、利用希望の増加が見込まれることから、医療機関で実施しているデイケアも含め、どういった利用状況となるのか、財政負担も踏まえ、産後ケア事業の拡充の必要性について見きわめてまいります。

江口じゅん子

産後ケアセンター、本当に多くの母親が求めていると思います。ぜひ第二のセンター設立ということについても前向きな検討をお願いいたします。

ゼロから二歳の低年齢児の保育施設整備について

江口じゅん子

それでは次に、ゼロから二歳の低年齢児の保育施設整備について伺います。
当区のことし四月の待機児童数は八百六十一名と実に六年ぶりに減少に転じ、三歳児以上待機児はゼロとなりました。この間、区は認可を中心に、量とともに質を大切にした保育園整備に精力的に取り組んでいます。国が規制緩和を中心とした対策で、逆に待機児童がふえる中、質を大切に認可を中心とした区の整備にこそ効果があることを示しています。この間の区の努力は、保護者からも大きく評価をされています。
しかしながら、待機児の内訳は、ゼロ・一歳児が約九五%を占め、大変深刻です。一刻も早い待機児解消を求めますが、質の確保は最重要課題であり、以下、順次伺います。
さきの福祉保健常任委員会で、低年齢児保育施設の促進ということで、ゼロから二歳の本園整備についての報告がありましたが、今後の整備の考え方を伺います。

菅井 保育計画・整備支援担当課長

待機児童がゼロ歳から二歳の低年齢児となっている状況や、これまでゼロ歳から五歳の認可保育園を中心にあらゆる手法で整備を進めてきた結果、主に新設園等において、三歳児以降の幼児枠に余裕が出てきている状況があることなどを踏まえまして、待機児童解消に向け、保育の質の確保を前提に、今後は、ゼロ歳から五歳の認可保育園を中心に整備しつつ、低年齢児に特化した保育施設の整備を重点的に進めていく必要があると考えております。

保育の質確保の取り組みについて

江口じゅん子

今の御答弁で、質の確保を前提にとありました。区のゼロから二歳児の保育施設の種類はさまざまです。区独自の保育施設である保育室、保育ママ、都の認証、さらに区が許認可を行う家庭的保育所、小規模保育所、事業者内保育所、医療的ケアが必要な子どもの自宅で保育を行う居宅訪問型保育事業があります。本当にさまざまあるということを実感します。求められる面積や人員体制なども施設によりさまざまですが、重要なのは、どの施設でも保育の質ガイドラインに掲げている子どもを中心とした健やかな成長、発達が保障されることです。特に低年齢児になるほど状態の急変や予期せぬ事故が起こりやすくなります。
ことし五月、内閣府が発表した平成二十八年度の保育施設などにおける事故報告集計では、昨年一年間の死亡事故は十三件、このうち認可外が七件を占めました。亡くなったお子さんの年齢はゼロから一歳が十一件、睡眠中が十件です。ここ十年、保育所の死亡事故は年齢がゼロ・一歳、そしてお昼寝などの睡眠中に発生、こうした発生状況は八割を占め、これはここ十年変化はありません。低年齢児保育施設の促進に当たっては、特に乳幼児の命と健やかな成長の保障が必要です。区における保育の質確保の取り組みについて伺います。

有馬 保育認定・調整課長

保育の質を確保する観点から、認可保育所につきましては、児童福祉法や子ども・子育て支援法に基づき、区では平成二十七年度から認可保育所等の運営管理、保育内容、会計経理の三項目に関する指導検査を実施しております。
現在、認可保育所については、新規園を中心に指導検査を実施しておりますが、小規模保育事業や家庭的保育事業等につきましては、区が認可と指導検査の両方の権限を有していること等もございまして、例えば新規開設の場合には、新規の施設整備が一定程度進んだ段階で検査に入るとともに、既存園についても原則として毎年一回指導検査を実施しているところでございます。
また、ゼロから二歳を対象とした施設に限りませんが、区の保育士や看護師等が保育施設を訪問し、保育園を支援する観点から、保育内容や安全管理、衛生管理などのさまざまな悩み、質問について、ともに考えていく巡回指導相談を実施しているところでございます。さらに、運動遊び、パネルシアターなどの保育実践、食育、保健衛生講習会などの衛生管理や健康管理、公立、私立の保育の取り組みを発表し、相互に学び合う保育実践フォーラム、新規開設園に対する開設前研修とフォローアップ研修などのさまざまな研修、地域の保育施設間で保育についての情報交換や施設間交流を行う保育ネットなど、保育の質の確保への取り組みを行っているところでございます。

江口じゅん子

現状の取り組みの確認をいたしました。しかし、来年四月までの保育施設の計画数は約一千六百人、昨年度は過去最大約二千人分の整備を行う中で、本当に多くの保育所、区の努力で開設していますが、そのチェックと指導監督を行う区の役割、ますます重要になっていると思います。現状の仕組み、人員体制で本当に大丈夫でしょうか。以前、待機児アンケートでも紹介しましたが、保育の質を落としてほしくないというのは、多くの保護者の強い願いです。区の見解を伺います。

後藤 保育課長

区では、保育課及び保育認定・調整課に保育士、看護師、栄養士を配置し、巡回指導相談、研修、指導検査等のさまざまな手法を取り入れ、保育の質の維持向上に取り組んでおりますが、お話しのとおり、施設数は年々増加しており、将来、現在の人員体制で現状の仕組みを同様に継続していくことには課題があると考えております。
例えば巡回指導相談は、保育士と看護師等の二名ペアで各施設を訪問し、さまざまな相談に対応し、一つの施設について数回訪問しておりまして、来年度は訪問施設数が約二百七十施設となり、少なくとも五百二十回以上の訪問回数となる見込みでございます。 巡回指導相談は、さまざまな悩み、質問を事業者と一緒に、その施設の状況に合った対応を考える身近な相談相手として、保育施設からの相談を受容し、寄り添いながら、きめ細やかに対応することにより、保育施設との何でも相談できる行政機関として、良好な関係を構築しておりまして、質の維持の観点からいたしますと、一定程度の巡回指導相談は必要であると考えております。
区といたしましては、保育課及び保育認定・調整課の指導育成体制の強化とあわせまして、区立保育園が中心となって、近隣の保育施設のより身近な相談相手としての役割を担うことや、保育施設同士の自主的な交流の場である保育ネットの活用などにより、全ての保育施設が質の高い、子どもを中心とした保育を実践できるよう、現場とともに取り組んでまいります。

江口じゅん子

今の御答弁で、巡回指導相談、来年度は訪問施設数が約二百七十施設、少なくとも五百二十回以上の訪問回数となるということで、現場も、大変な労力、人手が必要かなというふうに思っております。しかし、世田谷区の保育の質を支えている一つにこの巡回指導相談はあるわけで、ぜひそれにふさわしい人員体制も要望しておきたいと思います。
そして、ゼロから二歳児の保育施設には、三歳児以降の連携園をどうするかなど、さまざまな問題があります。私もこの間小規模保育所の運営費の底上げや保育室支援など質問も行ってまいりました。区のガイドラインでは、ゼロ歳児から幼児教育は始まっているという位置づけで、保育士のかかわり方やまた集団の中での子ども同士の関係づくりの大切さについて示されております。ガイドラインの趣旨に沿って低年齢児の施設について、しっかり検証する必要があります。
そこで、課題の一つである三歳からの保育所への円滑な接続について伺います。
私ごとではありますが、私の子どもも二歳までの小規模保育所を卒業し、三歳から新しい保育園に入りました。入園前には、親子ともに園長先生による詳細な面談を受けました。しかし、親としては一回の面談で伝え切れなかったことや、保育園には春休みはないので、三月三十一日まで一クラス七名の小さな園にいて、そして翌日、四月一日からいきなり新しい園の大集団に切りかわることに不安も感じました。私と同じ三歳入園組の保護者に伺うと、新しい環境になじむのに子どもなりに時間がかかるし、負担は大きい、こういった声を聞いております。
従来までは、多くの子どもたちは入園から六歳の卒園まで同じ園におりました。また、一昔前でしたら、ゼロから二歳児の保育施設は地域との関係が深い保育室、保育ママが主でした。おのずと卒園後は、同じ地域にある認可保育所へ接続となり、なじみや関係性も高く、円滑な接続もできやすかったと感じます。
その後、低年齢施設の多様化や在籍児童数の増加、さらに受け入れ先の三歳からの園も新設が多くなっております。私は、保育の質と継続性の担保という観点で、低年齢児保育施設から三歳での入・転園における新たな支援が必要と考えます。 小学校入学においては、円滑な接続などを目的に、国の保育指針において、保育園から子どもの育ちの記録を保育要録にて伝達をします。三歳からの入・転園においても、例えば食物アレルギーや、そして持病への対応、経過や保護者との関係など、前の園から新しい園に引き継ぐ記録があれば、保育の質の向上につながるのではないでしょうか。
現場の負担の問題や保護者の同意など、課題はありますが、区としての見解を伺います。

後藤 保育課長

子どもを中心とした保育、こちらの展開に当たっては、心身の発達の基盤が形成される時期のゼロ歳から二歳児保育の実績を踏まえた上で、三歳児以上の保育が展開されることは極めて重要と考えております。
現在、お話しのとおり、同じ事業者が運営する保育園間、小規模保育事業から連携保育園の転園の際には、子どもの育ちについて情報を共有することができておりますが、そのような連携施設がなく、三歳児から新たな保育園に転園する場合には、個人情報保護の観点から、改めて入園前面談を行い、保護者からの聞き取りを行っている状況でございます。
入所前の子どもの保育環境や生育歴、保育時間や期間などは、これまでの子どもの育ちについて理解する重要な情報であることから、引き続き、保護者への方々との詳細な面談を実施するとともに、必要に応じ、個人情報に十分留意しながら、保護者の方々の御理解、御協力を得まして、施設間での情報が行われるような工夫についても検討してまいります。

江口じゅん子

もこの件である保育室からお話を伺いました。今現在は、何かあれば送り先の園からこの保育室に問い合わせが来て、対応している。また、記録が新たにふえるということで手間の問題もありますが、連携ということは大切だというお話を伺いました。保育所によりさまざまな受けとめがあり、区としては、例えば園長会などで問題提起などもしてもらいたいと思います。
この点でも、小規模保育所などにはこうした会議体は現在はないと認識しております。現場の小規模保育所の方からもお話を伺いましたが、区からの情報が伝達されない、協議の場がないという意見が届いております。
保育の質ガイドラインでは、多様な形態の保育施設の支援ということで、定期的に園長会や事務連絡会などを開催し、区の事業などの進捗状況の説明や保育施設間の情報共有の場を設定していると、このように明記していますが、その実践はこれからだと思います。ぜひこういった協議体についても設置の検討をしていただきたいと思いますが、区の見解をお伺いいたします。

後藤 保育課長

小規模保育事業等の地域型保育事業につきましては、これまで各事業者と個別にきめ細やかな情報提供等を行い、運営支援を実施してまいりましたが、私立認可保育園の施設長による任意団体である民間保育園連盟に類した区内事業者による組織体がないため、事業者が一堂に会し、相互の情報共有を図ることのできる機会が少ないという課題があると認識しております。
地域型保育事業は、御承知のとおり、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業の四つの類型がありまして、事業ごとに基準等が異なるため、どこまで共通の課題として共有できるか、また保育所と比較して、職員数が少ないことなどから、会の開催時期や時間等の制約といった課題もございます。
区といたしましては、事業者の意向を伺い、より効果的な機会が設定できるよう努めるとともに、今後も各事業者に寄り添ったきめの細かい対応を行うことにより、低年齢児の保育を担う事業者が質の高い保育をさらに実践できるよう、ともに取り組んでまいりたいと考えております。

江口じゅん子

保護者は何より保育の質、これを重視しております。世田谷区への期待も大きく、保育の質ガイドラインをさらに高めるその取り組み、実践、ぜひこれをお願いいたします。

介護予防・日常生活支援総合事業について

江口じゅん子

そして次に、第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案について伺います。
国では、ことし五月、地域包括ケアシステム強化のための介護保険法などの一部を改正する法律が可決されました。一定所得以上の方への利用料の三割負担、財政的インセンティブ、そして「我が事・丸ごと」地域共生社会の名で、自治体による強引な介護サービスの取り上げや福祉に対する法的責任の大幅な後退が危惧をされております。こうした中、区では、第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案が示され、現在策定中と思いますが、順次これについて伺ってまいります。
まず、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。
昨年四月から始まった総合事業は、六十五歳以上の要支援一、二で基本チェックリストで一定の基準に該当した方を対象に、従来の介護保険サービスと同様の現行相当サービスや住民主体によるサービスなどに置きかえていくものです。我が党は、総合事業に対し、介護保険の給付抑制が目的ではあるが、サービス後退とならないことを求めてまいりました。
ここで伺いますが、総合事業開始から一年半たち、現時点での評価や課題、また平成三十年度以降も専門職による現行相当サービスを継続するのか伺います。

相蘇 介護保険課長

介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、平成二十八年四月より開始をいたしまして、認定の更新に合わせて順次利用者を移行し、平成二十九年四月より本格実施しております。
本事業は九割以上が従前相当サービスを利用しており、区が独自に基準を定めたサービスについては事業者の参入が少なく、利用も伸びておりません。また、住民主体型の通所サービスについては、少しずつ利用団体がふえてきておりますが、さらにふやしていく必要があると考えております。
利用者の多くが従前相当サービスを利用していることを踏まえ、区では、事業者や関係団体と事業内容等について議論を重ねてまいりました。その中には、事業者より月額報酬で設定している従前相当サービスの継続を求める声が上がっておりました。 国は、平成二十九年六月に総合事業のガイドラインを改正し、従前相当のサービスを平成三十年度以降、引き続き制度として実施することを示しております。これを踏まえて区では、従前相当サービスを引き続き実施する方向で検討を進めております。 従前相当サービスを初め総合事業につきましては、今後、基準の見直しや報酬の上限設定などの国の動向を注視するとともに、介護人材の不足への対応や支えあいによる地域づくりに向け、専門職以外の多様なサービスの担い手の育成、サービス量の拡大に引き続き取り組んでまいります。

江口じゅん子

利用者の九割が専門職による従前相当サービスを利用している状況の中、今後も継続するということなので、しっかりお願いしたいと思います。

第七期計画における保険料について

江口じゅん子

次に、第七期計画における区民にとっての最大の関心事である保険料がどうなるか、これについて伺います。
区の第六期の介護保険料の基準額は月額五千八百五十円です。基準額の第六段階は本人が住民税非課税となっております。高齢者の実態は年金が引き下がる中、医療費の負担は大きく、また国民健康保険など保険料も値上がる中で、今でさえ高い介護保険料は高齢者にとって大きな負担です。基準額が上がるもとで、区は保険料区分の多段階化など低所得者への配慮を進めてきました。この点は評価します。
七期保険料の軽減対策について、そして保険料の全体を引き下げるためにも、今現在三十億円積み上がっているということですが、準備基金の活用が必要と考えます。あわせて見解を伺います。

相蘇 介護保険課長

現在、区では、平成三十年度から三十二年度の第七期の介護保険料について、地域保健福祉審議会に考え方をお示しし、御議論をいただきながら検討を進めているところでございます。検討に当たっては、介護保険制度の安定した財源を確保するための介護給付費準備基金の活用や現在三・三倍に設定している基準額と比較した上限設定、所得金額区分段階数の増、低所得者対策などをポイントとしております。低所得者対策については、第一・第二段階の保険料率軽減や第三・第四段階の区独自軽減等の継続などを検討するとともに、国の消費税率改定に付随した取り組みについても動向を注視して対応してまいります。
第七期の保険料は、被保険者や給付額の増加、被保険者の負担割合の変更等により、保険料の上昇は避けられないと考えておりますが、上げ幅をできるだけ抑えるとともに、持続可能な介護保険制度となるよう検討を進めてまいります。
今後は、検討の状況について、適宜、常任委員会に御報告させていただくとともに、給付費の実績等をもとにした第七期の給付料の見込みを十一月に推計し、来年一月ごろに国から示される予定の各種係数や介護報酬改定の内容を反映させ、二月に保険料額の案を提示し、三月末に確定させていただく予定でございます。

江口じゅん子

今の御答弁で、上げ幅をできるだけ抑えるとともにということなので、さまざまな課題はあると思いますが、ぜひその努力、区としても精いっぱいお願いしたいと思います。
そして、これから介護保険料はどうなるかということです。区の第六期計画の試算では、二〇二五年、介護保険料の基準額は月八千五百七十七円となります。これは制度発足時のほぼ三倍になります。ここで介護保険の財政構成についてパネルがありますので、御説明します。
小さいので、見にくいかもしれません。介護保険の財源構成は、利用料を除いて公費と保険料によって賄われます。公費財源は五〇%です。国が二五%、そして東京都が一二・五%、区市町村が一二・五%、公費財源五〇%、そしてこちらが私たちの保険料で五〇%という財源構成になっております。先ほど国が二五%と言っておりましたが、実はこの中には調整交付金の五%が含まれております。この調整交付金というのは、後期高齢者の比率が高い自治体などに重点的に配分されるというものです。 介護保険の財源構成は、このように公費五〇%、保険料が五〇%となっておりますが、特養ホームなどの施設整備などがふえたり、介護職の労働条件を改善すれば、当然この保険料や利用料の負担にはね返る、そういった根本矛盾を抱えております。そもそも保険料が高い、この原因は、介護保険発足時に国庫負担率を従来の給付費の五〇%から二五%に引き下げたことにあります。しかもこのうち五%が調整交付金が入っているといった状況です。
こうしたことから、全国市長会、そして特別区長会でも被保険者の保険料負担を軽減するため、調整交付金は二五%の外枠にして、全ての自治体に最低でもこの二五%がちゃんと確保されるよう繰り返し要望しております。私、この特別区長会の要望はまさにそのとおりだと思っております。サービス量がふえれば介護報酬は増大し、介護保険料にはね返る介護保険の制度設計は限界に達しているのではないでしょうか。
区は、国保の広域化については、特別区長会でも多子世帯の負担軽減など積極的に要望しておりますが、介護保険に対する国の公費負担増についても発信をしていただきたいと思います。これは本来なら、区長に伺うところではありますが、本日はいらっしゃらないので、副区長、いかがでしょうか。

宮崎 副区長

今御紹介いただきましたように、この制度スキームの平成十二年の創設のときに私もかかわらせていただきました。この間、担当のほうからも御説明していますように、この介護保険制度をつくる際には、やはり持続可能な制度にしていくということがまず大切な観点だろうと思っています。そういう中で、約十七年経過の中で、この高齢化の進展、それから少子人口減少時代を迎えまして、改めてこの制度スキームの検証は避けて通れないものだと認識しております。
この間も、区長会を通じまして、特別区の実態に合わせまして、制度改善の要望を出してきております。先ほど申しましたように、介護保険制度の意義を含めまして、安定した制度運用に照らした主張を続けてまいります。

江口じゅん子

今、副区長がおっしゃった制度スキームの検証は避けて通れない、まさにそのとおりだと思います。現状でも二十三区区長会のほうでこういった要望をしているということで、引き続き、その発信はぜひお願いしたいなと思っております。

介護士の人材確保、処遇改善について

江口じゅん子

第七期の計画について順次伺ってまいりました。そして、この質問の終わりに、介護士の人材確保、処遇改善について伺います。
介護現場の深刻な人材不足は、区の平成二十八年度世田谷区介護保険実態把握調査報告書事業者編においても明らかです。議会にはもう既に配られていますが、この厚い資料です。この中に人材確保の状況について調査があります。人材確保の状況では、不足、やや不足の回答が六割、サービス提供における課題の問いに対しては、スタッフの人数不足が四割半ばという回答、そして不足している理由を伺うと、給与が労働条件に見合わないが六割半ばと、本当に介護現場の深刻な実態がうかがえます。
国は、平成二十七年度に介護職員処遇改善加算を行いました。しかし、この加算の対応はどうですかということで、区の調査を聞いておりますが、対応なしが三割半ばとなっております。区内の介護事業者の七割以上が従業員十九人以下の小規模な事業所になっております。私、この問題、昨年の決算特別委員会でも行いまして、国の処遇改善加算の課題のほうを説明させていただきましたが、特に小規模の事業所で加算取得が難しいと指摘をされており、区の調査でもそれが裏づけられたかなというふうに思っております。
世田谷区が第七期策定に当たっての実態調査で、人材確保や、そして処遇改善について詳しく調査をしていることは評価しますが、問題はそれを具体的にどう施策に生かしていくかということです。第七期の素案では、福祉・介護人材の確保及び育成が章立てをされておりまして、「地方からの転居費用や宿舎借り上げ経費などの負担軽減策の検討」と明記をされておりますが、その検討状況について伺います。

柳澤 高齢福祉課長

介護需要が高まる二〇二五年に向け、地域包括ケアシステムの基盤を整備する上でも、介護人材の確保、育成は喫緊の課題であると認識しております。
区では、これまでもハローワークと連携した就職面接相談会や介護施設バス見学会などを実施しているほか、初任者研修や実務者研修の受講料助成、介護福祉士の資格取得費用の助成事業を行っております。また、身近なところで職種や経験に応じた研修やセミナーが受講できるよう、福祉人材育成研修センターを設置し、年間二千人を超える方に研修受講などで御利用いただいています。 現在策定中の第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案においても、介護人材の確保及び育成は重点課題の一つとしてお示ししているところです。これまでの取り組みに加え、地方から区内介護サービス事業所に就職する際の支援や宿舎借り上げに関する助成など、その財源や効果などの観点から検討してまいります。

江口じゅん子

世田谷区がこうした宿舎借り上げ経費や地方からの転居費用と、踏み込んで明記をして、現在検討されているということは評価をしたいと思います。さらに、やはり深刻な介護現場の人材不足という状況ですから、踏み込んだ対応が必要かと思います。

要福祉専門学校からの要望書について

江口じゅん子

先日、区内で唯一の介護福祉学科を持つ世田谷福祉専門学校から区と区議会に要望書が届けられました。内容は、深刻な介護現場の人材不足がある中、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修の受講料助成金の拡充強化、介護福祉士養成学校の学費助成金の予算化と要望事項が書いてありました。
私、この件について校長先生からお話を伺ってまいりました。校長先生からは、今後も増大する介護現場の人材確保において、中長期的な視野に立ったすぐれた人材の育成が不可欠、介護職の入り口である介護職員初任者研修、介護福祉士の資格取得のために義務づけられている介護職員実務者研修のこうした修了者をふやすことが必要だが、ネックの一つは高い受講料、実務者研修は修了している資格やスクールにより受講料は異なるが、当校では最高で約十七万円の設定、こうした中、昨年、区が実務者研修の受講料助成を行い、現場からは大変評価の声が聞かれていると、こういったお話を伺ってまいりました。
区としては、この要望書が届いて、もちろんごらんになっていると思います。ぜひ受けとめをお願いいたします。

柳澤 高齢福祉課長

委員からお話のございました要望の背景としては、介護職員を取り巻く環境が厳しく、また専門知識、技術を習得して介護の仕事につくために、養成機関等で学ぶための費用負担がネックであると認識しております。 区では、これまでも独自に介護の仕事につくための入門的研修である初任者研修の受講料助成に取り組み、これまでに約九百五十人に助成を行ってまいりました。また、本年度からは、実務者研修の受講料助成も行っており、この十月から申請の受け付けが始まったところです。このほか、国や都においても、教育訓練給付金制度やトライアル雇用事業など、さまざまな人材対策関連施策を行っております。
御要望の点につきましては、さきほど御答弁申し上げた支援策を含め、総合的に判断する必要があると考えております。今後、介護人材の確保、育成、定着支援に取り組み、課題分析を行い、対応策の検討を進めてまいります。

江口じゅん子

介護職の人材確保と同時に、やはり質の向上、これは本当に求められることです。多くの調査で介護現場の虐待がふえている、こういったことも示されております。区として、どこまでこうした研修の助成を行うかということは、大変大きな課題ではありますが、他区では十割、全額負担をしている、そういったところもあります。ぜひ先進自治体の取り組みなども検討していただいて、区としてのさらなる処遇改善、人材確保策についての検討をお願いしたいと思います。

手帳の交付ができる認知症の対象者について

江口じゅん子

そして、最後に、認知症の方も精神障害者保健福祉手帳がとれますということについて伺いたいと思います。
区内で何らかの認知症状がある方は二万一千六百人いらっしゃいます。高齢者人口の約一二%を占め、中にはピック病など若年性認知症の方もいらっしゃいます。認知症は経過が長いこともあり、医療費や介護費用など経済的負担は大変大きいものです。特に若年性認知症では、家計や家庭の中心を担う世代の発症であり、ローンや教育費などを抱える中、生計に深刻な状況をもたらします。
そして、認知症の方でも精神障害者保健福祉手帳をとれるということは大変経済的な助けになりますが、その周知、まだまだ十分でないと考えます。
ここで伺いますが、現在、区内で手帳の交付ができる認知症の対象者はどのような方で、何人いるのでしょうか。また、手帳取得によるメリット、そして現在の周知方法について伺います。

髙橋 介護予防・地域支援課長

認知症は、国際疾病分類において精神疾患に分類されるため、認知症の診断を受けた場合、精神障害者保健福祉手帳の申請を行うことができます。手帳を取得されますと、税金の控除や交通機関の運賃割り引きなどが受けられるほか、民間保険の中には、認知症の進行度により、住宅ローンの免除なども受けられます。加えて六十五歳未満の方は、手当や障害基礎年金を受けることができます。
区では、認知症講演会や認知症サポーター養成講座等の際に手帳の説明を行っておりますが、働き盛りに発症される若年性認知症の方は経済的な問題も生じますので、御本人と家族のサービスのための制度と紹介のリーフレットを作成し、制度の周知に努めております。今後も、福祉の相談窓口や「区のおしらせ」、ホームページなど、多様な手法で周知を一層進め、認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らし続けていただけるよう、認知症施策を総合的に推進してまいります。

江口じゅん子

ぜひ周知を一層進めていただきたいと要望します。
それでは、これで日本共産党の質問を終わります。

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