江口区議が決算特別委員会にて質問を行いました。

2017年10月03日 江口じゅん子区議

国民健康保険の広域化について

江口じゅん子

日本共産党の総括質疑を始めさせていただきます。
私からはまず、国民健康保険の広域化について伺います。
来年の四月から国保は広域化となり、運営主体、これは保険者といいますが、都道府県と区市町村の共同運営となります。都道府県は財政運営の責任を担い、区市町村は従来どおり賦課・徴収などの国保の実務を行います。目前に迫る広域化に対し、区議会でも七月に、国や都へ財政支援などを要望する都への意見書などを求める陳情が提出、継続審議となりました。今でも高過ぎる保険料が、さらに値上がりをするのではないかなど、区民の関心、不安が高まっていると実感しております。
さきの福祉保健常任委員会で第一回の都の国保運営協議会における保険料試算と、そして東京都国民健康保険運営方針素案、こちらにありますけれども、報告がありました。
まず、ここでお伺いしますが、国民健康保険運営方針とはどのようなものか伺います。

板谷 保健福祉部長

東京都国民健康保険運営方針は、来年度から実施となります国保の制度改革、いわゆる国保の広域化の一環として、都が区市町村とともに国保の保険者となることに伴い、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保のため、都内の統一的な運営方針として都が定め、区市町村が担う国保事務の効率化、標準化、広域化を推進するものと位置づけられております。
厚生労働省からは、国保運営方針の必須記載事項や任意事項が定められたガイドラインが都道府県に対し本年四月に示されております。都道府県は、区市町村の意見を聞いた上で、都道府県の国保運営協議会での議論を経て、地域の実情に応じた国保運営方針を定めることとされております。

江口じゅん子

今るる御説明があったように、運営方針とは、これまで区市町村が独自裁量で決定、実施してきた保険料の賦課や、保険業務実務の統一のルールを定めるものです。
一方、国は、これを技術的助言、つまりガイドラインとしており、保険料賦課決定権、予算決定権は、これまでどおり区市町村にあります。これまで各自治体は地域の実情に応じて保険料負担軽減のために一般会計から法定外繰り入れを行うなど、さまざまな努力をしてまいりました。広域化により、医療費給付の抑制や、そして高過ぎる保険料の高騰、徴収強化につながることが危惧をされております。
こうした中、昨年十二月に二十三区の特別区長会で国に対し、国庫負担の充実や、低所得者や子育て世帯に対する財政措置などを求めた緊急要望を行っております。既に議会の皆様はごらんになった方が多いかと思うんですけれども、改めてこの特別区の緊急要望について御紹介をしたいと思います。
要望事項は五つあります。主なところを抜粋して申し上げますが、①国庫負担を充実させ、国保財政基盤の強化拡充と被保険者の保険料負担軽減を図ること。②低所得者層へのより一層の保険料負担軽減を図るため、国の責任において必要な財政措置を講じること。③子育て世帯の経済的負担を軽減するため、国の責任において区市町村の補助制度に対する財政措置を講じること。⑤都道府県移行については、住民サービスが低下しないよう激変緩和策を講じるとともに、必要な財源措置を講じることと、二十三区の特別区の緊急要望、こういったものが厚生労働大臣宛てに出されております。区長会の総意ということですね。
こうした区長会の緊急要望が今回の素案に反映されているのでしょうか。ここは大変気になるんですが、区の受けとめをお伺いします。

板谷 保健福祉部長

このたびの素案には、区がリードして特別区長会要望とした多子世帯軽減を初め、都独自の施策や財政面での支援など意見要望として上げていたものが十分に反映されているとは言えないと考えております。

江口じゅん子

十分に反映されているとは言えないという、こういった状況の中で、この特別区の緊急要望というのは、区がリードして多子世帯の軽減や財政支援など要望を上げたという趣旨でしたけれども、それが反映されていないということでしたが、こういった要望は、区としてどのような背景でこういう要望をされたのか、まずそこをお伺いしたいと思います。

板谷 保健福祉部長

国民健康保険は、被保険者の年齢構成が高く、医療費水準が高い一方で、被保険者の所得水準が比較的低く、保険料負担が大きいという構造的な課題を抱えています。そうしたことから、国が示す保険料激変緩和措置に加えて、被保険者の負担に配慮した激変緩和措置を講ずることなど、都の財政負担を求める要望もしております。
また、少子化対策が国を挙げて大きな課題となっている中、国民健康保険では収入のないお子さんにも均等割の保険料がかかり、多子世帯の方の負担が重くなる仕組みとなっていることから、多子世帯の保険料負担軽減について要望したところでございます。

江口じゅん子

今御答弁をされたように、国保は、加入者に高齢者、無職、非正規雇用など低所得者が多く、所得水準が低い、医療費の水準が高い、財政基盤が弱いという構造的課題を抱えています。こうした方たちに国保料は重くのしかかっております。
区では、国保加入者の約八割が旧ただし書き所得二百万円以下、こういった方が約八割を占める、こういった状況です。ことしの二十三区の平均保険料は十一万八千四百四十一円、前年度比で七千二百五十二円と、過去五年間、最高の値上げ幅、額でした。ことしのこの保険料が、例えば給与所得三百万円で、子どもが一人いる世帯では年間保険料が約三十万円になると、給料の一カ月分にもなります。
区にはことしの保険料通知に対し、なぜこんなに高くなったのかなど、問い合わせの電話が一カ月で五千二十二件あったと聞いております。すごい数ですけれども、例年よりは少なかったということですが、一カ月で五千件以上ということで、区民の関心は大変高いものとなっています。
こうした国保料が高い根本的な要因は、国が昭和五十九年に国庫補助率の大幅な引き下げを行ったことにあります。ですから、区長会の緊急要望でも、先ほど申し上げたとおり、国庫負担の充実を求め、そして全国知事会では国保料軽減のために具体的に一兆円の国庫負担増が必要と、これは全国知事会が要望しているんですね。
同時に、今問われるのは広域化で、区とともに運営主体となる東京都の保険者としての役割についてです。高過ぎる保険料のもとで、払いたくても払えないという多くの切実な実態があり、特に低所得者、子どもが多い世帯の支援は喫緊の課題です。東京都として加入者の負担軽減のための独自の減免制度や財政支援が必要です。区としては、今後、都にどのように働きかけていくのかお伺いします。

板谷 保健福祉部長

先ほど申し上げたとおり、このたび示された東京都国民健康保険運営方針の素案には、多子世帯軽減などの都の独自施策については触れられておりません。子育て支援策としての保険料軽減策の検討を求める区市町村の意見に対し、東京都では子どもの均等割保険料軽減などの導入については、全国知事会を通じて国に対し提案要望をしており、多人数世帯の負担が大きい等の制度上の課題については、国が責任を持って対応すべきことと考えているとしております。
区といたしましては、都に対し、都も新たに国保の保険者となることも踏まえ、被保険者である区民を初め都民への影響も考慮し、都独自の軽減策や財政負担について検討し、都の国保運営方針に反映するよう、引き続き働きかけてまいります。

江口じゅん子

引き続き働きかけていくということで、ぜひお願いしたいと思います。
それでは、この質問の最後に、区長にお伺いいたします。質問の冒頭で運営方針素案について伺いました。この素案は、確かに東京都が策定、決定するものですが、区市町村と協議を通じての策定作業になります。率直に申し上げて、区長会要望が素案に入っていないことは残念であり、この素案が都と区の共通認識でよいのか、大いに危惧をしております。
広域化の今後のスケジュールは非常にタイトでして、十一月下旬には、都の運協に納付金・標準保険料率の算定、国保運営方針案を諮問、その場で答申、十二月の都議会第四回定例会において条例と運営方針が決定の見込みです。
こうした中、区長の素案に対する受けとめ、そして今後どうされていくのか、見解を伺います。

保坂 区長

この国民健康保険運営方針についてなんですが、今回の法改正によって新たに定められたもので、都道府県が管内区市町村の意見を聞いた上で、統一的な運営方針として都道府県、我々の場合は東京都が定めるというふうにされています。
この都が運営方針を策定するに当たって、委員のお話にもありましたが、国民健康保険制度の抱える構造的な問題、そして運営方針策定に当たってのベースとなる認識は本来共通であるべきだと考えていますが、子ども・子育て応援都市というお話も先ほどありましたけれども、子どもが多ければ多いほど負担が重くなるというのが現行の制度であって、逆説であれば、なるべく子どもは少ないほうがいい、このようになっています。東京都が保険者になるに当たって、自治体としてどのような是正策を行うのかどうかというところが、いま一つ明確に見えてきていないということがございます。
この点は、引き続き特別区長会で議論を高めて、やはりスタートの時期は改革の一番入り口でありますので、あえてその視点を反映して運営が始まるように意見を出していきたいし、そのように変えていきたいというふうに強く思っているところです。

江口じゅん子

高過ぎる国保料の軽減に、都としての財政支援は不可欠ということで、ぜひ区長の働きかけを期待したいと思います。

第七期の世田谷区介護施設等整備計画について

江口じゅん子

それでは、次の質問に移ります。
次に、第七期の世田谷区介護施設等整備計画について伺います。
現在、区では第七期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案が示され、策定作業が進んでおります。地域では特に介護基盤の整備、特別養護老人ホームの整備の期待は高まっており、このことについて、以下伺ってまいります。
まず、九月の高齢者福祉・介護保険部会において、区は介護施設等の整備状況と今後の整備の考え方という文書を提起しております。この文書にある世田谷区介護施設等整備計画とはどういうものか。介護保険事業計画などの位置づけですとか、そういったことについてお伺いします。

瓜生 高齢福祉部長

世田谷区介護施設等整備計画は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律の規定により、事業の実施に関する市町村計画として策定するものです。世田谷区では、区内で整備が必要な地域密着型サービス、特別養護老人ホームや都市型軽費老人ホームなどの介護施設等の整備に関する事項等を定めております。
本計画を策定するに当たりましては、介護保険事業計画との整合性を保つ必要があるため、区では、第七期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定とあわせて、平成三十年度から三年間を計画期間とする次期整備計画の策定作業を進めております。今後、十一月の常任委員会で整備計画案を御報告させていただき、第七期高齢介護計画案とあわせ、来年二月の常任委員会で報告の上、三月に第七期高齢介護計画及び次期整備計画を策定してまいります。

江口じゅん子

要するに世田谷区介護施設等整備計画というのは、施設整備の中長期的な計画という位置づけだと、今の御答弁で認識をしました。先ほど申し上げた文書の中で特別養護老人ホームの今後の方向性も書かれております。まず、二〇二五年を目途に一千人分の整備を目指すということ、そして、二〇二五年における入所必要数について、現在の入所指針七十五ポイント以上を基準として、直近の高齢者人口や要介護認定状況などを踏まえた検証を行い、中長期計画を見直すとあります。
ことし七月の新たな世田谷区将来人口推計では、二〇二五年の高齢者人口は、六期計画に比べて一・〇六倍の約十九万五千人増加をするということになっております。さきの他会派の質問でもありましたが、やはり新しい人口推計を受けての整備計画見直しは必要と考えますが、認識を伺います。

瓜生 高齢福祉部長

平成二十九年一月一日現在の二十三区の特養ホームの整備率は一・二一%で、世田谷区の整備率は〇・八%ですが、二〇二五年までに新たに約千人分の整備を進めますと、整備率は一・二六%となる見込みでございます。
区の特養ホームの計画数は、高齢者人口だけではなくて、要介護認定者数、入所申込者数の推移や要介護度分布、新規の入所者数等を勘案しまして、三年ごとに策定する介護施設等整備計画で定めております。必要な方が速やかに入所できるよう、特養ホームの整備に努めるとともに、在宅生活を支える地域密着型サービスの推進にも着実に取り組んでまいります。

江口じゅん子

今、部長は、必要な方が速やかに入所できるよう、特養ホーム整備に努めるとおっしゃっていましたが、大変重要な御認識だと思っております。区内の特養ホーム待機者はここ何年も二千人以上の高どまりでした。平成二十七年に入所が要介護三以上と厳格化され、現在はそのため、一千七百五十四人となっていますが、本質的には待機者は減っていないのではないかと認識しております。
ここにパネルがあるんですが、世田谷区の特養ホーム入所指針があります。改めて特養ホーム入所指針、この七十五ポイント以上というのはどういうことか、見ていきたいと思います。
例えば私の父親が要介護三として特養ホームの申し込みをすると。その場合はどうなるかということで、最大限点数をつけてみたいと思います。
まず要介護度ですが、要介護度三から特養入所できるということなので、要介護度三、二十、そして介護期間ですね、最高の二年以上、二十ポイント、そして介護者などの状況ですが、満点をつけるにはここのところで四個以上必要ということで、七十歳以上、介護保険の認定を受けている、障害がある、病弱である、この四個以上で二十点。行動心理症状、徘徊、それから暴力的な行為があって危険、これで二個以上の十点となっております。
計算していただくと、これだけでは七十ポイントなんです。これでは入所指針七十五ポイントには足りないんです。この状況を見ますと、私が入ってほしいというその父は要介護度三で、暴力、徘徊があって、介護する母も介護保険を受け、障害、病弱と、この時点でもう老老介護が破綻しているというか、大変厳しい状況だと思います。しかし、それでも七十五ポイントには足らない。七十五ポイントに達するには、ここにありますとおり、介護期間が継続して要介護三以上であった場合の加点、二年未満の五ポイント、これがついて初めて七十五ポイントと、入所資格が得られるということになります。
つまり、区の入所指針は待機時間が前提であって、さらに待機者は今一千七百五十四人いるので、七十五ポイントでもすぐには入所できない、待たなくはいけないという、そういった状況です。
では、特養ホームを待っている方、その間どうされているんでしょうか。私、区内のある事業所のケアマネジャーさんに実態を伺いました。徘徊、暴力、要介護の状態で二年も高齢の家族が介護することはできず、子どもが介護離職をしたりとか、お泊まりデイや小規模多機能、また、老健などで待っているうちに亡くなる方も多い。認知症グループホームは重度で寝たきりの方が多くなり、軽度の方が入れなくなってきている、こういった状況でした。
区としては、こういう実態、ぜひ把握していただきたいと思うんです。特にお泊まりデイは安くて長期間の利用は可能ですが、営利目的でサービスに問題があり、区内では以前、死亡事故も起きたことなど、議会でも多くの会派が指摘をしております。特養ホーム入居待ちの間の高齢者の実態をつかむ上でも、お泊まりデイの一斉調査の定期化など、ぜひ検討していただきたいと思いますが、見解を伺います。

瓜生 高齢福祉部長

特養ホームを希望して入所できない方には、年一回、実態調査を実施しております。実態調査では、希望ホームの変更がないか、居住場所、介護者の状況、行動心理症状を確認しております。
先ほどの千七百五十四人の方の居住場所を見てみますと、在宅が四二%、次いで老健が二〇%、病院が一五%、療養型が三%、その他が一九%となっております。
今後、希望調査の中で利用サービスの状況の確認について検討していきたいと考えております。また、御指摘のお泊まりデイ、地域密着型サービスを含め、通所介護事業所等での宿泊サービスについては、世田谷区における指定地域密着型通所介護事業所等で提供する宿泊サービスにおける人員、設備及び運営に関する指針を定め、それに基づいて事業者から届け出を受け、事業者の状況を把握しております。
これまで事業者に対しましてはファクス情報便や文書、ホームページ等で指針や届け出の周知、集団指導を実施するとともに、地域密着型通所介護の実地指導にあわせて宿泊サービスの状況の確認を行っております。引き続き事業者に対する指針の周知を行うとともに、サービスのプランニングを行っておりますケアマネジャーに実施しております研修等によりまして、介護保険制度の目指す個人の尊厳の保持と自立支援に沿った適切なケアマネジメントができるように努め、サービスの質の確保ができるように働きかけてまいりたいと考えております。

江口じゅん子

世田谷区もお泊まりデイの法定外のサービスに対して、できることをしていただいているということですけれども、やはり実態調査は本当に必要なことだと思います。所管に聞くと、当面一斉調査の予定はないということなので、ぜひお願いしたいと思います。 地域の方からは、二〇二五年の特養ホーム一千人分の整備目標に対し、区はよくやっていると評価や期待の声を私も聞いております。ぜひこの一千人分の整備目標、新たな人口推計で高齢者人口がふえ、それから、部長も先ほど御答弁されていましたように、必要な方が速やかに入所できるという、そういったことを大切にしていただいて、整備目標の情報修正、前倒しが必要と考えますが、区の見解を伺います。

瓜生 高齢福祉部長

世田谷区の特養の入所指針では、介護度、介護期間、介護者の状況、行動心理症状によりポイントを付与して、ポイントの高い方から優先入所いただく仕組みとなっております。
整備計画を策定する中で、区では入所指針に基づいて一定以上のポイントの方を対象者として推計しているため、現在、待機期間も重要な要素となっております。
第七期計画期間中の特養整備数は、第六期計画中に定めました目標数を上回る見込みで整備が進んでおり、今後三年ごとの計画策定におきましても、入所申し込み状況等の検証を行いながら待機期間を短縮できるよう、中長期の視点を持って全力で整備に努めてまいります。

江口じゅん子

待機期間の短縮、今、部長の御意義を伺いましたので、ぜひお願いしたいと思います。
それでは、私の質問を終わりまして、たかじょう委員にかわります。

 

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